日付: 2016/8/12:
ウィルソンさんから、ここWWSでの冒険を記録するメモを持ち歩いてはどうかと勧められた。ハロー・ワールド!
日付: 2016/8/17
オリエンテーションを終えた。俺は今後45号囲い場に入る生き物の世話役を任された。待ちきれないな!
日付: 2016/8/19
生き物が45号囲い場に割り当てられたが、その生き物についてどういう説明を受けたか、さっぱり思い出せない。俺も歳を取ったもんだな。
日付: 2016/8/20
囲い場に入ってみたが、それでも生き物のことを全く思い出せない。もう一度やってみよう。
ダメだ、手応え無し。ウィルソンさんにEメールを送って、何か教えてもらおう。
日付: 2016/8/21
ウィルソンさんから先ほど、45号囲い場に割り当てられた生き物はいないという返信が届いた。しかし、俺の信用に誓って、あそこには何かがいるんだ! もしかしたら、これがその生き物と関わりのある現象かもしれない。オリエンテーションの時にこんな感じの説明を受けたぞ。確か… “反ママ”? そいつのことを思い出せなくするような何かだった。いずれにしても、この件を詳しく調べるのは俺の義務だ。
日付: 2016/9/5
最後の更新からかなり間が空いてしまった。俺は囲い場に入っては生き物の正体を忘れ続けている。これじゃ生き物プロフィールも作れやしない。しかし、この生き物が実在するという確信は持てた。枠に囚われないように考えなきゃいかん。
日付: 2016/9/25
しばらく頑張ったおかげで、遂にやったぞ! 相変わらず例の生き物が何なのかは忘れてしまうが、何ではないかは覚えていられる! ほらな? あの白衣の連中だって俺には及ばないのさ!
日付: 2016/10/1
この生き物が他の小動物とどう交流するか確認しようと思って、リスを1匹囲い場に入れてみた。見に行ったら、リスは木のてっぺんにしがみついていて、下には引っ搔き傷があった。自分への戒め: 今後は他の生き物を同じ部屋に入れないこと!
日付: 2016/10/2
しばらく前からこの生き物にはカエルやミミズを餌として与えている。しかし、それがこのチビ助にとってベストなご飯かは分からない。ステーキ、鶏肉、果物や野菜を普段のご飯と一緒に置いてきた。どれを食べてくれるだろう (というより、どれを食べないだろう?)
日付: 2016/10/3
生き物はカエル、ミミズ、果物と野菜を食べなかった。店に行ってもう少し生き物の餌を買ってこよう。進展があったぞ!
日付: 2016/10/20
何度か、囲い場を色々な環境に模様替えして、生き物がそれぞれにどの程度馴染むかを確かめた。どうやら砂漠、都市、郊外環境はお気に召さないらしい。
日付: 2016/10/25
さてさて、俺はこのメモを囲い場の中に座って書いている。今のところ、生き物の正体は分かっているが、どうせ後になれば忘れてしまうから、あまり多くは書き留められない。しばらくは座ってあいつと遊んでやろう。
日付: 2016/10/28
生き物に何本か花を買った。どういう花を好むかは見当も付かないから、俺自身が普段から好きなやつを買った。多分気に入ってもらえたと思う。
日付: 2016/11/2
大した事じゃないだろうが、WWSで働き始めてから悪夢をかなり頻繁に見るようになった。だが仕事はやり遂げるぞ、WWSを辞める気は無い!
日付: 2016/11/15
よう、ノートパッドくん、久しぶり。歩き回るのが近頃難しくなってきたせいで、いまいち進展が無い。俺みたいなジジイの欠点だな。とにかく、小さな友達のために幾つかおもちゃを買った。しばらく囲い場で遊んでいた。何があったかは思い出せないが、それが俺を幸せにしたのは分かる。
日付: 2016/11/17
ちょっと考えていたことがある。生き物に名前を付けることにした。決めたのは… “フィービー”だ。女の子を育てたいとは思っていたが、俺が高齢だからどの孤児院でも許可が下りなくて、とうとう養子を迎えることはできなかった。いや、俺の話なんかどうでもいい。囲い場の名札を印刷できるか確かめてこよう。
日付: 2016/11/25
フィービーを少しの間、囲い場から出してみた。フィービーはかなり大人しく、それほど周りを荒らしたりもしなかったようだ! だが俺のモーニングコーヒーをひっくり返していた。やんちゃっ子め。
日付: 2016/12/15
追記が随分と遅れてすまない。今はかなり忙しいうえに、俺が歩き回るのも段々と辛くなってきた。だが、フィービーと一緒に過ごせなくなる前に、そういう時間をもっと増やした方が良さそうだと思った。メモは随時更新していく。
日付: 2016/12/17
もう一度フィービーを囲い場から出した。何人か、周りにいた人たちがフィービーと出会った。お互いに楽しい時間を過ごしてはいたが、少し経ってから俺が改めて訊ねてみたら、やっぱり誰もフィービーを覚えていなかった。少なくとも、これでフィービーが反クリームだっていう俺の説は証明された。
日付: 2016/12/20
胸が所々痛む。苦しいが、フィービーを囲い場に放置するわけにはいかない。
日付: 12/25/2016
メリー・クリスマス! とっても良い子にしていたご褒美として、フィービーに幾つかおもちゃを買った。
日付: 2016/12/28
誰かがフィービーの囲い場を清掃しようとした。どうにか駆け付けて食い止められた。そんな事になったら一大事だ!
日付: 2016/12/31/ - 2017/1/1
45号囲い場の俺たちからのハッピー・ニューイヤー! お祝いに何本かシャンパンを買った。俺はシャンパンが嫌いだが、いかにも新年って雰囲気になるからな!
日付: 2017/1/16
1週間の休みを貰うことにした。年に2週間、休暇を取れるから、そのうち1週間は今のうちに有効活用すると決めたんだ。時々、フィービーと一緒に過ごすようにしよう。
日付: 2017/1/19
読み進めていた本を読了したら、あまりやる事が残っていない。フィービーのために美味しいリブアイステーキを焼いたから、後で持っていこう。覚えているうちに書き留めておかなきゃな。
日付: 2017/1/23
実に楽しい休暇だった! 前回のメモの後、俺は何度かフィービーを外に連れ出したようだ。公園のベンチに座る俺とフィービーの写真を下に添付しておく!
日付: 2017/1/25
どうも気分が優れない。今日は家で休むか。
バーニー・ドワイヤーは体調がかなり悪くなり、現在は入院している。彼が病院にいる間は、私が代わりに物事を書き留めたり、行動を起こしたりする予定だ。WWS一同、彼が快復することを願う!
- フェイ
日付: 2017/1/30
俺がいなくてもフィービーが元気ならいいんだが。
この時、私はバーニーから、フィービーという生き物の里親募集ポスターを印刷してほしいと頼まれた。彼が準備したポスター用のファイルを見つけ、配布しておいた。これが適切な対応かは定かでないが (私はフィービーという名前の生き物がいることすら知らなかったのに!) 、多分囲い場の責任者が一番良く事情を知っているはずだ。
~ フェイ
日付: 2017/2/7
誰もがいつかはフィービーを忘れてしまう。フィービーは… 俺を覚えていてくれるだろうか?
バーニーから、フィービーという生き物の里親募集ポスターを印刷してほしいと言われた。まるで私が以前も同じ事をしたかのような言い方だったけれど、私はフィービーという名前の生き物がいることすら知らなかった (とんでもない話だ、私はウィルソンズでお世話している全ての生き物を知ってなきゃいけない立場なのに) ! とにかく、バーニーは囲い場の責任者である以上、その生き物の存在さえ知らない人よりは詳しいはずなので、ポスターは配っておいた。
~ フェイ
日付: 2017/2/10
俺にはフィービーの正体が分からない。でも、あの子が何にも増して俺を幸せにしてくれるのは分かるんだ。俺にとっては、とうとう授からなかった子供も同然だ。この保護団体に参加した時、こんなに愛着がわくなんて思いもよらなかった… どうか、誰かがフィービーを迎えに来てくれますよう。あの子はもっと報われるべきだ。
バーニーは2017/2/15、午前2時43分に亡くなった。ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズの一同から哀悼の意を捧げる。バーニーが担当していた囲い場 (現在は45号囲い場のみ) は、今後の予定が決まるまで私が管理する。
~ フェイ