
静かなるアゾフ海上空。アレスは死した同僚の武器を号砲に、誰も聞けやしない交響曲第八番を奏でる。
注意: 本シリーズは財団世界観の長編連載Taleシリーズで、物語はすべてフィクションです。
財団職員は皆、その理想のために全力を尽くしてきた。そして組織が皆を守ってくれるとも期待している。だが、その期待が突如として外れたとき、何が起こるのか――――
21世紀のある年に、悪夢がいよいよと降臨した。大部分の者にとって唐突すぎる清算は、世界中に繰り広げられた。数知れない有識者は処刑され、監禁された。時代を覆う暗雲が、平和の光など永遠に訪れないのではないかと思わせるくらいには分厚い。その中で、ただ片隅でうずくまりおののく者はいた。徹底的に抗戦する姿勢を見せる者はいた。敵側に寝返り同胞に手をかける者もいた。
しかし、就任してまもない2名のフィールドエージェントたちにとっては、物語はまだまだ始まったばかりであった……
基本設定
財団
20世紀最後の混沌とした10年間と21世紀最初の緩やかな10年間に、財団にはようやく息づく機会が訪れた。北米の最強者は溢れんばかりの筋肉を見せびらかすのに夢中で、媚び諂うことしかしらなかったかつての緩やかな加盟国と寡頭勢力は、蛆虫みたいに赤き大熊の腐った死体に集り貪り食らっている。およそバラバラの砂のようにまとまりのない様相だったこの超自然研究組織を、圧迫するどころか構う暇も誰にもないのだ。
財団北米支部が設立した「資産共有互助委員会(Joint Resource Mutual Succor Committee,JREMSC)」により、各国の財団職員は互いに交流・援助する場を手に入れた。他組織を離脱した抱負を持った者たちも、審査を受ければ居場所を手に入れることができる。かつての仇敵は今や友となることを選べるようになり、これまでに互いに接触することのなかった要注意団体の人員も、相手のことをよく知る機会を得た。
しかし事はそう簡単にはいかない。新世紀の覇権主義の浸透、未解決の歴史的事案による問題の数々。路線の対立はいつまでも影のように傍に付き添い、たかが公文書一枚で排除されるわけがない。異なる国から来た、異なる信仰、異なる政見を持った人々の軋轢は、まるで蜘蛛の巣のように複雑に張り巡らされている。脅威が外部から内部に変化した今、財団はどんな道を辿るのか。
国際情勢
両極体制から多極体制に移行しつつある世界で、技術的な突破も軍用から民間用に転換している。一方、好敵手を失った欧米諸国は、軍縮を重ねることを余儀なくされる。第388特殊連隊と719特殊空挺部隊の解散を皮切りに、軍に入ることはあくまでも職業選択の一環であり、信念によるものではなくなっていった。この20年間に、なかなか起き上がれずにいたロシア連邦は、国際的発言力を奪還すべく必死に機会を伺っているが、度重なる自爆的な改革に苦しんでいる。前世紀の信仰崩壊を経験した中国は、よろめきながらも少しずつ這い上がろうとしている。中東とアフリカの第三世界諸国に、ある者は頑なに旧来の習慣をこだわり、延々と続く内ゲバを誇りとしている。ある者は思いにもよらず、テロリズム対策の飛び火を食らっている。そしてある者は、如何にして国家を繁栄に導くかを考え始めている。
新たなる時代の、押し寄せる機会という名の荒波の最中に、彼等はアノマリーをどう捉えるのか?国家の発展を目的に、異常物品や超常組織をどう利用するのか?
要注意団体
世界オカルト連合(GOC)は地球上から異常を排除すべく、世界最先端の技術を保有している。軍縮を是とする世界情勢とは正反対に、彼らは積極的に各種技術・装備を開発している。国連をカバーに、彼らは常任理事国5カ国を含む60カ国を集わせた。まるで「超脅威に対する戦争は冷戦のように簡単に終わるはずがない。地球上のすべての国家は一致団結すべきだ」と暗に宣言しているように。――しかし、本当に一致団結が可能なのか?
新しい文化が花開くこの時代に、AWCYは以前よりも多く活躍の場を見出した。図書館はあいも変わらず新時代の物事に無頓着で、外部の人間にとっては過去に陶酔しているだけの変人の集まりに過ぎない。大打撃を受けたGRU”P”部局は、まるで消失したかのように消息がつかめない。マスコミの発達で、多種多様な要注意団体が次々と新しく出現し続けている。新しい組織と古い組織たちは、果たしてこの世界をどういった舞台と見ているのか。
SFOD-Echelon、FoxtrotおよびGolliah
アメリカ特殊作戦軍USSOCOM所属、統合特殊作戦コマンドJSOCが運用する3つのティア1特殊部隊であり、2003年に正式に発足した。名だたるSFOD-Delta、すなわちデルタフォースと頭文字を共有している。これら3つの部隊は統合参謀本部および陸軍・海軍・空軍・海兵隊4軍種の共同で組織・運営されており、各要注意団体から完全に独立している。その任務は、アメリカ合衆国の名義での「下水道に棲み着く害虫よりも公衆の目に触れてはならない」事案の処理である。そしてその存在自体もおおよそ前述の表現通りである。冷戦時代の第588特殊連隊の再編・拡張と噂されているが、詳細は不明だ。
執筆ガイド?
「空と大地のラプソディ」の物語は、1991年以降から現在までの歴史に着目しています。古い時代の荒波が過ぎ去っていきました。しかしそれは、新しい時代が平和になることを意味していません。
これは共同執筆計画です。2013年から、SCP財団の内部に大規模な動乱が勃発し、その導火線は1995年に引火されたものでした。
この世界は広く、様々な出来事が発生します。各作者は思い思いにこの時期における財団と任意の人物、または任意の要注意団体の間の任意のエピソードを描くことができます。
作品同士の設定は衝突してもかまいません。また、関連性がなくてもかまいません。執筆に当たり、注意すべきことは唯一つです: 「歴史的事件を描写する際に、その結果は史実から逸脱してはならない。ただし、過程は任意に虚構することはできる。」(例: 2012年ロンドンオリンピックは2012年7月27日に開幕し、8月12日に無事閉会する。ここでは「イスラム教系政党の反対により5日延期で開幕し、8月10日の自爆テロにより予定よりも早く閉会する」を書いてはいけないし、史実に沿わない他の書き方もできない。ただし「要注意団体XとYが、ロンドンオリンピック期間中に、誰も知らない超常競争を繰り広げていた」とするのはOK。)
作品が合格ラインに到達したら、シリーズ作でないものは「短編」タブに格納されます。シリーズ化する作品であれば、自由にタブを追加・命名し、作品を入れてもかまいません。
体裁は問わない。詩歌も可とする。800文字以上の文章を作成せよ。2
さて、現実という名の鎖に繋がれたまま、踊ろうではないか!
私の永遠の導師Yaaaaaakに捧ぐ