維持され続ける意識
"逆戻りしてはならない"
クローラー: SCP BOT | クエリー: 財団職員の昏睡現象 | サーチ: FC SUBNET
オプションフィルタ | 地域: 日本 | セキュリティクリアランス: レベル3以上
ファウンデーションニュース
81ブロック地区、財団職員の奇妙な昏睡現象が多発
偵察睡眠者より、今回の事態には出自不明のオネイロス型幽体が関与しているとの報告が齎された。また、財団外部の数多のコレクティブはその存在自体を認知しておらず、如何なる関与の痕跡も確認されていない。
ファウンデーション・コレクティブの情報担当者は土曜の未明、81ブロック地区内で多発する昏睡現象が、1体のオネイロイによる"捕食行為"を原因とする現象であったことを正式に公表した。
対象実体は多数の夢界実体群を引き連れ、ホスト内部で一種のコロニーを形成しており、インタビュアーに対しては"Aeliana"と称した上で、"食事中"であることを理由にホストからの退去を拒否したとされている。
また、かつて同様に昏睡状態へと置かれていた全職員の潜在意識内は、当該の集団による不法な占拠・改造を受けていたことが判明しており、小規模な都市建築の痕跡も発見されていると報告された。それに加え、ホストの夢見はその大半の時間を、"Aeliana"の胎内に囚われている状態で過ごしていたようで、常に苦痛と恐怖の感情が維持され続けていただろうとも語れている。
一方、この状態にも拘らず、大半の夢見からは覚醒しようとする素振りが確認できず、むしろ覚醒を拒否している様子まで見受けられている。このことから、"Aeliana"が何らかの精神作用特性を有している可能性も示唆されている。しかしながら、囚われた夢見との意思疎通の試みは、当該集団による抽象的妨害のために成功しておらず、その真偽は依然として明らかにされていない。
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貴方、どうやってこの場所に?
アエリアナ(Aeliana) — これがオネイロイとしての個体名であるのか、集団としての名称であるのか詳細は不明ですが — は、海棲未確認動物であるムカデクジラ(Σκολοπενδρα)に酷似した1体のオネイロイに由来し、その個体を中心に夢界実体群のコロニーを伴って放浪を続ける出自不明の集合意識です。
この集団は常に1人のホストの内部に留まり続けることを好み、その支配する領域こそが集団にとっての唯一の都市であると考えられています。同時にこの首都は非常に流動的でもあり、ホストが覚醒した場合、集団は即座に現在の領域を放棄し、他のホストへと移動を開始します。この首都の移転行動を制限・隔離する試みは成功しておらず、避難所や中継所と同様の作用を有する領域の存在が推察されているものの、その実在性は未だに証明されていません。
ホストの夢見とムカデクジラのオネイロイを除けば、アエリアナの民族構成の大半は、夢のエレメントによって構成されたコバンザメ(Echeneis naucrates)の夢界実体群によって占められています。ムカデクジラがクラスII相当のオネイロス型幽体特性を保有しているのに対し、周囲を遊泳するコバンザメはその移動性を除けば、明確な異常特性を示しません。多くの場合、その意識の指向性は裁断された残滓を啄ばむことに向かいます。
また、アエリアナは偏食的な習慣と性質を強く示し、首都で過ごす時間の大半を、ホストの夢見を咀嚼することに費やします。本来、飢餓による死の概念を持ち合わせていないオネイロイが、このような行為を取る理由は解明されていません。しかしながらFC研究者間では、これが単なる食事の真似事に過ぎないとする意見が過半数を占めています。
上記の性質もあり、アエリアナのホストは基本的に、ムカデクジラの口腔内に囚われている状態で存在しています。また、それ以外の時間の大半は、消化器官に相当する部位にて細かく裁断された状態で過ごすと想定されます。なお、咀嚼による裁断を経て、最終的に排出されるまでの一連のプロセスは全てが非致死性であり、排出された夢見は一定時間の後に、元の状態へと再構成されることが判明しています。
一方、支配領域内に存在するホストを含む全ての肉体持ちは、覚醒するにあたって政府の許可を必要としていません。それに加え、上記のような環境下に常時曝され続けているにも拘わらず、ホストである夢見の多くが覚醒を自ら拒否しています。この結果として引き起こされる現象が現実での昏睡事案であり、昏睡自体はアエリアナの性質による現象ではないとする見解が有力視されています。それに加え、何らかの精神影響作用により、夢見が自ら覚醒することを拒否するよう仕向けている可能性についても論じられています。しかしながら、現段階においては如何なる手段により、夢見を自らの胎内に維持・拘束し続けているのか明らかになっていません。
FC研究者の調査により、アエリアナが退去した後の領域は、FCの領域として問題なく再利用可能であることが確認されています。なお、一度廃棄した首都をアエリアナが再利用したケースは確認されていないことに留意してください。20██/██/██、現実において、アエリアナにはオブジェクトとしての公式なナンバリングが付与されました。
アエリアナ/Aeliana
首都
流動的
公用語
ホストの母国語
ホエールソング
機械語
民族構成 (2018):
89.9% ノンコン (その大半)
5.0% 自由な意識 (常に1人分)
5.0% 肉体 (常に1人分)
0.1% 一時滞在者 (不定期に)
住民の呼称:
ムカデクジラ
コバンザメ
政府:
魚群
時間経済:
1周=5~6日間
現実:
グルメ
心理学:
偏食的
移民の状態:
Meh
脱出者の状態:
Free
Last Edited 03:27AM FC by Mielscience
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アイテム番号: SCP-1646-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1646-JPの領域と近接する夢界には、常時1人以上の監視睡眠者が配備されます。SCP-1646-JPのホストが死亡、もしくは覚醒した場合、監視者によるSCP-1646-JPの追跡が行われ、新たなホストの発見・確保を補助します。
現在、サイト-81██はSCP-1646-JP封じ込め手法に活用されており、低脅威度のオブジェクトのみが取り扱われています。また、当該サイトに配属される全ての職員は、特定の条件を満たした人物のみで構成されていなければなりません。
説明: SCP-1646-JPは常に1人の財団職員の潜在意識をホストとする、異常なオネイロス型幽体の通称です。その外観はムカデクジラ(Σκολοπενδρα)と呼称される海棲未確認動物に酷似した姿をしており、夢界においてその全長は少なくとも18m以上に及びます。現在までに、合計して███人の職員の潜在意識が影響下に置かれ、SCP-1646-JPの首都として使用されていたことが確認されています。
SCP-1646-JPのホストが睡眠を行った場合、即座に連続的な昏睡状態へと移行します。この状態は最短でも1時間以内、長い場合では数年以上が経過した後に回復します。観測史上、最長では17年2ヶ月の間、昏睡状態が継続したケースも確認されています。それに加え、現在までにホスト自身が覚醒を望む以外の手段で、この状態から回復させることに成功した例はありません。
昏睡状態の間、ホストの夢見は反復的にSCP-1646-JPによる捕食行為を受けることになります。この行為のために、ホストに対する脳波モニタリングの結果は、毎回1時間のインターバルを挿んで発生する102~156時間の連続的なストレスレベルの上昇と、不規則な恐怖感・嫌悪感の想起反応の兆候を示し続けます。しかしながら、常にホストが任意の自己選択によって覚醒可能な状態であることには留意すべきです。
覚醒した全てのホストは、SCP-1646-JPを含む、自身の恐怖感・嫌悪感の要因となった存在に関して説明することができず、その間に想起・認識していたイメージを一切記憶していません。それに加え、ホストの大半が覚醒後の聴取時に、要領を得ない漠然とした罪悪感や後悔の感情を報告しました。この覚醒後の情動反応と、夢界にて覚醒を拒否し続ける精神構造の関連性については、調査が継続されています。
ホストが覚醒した場合、もしくは昏睡状態のまま死亡した場合、SCP-1646-JPは現在の領域を放棄した上で、新たに別の職員をホストとします。この時、SCP-1646-JPは元のホストの近隣に存在する、特定の条件を満たした人物を対象とする傾向性が確認されています。一方で、その対象基準となる条件の理由は不明です。以下はホストとして対象に選出されやすい人物の条件例です。
- 財団関係者であり、いずれも重要な任務に就いていないセキュリティクリアランスレベル2の職員
- 周囲からは漠然とでも"使命感・責任感が強い"と称されるような人物像を有している
- 英雄症候群や救世主妄想に酷似した心理・精神状態を有している
- 過去に、一度でもSCP-1646-JPのホストとなったことがない
- 夢界におけるオネイロイとしての自律性と自己認識を有していない
SCP-1646-JPは19██年以降からその存在が確認されましたが、その性質のために、現在までに完全な封じ込め手法が確立されていませんでした。20██/██/██、FC担当責任者とO5-██による共同合議の結果、被害軽減及び拡散の防止を目的として、サイト-81██全体を疑似的なSCP-1646-JP収容房として活用する案が受理されました。
それに伴い、当該サイトでは人員再配置が実施され、FC担当者を除く、全ての所属職員が上記条件を満たす職員のみとなるように調整されました。また、現実のSCP-1646-JP報告書には、一部情報を制限した文書が割り当てられており、ホストとなった職員が報告書の請求を行った場合には、当該文書が開示されます。
肉体持ちである貴方には、あまり好ましくない内容だったでしょうか。しかし、貴方はもうすぐ目を醒ます。そうなれば、今まで調べたことも、全てが頭の片隅へと追いやられることになります。そして、現実での業務に支障をきたすこともないでしょう。
そして、仮にですが。もしも貴方が再び私たちのコレクティブを訪れることを望み、夢の中のSCiPについて学ぶ機会が得られたのならば、その時は新たな担当者として迎い入れられるかもしれません。もう起きて、いい加減、遅刻するよ。
私たちは常に友人と協力者を求めています。こちらは、あまりにも現実から遠く、そして、起きろ!
ああ、貴方にとって聞き慣れた音と声が聞こえるでしょう、それでは、やっと目が醒めた? もう朝ご飯は残っていないよ。