SCP-4127-JP - 神保来香
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アイテム番号: SCP-4127-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4127-JPの現行収容体制は人型生体収容プロトコル:タイプⅠ1に従います。SCP-4127-JPにはサイト-81NAの第4人型生体収容セルが割り当てられています。

説明: SCP-4127-JPは身長151cm,体重40kgの若年の日本人女性です。SCP-4127-JPの特異性としては頭髪にほとんど直らない特徴的な癖、腰部頚椎から派生した尾骨らしき構造に支えられるイヌ科の尾、そして取り外し不可能な頸部のペット用首輪が挙げられます。特に首輪の奪取を試みた際、行為者は完全に意識を失います。自動化されたロボットによる首輪の取り外しは、その必然性の薄さから管理者により却下されました。

SCP-4127-JPは度々自身の「飼い主」とされる存在について言及し、また自身が高等学校に所属していたと主張しますが、いずれの事実も現在まで確認できていません。

補遺: インタビューログ 4127-JP-01

対象: SCP-4127-JP

インタビュアー: 兎歌博士

<録音開始>

兎歌博士: では、あなたの以前の生活についてお聞かせ願えますか?

SCP-4127-JP: 学校生活つってもな。おれのそれは普通だったよ。本当に普通。クラスメイトとバカ話して、授業適当に流して、帰ったら適当に課題やって、冬になりゃまた一年終わっちまった、って、そんなの。

兎歌博士: その髪や尻尾はどうでした? 異端的な目を向けられたりは?

SCP-4127-JP: まあ多少弄られはしたけど、別に不都合もねえだろ? 買った服にいちいち穴開けたり毛が散らかったり、面倒なとこはあるよ。

兎歌博士: 周囲にあなたと同じような人はいましたか? もしくは、どこか遠くでもいいですが、あなたと同じような境遇の人を見つけたとか聞いたことは?

SCP-4127-JP: 別に? でもおれは入学当初からこうだったし、慣れるもんじゃねえの? 知らねえけど。これそんなにおかしいか。

兎歌博士: わかりました。では次に、その首輪についてですが。

SCP-4127-JP: 別に高いもんじゃねえと思うけど。何?

兎歌博士: どういった経緯で入手したものですか?

SCP-4127-JP: 首輪なんだから、飼い主につけてもらったに決まってんだろ。

兎歌博士: 飼い主とは?

SCP-4127-JP: 言えねえ。あの人は知らないとこで自分の話をべらべら喋られるのが一番嫌いだ。

兎歌博士: では、せめてどのように知り合ったかは教えていただけますか。

SCP-4127-JP: 雨の日に拾われて、家に連れてかれて、首輪を付け替えた。そんだけ。

兎歌博士: 付け替えた? 以前にも他の飼い主がいたんですか?

SCP-4127-JP: いたと思う、覚えてねえけど。前の飼い主も飼われてる時のことも覚えてねえ。それを持ってるのは浮気だぜ。主を替えるなら、全部捨てていかなきゃいけねえ。それだけ覚悟して骨折って自分捧げて、やっと主従関係のスタートに立てるんだ。

兎歌博士: 主は、あなた自身の意志で替えられるのですか?

SCP-4127-JP: いいや? 飼い主がおれを捨てねえ限り、首輪が取れねえ限り、関係は続くよ。今も続いてる。あの人はおれを忘れてねえ。おれの飼い主はあんたらじゃねえ。だから、いずれあの人は来るよ。ペットを連れ戻しに来る。だから……それまで、おれはここで休んで、暴れもせずじっと待つんだ。そうすりゃあの人は褒めてくれるから。

<録音終了, 10:01>

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