Athazagoraphobia
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多元宇宙反復2Nの財団へ通達:

以下は我々が救済を断念した宇宙のひとつ、多元宇宙反復6Tの地球に発生した出来事を大まかにまとめたタイムラインです。
ここ500年間、我々はこの資料を同様のリスクを有する300以上の宇宙に送信し続け、時には強硬的手段にも打って出ましたが、残念ながらその76%は同じ轍を踏み、同じ終焉を辿り、同じように我々から次元間隔離措置を受けています。

人間は過ちを繰り返します。個々の宇宙の歴史を見ても、我々の収穫戦争を見ても、その原理は変わらないようです。しかし、我々はそれを止めねばなりません。それが我々の存在する理由ですから。

したがって、我々はあなた方にこの資料をお渡しし、その上で今一度警告します。
もう同じ過ちを繰り返さないでください。より具体的に言いましょう ──

二つ目のSCP-2000を造らないでください。
機械仕掛けの神は、文明の形成体オーガナイザーは、ただ一つでなければならないのです。

あなた方は見守られています。あなた方は護られています。あなた方は愛されています。
☽☽☽


多元宇宙反復6T タイムライン


〈第1期〉

1980年 6Tの財団がSCP-2000の建造を開始する。
2000年 6Tの財団がSCP-2000を完成させる。
2001年 脅威2029/36の収容違反により地球環境が破壊される。SCP-2000が起動される。

〈第2期〉

2000年 SCP-2000による文明の再構築が完了。西暦は2000年に"設定"される。
2025年 軍事利用された脅威540/36により地球環境が破壊される。SCP-2000が起動される。

〈第3期〉

2020年 SCP-2000による文明の再構築が完了。西暦は2020年に"設定"される。
2022年 SCP-2000の機能不全が確認される。修復の試みが開始される。
2035年 SCP-2000修復作業が難航している状況を鑑み、2基目のSCP-2000を建造する計画が立案される。
2040年 極致脅威001/36の顕現が予測される。2基目のSCP-2000の建造が開始。
2052年 6Tの財団が2基目のSCP-2000を完成させる。1基目のSCP-2000の修復作業は継続される。
2054年 1基目のSCP-2000の修復がほぼ完了。
2055年 極致脅威001/36が顕現する。生存者により2基目のSCP-2000が起動される。
2057年 生存者により1基目のSCP-2000が起動される。

〈第4期〉

2つのSCP-2000による文明再構築効果が拮抗し、結果的に概ね元の文明と同様の文明1つと、元の文明によく似るがやや小規模な文明1つが生成される。のちの第4期において、前者の文明は一次文明、後者の文明は二次文明と呼称される。
2050年 2基目のSCP-2000による一次文明の再構築が完了。西暦は2050年に"設定"される。
2052年 1基目のSCP-2000による二次文明の再構築が完了。
2060年 一次文明と二次文明の間の対立が激化する。特に一次アメリカ合衆国と二次アメリカ合衆国、一次財団と二次財団間の抗争は激しく、これ以降両文明はかつてないスピードで科学技術を発展させる。
2069年 両文明が極致脅威クラスの戦略兵器を保有していることを鑑み、両文明は文明崩壊後の地球において有利な立場となるためにSCP-2000の改良および複製を開始する。
2078年 第十八次文明間大戦に敗北した二次文明が前述の戦略兵器を起動させ、結果として両文明が壊滅する。生存者により3基のSCP-2000が起動される。
2079年 生存者によりさらに2基のSCP-2000が起動される。

〈第5期〉

5基のSCP-2000による文明再構築効果が拮抗し、結果的に不完全な文明5つが生成される。
2070年 3基のSCP-2000による一次、二次、三次文明の再構築が不完全ながら完了。西暦は2070年に"設定"される。
2071年 2基のSCP-2000による四次、五次文明の再構築が不完全ながら完了。
2075年 激しい文明間抗争が勃発する。各文明の財団は正常性維持機関としての機能を喪失し、専ら軍事技術としての異常存在の研究開発を行うようになる。
2084年 四次文明が自文明の兵力増強のため、改造したSCP-2000を用いた人民の改良を開始する。この政策が効果を発揮し、以降他の文明も同様の政策を実施する。
2090年 地球上に存在するSCP-2000の数が50基を超える。
2092年 第二十三次文明間大戦に敗北した五次文明が極致脅威001/36を復活させ、全文明が壊滅する。生存者により28基のSCP-2000が起動される。
2093年 生存者によりさらに16基のSCP-2000が起動される。
2094年 生存者によりさらに5基のSCP-2000が起動される。

〈第6期〉

49基のSCP-2000による文明再構築効果が拮抗し、結果的に全てのSCP-2000において文明形成不全が発生する。
2090年 文明形成不全のため西暦の設定は行われない。便宜的に、第5期において最初に起動されたSCP-2000が動作を停止した時点を西暦2090年と表記する。
2092年 各地でSCP-2000の改造・増産が開始される。各地で兵力増強のためSCP-2000が乱用される。
2095年 SCP-2000の総数が100基を超える。
2098年 脅威2554/36により地球環境が破壊される。生存者により122基のSCP-2000が起動される。
2099年 生存者によりさらに37基のSCP-2000が起動される。
2100年 生存者によりさらに15基のSCP-2000が起動される。
2101年 生存者によりさらに6基のSCP-2000が起動される。

〈第7期〉

180基のSCP-2000による文明再構築効果が拮抗し、結果的に全てのSCP-2000において文明形成不全が発生する。不明な原因により、文明の回復に先んじてSCP-2000の改造・増産が開始される。
2100年 文明形成不全のため西暦の設定は行われない。便宜的に、第6期において最初に起動されたSCP-2000が動作を停止した時点を西暦2100年と表記する。各地で兵力増強のためSCP-2000が乱用され始める。
2107年 非異常な核戦争により地球環境が破壊される。この時点でSCP-2000によって改良されていない人類は滅亡する。生存者により462基のSCP-2000が起動される。
2108年 生存者によりさらに107基のSCP-2000が起動される。
2109年 生存者によりさらに88基のSCP-2000が起動される。
2110年 生存者によりさらに39基のSCP-2000が起動される。
2111年 生存者によりさらに10基のSCP-2000が起動される。

〈第8期〉

706基のSCP-2000による文明再構築効果が拮抗し、結果的に全てのSCP-2000において文明形成不全が発生する。文明の回復に先んじてSCP-2000の改造・増産が開始される。
2110年 文明形成不全のため西暦の設定は行われない。便宜的に、第7期において最初に起動されたSCP-2000が動作を停止した時点を西暦2110年と表記する。第7期の文明が設計したSCP-2000群が自動的に自己の改造・複製・修復を開始する。既に各地で目的のないSCP-2000乱用、および不明な原因によるSCP-2000の自発的起動が頻発している。
2112年 過度なSCP-2000の建造により地球資源が枯渇し始める。
2113年 人類の遺伝子が度重なるSCP-2000の改造と起動により完全に異なるものへと書き換わる。多元宇宙反復6Tにはもはや守護すべき人類は存在しないと判断されたため、6Tは☽☽☽権限下から切り離される。永久的隔離をさらに確実にするため、JALAKÅRAは6Tに対し開眼する血の賛歌を囁きかける。
2114年 SCP-2000建造のための地球資源が完全に枯渇する。残存する2097基のSCP-2000全てが自動的に起動する。

以降、地球-6Tでは自動制御下におかれた2097基のSCP-2000が、賛歌により不活性化された"かつて人類だったもの"を生産し続けています。☽☽☽はこのタイムラインを睡蓮が救済できない終焉の事例として記録することを決定しました。











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