知るべきだけれども名前に混乱して聞けなかった玄妙除却に関する全て
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知るべきだけれども

名前に混乱して聞けなかった

玄妙除却に関する全て

ウド・A・オコリー(Udo A. Okorie), PhD
応用隠秘学セクション / 玄妙除却セクション長

AcroAbate.png

数日ごとに部屋を満たすほどの血液と排泄物を生み出す異常な彫刻があります。あなたはそれをすでによく知っているはずです。おそらく、関わっている人々の正確な人数は知らないことでしょう。もしあなたがとても考え深い方であるなら、どこかの誰かが関わっているかと思うかもしれません。

私がその誰かです。

SCP-173は24時間ごとに廃棄物をおよそ17キロ生み出します。これは、1年で6メートルトンを超える深妙廃棄物になります。あなたならこれをどのように処分しますか? トイレに流しますか? とても巨大なトイレが必要になりますし、配管に相当自信がなければなりませんね。さらに、不可思議な方法で生み出された廃棄物が地下水脈か、汚水処理システムか、あるいは地下の深く暗い穴にさえも流入して欲しいでしょうか? あなたはトイレの水に後々苦しめられることのないよう、本当に専門的な下水管が必要になることでしょう。

サイト-43の玄妙除却Acroamatic Abatementセクションこそ、その下水管です。

数百もの外部エントロピー的オブジェクト — 物理法則に反して物質を生成できる — が財団の管理下にあります。また、我々は一見限りない長さのリストの、従来の手段では無力化できない自己複製する生物を収容しています。SCP-1658は文献に影響を与える菌類であり、自身を新たな改変された散文に変形させます。SCP-59771はスズメバチのコロニーであり、自身の毒のみが溶かすことのできるガラスを排泄します。これは持続可能のように思いますか? SCP-5079は人間をキノコに変える儀式です。彼らのキノコの外皮をどうしましょうか? 埋め立てるのはよくない考えのようです。焼却する? しかしそれでは問題を別の問題に変えるに過ぎません。本当に、どこに、操肉術的な灰をばらまけるでしょうか?

SCP財団は、これらの問題を数十年間対処し続けています。最初の異常なオブジェクトが発見されて以来個別的に除却作業は行われてきたものの、これら問題のあるゴミを全て片づけるための体系的な処理法が編み出されたのは、20世紀初頭に入ってからでした。サイト-43の広大な地下施設ではまさにそれを行っており、一覧にするには多すぎる上に幻妖すぎる手法によって、暗闇の中で撹拌して消し、癲狂的な毒を凡庸な毒に変容しています。世界中の財団サイトにはより小規模な施設があり、数十年におよぶ(いまだ続く)研究ののちの何百もの研究員による合同の知識から利益を得ています。サイト-43はその共同事業、すなわち大半の財団研究員には知られない果てしなく続く縁の下で支える雑務のハブとなっています。しかし、よく利用される下水管のように、業務を停止したならあなたはそれに気づくことでしょう。我々が毎日毎日洪水のように受ける、常に増え続ける大量の超自然的流出についていかないとしたら、ええ、あらゆるものをトイレに流すほうがいいかもしれません。

1件の事例研究で理解が容易になるかもしれません。私は、証拠をもって、玄妙除却と呼ばれる処理法が誕生したのは若いウェールズ人の少年が燃えている炭鉱に石を投げ入れたときだと主張しましょう。彼の名はウィン・リス・リーゼレッハWynn Rhys Rydderechといい、いつしか玄妙除却グループを設立することになる人です。

Coal.jpg

アヴレンディド炭鉱、1895年ごろ。

ウィンは、サウスウェールズはアヴレンディドAflendidの小さな炭鉱の村で生まれ育ちました。ウェールズの石炭産業は第2次世界大戦まで好況であったものの、アヴレンディドの地下にある鉱脈は1880年代後期までにはすでに採算の取れないものになっていました。1891年に、ウィンの父親メイカルMeicalは、おそらく銅溶錬工場で職を探すため、妻であるアイロンウェンAeronwenと2人の8歳の息子を都市スウォンジーに移住することに決めました。しかし、アイロンウェンには頑固な地元愛があったため、夫妻はなお問題を討論していると、突然村に地震が襲い炭鉱といくらかの住宅が被害を受けました。リーゼレッハ一家は、大地が劇的に動いたことによってただ1つの不可解な結果のみを受けていました。その周辺の草木が病気になり、1892年が始まるまでには完全に死滅してしまったのです。

アヴレンディドの石炭鉱業もまた今や完全に潰えてしまい、メイカルの質素な家はほぼ価値がなくなってしまいました。彼の息子が先の地震と父の炭鉱での仕事に触発され芽生えたばかりの考古学の分野に興味を持ったとき、メイカルはその少年にもはや不毛である土地を掘ることを勧めました。これが、ウィンがその若さで3フィート地下に埋まっていた白いデコボコの石を発見したゆえんです。彼はそれを家に持ち帰り両親に見せると、両親は感銘を受け彼がそれをきれいにしてとっておくことを許しました。考古学の趣味は、地質学の趣味となったのでした。

少なくともここの地面は石炭ではないものがある。あの地震で、草木を枯らした何かといっしょに吐き出されたのだろうか?

- ウィン・R・リーゼレッハ、日記エントリ、1892年2月18日

1892年中期までに、リーゼレッハ一家に劇的な変化が起きました。ウィンの兄弟アシュレイAshleyが石炭洗浄プラントに就職したのです。メイカルはもはやスウォンジーに引っ越そうとはせず、アヴレンディドの石炭産業はすぐに回復するだろうと主張しました。彼は、現存する廃坑に新たな試掘坑を開くことに専念する集団であるアヴレンディド堆積物連盟Aflendid Sedimentary Leagueの会議に出席し始めました。メイカルは、彼らの「科学技術的魔法」によりすぐに村の経済の見通しは回復するだろうと主張しました。その一方で、アイロンウェンは今や不可解な放浪癖に陥っていました。彼女は生まれた村に突然辟易し反感を抱くようになり、9月に百科事典の巡回セールスマンが村に訪れたとき、彼女はその人とともに村を離れました。彼女は決して帰ることはありませんでした。

母はあんなことを決してやらないはずだ。父も、僕もそうでない。何かが彼女を変えてしまった。何かが彼女を毒したんだ。

- ウィン・R・リーゼレッハ、日記エントリ、1892年9月4日

1892年後期に、ウィンは石炭を採掘する機械の虜となりました。彼が立ち止まって自分自身の動機を科学的に考えたとき、彼は堆積物連盟に参加しようと村の役場に行く途中でした。以前百科事典のセールスマンは彼が読む断片的な数巻を置いていき、彼はそれらをむさぼり読み、家族の奇妙な行動の説明を探していました。後期ヴィクトリア朝の精神分析は理論は重厚でも真実味は薄かったものの、ウィンは自身の最初のころの推測が正しかったかもしれないということに気づきました。彼の母親、父親、兄弟ははたして実際に毒されて、脳の働き方を変化させられたのだろうか? 土埃の舞う通りに立って、彼はさらに自問しました。同じことは自分にも起きているのだろうか? 彼は小さく内気で聡明な少年で、限られた狭い場所の肉体労働者には似つかわしくありませんでした。なぜ炭鉱労働者になろうとしているのだろうか?

ウィンは疑問でいっぱいになり、また科学的方法を断片的に理解していたため、帰宅し、白い石を木箱に入れ、そしてその木箱を地下室に置きました。

これが今起きている事件に共通するただ1つのものだ。これの実験をしてみる。変数を分離して、何が起きるか見てみよう。

- ウィン・R・リーゼレッハ、日記エントリ、1892年11月9日

最初に起きたのは、彼の炭鉱労働の衝動がほぼ即座に、特に2階の寝室で過ごしているとき弱まったことでした。2番目は、彼の父親が堆積物連盟の会議をやめると誓い、スウォンジーに引っ越すことを再考したことでした。

3番目は、1893年12月9日にリーゼレッハ家が焼け落ちたことでした。火事の原因は公的には決して確定しなかったものの、火は地下室から出ていました。メイカルは、息子を炎の中から救出したときやけどを負いました — ひどいものはありませんでしたが、彼が兄弟の家で回復する間アヴレンディドからの出発が遅れるほどにはひどくありました。ウィンは、そうするのが安全なとき、かつての家のがれきを訪れ損傷のない白い石を回収しました。木箱は完全に燃え尽きていました。

つまりはそういうことだね? このク____を沈めて、そしてどうなるのか見てみよう。

- ウィン・R・リーゼレッハ、日記エントリ、1892年12月18日

Plagioclase.jpg

アヴレンディド炭鉱の異常な斜長石のサンプル。

1894年、春の雪解けののち、彼はこの石を採掘跡の池に投げ捨てそれを忘れようとしました。1895年に池が干上がったとき、彼は石を回収しハンマーで砕こうとしました。彼は砕くことはできませんでした。彼は学校の先生たちに見せましたが、先生は閉口し石の存在に無関心になり、彼の調査を手伝いませんでした。彼は家の火事に着想を得て、百科事典に頼り彼が掘り当てたのは何か斜長石と呼ばれる石であることを発見し……その融点はおよそ華氏2000度であることも発見しました。どうしようもありません。彼はその後2年間、石を酸で溶かす、打ち砕く、信頼できる大人に引き取らせるなどしましたが、どれも効果はありませんでした。

1897年5月16日、炭鉱は火災に見舞われました。粉塵は、堆積物連盟の開いた新たな仮設シャフトに炎がすぐに広まるほど残っており、小さな村アヴレンディド全域に燃え盛る穴が開いていました。ウィンの父親と兄弟は石炭洗浄プラントで水を使った鎮静を手伝った一方、彼は大胆にも地下の灼熱地獄に近づき呪いの白い石を投げ入れました。

百科事典によると、石炭は華氏4500度で燃えるらしい。必要な温度のほぼ倍だ。

- ウィン・R・リーゼレッハ、日記エントリ、1897年5月17日

ウィンの最後の実験はうまく行ったようでした。1898年、枯渇した石炭の層がとうとう自身を燃やしたのち、アヴレンディドの不毛の地から青葉が育ったのです。リーゼレッハ一家はスウォンジーに引っ越し、ウィンだけが永遠に変わり続けました。

彼は1910年カーディフ大学で毒性学の博士号を取得し、ヴィヴィアン・レスリー・スカウトVivian Lesley Scoutというカナダ人交換留学生と親交を結びました。両者とも説明のつかない現象を経験したことがあり、それを学業で追求していたのです。結果として両者ともSCP財団に雇用され、残りのキャリアで直接やり取りしたりともに働いたりしました。ウィンは、自身の経験をより広範な問題、すなわち人命に悪影響をもたらす異常な物質の分解に応用するため、1913年に玄妙除却グループを組織しました。アノマリー、それこそあの斜長石が何ものであるかと彼の信じたものでした。

Wynn.jpg

ウィン・R・リーゼレッハ博士、1947年。

サイト-43の記録・改訂セクションが、アヴレンディドの住民は1891年から異常に保守的かつ後進的になったと確証したとき、彼の正しさは証明されました。リーゼレッハはスカウトにこの状況を調査するよう勧め、自身は1947年の村の調査に送られた調査任務部隊の長となりました。これが、彼が炭鉱の地下深くに眠っていた斜長石の広大な鉱脈を発見したゆえんです。その鉱脈は1891年の地震によりかき乱され、部分的に発掘されたのでした。彼はサンプルを採取し、それは「石炭」の概念が意味論的に浸透したもので、おそらく堆積物連盟が実行した準備の不十分な隠秘学的儀式の結果であることがミーム・対抗ミームセクションによりのちに確定しました。火事を起こし、植物を枯らし、自由な精神性に沿うように夢想家たちに地面の採掘を駆り立て、家産所有者たちが離れるように仕向けたのでした。

この時点で、リーゼレッハは自身が生み出した、1つの接点からアノマリー全体を永久に無力化する物質を導入することのできる技術をとても習得していました。本稿執筆時で、村アヴレンディドは工業の全く存在しないリゾートの共同体となり、土壌は再び息を吹き返しています。リーゼレッハが訪れてから1年も経たずに、炭鉱労働者の人口の大半はただ突然より青々とした平らな牧場に旅立っていきました。

玄妙除却はただ不可思議な汚水を処理しようとしているわけではない。発見されていなかったり、収容されていなかったりするアノマリーに影響された生活を改善しようとしているのだ。私たちの地球を守る力が、それから地球を守っている相手や、地球を守る方法によって不当に変えられないことを確実にしようとしているのだ。

- ウィン・R・リーゼレッハ、日記エントリ、1964年8月3日

最後の論点です。「アクロアマティック玄妙」とは「エソテリック深遠」のことです。冒頭ですぐにそう伝えてもよかったかもしれませんが、ええ、おそらく残りを読んではくれなかったことでしょう。


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