それで、あなたはSAPHIRについて書きますか?
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それで、あなたはSAPHIRについて書きますか?
目にフォークでも刺してた方がマシでは?

SAPHIR関連の何かを書きたがっているものの、間違った表現になるのを心配したり、複雑すぎると感じたり、アイデアがこの要注意団体に合っていなかったりする著者が大勢いることに、私は気付かざるを得ませんでした。

それはごく普通のことです。SAPHIRはSCP世界観の中でも非常に複雑な思考と絡んでいる要素ですし、時間とともに複雑になり続けています。

あなたを支援するために、ここで幾つか、何をすべきか — もしくは何をすべきでないか — 例を示しましょう。

オブジェクトの由来

SAPHIRはSCPオブジェクトに対抗する組織なので、その制作には殆ど/全く関心がありません。しかし、このWikiの根幹にあるのはオブジェクト記事なので、少なくとも幾つかはオブジェクトがなければいけません。彼らの無神論SCPには複数の起源があります。

  • 80%のケースで、SAPHIRは外部の、可能ならば宗教関係のオブジェクトを回収/再利用します。 例として、SCP-236-FRはハデスの姿隠しの兜が元ネタですし、SCP-281-FRは預言者ムハンマドの剣に関連していて、SCP-353-FRには何故かシク教の腕輪が嵌まっています。SAPHIRはこれらのアイテムを押収し、時には破壊しますが、自分たちの大義に役立つ可能性があれば勿論手元に置いておきます。
  • 正確には、SAPHIRオブジェクトの60%は、SCP-1609のようなGOC関連記事と同じように、破壊された、改造された、またはそれらの変化の結果として生成されたオブジェクトです。前述した3つのオブジェクトも単純な宗教的性質だけではなく、手を加えられて複雑化しているので、この項目に該当します。SCP-242-FRの場合、出エジプト記の“燃える柴”が破壊されて3つの新しいアイテムが生まれました — 弱体化した“燃える柴”、炎上する無神論者、そして“王座”です。
  • ごく稀に、SCP-137-FR(パンフレット)やSCP-227-FR(ホロスコマトン)など、SAPHIRが独自に作ったオブジェクトも存在します。これらのオブジェクトは明確にSAPHIRの目的を果たすために作られているので、大抵テロ攻撃に使用されます。これらは何よりもまず、SAPHIRの行動規範にある幾つかの規則に従わなければなりません。そうです、彼らにも行動規範があります。

ヒント! 歴史に残る神話的なオブジェクトを自由に一つ選び、本来の用途から完全に逸脱させて捻りと驚きを加えてみましょう!

オブジェクトの機能

事実上全てのSAPHIRオブジェクトは彼らにとって役立つものです。SAPHIRは面白半分にこれらを公共の場に放り出したりしません。つまり、良いSAPHIRの記事を書くには彼らの興味に関連している必要があるのです。それほど難しくはありません。

  • SAPHIRは超常現象を攻撃します。 異常かつ崇拝対象となり得る物は彼らの第一ターゲットです。神/救世主/聖遺物/漠然と由緒ある何かを殺す/破壊する/罠に嵌める/誘拐する/毒漬けにする/崩壊させる/信用を潰すための作戦はどんな内容でも大歓迎です。SCP-242-FRにおける“燃える柴”の破壊は明らかにこれが目的です。
  • SAPHIRは宗教の信者を攻撃します。 ここで言う信者とは一般社会の普通の人間です。SAPHIRの狙いは信者たちよりもむしろ、彼らの信仰を殺すことです。救済できない信者は殺さざるを得ませんが、もし改宗 — というより逆改宗 — させられる見込みがあれば、彼らはそちらを選ぶでしょう。これは創造論者を恐竜に変え、少数を殺して残りの人々を恐怖させるSCP-164-FRに当て嵌まります。それに勿論、効果的な拷問を加えて自らの宗教を嫌悪させるSCP-137-FRも同様です。
  • SAPHIRは自らの正しさを証明します。 SAPHIRは科学と事実を信じています。往々にして事実は科学に沿うものですが、時々それは科学に対するSAPHIRの見解に準拠していません。その場合は事実を正す必要があります。これは平面だった地球を無理矢理丸めてしまったSCP-281-FRが特に該当します。前述したSCP-164-FRの場合は、全ての人に恐竜の実在を見せつけます。逆に、SCP-227-FRは占星術を信じる人々を痛烈に罰します。

ヒント! オブジェクトを破壊するつもりなら、できるだけ創造的に執筆してください。単なる神殺しは当たり障りのない退屈な記事になりがちです。もっと繊細な手段を見つけましょう — 抜け穴を見つけ、神の子を人質に取り、脅迫し、不可能な状況に追い込み、神は存在しないと神自身に納得させるのです。

ヒント! 科学を否定するような論争がニュースには溢れています。創造論と地球平面説は既に述べた通りですが、他にも水脈ダウジング、反ワクチン運動、パワーストーン、ほぼ全ての代替医療、各種の占い、宗教観に基づく同性愛者や女性への嫌悪… 山ほどの時事問題がSAPHIRとの出会いを待っているかもしれません。

異常な影響

SAPHIRは幾分複雑な考え方に従いますが、ピラミッド形式でまとめることができます。ピラミッドの頂点には、彼らがディアマンDiamantと呼ぶ理想があります — 迷信や誤解が存在しない純粋な理性の世界。理性のすぐ下に位置するのが人命(明確に不信心者を贔屓)と、人間文明に関わる二次的要素(文化・芸術・豊かさなど)です。

この論理に従って、たとえテロ攻撃の最中でも以下の道徳規範が出来します。

  • 精神を操作しない! ミーム、記憶処理、催眠術、サイオニック、どれもダメです。SAPHIRの主な目的は人々に宗教を拒絶させることであり、そのためにはしばしば大衆を脅します。結局のところ彼らはテロリストですからね。しかし、古代都市アレシアがジュラ山脈にあったと信じる人々とは違って、SAPHIRのテロは理性に基づいて正直に行われます。家族が恐竜になったとか、文字通りの殉教者にされたとか — もしくは非常に説得力のある演説を聞いたとか — そういう理由で人が神を否定するのは、自由意志に基づく個人の判断なので構わないのです。それを再プログラミングするのは問題外です。少なくとも、直接的には。
  • 死者を出さない。 あまり多すぎてはダメです。程良く。オーケイ、もうちょっとぐらいは良いでしょうが、目標は人口削減ではありません。死者が出る場合は宗教信者、特に神父や説教師などの信仰を広める役職が優先されます。実際、攻撃は多かれ少なかれ指示されます。ターゲットが特定の共同体ならば、重要人物が狙われます。一般大衆をターゲットとする“普通の”攻撃に過ぎないならば、混雑した場所にただ設置するだけで十分です。
  • テロ攻撃以外はそれほど壮大ではない。 勿論、テロ攻撃の重要な点は、人類の心に恐怖を吹き込んでより広い観客に声を届けることです。しかし、SAPHIRは多くの人々に信仰を放棄させられると確信した時だけ公の場で異常存在を使用します。信仰は異常なものから生じているので、それを見せびらかし過ぎると逆効果になります。できれば超常的ではなく説明不可能な結果をもたらすオブジェクトを執筆しましょう。道路を徘徊する恐るべき恐竜や、何気なく姿を消したり再出現したりする人々は、パリの上空に巨大な仏像が浮かんで数週間かけながら形状を変化させるのよりずっと優れています。

ヒント! 上記は絶対的ルールではありません。本当に質の良いSAPHIRの記事は洗脳し、山ほど人を殺し、壮大な事件を起こすことが可能です。 もし本気でSAPHIRの理想を逸脱した記事を執筆したいなら、しっかりとそれを正当化しましょう。例えば、特定のロッジや一部構成員が大騒動をしでかした末に組織から放逐される、または暗殺されるという筋書きもあり得ます。

SAPHIRの手段

ここではいまいち重要でない問題に触れます。しかし、組織の手段を知るのは、どの程度大規模な記事が書けるかを判断するうえで肝要です。それではまず、SAPHIRは極端な言い方をすればボランティア団体である点を念頭に置きましょう。

  • SAPHIRの財源は様々ですがかなり貧弱です。 SAPHIRの著名な構成員の中には、シルバースタイン家やファウスティル家のように、一財産築いて大規模作戦(SCP-236-FRクルーズ船の購入や北極遠征など)に資金提供しているパトロンがいます。これらは金持ちなら手が届く程度のものですが、財団やGOCやその他多くの要注意団体とは比較になりません。更に、作戦の90%は地元で行われていますし、献身的な構成員のおかげで成立しています。
  • SAPHIRの人材はあなたがどんな人間を含めるかによります。 SAPHIRは完全にボランティア活動に基づいています。爆発物の製法を知る人物はRUBISチームに参加し、科学研究をしている人物はEMERAUDEとして財団に潜入できます。ですが財団の警備員のような訓練や給料はありません。あなたが想像する平均的なイスラム過激派と同じように、SAPHIR構成員はお互いまたは個人で、完全に秘密裏に訓練しています。
  • SAPHIRの技術力は悪くありませんが優れてもいません。 SAPHIR構成員の大部分は市民科学分野の一員です。全員、多かれ少なかれ先進的なハードウェアや知識を利用できます。彼らはハード・サイエンスを習得しますが、オカルト・サイエンスには無知です。そしていざオカルトを掘り下げて研究しようとすると、完璧に否定されてはいないものの、財団から見れば数十年前に廃れた疑似科学理論止まりになることが度々あります。

ヒント! 財源の少なさはSAPHIRを弱小GoIに貶めません。SAPHIRの最大の強みは、Are We Cool Yet?と同様、その秘密主義にあります。SAPHIR構成員は何処にでもいて、捉えどころがありません。彼らは西半球全域に広がるネットワークに棲みついた蟻です。そこには著名人、富裕層、知識人が含まれています。更に、彼らは恐らく、財団が保護しなければならない一般社会に最も近いGoIの一つです。

SAPHIRの政治的スタンス

ちょっと無関係のようですが、一度か二度訊かれたはずなので。SAPHIRは様々な経歴を持つボランティアの集団なので、しっかりと定義された政治的傾向はありませんが、典型的なキリスト教保守派の右翼団体と意気投合しないのは確かです。もしこれがあなたにとってSAPHIRのキャラクターを書いたり、会合の一場面を描写したりする助けになるならば…

  • 構成員の大部分(特に重要人物)は自由主義または急進派自由主義であり、いわばイーロン・マスク流のアイン・ランドです。彼らはしばしばハード・サイエンスに深く関与していますし、自由主義は宗教的教義からの脱却と権力の超越を意味します。 Welcome to Rapture.
  • もっとプロレタリア的な別の層は非常に左翼寄り、それも反教権主義の左翼思想持ちです。上述したように、SAPHIRはボランティアから成る連合組織であり、教会のような中央集権組織に文句を付けたい構成員は誰でも、フランス共和党並みの世俗主義でもってロッジを立ち上げることが可能です。例えば、私がTale“悪を追う”で描写したSAPHIRは、構成員の殆どが社会構造の最底辺に位置するマイノリティ集団です。無神論は異常社会のはみ出し者にとって最後の拠り所なのです。

ヒント! この2つの政治的スタンスは矛盾しているように思えるでしょう — 事実、矛盾しています。そうです、私は正直この件に関するアドバイスができません。無神論には多数の社会的側面があります。ユダヤ人の無神論、ソ連に推進された共産主義の無神論、革命的反教権主義、哲学的立場としての無神論、製薬会社を支持してホメオパシーに猛烈に立ち向かうリベラル無神論、アナーキストの無神論… ピンときたら、遠慮せずどれでも試してみてください。

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