SCP-6088
評価: +44+x

アイテム番号: SCP-6088

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: アメリカ航空宇宙局 (NASA) に潜入中の財団エージェントは定期的に全ての保管記録を検索し、SCP-6088の形跡が無いかを精査します。発生が確認された場合、汚染された記録は一時的にアクセス遮断され、現象が収まるまで監視されます。

説明: SCP-6088はNASAのボイジャー計画に関連する記録が自然に改変され、架空の宇宙探査機 ヘラルド への参照を含むようになる現象です。これらの改変はせいぜい1段落程度の比較的軽微なものですが、記述の詳細は事象発生ごとに一貫しています。SCP-6088が引き起こす改変はごく短時間しか持続しないと考えられます — 観察された最長の改変は僅か6時間しか続きませんでした。

SCP-6088による改変は、ボイジャーとの対を成すヘラルドについての簡潔かつ不穏な言及という形式を取ることが多く、通常はボイジャー2号の記述と入れ替わります。完全に置換されない事例においても、ボイジャー2号への言及はSCP-6088事象中にしばしば削除されます。今日までヘラルドに想定される役割を明確に記述した記録は確認されておらず、より広い状況を掴めるような情報も得られていません。

“黒の告発” ブラック・アキュゼーションボイジャー1号及び2号に搭載されたゴールデンレコードに相当するものと思われる — への言及もまた、多くのSCP-6088改変に含まれています。


補遺 6088-1 (改変ログ)

以下はSCP-6088事象で改変された記録の選定ログです。完全版のアーカイブは要請に応じて閲覧可能です。

“監督は 前触れ ヘラルド という名前を付けてほしがっている — 用途にぴったりだと考えているようで、私も賛成だ。”

ソース: NASAの内部稟議書。
本来の文章: “監督は 航海者 ボイジャー という名前を好んでいる — この計画にぴったりだと考えているようで、私も同意せざるを得ない。”
筆者: ボイジャー計画に参加していた科学者、ジョナサン・カニンガム。

“[12m02s] ファラリスの雄牛1 音声実演 志願者トム・ヘンドリック。
[09m19s] 夾棍2 音声実演 志願者ハンク・コットン。
[03m51s] シュウェーデントルンク3 音声実演 志願者グレタ・ハーリスナー (再録音の必要あり)。”

ソース: ボイジャーのゴールデンレコードに収録される音声の目録。
本来の文章: “[03m06s] ザ・ビートルズ “ヒア・カムズ・ザ・サン” (この件はEMIの返答待ち4。)”
筆者: 不明確。目録には筆者名が記されていない。

“君がアキュゼーションにまとめたいという記録に目を通した。概ね僕も賛成だが、現在のトルコ政府はアルメニアで起きた事を虐殺とは認めていない。外交的に、これを含めて本当に大丈夫だろうか?”

ソース: NASAの内部稟議書。
本来の文章: “更新ありがとう。僕も数字には目を通したが、君にもう一度チェックしてもらえると安心できる。用心に越したことは無いだろう?”
筆者: ボイジャー計画に参加していた科学者、エドワード・C・ストーン。

“世紀の兄弟、ボイジャーとヘラルドはそれぞれ地球から反対方向へ飛び立ちました — 片方は人類の未来を歌うために、もう片方は過去を警告するために。目的地に到達したのはまだ片方だけです。”

ソース: ボイジャー計画の歴史を要約した内部資料。
本来の文章: “世紀の兄弟、ボイジャー1号とボイジャー2号は地球から飛び立ちました — どちらも、我々が終わりを知ることの無い旅に出たのです。”
筆者: NASA歴史部門の従業員、オグデン・グリーン。

“思い出せ。ボイジャー。ヘラルド。ボイジャー。ヘラルド。もし俺たちが非難されないなら、一体どんな尺度で赦しが与えられると言うんだ?”

ソース: 探査機の完全性についての報告書の下部に記されたメモ。
本来の文章: “これに関しては100%じゃない — 次の〆切前にもっと試験してくれ!”
筆者: “ジョン・オスカー・ヘラルド”。NASAの従業員記録において、同名の現在または過去のスタッフは確認されていない。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。