アンブローズ・バックドア・ソーホー
評価: +15+x


ソーホー、再訪さいほう

以下はダーク・ウェブからの口コミです


★★★★☆

別けてもアンブローズは顧客の獲得に当たって小細工を利かせるブランドとして悪名高い。取り立てて驚くべき事実でもない。ここまで秘密裏に営業しているのなら、顧客になり得る者を驚かすのは困難である。マーシャル・カーター&ダークの代表を驚かせるとなると尚一層困難になるが、お陰で過去に囚われない内装には驚喜した。

筆者の厳格なる神食の食習慣に照らし合わせるなら、注文したのは緋色のカラマリ、マンハッタン・ショゴス・チャウダー、旧き神々the Old GodsPrimaveraチーズケーキ、そしてゴールデン・オレンジ・サイダーだ。どのコースも美しい料理に仕上がっているのみならず、店がありふれた古ぶるしき神食の欠陥を克服できたというのは嬉しく思う。

芸術表現と様式の優れた融合たる、一般向けギャラリーは十分に楽しめるものだった。展示品のチョイスは通の蒐集家の塒においては殆んど打ってつけのラインナップだった。唯一の不満を挙げるなら、ヴァイオレット・ギャラリーと比較して、メインフロアは何故かテーマにおける統一感を欠いていた。

最大の不満は初日の夜の音楽ショーにある。マーシャル・カーター&ダークの代表なら絶対に芸術家としての在り方に期待しないと思うのだが、反資本主義の芸術コレクティブが人目に付く浪費を題材に露骨な演出で披露するとなると、どれだけ"パフォーマンス・アート"で取り繕ったところで、案の定、悲惨な事態に陥った。取り分け(筆者がこれ以上になくはっきりと嫌悪感を抱いた集団でもある)スペードのハウスやイッツ・フリー・ジャズ!は店の雰囲気を滅茶苦茶にしようと努力していた。

ルナ・サパタの記憶に残る美しい音色のバイオリン演奏が無ければ、ここでの体験談を丁寧に書く真似はせず、読者には行くなと伝えていただろう。けれども芸術には好き嫌いがあるのではないかと思うのだ。

余談。入居している建物は幽霊が出没するかのような外観で、魅力を引き立てている。サパタ女史の『悪魔のトリル』の名演奏を聞き終えた後、筆者はすすり泣く女性が壁に消えていくのを目にしたのだった。

~アビゲイル・デル・トロ

★★★★★

マチガイナク チキュウ ノ ゲイジュツ ハ ドクジ ノ シロモノ ダガ ドウホウ ノ カラフル タイシ ノ ショウゲン ヲ フマエル ナラバ ワレ ハ テキイ ニ アフレ スメナイ トノ コト ダッタ。

ソモソモ エイヨウ ヲ トル ヒツヨウ ハ ナイ ノデ ミセ デハ ショクジ ヲ トラナカッタ。

ナガレル オンガク ハ ヨロコビニ ミチタ インウツサ ヲ カンジラレ サマザマナ インスタレーション ハ スバラシキ タヨウセイ ヲ ミセテイタ。

トクニ タエマナイ バイオリン ニ ツイテ ハ イッピン デ アッタ。

~ ザ・クロマティック・ワズィール

レストランからの返信: ご来店ありがとうございました!とはいえ、お客様のご来店中にバイオリン演奏の予定はありませんでした。チェロ演奏を耳にしたのかもしれませんね。

★★★☆☆

料理はマジで最高。地域の好みを最低限満たすだけの安直な小細工以上の成果をアンブローズが出してくるなんて予想してなかった。けど料理について一つ確かに言えるのだとしたら、小細工云々に関係なく概ね最高の料理と言って良い。

アート?さっぱりだね。

俺が食っている時、90年代にリベラルがご機嫌取りで見せてた派手な"ダイ・イン"の一場面からそのまま出てきたみたいな、空腹の幽霊連中の恰好をしていたパフォーマンスアーティストが少なくとも4人はいた。
~ロバート・ストーン

レストランからの返信: お客様のご来店時に当該劇は予定に入ってなかったかと。此方も調べる予定ですが、近日中に規約に則って、返金手続きが行われるかもしれません。

★☆☆☆☆

オーケイ。試してみた。ええと。一人の芸術家としてではなく、アート・ギャラリーへの来客として、アートシーンに足を運んだわ。ええと。楽しみたかった。 自惚れた女ハッカーが煽った、上っ面だけのバカ丸出しの社会風刺を拝みに来たわけじゃない。

バイオリンを持った女がやって来て、こっちを容赦なく睨みつけると、(一応は上手いと言える)ソロ演奏を披露してくれたと思ったら、あっという間に去っていくなんて事が2回ほどあった。その後で、 分かんないんだけど…クリスマスの幽霊?を演じていた(一応は信用できそうな)俳優さん達に声を掛けられた。「温もりを奪わないでくれ」とか「あと2週間くれ」とか、飾らない言葉で感情に訴えようとしてた。亡き哀れな人々に同情したいのであれば、向かいの通りの出演者が全員幽霊の『レント』を見に行けばよかったわ。

料理は普通だったと思ってる。

~ヨシダ ショウコ

レストランからの返信: 想定外の問題が発生しているようですね。ご来店ありがとうございました。

★☆☆☆☆

事業は好調、だから奮発して料理を味わいたかった。「そうだ、新店試すのはどうよ?」と思ってね。まあ、新しい場所へ出向くのは好きだし、これ以上の中華料理を味わうのは命に関わると確信もしていた。

とんだ間違いだったよ!

この店を肥溜め呼ばわりしようものなら、このクソったれの都市のあらゆるゴキブリの湧く肥溜めへの侮辱になるだろう。 黄金比のビストロに住み着くゴキブリどもが、バイオリンを奏でつつ、忌々しき壁面を這い回ったりしない。連中は人間の血に染まっておらず、追い出さぬよう嘆願の言葉も口にしない。忌々しき店員らが忌々しき箒で追い払うのを見るのも真っ平だ。イオン・H・キリストよ。

星は一つのみ。ヘレンがレビューを貼ってくれる。

~ マルコス・コーエン

レストランからの返信: 気分を害してしまい申し訳ありませんでした。どうぞお大事に。

★☆☆☆☆

このビルが間違いなく幽霊だらけなのか、それとも行って体験するしかないのか、教えてくれない?

~ ファイ・リシポル

レストランからの返信: 当店への誹謗中傷はお止めください。[ストーンが"幽霊"の告発から法の抜け穴を見つけるまで待機、それから彼が返信作成を行うまで待機。]

レストランからの返信: 当該アカウントは乗っ取りに遭いました。担当責任者は解雇されました。

★☆☆☆☆

すーばらしい。クールだ。"現在進行中のゴースト事件"のお陰で予約が取れちまった。3週間前かそこらに予約した時はこんな筈じゃなかったのにな!

SJWのクソったれめ。雑魚のエクトプラズムにも耐えられねえミレニアル[6]生まれの大量の泣き虫どものせいで、滅茶苦茶てんてこ舞いだ。オリーヴ・ガーデン[7]なら絶対にこんなサービスでもなかっただろう。

~ ウラニウムエンパイア

☆☆☆☆☆

何てこったい! ゲーマーズ・アゲインスト・ウィードの、君だけのミセス・地に足付いてるを見つけちまったな!過去を顧みろ、これが初めてでもないだろ!ワンダーテインメント博士って誰それ?

みんな見つけてミスター・ゲーマーになろうぜ!

01. ミスター・文字通りのシリアルキラー
02. ミスター・標準
03. ミスター・バーニー・サンダース
04. ミスター・どこでもなんでも無料
20. ミスター・セックス・ナンバー
21. ミスター・天上の美
22. ミスター・大罪
23. ミスター・オリジナルキャラクター
24. ミスター・D.A.R.E.
25. ミセス・高級住宅化 ✔
26. ミズ・ビデオゲーム狂
27. ミスター・ミーム
28. ミスター・不吉(生産中止)
29. ミスター・運命
30. ミスター・モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル
31. ミズ・サパティスタ
32. ミスター・チート
33. ミスター・タトゥーがあるやつ
34. ミスター・トップテクストとミスター・ボトムテクスト
35. ミスター・フィナーレ

~ ルナ・サパタ


訳注
1. 原義はイタリア料理の一つでイカを揚げたもの。
2. 東ヨーロッパ、ドイツ語圏に定住したユダヤ人及びその子孫の名称。
3. 神がノアを通じて全人類に与えた7つの戒めで、このうちの6番目は生きている動物から取られる肉を食べることを禁じている。
4. 牛のショートロインの小ステーキ。名前の由来はニューヨークに実在したデルモニコス・レストラン。
5. 原文での綴りははon the Rack 。「苦しみ」を意味する語句と「オン・ザ・ロック」を掛けている。
6. 1980年前後から2005年頃にかけて生まれた世代。
7. 実在するアメリカのイタリアンレストランチェーン。
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