いつも通りの仕事
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週末になると、今週は何をしたのかと聞かれる。

今週もただただいつも通りの仕事をこなした。

月曜はある少女の腹部にいた奇妙な生物を調査する手術を監督した。

注目に値する内容だった。そいつは現代医学が開発できるどんな抗生物質よりも効果的なものを生み出していたのだ。問題の生物はT12とL11の間の脊髄にしがみついていて、彼女の血管と神経系を併合させて自身を固定していた。切り離すのに苦労したが、どうにかやり遂げた。我々が抗生物質を完成させ、合成もできるようになったとしたら、あの生物は医療産業に革命をもたらすだろう。生物はICUに移し、入り込んでいた体の方は処分した。可愛らしい女の子だったが、あの子の目的は果たされた。

火曜は統合失調症患者に対するSCP-078の効果を研究した。

それぞれ異なる被験者──年配と若年の男女ペア2組──で、4つの試験を行った。傷ついた精神が078に曝露すると何が起こるのか観察したかったのだ。当然死ぬことに変わりはなかったが、数時間分の明確なデータを得られるなら、被験者の最期はどんなものでも価値あるものになっただろう。若い男女での結果は特に興味深かった。彼らが身を落とし、無気力に、抑鬱的になっていく様を、我々は鮮明に捉えた。女性の方は指の爪だけを用いた自傷方法を見つけていた。最後は4人全員を安楽死させることを余儀なくされた。気の毒だが、彼らから得られたデータは我々の研究にとって重要なものであった。

水曜はSCP-215の曝露者にロボトミーを行った。

苛立っていた。手術中はずっと、やつを手術台に押さえつけておかなければならなかった。絶叫しながらもがいていたせいで、切り口がプロの仕事とは言えないほどにボロボロになってしまった。残念なことだったが、採取したサンプルからは心的外傷の重大な証拠と、複数の未確認の異常が発見された。会話もピアノの演奏も二度と出来ないだろうが、やつは生き続けている。栄養素を得るなら点滴を受ける方が簡単だ。

木曜は分析や実験はなかった。

その日は義務的な心理検査に行かねばならなかった。目的はわからない。私は至って健全だ。やるべき試験は大量にあった。

金曜は被験者にSCP-742を注射した。

その日は至ってごく普通の日だった。実験の理由はどちらかと言うと私の気まぐれだったが、実験は私の生き甲斐だ。8歳ほどに見えるその少女は、とても我慢強く協力的だった。無論、腕に針を刺した時は悲鳴を上げていた ─ 幼い子供なら誰だってそうなるだろうが。標準の培養時間が過ぎた後、検査を始めた。最初はケージの中の小動物からだ。被験者は数分で小動物を捕まえ、骨髄を吸い尽くした。そこから我々は、ウサギ、小型犬、ネコと、餌を大きくしていった。しかし、彼女は獲物を捕まえても満足していないようだった。私は興味が湧いた。彼女が人間に対してどのような反応を示すのか見てみたくなり、次の給餌時間まで待つことにした。用務員がいつもの小動物を連れてきた時、私はやつの背後の扉をロックし、逃げられないようにした(何故逃げるのか?これは科学のためだ!世界のためだ!誇りに思うべきだ)。被験者は動物ではなく、無駄に大きな声で叫んでいた用務員に向けて一直線に駆け出し、すぐさま捕食した。このデータは興味深く、使い捨ての用務員よりも間違いなく価値あるものだ。

私のこの1週間を、非常識で全く無用だと言う者もいるが、一体どういうことだろうか?

ただのいつも通りの仕事じゃないか。

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