虎屋博士の人事ファイル

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個人ファイルと執筆記事一覧
実績バッジ
THE ORIGIN(2016年エイプリルフール)
THE END(2017年エイプリルフール)
ノベルゲー構文解説

THE END(2017年エイプリルフール)

アイテム番号: SCP-TRY-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-TRY-JPを封印した特別収容サイト-8181は、SCP-TRY-JP分離体自動処置設備を設置した開口部を除き、周囲と入り口のすべてを硬化ベークライトにより完全に封鎖します。自動処置装置により回収したSCP-TRY-JP分離体は実験用サンプルを除き焼却処分してください。SCP-TRY-JPの本体は自己収容状態にあるため収容措置は必要ありません。

説明: SCP-TRY-JPはかつて虎屋博士だったものです。2017年█月██日、虎屋博士はサイト-8181の厨房の使用許可を申請しました。目的は████氏の誕生日ケーキを焼くためであったと申請書に記入されています。使用申請は事前に使用する食材を申告することを条件に許可され、█月██日 20:45に虎屋博士は厨房の使用を開始しました。

虎屋博士が厨房を使用し始めてから6時間後、厨房横の食堂で休憩していた██研究員が「できた!」という虎屋博士の声を聞いています。次の瞬間、爆発的に膨張し厨房と食堂を埋め尽くしたスポンジケーキにより、██研究員は食堂から猛烈な勢いではじき出されました。厨房に設置された監視カメラは、スポンジケーキを掘り進み天井付近から顔を出した虎屋博士を記録していました。

虎屋博士と██研究員からの通報を受け、直ちに機動部隊ろ-5"陰陽師"が派遣され、スポンジケーキの除去が行われました。サンプル採取されたスポンジケーキを接触したD-2118は「美味しかったよ」と評価しました。その翌日、D-2118は交通事故で死亡しました。

機動部隊員の所持していた通信機は、機動部隊がスポンジケーキを掘り進み厨房に到達する寸前に「チーン」というオーブンの音を捉えていました。また直後には虎屋博士が「もう一個焼いたんだった」と呟く声が伝えられました。数秒の沈黙ののち、オーブンの蓋が吹き飛ぶ音と、機動部隊長の「撤退!」と叫ぶ声、および緊急サイト放棄放送が記録されています。再び膨張を開始したスポンジケーキは時速12kmでサイト-8181を駆け巡り、およそ██分でサイト-8181を埋め尽くしました。

サイト-8181の窓や扉から触腕のごとく伸び空へと向けてその身をよじるスポンジケーキは、冷え始めると徐々に運動速度を緩め、やがて自重により崩壊しました。しかしサイト-8181からは依然としてゆっくりとスポンジケーキが溢れ出しており、後に開口部の削減と自動処置装置の設置が決定されました。

事案発生の翌日行われた内部探査で、虎屋博士はサイト-8181の厨房で生存していることが確認されました。しかし虎屋博士は通信に応じず、スポンジケーキをちぎって作った身長80cm程度の人形に向けて話かけることをやめませんでした。その後48日の間、救出作業と並行して観察が続けられましたが、虎屋博士が補給、睡眠、排泄を必要としていないこと、ヒゲや髪の伸長などの代謝が見られないこと、掘削した分スポンジケーキが膨張して救出作業が進められないことから、日本支部理事は虎屋博士の救出中止とサイト-8181の放棄を決定し、虎屋博士をSCP-TRY-JPに指定しました。

ページ分け構文を使うと、コメントもリストモジュールも使えないらしい。

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