アイテム番号: SCP-001-KO
オブジェクトクラス: Thaumiel Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-001-KOの周辺の半径500m以内を鉄条網で封鎖し、少なくとも20名の警備員が常に監視し侵入者の侵入を監視します。侵入者が侵入した場合は拘束した上で遮断範囲外へ追い出し、攻撃がなされない限り発砲は許可されません。これらの対処は、侵入者がSCP-001-KO本館内部に侵入した場合も同様に維持されます。なお、侵入者がSCP-001-KOの地下6階まで降下することを遮断するため、地下5階と6階を経由する階段には1分隊の部隊を配備し、待機させます。侵入者が地下6階まで降下した場合は即座に射殺されます。
これらと同時に、SCP-001-KOの情報統制が同時に行われます。建物の存在する場所は既に認知されているため統制はできませんが、制限されたレベルの情報のみを流布し外部の関心を他の場所へ誘導させることが有効です。したがって、侵入者の目撃談や陰謀論は事実として認められないもの以上のものが推奨され、使用されていない地上階から異常現象の様に思われる状況を人為的に発生させて外部の者の推測を誘導させます。この過程で、O5評議会の承認による下、外部のサイトから安全性が確認されたSCPオブジェクトを搬入、利用することができます。また、SCP-001-KOの正確な情報にあたる推論を行ったり、これを他人へ流布する者は、ある種の方法を利用し信憑性を低下させることができます。
以上の作業のため、情報統制部隊"花火大会(Firework festival)"がSCP-001-KOの地下6階B3エリアに常駐します。"花火大会"は、少なくとも5名のメディア系専門家、2名のハッカーで構成され、必要に応じ一時的に他の人材を補充することが許可されます。
SCP-001-KOの復旧のため、現在52 30 11 5個の整備班がSCP-001-KO地下に入っており、これらは現在復旧の可能性が最も高い地下8階のA1からA3、A6エリアに集中しています。修復が完了した場合、これらは地下6階のA2、A3、地下7階のA5エリアに配置されます。
これと別に、SCP-001-KOで進められた業務は、全て財団内の他のサイトに分散されて処理され、そのため合計30 56 115個のサイトを建設します。SCP-001-KOで収容されていたSCPオブジェクトは、新設されたサイトで分散されて収容します。
説明: SCP-001-KOは1949年、世界的に増加している異常現象を処理するために国連が計画した「科学融合プロジェクト(Scientific Convergence Project)」を実行していた建物です。科学融合プロジェクトは、異常現象を研究、解明し、これを現代の科学技術に融合しようとする目的で、全世界47大学のおよそ200個の研究室の協力を得ました。
SCP-001-KOの建物は地上3階、地下2階の規模で1950年に建設され、以後1951年に地下8階まで拡張されました。建物の地上階は、主に通常設備と宿泊施設、軽度の異常性、あるいは解明された異常性を示すオブジェクトの収容施設として利用されており、地下1階から3階までは実験室が入りました。また、地下1階と2階には、一般的な異常性を持ったオブジェクトの収容施設もありました。
建物の地下4階からはAエリアとBエリアで各階が区分されていました。各フロアのBエリアには、電力供給設備と冷却システム、管制室、異常オブジェクトの監視施設などがあり、Aエリアにはオブジェクトの異常性を解析するためのシミュレーターが設置されました。シミュレーターは、当初は地下4階と地下5階のみを占めていましたが、処理を行う異常性が増加したため1952年に地下8階にまで拡張されました。各フロアのシミュレーターは、異常オブジェクトの解析の過程で得た情報を基に、当プロジェクトのために開発された演算装置AAS-1030 600で構成され、この演算装置には、それぞれ100台ずつ、6つの小規模なエリアに分割して設置されました。また、状況によってはすべての階のシミュレーターを同時接続し、より複雑な異常性の解析を行うために使用することもありました。
1951年に稼働を開始して以来、破壊されるまでにSCP-001-KOのシミュレーターは、合計300個もの異常現象を解析し、解明したという記録が存在します。しかし、解析された異常オブジェクトの記録リストは、そのすべてが損失しました。
1952年6月20日、SCP-001-KOのシミュレーターは、(現在の)SCP-███の異常性を調査している際に破壊されました。シミュレーターと共に、主に地下3階と4階に保管されていた有用なドキュメントは全て消失しており、プロジェクトに参加していた研究員及び警備員128名が死亡または行方不明となりました。これらの事象はプロジェクト全体に対して多大な影響を及ぼしました。まず、シミュレーターに依存していた異常オブジェクトの解析が中断もしくは延期され、異常オブジェクトの危険性に対する国連内部での議論によりプロジェクトの全面的な中止が余儀なくされました。この結果、プロジェクトを進行させる余力を有していなかった国連側は正式にプロジェクトを破棄し、SCP-001-KO施設は閉鎖されました。
しかし、プロジェクトを監督していた研究員のうち、一部の急進的な思想を持った研究員は、この決定に抵抗しました。これらの異常オブジェクトの解析を通じ、科学の急速な進歩を遂げることができると主張し、現在におけるSCP財団を創設しました。これらはSCP-001-KO施設を不法に侵入しシミュレーターの修復を試みるとともに、ロビーを通じてSCP-001-KOの売却を妨害しました。また、現存している異常オブジェクトを利用してSCP-001-KOの都市伝説を民間人に拡散させ、継続的に外部の者の侵入を誘導、国連側に継続的な費用の支出を余儀なくしました。結果、1959年1月に国連側は財団との交渉によりSCP-001-KOは、表向きは国連が引き続き建物を所有し、管理及び内部設備の修復は、全て財団が担当することで合意しました。また、この交渉で財団と国連は、互いに敵対状態に陥るのを避けることにも合意しました。
この当時、現存している異常オブジェクトと、後に発見された異常オブジェクトは全てSCP財団の他のサイト内に分散配置されて研究されており、SCP-001-KOのシミュレーターを復旧及び動作原理の解析を行うために技術者を投入していますが、現在までに復旧しようとする全ての試みは失敗に終わっています。