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「AV観賞だぁ?」
Dクラス職員の男は、研究員から下された命令に戸惑いを隠せないでいた。普段雑用や、オブジェクトの収容などに使われる立場からしてみれば、その命令はとても奇妙なものであった。
「あぁ。実は、要注意団体……お前にも分かるように言い換えるなら敵対勢力か、その1つから贈り物が届いたらしくてな、確認しようにも、何が仕込まれているか分かったもんじゃない。そこでDクラスのお前に白羽の矢が立った訳だ」
「なるほど?いや、それは分かったが、どうしてAVなんだ?」
「我々にも理解できないが、まぁこういうことらしい」
研究員はため息を吐きながら、1枚の紙を差し出す。男はそれを受けとり目を通した。
SCP財団日本支部の方々へ
いつもお世話になっております。株式会社R.G.B.プランニング代表取締役の五味大修です。
この度は、貴団体が創立10周年をお迎えになるとのことで、ご同慶の至りと存じ、衷心よりお祝い申し上げます。これもひとえに職員の皆様のご尽力の賜物と存じます。
さて、貴団体創立10周年の記念といたしまして、ささやかではありますが、粗品を数点送付させていただきました。以前、御社の世界を見回っていた際、アニメ作品や映画をモチーフにしたアダルトビデオを拝見し、これもまた、元となった作品・存在への愛情の形であると感銘を受けました。これを受け弊社で、貴団体の世界観をモチーフとしたVHS作品を幾つか作製しました。
『世界アダルト連合 - ザ☆ベスト』
『未知なる快感!蛇の四十八手』
『イキものプロフィール: アンナ!』
『ぼくらのプロフィール: えっちなうさぎちゃん』
『超電救助隊ERO 濃厚プレス技師エジャキュレイション・ホワイト』
『エロ寿司ファイルNo.069"田舎美女の輪姦まわし"』以上の作品を創立10周年記念品として、お送りいたしましたので、よろしければご確認ください。
繰り返しになりますが、この度の創立10周年、誠におめでとうございます。
末筆ながら、貴団体の一層のご発展を心よりお祈りいたします。
株式会社R.G.B.プランニング 代表取締役 五味大修
「あー……オーケー。とりあえずお相手さんの頭が、相当アレだってことは理解できた。それで、これを確認すればいいんだな?」
どんな品性をしたらこれを贈れるのかと思ったが、気にしたら負けなのだろう……多分。
「その通りだ。何か異常を感じ次第、知らせてくれ」
「おう……まさかあんたらに、AV視聴してくれって頼まれる日が来るとはな」
「あぁ、それともう1つ」
まだ何かあるのかと思っていると、研究員は小声で続けた。
「これは、個人的な頼みなんだが……映像の感想を教えてくれないか?」
研究員からの頼みを受けた男は一瞬呆気にとられたが、その後研究員を見てニヤリと笑った。彼もまた、財団職員である前に一人の男なのだ。
「なんだ、そういうことか。アンタらでもやっぱ気になるんだな。いいぜ、任せとけ」
与えられた任務と共に、男同士の約束を果たすべく、視聴室へと足を運ぶ。男の足取りは心なしか軽く感じられた。
「……にしても、いまいちパッとしないな」
白い椅子とテーブル、テレビや周辺機器といったような、映像を視聴するにあたって必要最低限物しか揃っていない。そんな部屋の殺風景さに男はため息を漏らした。そして、部屋の隅にティッシュとゴミ箱が用意されていたことに気づく。
「へへっ。しっかり理解わかってんじゃん。」
男は、これで遠慮なく楽しめると思いつつ、視聴のための準備を進めた。用意されているレコーダーにVHSテープを挿入する。
「それにしても、このご時世にVHSのAVねぇ。味があっていいじゃないの。感想は……折角だ少し凝ってみるか。」
『世界アダルト連合 - ザ☆ベスト』
完成度:☆☆☆☆☆
面白さ:☆☆☆☆☆
シコリティ:★★★★☆
総評:★★★☆☆
〜感想〜
まぁ……なんと言うか、良くも悪くもない普通のオムニバス作品だった。本番の回数は多く、そのほとんどが本番手前から始まるのが多いため、テンポとしては十分だろう。『"世界"アダルト連合』と銘打ってるだけあって、日本人だけに留まらず様々な国籍の出演者が登場するため、外人系のAVが苦手な場合は注意が必要だ。完成度・面白さに関しては、オムニバス作品のため評価はつけられなかった。
ここからは個人的な話になるが、8番目のロシアっ娘が俺の好みドストライクだった。この時点で高得点をつけようと思ったんだが、9番目の日本人がな……。心なしか、食堂のおばちゃんに似ていて、少し萎えちまった。この点で評価を下げたが、普通にエロい娘ばかりなため、今回みたいな例がない限り見て損はないだろう。
*
『未知なる快感!蛇の四十八手』
完成度:★★★☆☆
面白さ:★★★☆☆
シコリティ:★★★★☆
総評:★★★★☆
〜感想〜
結論から言うと、触手モノの作品だ。触手1本1本それぞれが、蛇のような模様・形状をしている。ここだけ聞けば、よくある作品だと思うだろうが、これは毛色が違いすぎた。まず前提知識として、四十八手とは、"乱れ牡丹(みだれぼたん)"、"松葉崩し(まつばくずし)"等の種類がある、性交体位の種別を表したものである。男と女が揃って初めて成立となるが、これは触手モノ……察したかもしれないが、触手責めの種類をまとめた作品となっている。
『"蛇"の四十八手』とあるように、項目名に蛇の名前を使っているのが特徴だ。
- 対象に強く巻き付くことによって、動きを抑制する "青大将(あおだいしょう)"
- 触手の先端から乳首や陰核等に、媚薬を注入する"山楝蛇(やまかがし)"
- 対象の穴という穴から触手を侵入させる"穴棍蛇(あなこんだ)"
等の種類があり、どれも見ごたえがある。
触手モノということもあり、人によっては嫌悪感を抱くかも知れないが、俺は好きなので、★4つとさせてもらった。
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『イキものプロフィール: アンナ!』
完成度:★★★★★
面白さ:☆☆☆☆☆
シコリティ:☆☆☆☆☆
総評:☆☆☆☆☆
〜感想〜
俺は今まで、性行為をエロい目線でして見ていなかった。だが、これを見て、それは間違いだったことに気づかされた。この作品は生命の神秘を思い出させるものだった。だがな、1つだけ文句を言わせてくれ。
ただのAVアニマルビデオじゃねぇか!
*
『ぼくらのプロフィール: えっちなうさぎちゃん』
完成度:★★★★★
面白さ:★★★★★
シコリティ:★★★★★
総評:★★★★★
〜感想〜
1つ前の作品と似たようなタイトルから、嫌な予感はしていた。最初にウサギが出てきたのを見て、またアニマルな方のAVかと思ったが、良い意味で大きく期待を裏切られた。「目を閉じてバニーガールを想像してください」というナレーションに従ってみると、さっきのウサギがバニーガールに変わっていた。それでも驚きなのだが、なんと声・髪型・胸の大きさ等、そのすべてが俺の好み通りの姿に変わっていたんだ。(服装は相変わらずバニーのままだが)
それで俺は思ったワケよ、「この娘が他の男に犯される姿なんか見たくねぇ」って。そしたら、まるで俺の考えてる事が分かったかのようにニコッと微笑んだ後、服を脱ぎ始めそのまま自慰行為を始めたんだ。不思議なことに、途中途中で俺の名前を呼びながら、彼女がイキ果てるまで続けられた。
ざっくり言ってしまえば、俺好みの娘が俺の名前を呼びながらイキ果てる……なんと言うか男冥利に尽きる。そんな作品だ。
今回視聴したのが俺じゃなかったら、もしかしたら違う内容になっていたのかもしれない。そう思えるレベルで、自分の理想が通る作品だった。もちろん評価は文句なしのオール★5。
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『超電救助隊ERO 濃厚プレス技師エジャキュレイション・ホワイト』
完成度:★★★★☆
面白さ:★★★☆☆
シコリティ:★☆☆☆☆
総評:★☆☆☆☆
〜感想〜
戦隊モノのAVなのだが、ヒーロー側が女ではないという点は、この手の作品にしては中々珍しい。
悪の組織によって世界中にばら蒔かれた生物兵器により、全ての女性が生殖能力を失ってしまい、人類滅亡の危機に陥った世界。そんな世界で唯一、生物兵器を無力化することのできる精液を持った1人の男が『エジャキュレイション・ホワイト』として、人類の存亡を掛けた性行為を行い、次々と種付けしていく……といったあらすじだ。
このような盛大なバックストーリーがあるが、いわゆる100人斬り作品のような形になっているため、AVとしての完成度は低いと言える。しかし、所々に戦隊モノの要素が散りばめられているので、それらを楽しむ分には丁度良い……いや、むしろこっちがメインと言っても申し分ないだろう。
特に中盤の女性に化けた怪人との戦闘シーンと、終盤の巨大ロボ同士の戦闘シーンは、スーパー戦隊シリーズの一種だと言われても信じてしまうほどのクオリティーだった。
エロさに関しては並、あるいはそれ以下だが、普通の戦隊モノが好きな者なら、満足のいく作品だと思う。
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『エロ寿司ファイルNo.069"田舎美女の輪姦まわし"』
完成度:★★★★☆
面白さ:★★★★★
シコリティ:★★★☆☆
総評:★★★★☆
〜感想〜
内容は至ってシンプル。田舎で見つけた美女達を男4人で輪姦するといったものだ。それだけなら低い評価をつけるところだが、何もかもが面白おかしい。
まず最初に、エロ寿司とは何なのだろうか?AVであるところから、エロは理解できる。寿司となると……苦しい推測になるが、恐らく犯され続けた結果、マグロになってしまっているところから来ていると考えられる。
次に登場人物だ。説明によると、この作品の主役である男4人組を総じて『エロ寿司四性剣』と呼ばれている。それぞれ
- フルンチィングのベーオウルフ
- スケヴェニングのフロールヴ
- デュマランダルのローラン
- セクスカリバーのアーサー
とコードネームのようなものが割り振られており、響きから察するに聖剣がモチーフだろう。セクスガリバーのアーサーに至っては、貞操帯を装着している部分から、石に刺さった剣も彷彿とさせる。
性剣を名乗るだけあって、各々の腰使いは男の俺でも見惚れる程のものだった。特に終盤、貞操帯を取り外したアーサーの腰使いには、他3人に輪姦されもう動けないと思われていた女も、再び悦び乱れる。それほどに凄い腰使いだったのだろう。
最後の最後、4人全員が口を揃えて「へいらっしゃい!」と叫びフィニッシュ。これには少し萎えたが、なんと言うか色々ブッ飛んでるこの作品らしいと妙に納得してしまった。
「ふーっ。やっと終わりか……ん?」
一部酷いものもあったが、久々に良いものを見た満足感と、連続視聴による倦怠感に襲われながら、テープがもう1つあることに気づいた。
「こんなのあったかな?まぁ、折角だし見てみるか」
「そろそろ終わった頃だろ?入るぞ」
研究員が視聴室のドアをノックしながら、中に語りかける。しかし、一向に反応はない。不思議に思いながらドアを開けると、そこには床に突っ伏しているDクラスの男がいた。
「おい。起きろ。おい!」
「あぁ……床だ。床だぁ」
男は床に頬擦りしながら呟き続けている。
「どうして、こうなってるんだ?」
普通ではない男の様子に戸惑いながら、こうなってしまった原因であろうテープを拾い上げ、そのタイトルから、男に起きたことをなんとなく察した。
『壊れた性癖の教会: 入門編 ~性癖の壊しかた~』



