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評価が20以上で、かつ精神影響、ミーム、強制力、感情、記憶影響、知識のいずれかのタグを持つSCP記事を書く
ニュートラライズド
評価が20以上のNeutralizedオブジェクトについてのSCP記事を書く
英雄譚
自我を持っていて人間に近い外見の人型オブジェクトが主人公であり、評価が20以上のTaleを作成する
誰かの日常
財団職員が登場せず、かつ評価が20以上のTaleを作成する
はじめに
ここでまとめた内容は、
apple3が今後の創作や記事を読む際のメモとして記述したものです。内容はあくまで私個人の意見・感想であることをご了承ください。
SCP財団とカニバリズムについて
財団世界には、時にカニバリズムについての言及がなされた記事及びTaleが存在します。これは、大半の人にとってカニバリズムが日常的に存在しない概念であるからです。私は『人は手に届かないものほど興味関心を強く抱く場合がある』と考えています。カニバリズムという日常に存在しない概念に対して恐怖や嫌悪感、時には歪んだ好奇心を抱くがためにそれを取り上げた作品に惹かれるのだと思います。
ここで、今回記述するカニバリズムの定義について話しましょう。一般的には「人を食うこと。特に、呪術的信仰から、また宗教儀礼として人肉を食う慣習。人肉嗜食(ししょく)」 と定義されています。
財団世界において、人間が食べられるという事案は一般的なカニバリズムに限らず、所謂異形の怪物を元凶に発生する場合があります。つまり、偏に「人を食べる行為」と言っても様々であり、例えばSCP-682が収容違反を起こして人間を食い散らかしたとしても「人を食べる行為」に含まれてしまうわけです。
今回食人ではなく敢えてカニバリズムと言及した理由としては、「人間を人間が食べる行為」にのみ焦点を当てて考察したいと考えたからです。そのため、当文書では摂食の行為者が人間であると私が判断した場合のみ紹介いたします。
では、カニバリズムが如何にして財団世界内で描写されているかについて考えましょう。そもそもカニバリズムのタイプには大きく分けて3通りあると私は考えています。
- 人間を食材として扱う行為を主軸に置くタイプ
- 人間を摂食するという行為に意味を見出す、儀式的な部分を主軸を置くタイプ
- 人間が人間を摂食する(又はされる)行為自体を主軸に置くタイプ
人間を食材として扱う行為を主軸に置くタイプ
例として、SCP-884-JPが該当します。
食における好みというものは様々な動物に存在しますが、人間は特に五感を駆使して趣向を凝らすことができる生き物です。料理の味は言わずもがな、美しい見た目、食欲をそそる香り、音、口に含んだ際の食感というものを楽しむことができます。このタイプはカニバリズムに人間らしい営みを重ねることで、行為者との感覚的なずれに違和感を覚えたり、不快感を感じさせます。個人的にはカニバリズムを題材とした作品の中で一番好みのタイプです。
このタイプを執筆するうえで難しい点は、大半の執筆者はカニバリズムを体験したことが無い点にあるかと思います。当たり前と言えば当たり前の話ですが、人間の肉はどのような味がし、どのような香りがし、どのように調理すれば美味しくいただけるのかを研究する機会がないだけに、リアリティを求めるのが難しくなります。
人間を摂食するという行為に意味を見出す、儀式的な部分を主軸を置くタイプ
例として、SCP-890-JPが該当します。
このタイプの記事も前述した食における趣向を主軸とする記事と同様、感覚的なずれからなる違和感や不快感が重要となります。ただし、食人行為をサブに置き、食人行為を行うことで何をしたいかに重点を置く場合が見られます。この『何をしたいか』の規模は様々で、宗教団体により行われる大きなものから、個人の願望により為される小さなものまで種類が豊富です。
執筆する際に意識するとよい点としては、どのように食人行為に意味付けをするかをしっかりと練ることです。それにより展開されるストーリーを楽しむ場合が多く、それ故に他のタイプよりも細かく背景を作りこむ必要があります。
人間が人間を摂食する(又はされる)行為自体を主軸に置くタイプ
例として、SCP-175-JPが該当します。
このタイプでは前述する2つのタイプ以外のオブジェクトを対象とします。肝となるのは、行為を行う又は行為の対象となる立場にある当事者の心境を想像するところあります。タブーに触れるという事への忌避感や対象となってしまう際の恐怖、食べざるを得ない不快感は言うまでもないでしょう。このタイプでは比較的被験者の感情を描写しやすく、うまく取り入れれば記事やTaleの良い味付けとなります。
しかし、描写が容易であるが故の欠点が存在するのも確かです。その中でも特に気を配るべき点というのは『作品内で食人という要素を用いる必要があるか』です。例えば、願い事をかなえる代わりに願いがかなった後に食べられてしまうオブジェクトがあったとしましょう。被害者は捕食されるイコール死につながるわけですから、心情描写によって恐怖を煽ることができるかもしれません。しかし、捕食者が人間である必要はありません。折角食人行為という魅力的な題材を扱うのであれば、その持ち味を生かしてほしいと私は思います。
カニバリズムが関連する記事一覧
前述したタイプ毎に分類して掲載していく予定です。
カニバリズムに見えるが該当しない記事の考察
前述した記事群の中に、もしかすると皆さんがカニバリズムであると思っていたのに掲載されていない記事があるかもしれません。それらの記事は(もしかすると単なる抜けの可能性もありますが)、意図的に外したものとなります。この項目ではそれらの外した記事がなぜカニバリズムではないのか、もしくは前述した記事群になぜ掲載したかについて記述していきたいと思います。
人体を別の食材に変えるオブジェクト
例として SCP-122-JPを取り上げて考えていきたいと思います。
SCP-122-JPといえば、摂食者自身の身体を原料として作られた食べ物を食べさせられる不気味さと、インタビュー記録の不気味さが持ち味の記事となっています。一見してカニバリズムととらえても問題ないように見えるのですが、どのような過程で食べ物が生成されているのかについて考察していくうちに「カニバリズムではないのでは?」と考えるようになりました。この食べ物が生成される過程について、3パターン考えられます。
- 認識災害により五感が操作され、別の食材であるかのように認識してしまう
- 人肉を原子レベルで再構築し、別の食材に作り変えている
- 人肉を別の空間等に転移させ、同質量の食材を持ってきている
認識災害により五感が操作され、別の食材であるかのように認識してしまう説
これが最もカニバリズムらしい説となります。認識災害であれば、DNAが検出されるのも納得できるためです。しかし、この説の致命的な欠点としては、「認識災害を財団が認知できていないのはなぜか?」という部分にあります。
財団では様々なオブジェクトが収容されており、その中には認識災害を引き起こすオブジェクトも多数存在しています。これはヘッドカノンにもよるかもしれませんが、そのようなオブジェクトを収容するためには認識災害であるということを調べる方法が無くてはなりません。と、言う事は、SCP-122-JPに対してもこの調査を行っていないのは不自然なのです。また、これもヘッドカノンになりますが、認識災害には強度が存在している可能性があり、場合によっては耐えうる人材も存在することでしょう。人によってオブジェクトに対する認識が異なっていれば、報告書に記述するのは当然ともいえます。
人肉を原子レベルで再構築し、別の食材に作り変えている説
この説では、核融合や核分裂等に必要なエネルギーに関する諸問題を無視し、人肉を別の食材へと再構築している可能性について言及します。
DNAが検出された理由として考えられるのは、人肉が部分的に変換されなかったからではないでしょうか。強いて言えばこのような大変コストのかかると考えられる手法をオブジェクトが用いる理由が気になりますが、オブジェクトとは人間の理解できないものであるからこそオブジェクトなのであると考えれば納得できなくはありません。
人肉を別の空間等に転移させ、同質量の食材を持ってきている説
この説はその名の通りであり、前述した再構築に比べて無理のない手法であると考えます。
転移させているとなればそもそも食材が完成した形である理由も想像しやすくなります。この説を採用した場合、人肉を対価に食品を転移させたのではないかと考えられるためです。
しかし、一見違和感の無いように見えますが、DNAが検出されたという点で辻褄が合わなくなります。転移に失敗したということはできますが、それにしても中途半端であるように見えてなりません。
以上により、私の中では「人肉を原子レベルで再構築し、別の食材に作り変えている説」を最有力候補とし、最も財団世界に沿わないのが「認識災害により五感が操作され、別の食材であるかのように認識してしまう説」としています。
では、2,3つ目の説がカニバリズムと判定できるかどうかについてです。まずはDNAという観点から考えますが、これは爪を噛んだとしてカニバリズムと言えるか?という疑問と同一視できます。少なくとも爪を噛んでかけらが喉を通ったとしてもそれで「人を食べてしまった」と認識する人はほとんどいないかと思います。と、言う事は、DNAの一部が喉を通ったとしてもカニバリズムだと思う人もあまりいないように思えます。
次に、2つ目の説で出てきた「人肉を加工した」という観点から考えます。これは「鉛筆の芯から人工ダイヤモンドを生成したとして、それを芯と言えるか?」という疑問と同一視できると思います。これについても鉛筆の芯であると考える人は少数派であると思われます。
従って、私はSCP-122-JPはカニバリズムではないと判断しました。同じようなオブジェクトとしてSCP-026-JPや、SCP-509-JP等が挙げられますが、これらについてもSCP-122-JPと同様の理由でカニバリズムではないと判断しました。
人型オブジェクトが人間を摂食する/摂食される
基本的に、人型オブジェクトである=人間であるとは判定しません。よって、例えば小鬼が人間を摂食した場合はカニバリズムではないと判断します。しかし、例外として(1)元々人間である、(2)現実改変能力者である といういずれかの場合はカニバリズムとして記事群に加えています。(例: SCP-175-JP)
最後に
最初に述べた通り、ここに書かれている内容は個人的な考察によるものです。しかし、もしカニバリズムについて興味のある方が読んでくださり、創作の助けとなったならとても嬉しく思います。食人に関しては他の方の著者ページにもまとめが掲載されていますので、そちらも比較してみると良いかと思います。