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オネイロイ主催レビュー
ロンドン・アンダーワールド
★★★★★
読者が高級レストランを探しているならば、探すべきはアンブローズ・レストランの新たなロンドン店を措いて他は無い。別な所にあるアンブローズ系列店はより大衆的な顧客にも料理を提供しているが、アンブローズ・ロンドンはロンドン中心部に位置する上流階級向けの場所であり、素敵なディナーを求める者にとっては最良の選択である。
私がマーシャル・カーター&ダークの営業担当者からアンブローズ・ロンドンを勧められたのは、彼ら厳選の高級志向レストランや、フェニックス・ア・ラ・モードなどの彼らがアンブローズ・レストランから販売資格を得ている料理オプションを大いに楽しんだ後だった。この新しい店舗にもまたこれらのレストランに匹敵する価値があり、一流の食事を楽しむうえで理想的な選択だと私は考えた。
実際、私はこの場所に文句の付けようが無い。サービスは申し分なく丁寧で、料理は速やかに調理・提供され、どの料理の味も絶品だった。確かに高価だが、全ての料理の希少性は価格を正当化してなお余りある — いったい、他にこの世の何処でクラーケンの卵を食したり、生きたドラゴンからテーブルに来てもらえるような機会が得られるだろう。アンブローズ・ロンドンは並び立つ者の無い、或いは世界中探しても見つからないような経験を提供しているのだ。
私が注文した料理は(彼らの素晴らしいプリフィックス・メニューからのもので、選択も価格も趣味が良い)、ベイクドポテトバグ、ルナ・グリュイエール・フォンデュ、キャビアの盛り合わせ、ドラゴン・ベイクド・アラスカ、そしてルベド・リザーブ1瓶。それぞれ良く調理されていて非常に美味だった。
ベイクドポテトバグは別種の施設 — つまり、幾分低級な顧客向けの料理を出す店を連想しないでもないが、見事に調理されていたし、コオロギの異国情緒ある起源は基本的な事柄を十分補っていると思う。 (概念的にジャガイモに基づく物質と共に超常的に生成され、あるジャガイモが抱く概念的理想とでも言うべきものから生まれた虫だ。そのような訳で、これは料理の準備経緯として考え得る限り最良のものだった。)
アンブローズ・ロンドンに関して唯一残念だったのは、全ての料理を食べることができなかったという点である。次回の訪問を熱心に待ち焦がれている。
スリー・ポートランド・タイムズ
★★★★☆
スリー・ポートランドからポートランド島の入口を通って容易にアクセス可能。ロンドンに入れば駅から歩いてすぐの場所。予約は現在のところ多くないが、急増が予想される — いずれ数ヶ月待ちになる可能性あり。
サービスは非の打ち所が無く、食事も雰囲気に合っている。
プリフィックスの全コースに菜食主義者向けのオプションがあるが、通常は一つしかオプションが無い。適切な完全版のメニューにはより多くのオプションが掲載されている。
メニュー内のオプションの1つ — ベイクドポテトバグ — は非菜食主義者向けと明示すべきであろう。植物質で構成されてはいるが、この植物質はかつて知覚力を持つ生命体として機能していた。この料理にはベーコンが添えられるが、ベーコン無しでも菜食主義者には向かないことに注意すべし。
昨日のブルスケッタの味は、現代風のブルスケッタと大して変わらなかった。トマトは味が多少異なるが、それ以外は似ている。
アレクシルヴァン・スープは適切。レシピはこの世界の外から来たものかもしれないが、味はこの世界に合っている。
五感のリングイネは前記二品の平凡さを補うものだった。完全に未知の体験で、なかなか楽しめた。しかし全ての人には推奨できない。
神々の果実は良く選び抜かれていて、名前も提供される果物に相応しい。品揃えは豊富。
一千年メルローは絶妙な風味で、ブルスケッタと対照的だ。異時間起源はこのワインに関しては効果的であり、味を補完してより高めていた。他のコースとも相性が良い。
ザ・ホーリー・グレイル
★☆☆☆☆
4コースプリフィックスを食べた後、私は人生最悪の下痢に見舞われました。私が注文したのはベイクドポテトバグ、永遠のシチュー、カニ身乗せマッシュルーム、そしてドラゴン・ベイクド・アラスカです。
その晩、帰宅した直後に全てが始まりました。家に入ったほぼその瞬間、私の胃を凄まじい痛みが刺し貫き、私は足が許す限りの速さでバスルームに駆け込みました。その後の三時間は、私のはらわたが我と我が身を引き裂いてはお互いに結び合わされ、その過程がプロメテウスの刑罰よろしく百回も容赦なく繰り返されるという絶対的な苦痛の中で過ごしました。
自分がバスルームに一人きりで籠っているのではなく、ダンテのように地獄で一千匹の悪魔と向き合っているのだという幻覚を見始めました。私を取り巻き、脅かす一千匹もの怪物。幻覚に過ぎなかったかもしれませんが、恐るべきものでした。
そして、恐怖の最後の一瞬が、腸の中身が全て出てゆく猛烈な受難の瞬間が訪れました。百年も続いたかと思いました。 (バスルームの時計は、私を嘲り笑うかのように動いていませんでした)。
それが終わった時について、私にはバスルームの床に前後不覚で崩れ落ちたというただ一つの記憶しかありません。意識は途絶えました。
ブラックアウトの中で、私は永遠に続く天の至福を幻視しました。天使たちの聖歌隊が私を囲み、祝福された詩歌を歌い、私を邪悪から引き離してくださったのです。私は雲の中を踊り、最前まで私を苛んでいた苦痛や苦悶から自由でした。まさしくそれは神の啓示に他ならず、私は後日、敬虔なカトリック教徒になりました。
幻視が沈み込んでカトリック教会の戸口で終わった後(私が今カトリック教徒である理由の大半はこれです)、私は完全に服を着た全身清潔な状態で目を覚ましました。間もなく自分がモロッコのマラケシュにいると知りましたが、イギリスのロンドンからそこまでどうやって行きついたかの記憶はありませんでした。今日になってもまだ分かりません。
あの夜の悲惨な事件の後に、私は自宅のバスルームを解体してすっかり改装する羽目になりました。今は損害賠償を巡ってアンブローズ・レストラン相手に訴訟を起こしている最中です。私は彼らの店舗で食事をすることを奨めません。
とは言うものの、料理は全く以て美味でした。