公式倫理委員会連絡票 | |
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From: | サイト-43心理学者、人型異常物体専門家 アディレー・カイヤム(Adileh Khayyam)博士 |
To: | 倫理委員会連絡員 ジェレマイア・シメリアン(Jeremiah Cimmerian)博士 |
Re: | スコット・フレッチャー博士のハラスメント |
添付: | 18ファイル |
シメリアン博士へ 倫理委員会連絡員として、あなたはとりわけ異常なものや、日々直面する状況の元で働くことにより財団の人員が直面するストレスを認識しているべきです。とはいうものの、倫理委員会による健全な組織文化を保つための継続した働きかけにもかかわらず、最も著しい例としてスコット・フレッチャー博士に関する件のような、いじめとハラスメントの蔓延についての再三のクレームが続いています。 添付は、私が財団の組織全般について蔓延している有害な文化の例証だと思ういくつかの通信のログです。フレッチャー博士は1つのケースに過ぎませんが、私がサイト-43での任期における過去6カ月で取り扱った事例の中で、最も顕著なものの1つです。財団での仕事で多くの心理的外傷のケースを見てきましたが、財団スタッフがメンタルヘルスと福祉に関して直面する問題において、いかに象徴的かという点でフレッチャー博士の事例は重要なケースであり続けています。 私見では、倫理委員会による真剣な調査なしにこのパターンのハラスメントと虐待が継続するならば、フレッチャー博士のケースは心理学部門が対処せねばならない大量の問題の1つに過ぎないものになると言っても不足はないでしょう。 敬具 アディレー・カイヤム博士 |
フレッチャー博士のInboxから回収されたEメール
To: | スコット・フレッチャー博士 |
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From: | アイザック・マコーマック研究員 |
Re: | ちょっとやあって言ってみただけ。 |
日付: | 2015年3月12日 |
本文 | |
やあスコット。ほら、最近君が調子よくないって知ってて、でも僕らみんな君がすぐ良くなって欲しいし、チーム全員君がいなくて寂しいって知ってもらいたくてただこれを送りたかったんだ。あの日のことは本当にひどかったね、返信はしなくてもいいよ。職場に戻ることになったら電話かなんかしてね、飲み物おごるよ、いいかな?じゃあね。 |
To: | スコット・フレッチャー博士 |
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From: | サミュエル・モーガン上級研究員 |
Re: | 事件███-███ |
添付: | 1ファイル (postincidentaffidavit.pdf) |
日付: | 2015年3月12日 |
本文 | |
フレッチャー博士へ 添付は発生した違反に関して君が提供した証言のいくつかの部分を含む、SCP-███の試験に関する2015/02/25の事件報告です。ダニエルズサイト管理者は君の提供した証言に関し、君の確約を求めています。2015/03/26までにこれらの質問紙を埋めて提出してください。 敬具 S. R.サミュエル・モーガン |
To: | スコット・フレッチャー博士 |
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From: | サイト管理者ジャネット・ダニエルズ |
Re: | 休暇願(15/03/12) |
日付: | 2015年3月14日 |
本文 | |
フレッチャー博士へ あなたの休暇届けは公式に認められました。2015/03/15から015/04/05まで有効です。 |
To: | スコット・フレッチャー博士 |
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From: | アディレー・カイヤム博士 |
Re: | カウンセリング |
日付: | 2015年3月16日 |
本文 | |
スコット、 数週間後オフィスに戻ってくるまであなたがこれを読まないのは知っています、でもこれを読むころ、あなたとお話ししたいです。もし私に話したくなくてもかまいません、でも数日前、廊下であなたを見かけました。控え目に言って、あなたは本当に誰かと話す必要があるように見えます。相手が私でもそうでなくても気にしません、でもどうかお願いします。 早い回復を願って。 アディレー |
To: | アディレー・カイヤム博士 |
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Cc: | スコット・フレッチャー博士 |
From: | 自動メールボックス返信システム |
Re: | Re: カウンセリング |
日付: | 2015年3月16日 |
本文 | |
スコット・フレッチャー博士は現在休暇により不在です。2015年5月5日に戻る予定です。 |
事件後███-███分析報告の抜粋
……このケースにおいて、証拠はD-11938とエージェント・アリ・ベイヤーが以前SCP-███に指定されていたアノマリーの無力化に対して共同的に責任があることを示唆しているように見受けられる。D-11938およびエージェント・ベイヤーの遺体は周辺の土地へのありうる汚染を防ぐべく、焼却ののちサイト-43の外に改葬された。SCP-███をウサギ目を用いて試験することに関わる怠慢を考慮し、サイト-43の人員には生物学的アノマリーの不注意な試験による危険に関しての注意がなされた。ジル・リチャーズ上級研究員は試験への関わりのために懲戒され、不必要な試験の経歴を考慮して執行猶予期間に……
……D-11938の死により娘、アイリーン・クロスが残され、一方エージェント・ベイヤーは夫であるスコット・フレッチャー博士に先立った。フレッチャー博士とクロスさんと共に招待されたスタッフのメンバーが両人を送る個人葬は8月28日を予定している。
電話での会話の転写 (2015/03/27)
アディレー・カイヤム博士: もしもし?
アレックス・マーシャル研究員: やあ先生。
カイヤム博士: こんにちは、アレックス。面会を予約するんですか?
マーシャル研究員: いや。ちょっとスコットの様子が気になっただけ。
カイヤム博士: 何をお聞きに?
マーシャル研究員: 彼はどんな具合かなって、ね?
カイヤム博士: あまりよさそうではないですね。
マーシャル研究員: 本当?カイヤム博士: ミスター・マーシャル、率直に言いますと、私は先日昼休憩にレストランで彼と会いました。彼はサラダを買って、私が彼と話している間一口も手をつけず、支払いの前に15分もトイレにいました。私はあれを"健康な"振舞いとは思いませんね。
マーシャル研究員: うーん。ああ、思ってたより随分悪そうだね。僕はただ……ラボの連中は仕事についていくのに苦労してるんだ、分かるだろ?
カイヤム博士: よく知っています。
マーシャル研究員: そうか。ああ、ただ、うー、彼が仕事にいつ戻れるか電話で教えてよ。
カイヤム博士: 知らせましょう。
カイヤム博士のInboxから回収されたEメール
To: | アディレー・カイヤム博士 |
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From: | アンドリュー・ガーソン |
Re: | いくつかの処方についての確認 (優先度高) |
添付: | 3ファイル (OCER_19_03_15_A.pdf, OCER_19_03_15_B.pdf, OCER_19_03_15_C.pdf) |
日付: | 2015年3月24日 |
本文 | |
やあアディレー、 君の患者の何人かからいくつか気になることを見つけた。特にこの男はジアゼパムの正しい用量を理解していないようにみえるな。数日早く使い尽したと言ってやってくる―処方量を変えたか?ここで何が起きているかについて返事を頼めるかい? よろしく アンドリュー |
To: | アディレー・カイヤム博士 |
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From: | サミュエル・モーガン上級研究員 |
Re: | 欠席 |
日付: | 2015年3月25日 |
本文 | |
カイヤム博士へ: スコットがいつ頃復職できそうか、お教えいただけますか? 彼には悲しむ時間が必要なのは承知していますが、異常物品の処理と、さらに抑制を外れて膨らみ続けるようになる前に終わらせねばならないミーム性アノマリーに関するいくつかの重要な作業において6週間の遅れがあります。彼はここではミーム学における我々の主要な専門家の一人であり、彼の不在は日々重く圧し掛かっています。 至急スコットの復帰予定時期をお教え下さい。 敬具 サム |
To: | アンドリュー・ガーソン |
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From: | アディレー・カイヤム博士 |
Re: | Re: いくつかの処方についての確認 |
日付: | 2015年3月26日 |
本文 | |
やあマイケル、 いいえ、私は彼に処方を変えたと言っていないと思います。知らせてくれてありがとう: これはすぐさま実に気がかりな事態になるでしょう。念のため、医療スタッフに彼を医療棟へフルタイムで転送するよう頼んでおきます。 よろしくお願いします アディレー |
To: | アディレー・カイヤム博士 |
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From: | 使い捨てアカウント20371 |
Re: | [D-33810] 伝言たのむ |
日付: | 2015年3月26日 |
本文 | |
こんにちは できるときに連絡をくれと言いましたね、それは正しかった―わたしはジェイクにあなたがラップトップを手に入れるように言ったと言って、あいつはそれを手に入れるために本当に自分の席から飛び降りた。そのことについて感謝しています。 最初にいちばん重要な話: グレイシーがいなくなって本当に寂しいです。彼女はここの宿舎にいた数少ない獣医の一人で、マジで凄い女でした、どう考えても。クレイジーな仕事の話をして、全員がちびるほどビビってるときでも笑っていました。ここの他の何人かが彼らを葬式に行かせてくれてありがとうと言っておいてくれと言っていました。 その2: 博士に同情すると伝えて下さい。アリとは知り合いじゃなくて会った事はなかったけど、あの日彼が泣いているのを見ました。 あんなに失ったのを悲しんでいなければあんなふうに泣けないと思います。 今のところはこれだけです。警備員が来週またラップトップを使わせてくれるのでまた話ししましょう。 |
To: | アディレー・カイヤム博士 |
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From: | アンドリュー・ガーソン |
Re: | Re: 欠席 |
日付: | 2015年3月26日 |
本文 | |
アディレー、再度済まないがこのサムというやつは私が「いいえ、スコットは今週戻ってきませんよ」と言うたびに突っかかってくる。もしこれが続くようなら、上の誰かに頼んで失せろと言ってもらえないだろうか? すまない。 > From: サミュエル・モーガン > To: アンドリュー・ガーソン > > ガーソン氏へ > > 私の同僚の何人かが勤務外でフレッチャー博士を見かけたと報告しています。彼らは主に、彼は先週のショックからよく立ち直ったように見えると伝えており、私には反対する理由はありません。彼が欠勤し続ける必要があるとする確固とした証拠をお願いできますか? > > 敬具 > サミュエル これの続報をありがとう、アディレー。 |
To: | 使い捨てアカウント20371 |
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From: | アディレー・カイヤム博士 |
Re: | Re: [D-33810] 伝言たのむ |
日付: | 2015年3月27日 |
本文 | |
次回機会があれば、彼に連絡しましょう。もしあなたたち2人の間でミーティングを手配できれば助けになりますか? |
To: | アンドリュー・ガーソン |
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From: | アディレー・カイヤム博士 |
Re: | 上に連絡 |
日付: | 2015年3月27日 |
本文 | |
この時点で私はこれを、倫理委員会への正式な申し立てとして提出することを本気で考えています。私には"反対する理由"はありません。 |
テクニカルレポート (2015年3月30日)
チケット#: | 1182931230 |
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重要度: | 高 |
発行人: | セキュリティ担当者 マルコム・ウェザーズ |
申請内容 | |
発された命令は一切認知されていないにもかかわらず、Site-43'の一時メールアカウントがレベル4命令により使用不能にされている。 | |
対応 | |
やあマルコム、 アカウントは昨日、ミーム汚染の疑いで強制的に閉じられたように見える、多分それが君が何も聞いていない訳だ。ミーム病原体の残骸がEメールのインボックスにないかどうか、LASHLEY情報災害スキャンをチェックしてみたかい? 我々はバグを根絶すべく日々奮闘しているが、技術スタッフに警報が送られない可能性がわずかにある。もし君があの不具合の被害に遭っていたら、自分でログをたどってみることをおすすめするよ。 それとは別に、アカウントを復活させるために誤停止フォーム(ここで利用可能)に申し込みできる。上手くいかなければ、我々が全てEメールを削除する間、もう数週間待つことになるだけだ。 |
カイヤム博士のInboxから回収されたプライベートメッセージ (2015年3月31日)
From: | アンドリュー・ガーソン |
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To: | アディレー・カイヤム博士 |
Re: | なんつーことだ |
添付: | feed18_1130_1200.mp4 |
本文 | |
アディレー、サムには何か深刻な問題があるぞ。 あの男は"ミーム感染"の疑いでスコットにとんでもなく強い記憶処理薬を処方しろと言ってきてる、俺が厄介払いのために出来ることといえば、もし俺を信じないなら来週のグループセラピーセッションに出席しろと言うぐらいだ。 添付のセキュリティビデオを倫理委員会に提出してくれるか? この展開の噂を聞きつければ、連中はサムのことをあまり気に入らないだろうという強い予感があるとだけ言っておこう。 アンディ |
D-33810に対する懲戒報告 (2015年5月1日)
レポート#: | 12382-10223 |
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取られた懲戒措置: | 警告 |
注: | D-33810は週の初めに発生したいくつかの技術的問題に関して通知された際、騒ぎを起こしたとして叱責された。これらの技術的問題は、彼女の通信特典の一時的停止をもたらし、彼女の不規則行動の理由となったと考えられる。標準的な懲戒の段階的拡大に基づき、さらなる破壊的行動はそうした特典の剥奪という結果になるだろう。 |
抜粋されたセキュリティフィードの転写 (2015年5月2日)
[カメラ8]
28:25: 警報が鳴る。ウェザーズ担当員がただちに医療チームを支援すべく移動する。医療チームのメンバー(ブルック・ウィンターズ博士)がウェザーズ担当員に離れるよう警告する。
28:28: 医療チームがスコット・フレッチャー博士を収容している医療ベイ16号室に入る。
28:51: ウィンターズ博士が医療ベイ16号室を出る。ウィンターズとウェザーズがしばらく会話する。
[カメラ3]
28:53: ウェザーズがD-33810と会話を試みる。
28:55: D-33810はウェザーズを拒否したようにみえる。
28:56: ウェザーズが3号室を出る。
[カメラ8]
29:01: 警報が止む。
29:02: 医療チームが16号室を出る。
<転写終了>