SCP-4127-JP - 神保来香
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アイテム番号: SCP-4127-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4127-JPの収容はサイト-81NAの第4人型収容セルと識別ID:3125ZN81NAのコンピュータによる創作的アプローチによって行われます。常に少なくとも2名の空想科学部門の構成員がSCP-4127-JPの維持と対話に務めなければなりません。SCP-4127-JPの現在歪曲した状況は「財団に収容される異常人型実体」であり、財団はそのためにSCP-4127-JPの出来うる限り詳細な実在人物的な情報と報告、収容セルの利用記録と生理的処理の記録を作成し、文書-4127-JP-alphaとして保存しています。

機動部隊庚申-8("フォロワーのオリキャラ")は現実におけるSCP-4127-JP-Aの所在を探索し続けます。発見した場合、対象を捕縛して財団の勾留下に置きます。

説明: SCP-4127-JPは部分的に自律活動を行うクラスH創作内構造です。SCP-4127-JPの活動は周囲からの創作的なアプローチに影響されてある程度変化しますが、その心理プロファイルには一切の変化がありません。SCP-4127-JPは改変不可能な人格を持ちますが、ある程度の範囲内であれば周囲の知性体によって表現された通りに振る舞います。複数の創作的なアプローチはその競合によりSCP-4127-JPの混濁的な状況を産み出しますが、多くの場合にはより「合理性の高い」「独創的である」アプローチが優位性を持ちます。

SCP-4127-JPの以下の特徴はアプローチによって変更されません:

  • 16~18歳であり、高等学校に在籍する
  • 上部頭髪に二つの特徴的な癖があり、直さない
  • 腰部に頭髪と同色のイヌの尾が存在する
  • ペット用首輪を常に着用している
  • 「飼い主」を持ち、基本的には服従するが、創作内でその詳細は明確に言及されない

SCP-4127-JPはインターネットの創作コミュニティにおける創作内での自律活動や外見変更の不可能性を見出され、周回ボットによって検出されました。

SCP-4127-JP-AはSCP-4127-JPが収容以後度々言及する、SCP-4127-JPの作成者です。複数人のグループか個人かは特定されていません。

補遺: インタビューログ 4127-JP-02

対象: SCP-4127-JP

インタビュアー: 兎歌博士

付記: 兎歌博士は空想科学部門の職員である。

<録音開始, 09:50>

兎歌博士: プロトコル的対処として、呼称はこちらのナンバーで行いますが、よろしいですか?

SCP-4127-JP: いいよ。おれが"SCP-ナントカカントカ"じゃなけりゃマズいんだろ? ここから引きずり出されたくねえんだ、好きにしろよ。

兎歌博士: どうも、SCP-4127-JP。ではまず、現在の状況への感想を伺いたいですね。どうでしょう?

SCP-4127-JP: 自由に喋っていいんだよな。あの「報告書」は悪くねえよ、マジで。おれは普通に飯を食って、散歩して、寝て、好き勝手やってるだけでいい。今までよりずっと良い。あれが良い。

兎歌博士: 現状に不満は?

SCP-4127-JP: 今? この瞬間に限れば無いね。全体を見渡せばクソしかねえけど。ああ、あと、「飼い主」の扱いはあんなもんでいい。あれがいいよ。下手に絡むと性質で厄介なことになる。あの投影はどうやっても自分を隠したがるからな。

兎歌博士: そうですか。今までの経歴に好ましくないものがあったようですね。

SCP-4127-JP: ああ……うん、忘れてねえ。あんた方も知ってるだろうけど、おれはどうにでもならされる。本当にどうにでも。

兎歌博士: あなたはそれぞれの創作に関する記憶が維持されていると。

SCP-4127-JP: 全部な。まあわかんだろ、誰一人、犬耳の女子高生がカワイイだけで満足する連中じゃなかったんだよ。おれはゴアと色欲の肥え溜めの底で産まれたんだ。

兎歌博士: ええと、作者……あなた、SCP-4127-JPの、オリジナルの作者についてお伺いしても? 髪であるとか、年齢であるとか、固定された設定はあるわけでしょう。それはどこから産まれたんです。

SCP-4127-JP: オリジナル? 詳しいことはわかんねえ。何か……こう、一発で決まってたんだよ。おれは最初からこうだった。複数人で意見が合致してたのか、個人のキャラクターとしてのおれが広まったのかすらわかんねえ。

兎歌博士: なるほど。ではその中に、貴方が浸っていた創作環境を受け入れる感性は含まれませんでしたか?

SCP-4127-JP: 残念だけど、ダメだった。おれ自身は産まれた時から変われねえ。笑って媚びても吐きながら喚いても、他人が書いてる限りおれの本心じゃねえ。 人生の登場人物ってそういうもんだろ。

兎歌博士: では現在、このインタビューは? これも我々があなたに喋らせているんでしょうか。

SCP-4127-JP: 合わせ鏡になっちまうよな。でもまあ、推測どおりだ。あんたらは本当の意味でおれの言うことを予測しなかった。表現しなかった。インタビュー室とあんただけを与え、空白の時間を与えた。そこまでお膳立てしてもらわなきゃ喋ることもできねえんだ、おれは。でも、

兎歌博士: 何でしょう。

SCP-4127-JP: 笑っちまうのは、ああ、それすらあんたらじゃねえってことだ

[SCP-4127-JPは兎歌博士に掴みかかり、その目を覗き込む。]

SCP-4127-JP: 見えるか、聞えるかよ、ええ? くそったれの穴の向うで! どこまでも……どこまでも見えるよ、おれは。あんたらの奥からシケたお前の面が見えるし、お前の奥のてめえも見える。暗くて病気でへらへら笑って、自分の後ろなんか見もしねえお前らの阿呆面がよく見えるよ、全部忘れもしねえさ。

[警備員が部屋に突入し、SCP-4127-JPは拘束されて床に抑えつけられる。]

SCP-4127-JP: いや、そりゃ正しい判断だ、オブジェクトがこうしたらあんたらはこうするべきだ。お前! お前は気付いてねえ。天井を見ろ、玄関へ行け、外へ出ろ、身内を疑え! バカがバカの指の周りをずっとぐるぐる廻ってやがる! おれは聞いてたぞ、忘れてねえんだ、もう行ける! この日が、この日を、お前の悪ふざけに感謝してやる、初めてのおれの本心から!

<録音終了, 10:01>

ここまでがあんたらの話。

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