午前6時。
朝日が緩やかに起床を促すが、ベッドの心地よさに抗えず二度寝する。
午前8時。
暖かな日差しが顔を撫でる。寝返りして三度寝に突入。
午前10時。
そろそろ寝るのにも飽きてきたので起床。昨日の晩餐の残りを食べながら外を眺める。平穏無事で晴天快晴。これ以上ない散歩日和と言えよう。魚の身を咀嚼しながら今日の予定を決めた。
午前12時、あるいは午後0時、つまり正午。
散歩に行くと決めたは良いが、ダラダラし過ぎてこの時間。ようやく家から出た私は海まで歩くことにした。陽光に照らされ明るく輝く草原の丘を越え、雄大な景色を見せる複雑な形の海岸に着くまで30分ほどだった。
午後2時。
波の音を聞きながら昼寝中。お日様の熱と心地良い風、最高の時間である。
午後4時。
昼寝、継続中。太陽に小さな雲がかかり、辺りが少し暗くなったり明るく戻ったりを繰り返す様子は面白さがある。
午後6時。
ようやく起きる。釣りの真似事などしてみるものの、私の腕が下手すぎるのか、そもそも場所が悪いのか、恐らくは両方が理由で坊主という結果に終わった。私は魚が海中で嘲笑う様子を思い浮かべる。さざ波に太陽光線が反射して煌めく様子はまさしく自然という名の宝物である。
午後8時。
十分楽しんだので家に帰る。片道30分とはいえ運動は気持ちの良いものだ。山の白い稜線の上に浮かぶ日輪は千切れた雲に囲われて超自然的な印象すら与える威容を魅せつけていた。
午後10時。
日の光が世界を金色に染める中、私は朝食の残りを腹に詰めてベッドに入る。散歩したせいかすぐに眠りに落ちた。あるいは眠る事に疲れているのか。
渦を巻く風が音を立て、どうにも落ち着かない心持ちにさせる。今さっき食べた魚の虚ろな目は私を軽蔑し非難しているようにも見えた。
他人の評価など気にもならない。現にこうして今、私は生きている。
午後12時、つまり午前0時。
私が夢の中で憩う中、疲れ知らずの白夜の太陽はツンドラの大地に陰影をつける仕事をしている。
コケが混じった草原は色彩豊かで、未だに目を開けている者達の目を楽しませる。
風の音が次第に轟音となってくる。まどろみながら私が外に出ると、いつの間にか吹雪が背景を銀世界に変えていた。
寝ている間に天気が一変したらしい。
風と雪が縦横無尽に暴れまわる。あらゆるものを白色に変え、覆いつくし、立ち尽くす私を孤独にする。
踊り狂う氷の大嵐が、お前には中身がないと罵り叫ぶ。
軋る痛みが目口鼻から入りこむ。