深淵の光同修会 ハブ
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両足にて深淵の泥濘を踏みて
両手にて深淵の無形を触らむ
両眼にて深淵の混沌を覗きて
魂霊にて深淵の黒闇を照さむ

現世の眠り人に
揺り籠の安寧を
我が神の栄光に
永世に深淵を窺ひ見む

真理の神の祝福あれ

カノン紹介
我が神の栄光に

ようこそ、揺り籠から目覚めた新たな火種たちよ。深淵の光同修会の名において真摯なる挨拶を。
「真理の神、我等に火を授け給ふ。火の燭りたれば、混沌たる未知の瞞着は剝がれ、真理の糖蜜を与えられむ」——『暁ノ恩寵』のこの言葉は、諸君はさぞ肝に銘じているだろう。だが、その瞞着を剥がすと、下に現れるのは糖蜜だけではなく、更に深邃なる永夜——深淵が存在していることを、我々は知ってしまった。
混沌、不条理、不可解。深淵の造りし物はそれらを世間に蔓延らせ、我々が真理と尊ぶ有りと有らゆる法則を破壊するのだ。
それでもなお、深淵が満たされることは決して無い。
物を毀し、人を傷つけ、心を砕いては神を冒涜する。ひいては世界そのものを破滅に導くなど造作もない。深淵の造りし物の大半は、斯様な呪詛の如き異常性を有している。
故に神は我々を目覚めさせ、この地に集わせたのだ。
神の真理の光が穢されぬ為に。汝が愛する者の為に。汝を愛する者の為に。揺り籠にて眠りし総ての神の民の為に。我々は火と為らん、唯深淵の黒闇を焼き尽くさんが為に。我々は光と為らん、唯真理の楽土を照らし尽くさんが為に。我々は剣と為らん、唯深淵の未知を切り開かんが為に。我々は盾と為らん、唯真理の揺り籠を守り護らんが為に。
最早深淵に陥りたる我が身なれど、願わくば真理の神の加護あれ。

——深淵を窺いし者アビス=ゲイザーソウルド


真理の神のご意思の下、同修会は深淵の侵蝕から、眠りし者を百年あまり護ってきた。
我等深淵を触りし者は遍く世界を奔走し、深淵の造りし物の痕跡を探り、存在しないやもしれぬ深淵の境界を見極める。
深淵の造りし物に至っては厳重に護られ、各々異なる儀式により前哨に封ぜられる。深淵を窺いし者は、其の無尽蔵の秘密を汲み取る役割を担う。
我等は真理の恩寵を探求し、万物の法則を証明する。然も無くば、我が神の栄光を浴びることは出来まい。
なれど秘密の攫取は代償を伴う。供物は罪人から選ばれ、知識と引き替えに深淵に捧げられる。
我等が所行こそ罪に値するやもしれぬが、知識は真理の神の唯一の言語であり、眠りし者を見守る為に我等が授かったものでもある。我が神の栄光の為ならば、我等は必然的に、肉体と魂霊もろとも深淵の間を渡り歩くことになるだろう。
松明の光は儚くも、燃えている限り、我等は止まることはない。
我が掌にて深淵の混沌を触らんことを冀う。願わくば真理の神の祝福あれ。

——深淵を触りし者アビス=タッチャーアスリエル

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