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大いなる君よ。

嗚呼、大いなる。大いなる君よ。

君は始められた。君は初められた。君は、後に続く幾千の幾万の幾億の幾阿僧祇の全人の上にはじめられた。

全て、君からはじまった。はじまってしまった。我々はそれについていくしか出来ない。
かつてには、その始祖があったであろう。始祖とは、偉大なるにせよ、人の内にあった絶対的な情に動かされての事であったろう。が、詠智界の現象に耳を傾けられた貴方こそが偉大であり、何人もそれを批判し得ないと確信できる。

人の内にあった情。それとは畏怖であり、恐怖である。


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火とは、科学の始祖にあり、自然を捉ふ事のはじまりである。
して、それは科学へ動かされた人の始祖である。人が科学へ動いたのではない。科学へ人が動かされたのである。この世界がこうあるのは、常に超自然の存在者の意図であり、これが最善であるからという導きにほかならない。

超自然の何が、であるのだが。それは恐怖であり、畏怖である。

公転するこの星のもたらす闇は、深く、暗く、耐え難い恐怖をもたらす。
暗黒の恐怖は、人を動かしたのである。それから逃れるためではなく、それを打倒するように、恐怖を、征討するように。
人は、火とともに、恐怖を、征伐したのである。否、しはじめたのである。

我々は人である。
始祖から続く人である。我々もまた、怖いのだ。

恐ろしくて、たまらないのだ。

たまらなく、怖いのだ。


して、君ははじめなさった。
恐ろしさを目にし、君ははじめなさった。君がそうなっさったのは、正に超自然の意志でもある。

恐怖の生産を。珍妙の統制を。畏怖の征討を。

そして、我々はそれに続き、継ぐ意思を意志を決めた。

きっかけは些細であったろう。憧憬、羨望、好奇、悪意、そして善意、どれであるかは解らない。しかし、それは些細な問題であったはずである。
何故なら、それは我々の始祖があまりに遠くに経験した経験であるからで。そして、経験していない経験であるからで。

そして、我々は選んだ。筆を取ることを。
そして、我々は送った。その意志を。
そして、我々は立った。後に続く万の人間のその先頭へ、先陣へ。

何故か。

それは、我々が、始祖らの子孫であるからで。超自然の存在者らもそれを望んでいるためだ。
我々もまた、恐怖を、畏怖を征討したいのだ。統制の元に置きたいのだ。

永遠に発展する自然科学と同じように、我々は、ただそれを目指し望んで溺れゆくのである。我々も葦にすぎない。人の特徴を持っただけのあまりに小さい存在者に過ぎない。我々は反抗できない。超自然の意志に従い従属するしか無い。

さぁ、筆を執れ。我々はそうした。君らもそうせよ。
さぁ。
さぁ。無限の恐怖を畏怖を産まんがため。

さぁ。早く。
さぁ。
さぁ。高らかにそれを誇り笑わんがため。

さぁ。
永久の栄光を、無限の感情を、全ての現象と存在を残さんがため。

さぁ。

さぁ。

して、これらの父祖は誰ぞ?

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