著作についてとか
処女作(これ以前に投稿して自主削除した記事が一つありますが)。ルーキーコンテストに参加。たくさん批評していただき、それらを反映させていった結果、初期に構想していた作品とはどんどんかけ離れて行きました。もはや九龍城。(間違いなく初期のものよりは面白くなりましたが)そんな感じなので、やはり評価は低め。ただ、初めてサイトに残せた作品なので、思い入れはかなりあります。そこそこ考察要素があるので、そういうのが好きな人には刺さる記事だと思います。多分。ナンバーは、月関係の記事ってことで十五夜→じゅうご や→15 8 ……って感じで決めました。
2作目。「梨雪」怪談文学賞に参加。記事としての評価はまずまずですが、先述のコンテスト内の順位では下の方。Shit!ホラーな雰囲気を前面に出した作品を書くのは初めてでしたが、成功はしたみたいでよかったです。内容について書きたいことは、大体記事ディスカッションのスポイラーに纏めました。というか明かされる情報の比重が、記事本編よりもスポイラーの方に寄っている気がしないでもない……。あっちで書いてないことといえば、テーマの一つに「行方不明者のニュースを見た時、彼らの生存を無意識の内に諦めてしまっている心理の怖さ」があるってことぐらい。ナンバーは、死体が出てくる異常性繋がりで587-JPに被せました。
3作目。私の性癖コンテストSCP部門優勝。ponhiroさんとの河川敷での殴り合いは忘れられません。ナンバーは、「卒業ソングと言えば『3月9日』!」→3/09→309……という感じで決めました。
さて、私は往年の泣きゲーであったり、表紙に淡いタッチの少年少女が描かれてるタイプの青春小説だったりの雰囲気が大好きです。1兎にも角にも、高校生時代から「私もこういう感じの話をSCPでやりてぇ~~~」などと考えていました。受験が終わって暇ができました。なので書きました。
「大人と子供」「半永久的な学園生活」「友情」「恋」「卒業」辺りのテーマで感動的な話をするのは王道ではあると思います。ほとんどAB!とリトバスじゃんとか言うな。しかし、当時の私自身の立場だったり文の青さだったりのことを考えると、こういう話の組み立て方は当時の自分にしかできないものであったと思います。中にはかなり深く内容が刺さった方もいらっしゃるみたいで、色々苦戦しましたがとにかくこの作品を世に出せて良かったと思います。
ちなみに各登場人物の名前は、
- 十河 道幸=十字/河、道=クロス/チャンネル=CROSS†CHANNEL
- 小羽 星司=小/羽/星=リトル/ば/スター=リトルバスターズ!
- 空野 花音=空/かのん=AIR/Kanon
- 櫻野 詩歩=さくらの/詩=サクラノ詩
- 須原 響=すばら ひびき=素晴らしき日々
- エージェント・葉木=葉っぱ・木=Leaf
- エージェント・毛呂宮=毛/呂/宮=け/ろ/きゅう=ケロQ
- 一鍵博士=一/鍵=ONE/Key
と、諸々のゲームタイトルやゲームメーカー名が元ネタとなっています。
4作目。第二回「梨雪」怪談文学賞・「泥梨」依談文学賞の大遅刻枠と言い張り続けます。
良いですよね、依談。ありとあらゆるギミックを用いて恐怖を振りまいてくる著者の方々には、いつも驚愕させられます。絶対許さねえからな。
今作では、「子供が描いたような不気味なイラスト(ちょうど似たようなネタが頻出してた時期なのが痛かったですが)」「読者に語りかけるような口調」「財団の存在」「隠し文字」辺りをギミックとして用いています。依談はずっと書いてみたかったのですが、梨さんを始めとした先駆者の方々の作品群がどうにも強いので中々手を出せずにいました。ですが、そういった作品をしっかり研究した上で用いた上記のギミックはどれも成功したようなので良かったです。
話の内容に関してですが、「依談書きたいけどテーマはどうしよっかな~」→「個人的に気持ち悪いもの、ギョッとするものをテーマにするか……」→「うーん、虫のゲジ!あ、ゲジの名前の由来って修験道関連なんだ!ネタにできそうやん!」という感じで膨らませていったと記憶しています。ゲジという虫の名前から、験者(名前の由来)・ゲェジ(お口が悪い!)・外児(造語)……あたりの要素を連想させていったのがこの作品です。
5作目。友達のコンテスト3位入賞。ナンバーは、リスペクトしている856-JPから。
これまで、基本の私の記事作成のスタイルは「こういう記事が書きて~~~!書く!評価は知らん!」というものでした。ですが、4作品もサイトに残してきたらそろそろ評価の方も気にしていきたくなってくるというもの。なので今回は、「どうしたら評価の高い記事を作れるか」を主題に執筆をすることにしました。もちろん、それが書きたい内容か否かを最重視しますが。
サイトにおいて高く評価されている記事にはいくつかのパターンがあります。まず、「とにかくネタのインパクトがある記事」です。……しかし、単純にインパクトだけで高評価を取れる時代は終わりました。それでもまだまだやりようはあるのでしょうが、やれるだけのアイデアを生み出すことができる脳味噌も、そのアイデアを実現できる画像編集・構文作成技術も私は持ち合わせていません。
次に、「緻密にネタが練られた、とにかく完成度が高い記事」。……なんということでしょう。私には、難解で複雑な記事を作成するために必要な学術知識も、壮大な世界観を描き切るのに必要なカノン・GoI知識も足りていません!これは分かりやすいステゴロ記事ばかりを好んで読んできた弊害と言えるでしょう!
さて、他の高く評価されている記事のパターンは……「読者の心を抉る、ストーリー重視の記事」…………これです!これしかありません!幸い、ストーリー重視の長い記事は執筆経験があります。今こそ、その時の反省を活かして記事を執筆する時が来たのです!
高評価を狙うため、あわよくば、カッコよくてオシャレなSCPMADへの出演常連記事になってもらうため、この記事では色々工夫を凝らしています。まずは目を引くACS!真っ赤なマークも二つあります。そしてMAD映えしそうな構図!何もない真っ白な雪原で背中合わせで座り込む男二人の構図は、エモい上に再現しやすいでしょう。さらに、記事を締めくくる印象的なセリフ!これでもう完璧です。
実際、上記の工夫を凝らした甲斐あって評価は+50の金メダルラインに到達し、サイト外で(まさに狙った構図の)イラストを描いていただけているのを観測することができました。しかし、目標の+100には全く届かず、MAD出演に関しても音沙汰ありません。これからも精進を続けていきたいと思います。
6作目。友達のコンテストに参加。折角ashimineさんが主催するコンテストに出場するんだから、ashimineさんリスペクトの記事書きたいよね、ということで生まれた記事です。
ashimineさんの怪談の語り口調、すごく好きなんですよね。会話として自然で、それでいて文章としても上手い。スムーズに読み進められるんですよ。なので、今作では語り手の口調やスペースの使い方をashimineさんの既存の作品になるべく近づけて書くことにしました。その甲斐あってか(?)ashimineさん本人からの絶賛をいただけたので良かったです。
ネタとしては、童話と童謡、それぞれの「赤い靴」を基としています。(いっそ、冒頭でちょっと語られている「古い絵本」がトリガーという設定の、Andersen絡みのSCP記事にしようかと悩んだこともありました。)作中に登場する「紀美ちゃん」は、童謡の「赤い靴」において、赤い靴を履いていた少女のモデルとされている「佐野きみ」さんから名前をいただきました。「かれんちゃん」は、童話の「赤い靴」の主人公である「カーレン」からですね。どこぞの競走馬は関係無いです。そして語り手の山村は、童話の「赤い靴」においてカーレンの足を切断したのが首切り役人であったことから、首切り=サンソン=山村……という連想で名付けています。
7作目。Qのコンテストに参加。メタタイ見れば大体の人は察しが付くかもしれませんが、とある方の作風に影響を受けて作成した記事です。結局似ても似つかない雰囲気になっちゃいましたし、評価もあんま良くないのでなんか色々申し訳ないんですが。
あなたは道路脇に打ち捨てられている鳥の死骸を見たことはあるでしょうか。別にハトでもカラスでもいいです。なんなら、鳥じゃなくてもいいんですが。イヌでもネコでもカニでも人魚でもいいんですが。
その時、あなたはどんな感情を抱いたでしょうか。心優しい方であれば、同情・哀悼かもしれません。心の狭い方であれば、唾棄・軽蔑でしょうか。しかしいずれにせよ、その根底、或いは先頭には「不快」があったのではないでしょうか。こんなもの見せやがって。蛆虫が湧いた腐肉を踏んづけてしまったらどうする。
この記事は、私が鳥の死骸の横を通り過ぎる際に抱いてきた一瞬の感情をかき集めて書き上げたものです。
8作目。ショートコンテスト2023・残業代強奪コンテストに参加。水死体コンテスト優勝。ナンバーは、2309-JPと同様の理由でこれにしました。
ショートコンが開催されるということで、そこで久しぶりに不気味系SCP書きたいな~!という思いで書き上げた記事です。記事のネタを考えてたのが丁度卒業シーズンぐらいだったので、卒業写真がテーマとなっています。
集合写真の右上の欠席枠って、微妙に不気味な感じありませんか?行けなかったのか行きたくなかったのかはともかく、写真撮影当時にその場に居なかった人の顔を、他所から勝手に切り抜いて貼り付けるという行為。私は微妙に厭な感じを覚えてしまいます。そんな感覚から構想を膨らませていった(と言えるほどボリュームある記事じゃないですが)のがこの記事です。
でもなんか最近の合成技術では、わざわざ写真の右上に顔を貼りつけなくても、欠席者の立ち位置を開けて撮影すれば、後日に別撮りした欠席者の写真をそこにキレイに合成できるらしいです。かがくのちからってすげー!
SCP
SCP | Rating | Comments | Created |
---|---|---|---|
SCP-3085-JP | 28 (+39/-11) | 3 | 25 Jan 2025 14:54 |
SCP-3025-JP | 34 (+42/-8) | 1 | 27 Feb 2024 08:17 |
SCP-3309-JP | 75 (+99/-24) | 3 | 13 May 2023 14:49 |
SCP-2868-JP | 20 (+39/-19) | 8 | 29 Aug 2022 15:16 |
SCP-2658-JP | 85 (+92/-7) | 3 | 01 Apr 2022 14:58 |
SCP-2309-JP | 69 (+72/-3) | 10 | 30 Mar 2021 15:14 |
SCP-2587-JP | 74 (+79/-5) | 5 | 16 Jul 2020 16:01 |
SCP-2158-JP | 32 (+40/-8) | 3 | 02 Jun 2020 12:36 |
Tale
Tale | Rating | Comments | Created |
---|---|---|---|
小火の不始末/炎の片鱗 | 25 (+27/-2) | 1 | 13 Feb 2025 12:58 |
その視座、その視点 | 28 (+34/-6) | 1 | 03 Jan 2024 12:03 |
煙に巻かれろアイソセレス | 34 (+37/-3) | 4 | 10 Nov 2023 13:38 |
記名 | 27 (+34/-7) | 1 | 30 Apr 2022 14:53 |
げじ | 85 (+90/-5) | 1 | 09 Oct 2021 15:44 |
GoI-Format
Tale | Rating | Comments | Created |
---|
Other

勤務中のエージェント・鷲呉
名前: 鷲呉わしお 悠希ゆうき
職務: フィールドエージェント、異常性のある物体の発見・回収および調査、低脅威度オブジェクトに関連する情報の収集、オブジェクトの撮影(偶発的なものを含む)
所在: サイト-81██所属(現在、SCP-████-JPの長期調査の為、群馬県内のアパートに居住しています。何かございましたら、███-████-████にご連絡ください。)
セキュリティレベル: 2
来歴: 公立██高校卒業後、私立██大学に入学。在学中、SNS上にアップロードした写真に当時未確保状態であったSCP-████-JPの姿が確認された為、財団による調査を受ける。このとき、所持していた写真の複数に何らかの異常存在(当時、その異常性により撮影が困難であるとされていたSCP-████-JPを含む)の姿が写りこんでいたものが確認された為、身柄を確保される。その後、財団の職務に強く関心を示したため、これまでに撮影した写真のデータと、今後撮影する写真のデータを全て財団に提出することを条件にエージェントとして雇用される。
人物: エージェント・鷲呉は、身長165cm、体重60kg、現在23歳の女性です。特段に優れた能力は確認されていませんが、財団への忠誠度や職務への意欲は高く、基本的に勤務態度は良好です。非勤務時には、自身のセキュリティクリアランスでアクセス可能な報告書を閲覧している姿がよく確認されています。しかし、一部オブジェクト(本人曰く、「綺麗な、あるいは郷愁を感じさせるオブジェクト」)の報告書の内容に傾倒しがちである点には留意が必要です。
エージェント・鷲呉は、写真撮影(主に風景写真)を趣味としていて、民間の写真コンテストで複数回受賞しています。しかし、彼女が撮影した風景写真に何らかの異常存在が写りこんでいた事例がこれまでに最低██回発生していることが判明しています。2そのため、エージェント・鷲呉は、撮影した写真のデータを自動的に財団のデータベースに送信する機能が搭載された機器以外での写真撮影を禁止されています。また、本人は上記の現象について「全て偶然である」と主張しています。
すいません……。この前の写真、どうしてもコンテストに出しちゃダメですかね?写ってるオブジェクトも、拡大しないと黒い点にしか見えないですし……。あれ出したら、絶対金賞取れると思うんです! -エージェント・鷲呉
異常存在が写真にたった4ピクセル写っただけで、とんでもないことになった事例もあるのです。そのオブジェクトを写真で視認しても異常性は発揮されないとはいえ、その画像をそのまま公表することは許可できません。まぁ、オブジェクトが写っている箇所を編集したものならば公表の許可も下りるかもしれませんが。 -██博士
うーん、ちょっとでも編集した写真をコンテストに出すのは、私のポリシーに反するんですよね。 -エージェント・鷲呉
めんどくさいですねアナタ……。 -██博士
いつもうちの娘と仲良くしてくれてありがとう。君と話している時の雪菜は、とてもいい顔をするんだ。 -但馬崎博士
そんな!私なんて、いつもせっちゃんに支えられてばっかりで……。 -エージェント・鷲呉
いやいや。こちらこそ、君の存在に本当に助けられているんだ。実は君が財団に来てから、雪菜の業務効率が上昇したというデータがね……。 -但馬崎博士
……そういう話は本人がいない所でしてよ。 -エージェント・但馬崎
せっちゃんのセキュリティレベルって3だったよね? -エージェント・鷲呉
そうだけど、それが何? -エージェント・但馬崎
いやぁ、もしSCP-721-JPに私が入ることになったら、それを承認してくれないかなぁって。 -エージェント・鷲呉
鷲呉ちゃんが帰って来なくなったら嫌だからしない。ってか、それ鷲呉ちゃんがSCP-721-JPに入りたいだけじゃん……。 -エージェント・但馬崎
20██/4/15
アパートで独り暮らしするのは初めてでちょっと不安だったんですが、お隣のご家族の方々がみんな優しくて、うまくやっていけそうです。あと、そのご家族の小学生の男の子が「お姉ちゃん、お姉ちゃん」ってよく話しかけてきてくれて可愛いんですよ! -エージェント・鷲呉
財団職員に積極的に話しかけてくる男児……?微笑ましい話ですが、少し怪しいですね。見かけは可愛らしい子供や動物であっても、実はGoIのスパイだった……という事例は、これまでにも確認されています。注意は怠らないように。 -エージェント・但馬崎
20██/4/28
この前入手した情報がSCP-████-JPの起源の解明に役立ちそうだという報告を聞いて、すごく嬉しかったです!あと、お隣の男の子が「私の部屋に遊びに行きたい」って言ってくれるようになったんですよ。どんどん仲良くなれてる感じがします! -エージェント・鷲呉
あなたの部屋にはSCP-████-JPに関するレポートや、その関連データが保存されている機器が存在しているはずです。分かっているとは思いますが、機密情報の流出を防ぐため、民間人は間違ってもあなたの部屋に入れないように。また、そんなあなたの部屋に侵入しようとするそのクソガキ少年、やはり怪しいです。必要となったらすぐに私が駆けつけて、あなたが来てからの彼の記憶を処理しましょう。 -エージェント・但馬崎
20██/5/11
██町の方々へのインタビューを終えたら、一度、サイト-81██に帰還する予定です。久しぶりに皆さんに会えるのが楽しみです!ただ、このアパートから離れるのも少し寂しいですね。昨日はお隣の部屋で、例の男の子とそのお友達と遊んで、童心に返れて楽しかったなぁ。ただ、みんなヤケに私のお腹とかお尻とかを触ってきたような気がしてるんですよね……。最近太ってきたのがバレてるのかな……。 -エージェント・鷲呉
もうクロだよそいつらクロだよボディタッチとかアウトだよ鷲呉ちゃんを複数人で弄るとかそのクソガキ共の記憶を抹消して赤ん坊から人生やり直させてやる -エージェント・但馬崎
あなた個人に実行が許可されているのは、クラスCまでの記憶処理のみです。また、おそらく異常存在に関連してはいないであろう民間人に無理矢理にでも記憶処理を行うという旨の発言は、冗談でも控えるように。 -██博士

休暇中の鷲呉ちゃん
名前: 但馬崎たじまざき 雪菜せつな
職務: フィールドエージェント、異常性のある物体の発見・回収および調査、低・中脅威度オブジェクトの初期収容
所在: サイト-81██所属
セキュリティレベル: 3
来歴: 20██年度、父親である但馬崎 劫博士からの勧めで、一般の中学校から学校法人プリチャード学院中学校に転入。通学と並行し、エージェント養成訓練を受ける。高等学校卒業と同時に訓練を修了し、財団にエージェントとして正式に雇用される。その後はエージェントとしての業務と並行してプリチャード学院大学へ通学し、20██年度に卒業資格を取得。
人物: エージェント・但馬崎は、身長162cm、体重53kg、現在23歳の女性です。訓練生時代から非凡な身体能力が確認されており、格闘・銃火器の取り扱いに高い適性があります。また、記憶処理の取り扱いについても十分な知識と技能を有しており、クラスCまでの記憶処理を無許可で行うことが許可されています。
上記の能力を活かし、エージェント・但馬崎は17件のAnomalousオブジェクト、5件のSafeクラスオブジェクト、8件のEuclidクラスオブジェクトの初期収容に関与3し、多大な成果をあげています。
エージェント・但馬崎は基本的に誰に対しても敬語を用いて会話をし、他職員と積極的に交流をすることはありません。しかし、OJTを担当したエージェント・鷲呉との親交は深く、サイト-81██内では、エージェント・鷲呉と共に行動している姿が頻繁に目撃されています。また、エージェント・但馬崎に業務に関連のない連絡をする際は、エージェント・鷲呉に仲介を依頼することが推奨されています。
エージェント・但馬崎は、「中性的」「ボーイッシュ」と形容される服装を好みます。その理由についてエージェント・但馬崎は、「こういう服の方が動きやすいですし、私の体型的にも似合うので」と述べています。しかし、エージェント・鷲呉が財団に雇用されてからは時折、「ガーリー」「フェミニン」と形容される服装をしている姿が確認されるようになりました。そのことについて必要以上の指摘をした場合、エージェント・但馬崎は唐突にAクラス記憶処理剤の散布を行うことがあるため、留意が必要です。
なんで但馬崎さんの人事ファイルに鷲呉さんの写真が表示されてるんですか? -██研究員
鷲呉ちゃんが可愛いからですが? -エージェント・但馬崎
いや、色々おかしくないです? -██研究員
……別に、私の勝手でしょう。 -エージェント・但馬崎
おつかれ。今回の任務はどうだった?怪我はしなかったか?初期収容チームでサブリーダーを務めただなんてすごいじゃないか。でもあんまり無理はしないようにな? -但馬崎博士
はい。怪我はありません。無理もしていません。お気遣いありがとうございます。 -エージェント・但馬崎
……なんで敬語なんだ? -但馬崎博士
今は職務中です。なら、上司に敬語を使うのは当然でしょう。 -エージェント・但馬崎
い、いや!いくら鷲呉ちゃんの頼みでも、それはちょっと! -エージェント・但馬崎
え~!絶対この服似合うよ~!私、この服を着たせっちゃんが見たいよ~! -エージェント・鷲呉
でも……こんなフリルでふわふわの服なんて……! -エージェント・但馬崎
えーい、じれったい!こうなったら、私が無理やりにでも着替えさせてやる~! -エージェント・鷲呉
名前: 但馬崎たじまざき 劫ごう
職務: サイト-81██管理補佐、薬品の開発、サイト-81██内のオブジェクトを扱う実験計画の立案、低・中脅威度オブジェクトの初期収容作戦の立案
所在: サイト-81██所属
セキュリティレベル: 4
来歴: 19██年度に国立██大学の卒業資格を取得。その後、財団のフロント企業である、桜良心製薬に就職。社内の研究チーム内での功績が評価され、フロント企業の一般社員からの定期スカウトにて、財団に雇用される。
人物: 但馬崎博士は、身長178cm、体重64kg、現在55歳の男性です。元来の研究分野である薬学に造詣が深く、オブジェクトを用いた実験や負傷した職員の治療の際に使用される薬品の開発を行っています。また、実験計画の立案や初期収容作戦の立案に携わることも少なくありません。その際、但馬崎博士は人命を最優先とした立案を行う傾向にあります。
但馬崎博士は、エージェント・八巻として財団に勤務していた八巻やまき 一春かずは 氏4と婚約しており、エージェント・但馬崎の実父にあたります。但馬崎博士はエージェント・但馬崎に対し、事あるごとに交流を図ろうとしている姿が確認されていますが、そのほとんどは失敗5に終わります。しかし、未だに交流を諦める素振りを見せていません。さらに、彼は他職員に対して頻繁にエージェント・但馬崎の功績に関する会話を行なっているため、彼は所謂、「親バカ」であると推測されています。
SCP-████-JPの特別収容プロトコルが改訂されたので、チェックお願いします。 -██研究員
ああ、わかった。それにしてもSCP-████-JPか。このオブジェクトの初期収容では、うちの娘が収容チームのサブリーダーを務めてね。いやぁ、小学生の頃、「遠足の班のメンバーが言うことを聞かない」と泣いていたアイツが、今や立派にチームをまとめられるようになって……。 -但馬崎博士
その話、既に聞いたことがあるのですが……。 -██研究員
おっと、それはすまなかったね。 -但馬崎博士
あんなに可愛い服を着るようになっただなんて、雪菜もようやくオシャレに興味を持つようになったのか。 -但馬崎博士
な!えっ、いや、なんでそれを!?パパには一回も見られてないはずなのに! -エージェント・但馬崎
ほら、鷲呉くんの写真は全て財団のデータベースに送られることになっているだろう?雪菜の写真も何枚かあったんだよ。 -但馬崎博士
[顔を手で覆い、絶叫しながらその場を走り去る] -エージェント・但馬崎
博士の娘さんと鷲呉さん、仲いいっすよねー。 -エージェント・█
ああ。同い年で、OJTでしばらく一緒に行動していたからというのもあるんだろうが、それだけではないのだろう。おそらく、鷲呉くんは「異常」への好奇心がかなり強い部類の人間だ。子供のころから財団という特異な環境で訓練を積み、自分と同い年でありながら既に業務で数々の異常存在と直接対峙してきた雪菜のことが、他の職員よりも特に興味深いのだろう。そして雪菜は…………アイツは、13の時に俺が財団に関わらせてしまうまでは、運動が得意で、友達が沢山いて、少し泣き虫な、普通の子供だった。鷲呉くんは、財団に来るまでは一切「異常」には触れてこなかった人間で、ここに来てからもそういった存在と直接関わったことはあまりない。財団の中では、限りなく「普通」に近い人間なんだ。だから、雪菜は無意識にかつての日常を求め、鷲呉くんと交流しているのかもしれないな……。 -但馬崎博士
う、うす。そうっすか。……すんません、途中からあんま聞いてませんでした。 -エージェント・█

夏のコンテスト結果発表!
1位 「真夏の王者」and「メモリアル・サマー」
2位 「とにかく熱いヤツ」
euthanasia
by Xthoughtに合致するユーザーネームは存在しません
3位 「頭常夏」
参加者の皆様、ありがとうございました!
・総評
まずは参加してくださった御三方、重ね重ねお礼申し上げます。一時は表彰台すら埋まらないかと思いました。
また、記事の投稿はありませんでしたが「参加したい」と言ってくださった方々。投稿期間が短くて本当に申し訳ありませんでした。次回以降の個人コンテストでは今回の反省を踏まえて期間を設定しようと思います。
さて。今回のコンテストですが、振り返ってみると三作品ともTale、しかもその内二作品は相貌失認ハブという最早何のコンテストか分かんないモノになってしまいました。夏という季節には相貌失認を引き寄せる魅力があるのでしょうか。卒論の研究対象にしようと思います。
今回、+100超えの評価で見事優勝をもぎ取り、同時に最もeagle-yuki好みの記事となったのはDr_Knottyさんの「ひとの祈りよ喜びよ」でした。初見ではまずその文字数の多さに圧倒されたのですが、いざ読んでみると軽快な台詞回し・無駄のない描写・予想のできない劇的な展開……と、一つの小説としての完成度の方に驚かされました。タダで読んでいいもんじゃないよ。「夏」要素は主題ではなくアクセントという感じではありましたが、いい味を出していたと思います。一夏のゴッド・ミーツ・ガール……うぅ(嗚咽)。
2位となったのはXthoughtに合致するユーザーネームは存在しませんさんの「幸せな世界の、不幸な殺し屋のお話」でした。私は全体としてはNVだったのですが、要素要素は非常に癖に来るものがありました。終わった世界での胡乱お姉さんと少年の出会い、イイ……。是非シリーズ化していただいて、また改めてこの記事を読ませていただきたいです。ってかXthoughtに合致するユーザーネームは存在しませんさん、これが処女作ってホントですか。怖……。
3位となったのはashimineさんの「揺籃」でした。いや~~~毎度ながら描写が気持ち悪い!(誉め言葉)また、怪異のバックグラウンドの見せ方も薄すぎず、露骨すぎずの塩梅で良かったと思います。そしてこの記事においては何より、バイトで嫌な上の人から怒られる時の気分の悪さの出し方が本当に上手かったと思います。これ読んで今のバイト辞める決心ができました。
同時期に開催されていた個人コンテストと比較するとかなり小規模なものになってしまいましたが、これにて今年の夏のコンテストは終幕とさせていただきます。第一に、記事を投稿してくださった方々。そして、それらの記事にvoteをしてくださった方々。さらに、このページのこんな所まで読んでくださっているアナタ。本当にありがとうございました!
夏は、毎年やってきます!
概要
夏真っ盛りの今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。さて、日本の夏にはいくつかの風物詩があります。海、花火、風鈴、かき氷……。そして、なんといっても欠かせないのがSCP-JPの周年コンテストですね!古来より日本人にとって、周年コンテストは夏の訪れを教えてくれるよき友でありました。
しかし、なんと嘆かわしいことか。この周年コンテスト、毎年夏に開催されている癖して、肝心の「夏」そのものがテーマになったことは無いのです!こんな魅力的なテーマなのにですよ!
ということで、「夏」がテーマの個人コン、やります。
ルール
[参加条件]
- SCP記事、Tale、GoIフォーマット、アートワークのいずれかの記事を対象とします。
- 「夏」をテーマとしてください。(できればどこが「夏」なのかディスカッションに書いてくれると嬉しいです)著しく「夏」要素を欠いている作品に関しては参加を取り消させていただく可能性がありますが、ここの判定はかなり甘くする予定です。「夏鳥思想連盟」とか「夏王朝」とかがテーマでもOKです。
- その記事のディスカッションに当コンテストへの参加表明を明記してください。可能ならばeagle-yukiのTwitterのDMか、WikidotのPMまでご連絡していただけると助かります。
質問等もTwitterのDMかWikidotのPMによろしくお願いいたします。
[期間]
投稿期間: 2022/08/116 ~ 2022/10/07 23:59
投票期間: 2022/08/11 ~ 2022/10/14 23:59
期間中は9月9日以降の毎週金曜日の22時ごろから、それまでに投稿された記事(低評価ラインに達していないもの)をリアルタイムで読んでいく配信をTwitterのスペースを利用してやっていこうと思います。「自分の記事への反応をリアルタイムで見たい!」という著者の方は奮ってご参加ください。
[表彰・賞品]
「真夏の王者」参加作品の中で最もRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。お前がこの夏、一番ヤバくなれた奴です。賞品としてeagle-yukiより、各種コンビニで購入可能なギフト・プリペイドカード5000円分を授与させていただきます。(任意)
「とにかく熱いヤツ」参加作品の中で2番目にRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。次はもっと熱くなって1位を目指してください。
「頭常夏」参加作品の中で3番目にRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。本気の爆発で、次はもっと上位を狙ってみてください。
「メモリアル・サマー」参加作品の中で最もeagle-yuki好みな記事を書いてくださった著者に与えられる称号です。他の称号と重複します。最高の夏の思い出をありがとうございます。大切にポケットにしまっておきます。
「サマー・フレンズ」参加者の方々全員に与えられる称号です。こんな個人コンに参加してくださってありがとうございました。10年後の8月にまた会いましょう。
参加作品一覧
FAQ
Q: とりあえず舞台が夏の記事を書けばいいの?
A: いえ、「夏」をテーマにしてください。……しかし、ホントにそこら辺のチェックは緩くします。具体的には──記事中に出てくる記録の日付が8月なだけ、とかならアウトです。が、「今日もうだるような暑さだ」「エージェント・鷲呉が玉のような汗を拭いながら入室してきた」のような描写がちょくちょくあるけど、記事の本題とその舞台が夏であることに深い関係はない……のような記事ならOKにします。──という感じです。余計分かりづらくなりましたね。
Q: なんでこんなコンテスト開いた?
A: 俺は少年たちの真夏の冒険譚とか、一夏の切ないボーイミーツガールとかが読みてぇんだよ!!!
Q: へぇ。ところで、夏と言えばホラーですね。ホラー記事で参加します。
A: そういうのも大好物です!別所のコンテストとの同時参加を狙ってもいいかもしれません。
Q: 共著はあり?
A: ありです。その場合、優勝賞品は人数分山分けとなります。
Q: 投稿済の記事を後からこのコンテストに参加させることは可能ですか?
A: その記事が投稿期間中に投稿されたもので、かつ、投稿期間中に参加を表明していただければ可能です。
Q: お前も参加するの?
A: ガンバル
Q: 投稿期間9月までって書いてあるけど、9月って夏じゃなくないですか?
A: 夏は、終わりません。

夏のコンテストR結果発表!
1位 「サマータイムレコードホルダー」and「とても素敵な夏記事でした」
2位 「スゴ記事をかける著者」
同点3位 「wonderful beautiful」
同点3位 「wonderful beautiful」
参加者の皆様、ありがとうございました!
・総評
まずは参加してくださった皆様、重ね重ねお礼申し上げます。おかげで参加作品数が昨年の倍以上という、大盛況なコンテストとなりました。去年の参加作品数が少ないだけとか言うんじゃないよ
今回は参加作品が多かった分、作品ジャンルも多様なものとなり、読んでいてとても楽しかった印象です。サスペンス・ホラー・アドベンチャー・詩的文学・短編集・ハードボイルド、果ては飼育日記まで……。SCP記事が無かったのが個人的に寂しい所でしたが、それでも十二分に彩のあるコンテストになったと思います。
ここからは各作品に対して短評を述べていきたいと思います。まずは今回、当コンテストで「サマータイムレコードホルダー」と「とても素敵な夏記事でした」の称号をもぎ取り、さらにXコンでは悪部門特別賞を授与されたCRC-601さんの「王子様によろしく」について。いやぁ……解像度!!!各パートごとの登場人物のイヤ~な解像度が高すぎますって!登場オブジェクトについても納得の選出かつ、その複線の張り方が巧妙であると感じられました。リンク出てきたとき膝叩いちゃいましたもん。Nice boatで血みどろな締めも、創作における「夏」という季節に対するイメージと対照的なのが良い味を出していると思います。改めて、夏コン優勝おめでとうございます。
2位となったusubaorigekiさんの「かくり民泊」について。こちらは人と怪異、双方の「厭さ」がこれでもかというほど感じられる、流石の作品でした。一つ一つの描写の解像度が高く、お母さんの怒号なんか脳内再生が容易にできました。SCP-JPにおけるこの手の作品の書き手では、usubaorigekiさんの右に出る者はいない……と言っても過言じゃないんじゃないでしょうか。
3位となったSyutaroさんの「目的地」について。上位2作品は負の方面に感情を揺さぶってくるものでしたが、この作品は読後に爽快感をもたらしてくれるものでした。しかもそれはただの爽快感ではなく、日差しが強く気温も高い……しかしカラッとした風が吹く、そんな夏の日のような爽快感です。一文一文がとにかく格好良く、読み進める手が止まらないどころか加速していく、そんな作品でした。
同じく3位となったGenryuさんの「ひと夏の命」について。カブトムシ側からの少年への好感度の高さにやや納得できなかった点。個人的にAnomalousアイテムをオチに持ってくるタイプのTaleがあまり好きではない点。この二点が引っ掛かってNVとさせていただきました。しかし、今までSCP-JPのTaleでは見たことがなかったフォーマットと最後のフレーズのインパクトは凄まじく、かなり印象に残った作品となりました。また、「夏」要素の強さに関しては、今回の参加作品の中でもブッチギリだったと思います。
ここからは、惜しくも表彰ラインを逃してしまった作品の感想について述べさせていただきます。まずはsanks269さんの「少年SCP団のトレジャー・クエスト」について。各キャラの造形や複線の張り方、地の文の文体の「らしさ」等から、「やってた?」と言いたくなってしまうほどに良質な児童文学感が溢れている良作だと思います。少年たちの言動とは対照的にシリアスな大人たちの動向から、「これはSCP-JPのTaleである」という点がバッチリ伝わってくるのも個人的には嬉しい点でした。少年SCP団にはこれからも大活躍してもらいたいです。
tateitoさん、
tokusaさん、
yuuei5stさんの「アノマリー・ハラスメント・ハラスメント」について。普段から私が記事読みをサボりまくっている故に、イマイチ話の内容について読み取り切ることができなかったためNVとさせていただきましたが、良質な短編が連なりながら一つの物語を創っていく……という記事の構成は素晴らしいと思います。共著ならではの記事の形だと思いますし、共著だからこそこういった構成をやるのは難しいと思うのですが、流石の御三方だな……と感嘆しております。
Fireflyerさんの「あの夏の亡霊」について。いやまさか、夏×詩×艦隊なんて記事が来るとは思いませんでした。非常にチャレンジングな記事だと思います。私が詩の良し悪しについて理解していない人間であること、お船の概念に特段思い入れがないことからNVとさせていただきましたが、こういった作品もこのサイトで読めるというのは、個人的にすごく嬉しかったりします。私も挑戦を続けていきたいです。
二年連続でテーマが同じ個人コンやるってどうなんだ?と悩んだこともあったりしたのですが、今はこの文章を書きながら、このコンテストを開催して本当に良かったとしみじみ感じ入っております。流石に来年もまた「夏」そのものをテーマにコンテストを開催することは無い……と思いますが、またどこかで機会がありましたらよろしくお願いいたします。改めて、コンテストに参加してくださった方々。そして、それらの参加記事にvoteをしてくださった方々。さらに、このページのこんな所まで読んでくださっているアナタ。本当にありがとうございました!
夏は、何度でもやってきます!
概要
映える新緑の息吹と近付く梅雨の足音がありありと感じ取れる、初夏の今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。……初夏? 初、夏…………夏? 夏!? うおおおお夏だあああああああああああ!!!!!!!!
失礼、取り乱しました。
さて、皆様は昨年の夏に当ページにて開催された「夏のコンテスト」という個人コンテストはご存知だったでしょうか。昨年の9月の終わりに閉幕7した、極々小規模な個人コンテストです。当該のコンテストは結局、私の力不足で参加作品の少ない、盛り上がりに欠けたものになってしまいました。これではあまりにも悔しすぎる……この著者ぺが飽和するぐらいの、もっと沢山の夏記事を読みてぇ……!
ということでリベンジです。今年6月より、「夏のコンテスト」をもう一度繰り返し開催いたします。「10年後の8月にまた会いましょう」とか言っておきながら、こんなにすぐ会うことになってしまいましたね。
今回は、前回よりかなり開催期間が長いです!ぜひ自慢のアイデアを握りしめて、ゆっくりゆっくり執筆してください!誰も知らないような物語が投稿されることを期待しています。
ルール
[参加条件]
- SCP記事、Tale、GoIフォーマットのいずれかの記事を対象とします。
- 「夏」をテーマとしている(できればどこが「夏」なのかディスカッションに書いてくれると嬉しいです)、あるいは、作中の季節が明確に「夏」であると分かる描写が含まれていることが必須です。著しく「夏」要素を欠いている作品に関しては参加を取り消させていただく可能性がありますが、ここの判定はかなり甘くする予定です。「夏鳥思想連盟」とか「夏王朝」とか「夏目漱石」とかがテーマでもOKです。
- その記事のディスカッションに当コンテストへの参加表明を明記してください。可能ならばeagle-yukiのTwitterのDMか、WikidotのPMまでご連絡していただけると助かります。
質問等もTwitterのDMかWikidotのPMによろしくお願いいたします。
[期間]
投稿期間: 2023/06/08 ~ 2023/09/23 23:59
投票期間: 2023/06/08 ~ 2022/09/30 23:59
期間中は毎月最終週の金曜日夜に、それまでに投稿された記事(低評価ラインに達していないもの)をリアルタイムで読んでいく配信をTwitterのスペースを利用してやっていこうと思います。「自分の記事への反応をリアルタイムで見たい!」という著者の方は奮ってご参加ください!
……しかし、参加記事が無かった場合や配信にあまり需要が無さそうだと判断した場合、eagleの都合がつかなくなった場合などは実施しない可能性があります。
[表彰・賞品]
「サマータイムレコードホルダー」参加作品の中で最もRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。大したことない個人コンテストですが、ここで一位を取ったことをまた何処かで思い出していただけたら幸いです。賞品としてeagle-yukiより、各種コンビニで購入可能なギフト・プリペイドカード3000円分を授与させていただきます。(任意)
「スゴ記事をかける著者」参加作品の中で2番目にRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。惜しい結果となってしまいましたね。貴方の頬を流れた悔し涙はずっと忘れません。え? 泣いてない? うるせえな泣かすぞコラ
「wonderful beautiful」参加作品の中で3番目にRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。素晴らしい健闘でした。もし結果に納得がいっていないとしても、天下無双の笑顔を振りまいていきましょう。
「とても素敵な夏記事でした」参加作品の中で最もeagle-yuki好みな記事を書いてくださった著者に与えられる称号です。他の称号と重複します。最高の夏の思い出をありがとうございます。どうか、また会いましょう。
「サマー・フレンズ」参加者の方々全員に与えられる称号です。こんな個人コンに参加してくださってありがとうございました。あなた方が執筆した記事を、この胸に焼き付けます。
参加作品一覧
少年SCP団のトレジャー・クエスト
by sanks269
評価: 45
アノマリー・ハラスメント・ハラスメント
by tateito&
tokusa&
yuuei5st
評価: 11
かくり民泊
by usubaorigeki
評価: 53
FAQ
Q: とりあえず、テーマ/舞台が夏の記事を書けばいいの?
A: はい。ですが、「記事中に出てくる実験記録の日付が8月なだけ」とか「登場する研究員の名前が夏川なだけ」とかならアウトです。
Q: なんでこんなコンテストを二回も開いた?
A: 俺は少年たちの真夏の冒険譚とか、一夏の切ないボーイミーツガールとか、甘すぎて毒になるぐらいの青春記事とかが読みてぇんだよ!!!
Q: るっせえ!こっちは公式の夏コンに取り掛かってて、個人コン如き目に入らねえんだよ!
A: eagle-yukiは、公式・個人問わずコンテストの複数参加を奨励しています。
Q: 共著はアリ?
A: アリです。その場合、優勝賞金は人数分山分けとなります。つまり一人で参加する方がお得!
Q: その優勝賞金が前回より減ってるんだが?
A: その……前回は初めての個人コン開催で張り切っちゃったというか……ぶっちゃけ贈呈してから痛い出費だと気づいちゃったというか……。──っていうか、貧乏学生からお金をむしり取ろうと奮起する大人達って、よくない構図だと思いませんか!?ませんか!?
Q: 投稿済の記事を後からこのコンテストに参加させることは可能ですか?
A: その記事が投稿期間中に投稿されたもので、かつ、投稿期間中に参加を表明していただければ可能です。
Q: お前も参加するんけ?
A: 😭
Q: 今回、投稿期間延長はないの?
A: 流石にこれだけ期間長く設定しておけば大丈夫かな~と……。放っておけばベタベタに溶けてしまうアイスクリームのように、運命と締め切りは待ってくれません。……とはいっても、あまりにも参加作品が少なかったり、「あと少しで書き上がるのに~!」という声が複数あったりしたら少し考えますが。
Q: 投稿期間6月からって書いてあるけど、6月って夏っていうより梅雨じゃないですか?
A: ??? 梅雨ってことは、夏ってことですが……。8
Q: 投稿期間9月までって書いてあるけど、9月って夏っていうより秋じゃないですか?
A: ??? 秋ってことは、夏ってことですが……。9
空/海のコンテスト結果発表!
1位 「蒼天/碧海の覇者」
2位 「天空/深潭より来たる者」
3位 「大空/大海の豪傑」
特別賞 「空の青 海のあをにも染まず」
参加者の皆様、ありがとうございました!
・総評
まずは参加してくださった皆様、重ね重ねお礼申し上げます。正直な所、今年は公式の夏コンのテーマが「恐怖」というものであったため、空だの海だの夏だのといった要素を含む記事はあまり出てこないだろうと考えていました。(実際、海要素を使って当コンテストに参加して下さった記事は一つだけでしたし……)そんな中で多くの参加報告をいただけたのは本当に嬉しかったです。
また、今回は自分の個人コンに初めてSCP記事でのご参加を確認できたのも嬉しいポイントでした。やっぱりSCPのサイトなんだからSCPでの殴り込みが無くっちゃなー!と思っていた部分でしたので……。なんだかんだ、今年も個人コン開催して良かったな~と思えました。
ここからは各作品に対して短評を述べていきたいと思います。まずは今回、当コンテストで1位となったmachikawaさんの「0版 - 因習辞典」について。参加報告をいただいた時、あ行のとこだけチラッと読んで「お死と恐10っぽいな~」と感じていたんですがその後、実際にガッツリ参考にしてたと知ってニンマリしちゃいました。俺の文体アイ、舐めんなよ。11新規性のあるフォーマットで物語を綴り切っている点。短い文ばかりなのに、そのどれからも「machikawaらしさ」を感じられる色の出し方。本当に素晴らしい作品だと思います。改めて、空/海コン優勝おめでとうございます。
2位となったnemo111さんの「SCP- 1 -JP」について。ページを開くとまず、その視覚表現に度肝を抜かれました。その後本文を読み、(あとまぁ、スポイラーの方のverも読み)その「異常性」の描き方に感嘆させられました。個人的に、美しさと悍ましさをここまで直接的に感じられた報告書は初めてだと思います。こういった方面でも記事の魅せ方があるんだと、心底から感動しました。
3位となったsolvexさんの「SCP-3608-JP」について。いや、「夏」そのものをテーマに扱いながら恐怖要素もしっかりある記事が出て来るとは……。近年では文字通り殺人的な暑さが問題となっている夏ですが、その恐ろしさを最大限に活用した上で不気味さやノスタルジーも感じさせてくれる、そんな記事だと思います。夏を愛するものとして、深く刺さった作品でした。
参加作品の中で最もeagle-yuki好みであった記事である、CRC-601さんの「Chillout Mix」について。昨年の夏コンRの優勝作品から引き続き、人同士のやり取りの嫌な機微の描き方が凄いです。その上、一つ一つの情景の描き方や作品全体の雰囲気作りが最後のオチの良さを際立たせており、なんかもう、読んだときは引きつった笑みを浮かべることしかできませんでした。改めて、地域人材管理融和部門の設定って魅力的だよなぁ~!
ここからは、惜しくも表彰ラインを逃してしまった作品の感想について、参加報告をいただいた順に述べさせていただきます。まずはsolvexさんの「SCP-3703-JP」について。solvexさんには複数の作品で参加報告をいただいており、感謝しかないです……! 3703-JPに関しては、個人的に物足りなさを強く感じてしまったというか、なにかもう一要素あれば更にエグい記事になったのではないかな……と思ってしまったためDVを投じました。しかし、こういったシンプルな「嫌さ」があるクラシックな記事特有の魅力といったものは間違いなくあるとも思います。
say_templeさんの「SCP-3433-JP」について。異常性が「宇宙空間に存在する有人宇宙船」に限定されて発生するといった点が個人的にあまり納得がいかなかったのですが、それでも絵面のコミカルさと事態の重大さのギャップに魅力を感じ、差し引きでNV……といった感じでした。また、個人的な話にはなりますが恐怖コン関係なく私の個人コンに参加して下さったことがとても嬉しかったです……!
Hoojiro_sanさんの「SCP-3501-JP」について。「自殺の失敗」というテーマを含んだ記事を書いたことは私もあるのですが、そこでやりたかったことをこの記事は完璧にやれているな~と感じました。なんというか、ある種の清々しさを感じましたね。デザイン面も含め、記事全体での雰囲気作りが非常に巧い記事であると思います。
今回、三年目にして初めて「夏」以外の要素を主題にしたコンテストを開催したのですが、やはり新たな楽しみ方ができて良かったです。その一方で「夏」要素がガッツリある記事の参加も複数あり、改めて「夏」という季節の魅力を感じることもできました。この調子でSCP-JPにおける夏の風物詩枠を狙っていきたいですね。そんな思いを込め、昨年同様この言葉で今回のコンテストを締めさせていただきます。
夏は、何度でもやってきます!
概要
夏じゃん! 見上げる空 青い海!
昨年は「夏のコンテストR」でお世話になりました。eagleです。今年の夏も個人コン、やらせていただきます。
相も変わらず「夏記事読みてぇ~」の気持ちで日々を過ごしているeagleなのですが、今年は公式の方の夏コンのテーマの都合上、ちょっと「夏」が主題の記事はあまり出てきそうにありません。そもそも、テーマが同じ個人コンを三年連続で開催するのはどうなの……?という気持ちもあります。そこで、今年はこのような形で個人コンを開催させていただきました。
とはいえ勿論、公式の夏コン、恐怖コンに参加しないでこの個人コンだけにフィーチャーした記事も大歓迎です。公式コンと違って賞品もありますしね! 皆さんの空、海、ついでに夏記事をお待ちしています。
ルール
[参加条件]
- SCP記事、Tale、GoIフォーマットのいずれかの記事を対象とします。
- 「空」、または「海」、ついでに「夏」のいずれかをテーマとしている(できればどこにその要素が含まれているのかディスカッションに書いてくれると嬉しいです)ことが必須です。著しくその要素を欠いている作品に関しては参加を取り消させていただく可能性がありますが、大体大丈夫だと思います。
- その記事のディスカッションに当コンテストへの参加表明を明記してください。可能ならばeagle-yukiのTwitterのDMか、WikidotのPMまでご連絡していただけると助かります。
質問等もTwitterのDMかWikidotのPMによろしくお願いいたします。
[期間]
投稿期間: 2024/08/01 ~ 2024/09/30 23:59
投票期間: 2024/08/01 ~ 2024/10/07 23:59
参加して下さった作品に対しては、コンテスト終了後の「総評」内で全作品に対して感想を述べさせていただきます。(その時点で残存している作品にのみ)
[表彰・賞品]
「蒼天/碧海の覇者」参加作品の中で最もRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。海の王者と言えばシャチ、空の王者と言えばワシeagleらしいです。賞品としてeagle-yukiより、各種コンビニで購入可能なギフト・プリペイドカード3000円分を授与させていただきます。(任意)
「天空/深潭より来たる者」参加作品の中で2番目にRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。空の果ても海の底も、「恐怖」の題材としてはピッタリなんじゃないでしょうか?
「大空/大海の豪傑」参加作品の中で3番目にRateが高かった記事の著者に与えられる称号です。水平線を超える勢いで、次回以降はさらに上位を目指しちゃいましょう。
「空の青 海のあをにも染まず」参加作品の中で最もeagle-yuki好みな記事を書いてくださった著者に与えられる称号です。他の称号と重複します。ここだけの話、空とか海とか関係なく、「夏」な記事を投げるとこの称号を得やすいという噂があります。
参加作品一覧
SCP-3608-JP
by solvex
評価: 108
SCP-3703-JP
by solvex
評価: 8
Chillout Mix
by CRC-601
評価: 42
SCP-3433-JP
by say_temple
評価: 24
SCP- 1 -JP
by nemo111
評価: 132
SCP-3501-JP
by Hoojiro_san
評価: 28
FAQ
Q: とりあえず、「空」か「海」か「夏」が関わる記事を書けばいいの?
A: はい。また、それらから連想できる要素(例:鳥・天候・宇宙・魚・船・海馬・真言宗・夏目漱石etc……)がテーマの場合もOKです。
Q: 「空/海のコンテスト」って言っておきながら「夏」な記事もアリってどうなの?
A: 俺は少年たちの真夏の冒険譚とか、一夏の切ないボーイミーツガールとか、甘すぎて毒になるぐらいの青春記事とかが読みてぇんだよ!!!
Q: 共著はアリ?
A: アリです。その場合、優勝賞金は人数分山分けとなります。つまり一人で参加する方がお得!
Q: 投稿済の記事を後からこのコンテストに参加させることは可能ですか?
A: その記事が投稿期間中に投稿されたもので、かつ、投稿期間中に参加を表明していただければ可能です。
Q: お前も参加するんけ?
A: 参加……したいんスけどね……。ちょっと温めてたアイデアが恐怖コンと食い合わせ悪そうで……。公式コンの方を優先したい気もあってェ……。
こちらで開催されている文体シャッフル企画にeagle-yukiが寄稿させていただいた作品です。
今日こそは。
私は、ついにヒメを呼び出した。今や自分はクラスの中心にいるからと、私のような日陰者を見下して弄ぶ性悪女。私が手に入れた幸せを、横から奪ってはすぐ捨てるクソビッチ。
分かってる。アイツは、ただ私を苛めたいんだ。苛めて、過去の自分を知る人間の口を閉ざしたいんだ。ならもう、私が私の幸せを守るためには、今度こそ自分から動かなきゃいけない。
あの女の姿が見えた。私は、バッグの中に手を伸ばした。
*
今日こそは。
せめて謝罪しなきゃいけない。幼いころから抱えてきたこの気持ちは、伝えることができなくても。
……マナが誰かとくっつくなんて嫌だった。だから、いつも邪魔をしてしまった。でもこんなのダメだ。本当は、彼女の幸せを祝ってあげなきゃなのに。
この機会に、悪い流れを断ち切ろう。そして、彼女には二度と関わらないようにしよう。そう決意して、私は美術室のドアに手をかけた。
*
今日こそは。
……と思ったのにな。いつになったらヒメが寄ってくんだよ。俺みたいなカースト中位の男が上位女子と付き合うなら、この方法しかないのによ。
マナと付き合ってれば、勝手にヒメからアプローチしてくる……これは、美術部の陰キャ男共から確かに得られた証言だ。マナ程度の女なら、俺なら間違いなく落とせる。落とせた。こっちから上位女子に突っ込んでいく必要はないんだ。
しかし、マナと付き合ってから2週間が経ったものの、ヒメからの接触は一切ない。一体どうしちまったんだ?なんて考えてたら、いつのまにか、教室から俺以外の人間の気配は消えていた。
そろそろ帰るか……荷物をまとめて立ち上がる。
瞬間。少し離れた教室から、誰かの悲鳴が聞こえてきた。
春休みを利用した帰省中、ふと、エナドリが飲みたくなって家を出た。スマホの時計は水曜の午前0時前を指している。そういえば、2年前に会っていた彼女はどうしているだろうか。
とある冬の水曜深夜。勉強の息抜きに近所の自販機へと向かったら、珍しく先客がいた。悴む手では中々小銭を取り出せないのか、買い物に時間がかかっている。そんな気まずい状況を打破するためか、彼女は僕に話しかけてきた。
「えっと。学生の人、ですか?」
……彼女とは、偶然にも目当ての品が同じだった。緑色の缶を持ちながら、お互い受験生なこと、志望校のこと、そして夢のことについて会話した。彼女は有名私立志望で、教師になるという夢を持っていた。やりたいことが無く、学費が安いというだけで国立志望の僕とは正反対だ。
「近所に受験生の人が居たって初知り~!なんか学校じゃないとこで立場近い人と話せて良かったです!」
それから毎週水曜の午前0時には、彼女と自販機前で軽く駄弁るようになった。特に示し合わせた訳じゃないが、そうなっていた。流石に入試シーズン中には会えなかったが、色々一段落した春休み、彼女と再会できた。
「お互い第一志望受かったことに、かんぱ~い!」
細長い缶を頭上に掲げ、名前も知らない彼女と笑い合う。この日見た笑顔は、人生で見た中で最も眩しかった笑顔かもしれない。
思い出に耽りながら歩いていると、自販機前に人影が見えた。金髪、派手な服、そして大きく膨らんだ腹部が目に付くが……その人物は。
「え?……あ。あぁ、久しぶり。へへ、変わってないね」
彼女が笑顔を向けてくる。僕も、なんとか笑みを返す。きっと、最高にヘタクソな笑顔だったと思う。
「俺、お前には葬式来て欲しいなァ」
はあ、と我ながら随分淡白な返事が出た。
「アレやってくれよ。後輩代表スピーチみたいな」
「いや結婚式じゃないんですから。そもそも僕、先輩の親族と会ったこと無いんで。気まずいから行きません」
「んだよぅ。これから死ぬ人間に、そんな冷たいこと言うなよぅ」
そう。この人はこれから死ぬらしい。今日一日、「最期の思い出作りに」と僕を色んな所に引きずり回してきたこの人は、夕日が完全に水平線に隠れた瞬間、ついにこの崖から身を投げるんだとか。とんだ馬鹿だ。
「あ~。やっぱ良いよなあ、海に沈む夕日。幻想的で終末感ある。死ぬにはもってこいのロケーションだと思わん?」
「いえ、普通に綺麗なだけです。夕日見てそんな悲観的な感想が出てくるのは、諸々終わってる人間だけです」
「あれ?今俺のこと『終わってる人間』って言った?」
そりゃ一度の失恋程度で自殺しようと考える人間は終わってるだろう。
「しかし、今日は楽しかったな。流行りの映画見て、カラオケでデュエットして、ファミレスで吐きそうになるまで食って、砂浜で城作って。こんなに遊んだの、ガキの頃以来だ」
「そうなんですか?僕は友人と今日みたいに遊ぶことありますが」
嘘だ。一日の内にここまで色々やることはない。
「そっか。いいなぁ、楽しそうなことしてんだなお前」
「……別に。誘われれば、いつでも今回みたく付き合いますが」
そうだ。だから、どうか。
「……俺、お前と遊んでて考えてたことあんだけど」
「何です?」
「やっぱ、まだ死にたくねぇわ」
夕日はとっくに沈んで、辺りはもうすっかり暗い。
僕は。僕と先輩は。
クソッタレな黄昏を乗り越えて、海上の星を見上げていた。
初飲酒の感想は、「ああ、こんなものか」。
缶ジュースの方が安くておいしいな。でも、「酔う」って感覚は嫌いじゃないかも。
一つ、腐った大人に近づいた証。それでいい。平平凡凡で陰鬱なこれまでの自分を置いていく、その一歩となれば。
……なんて位にしか、思ってなかったんだけどね。
動悸が止まない。私のベースは、日和った鳴声ばかり漏らす。なんでだよ。今までと真逆の生き方をしてやろうって、とんでもない四苦八苦を乗りこなして、初ライブまで漕ぎつけたのに。
人の目から逃れるように、箱の中から駆け出した。身体は酸素を取り込むことに夢中で、枯れた喉が悲鳴を上げる。本番までそう時間はない。こんなんじゃロクに歌えやしない。コンビニに救いを求める。
100円しない水を手に取ってレジに向かう。途中、水とは違う透明な液体が目に付いた。瓶に入ったそれは、普段は大して購買欲を刺激しないもので。なのに、その時ばかりはどうしようもなく魅力的に映って。
気付けば私は、舞台裏で酒を流し込んでいた。
ステージに立つ。動悸は続いているけれど、きっとこれは高揚とアルコールのせい。驚愕。苦笑。ドラムとギターのそんな視線がむず痒い。でもそれを音に出さない辺りは流石だね。私も負けじと、四の線を弾き飛ばす。
可笑しなMC、不敵な笑み。それらは酩酊が創り上げた虚像。あっちがそっちでこっちがどっちだ。観客は、嘘を塗りたくった私を食らっている。
それでも、私が放つこの音だけは本物だ。それさえ届けば、構わない。
……そんな成功体験のせいかな。もうお酒は手放せないや。でも、うん、これでいい。何だって使ってやるさ。私が輝ける、サイコーの人生を送れるなら。
俺は、変化が怖い。正確に言えば、変化の先にある失敗が怖い。
もし、現状に何かしら不満があるとしても。それを変えようと行動することが、事態をより悪い方に向かわせる可能性だってあるじゃないか。だから俺はこのクソ会社から逃げ出さないし、社内の人間と新たな関係を築くことは無いし、いつも吸うものより100円高い、気になるあの銘柄に手を出してみることもない。
「よう、元気してたか?」
昼休みに屋上で煙草を燻らせていると、声をかけられた。振り返れば、そこには先輩。部署が変わってしばらく会えていなかったが、入社して数週間はずっとお世話になっていた人。
「お前そういうの吸ってんだ」
そう言いながら先輩が取り出した箱は、気になっていた銘柄のものだった。
「まぁ、これ安いですし」
煙草というのは、案外話の種になる。然程好きではないが、毎日喫煙を続けていることにも意味はある。不変というのは、やはり大切だ。
「安さで決めてんの?」
「毎日吸うんですから、出費バカになりませんよ」
「お前、まだ若いだろ。もっと給料良くてちゃんとしたトコ目指せよ。いや、目指してほしい。俺みたいになるな」
久方ぶりに正面から見た彼の瞳は、やけに黒々しかった。
「……俺、先輩に指導して貰えて良かったと思ってます」
「ん。まぁ俺、多分ここじゃあ一番マトモな人間だからな~」
「また飯、食いに行きませんか」
「ああ、機会あったらな」
*
先輩が会社の屋上から飛び降りた。それを聞いた日、俺はあの銘柄を買ってみた。100円分の上質な味がしたかは分からない。でも、いつものとは随分違った味をしていた。
それから俺は退職願を叩きつけ、途方に暮れる日々を楽しく過ごしている。
京の都の外れにて。
その丈立ち、十尺はあろうかという巨躯の悪鬼が一匹、佇んていた。
──いや、違う。悪鬼は向き合っていたのだ。身の丈一寸ほどの、豆の如き童と。
「全く。何処から声が聞こえてきたものかと思えば、その主がこのような小童とは。そして、その小童が俺を殺すと宣うとは!」
「鬼が御託を並べるな。さっさと仕合うぞ。女を待たせているのでな」
その剛腕にて数多の武者を引き裂き、その歯牙にて数多の武者を喰らった。故に、都では何人からも恐れられてきた悪鬼は、久方ぶりに当てられた殺気が愉快だった。
悪鬼は嗤い、その丸太が如き大脚を振り下ろす。が、その足裏に潰した血肉の熱さは無かった。砂埃に紛れた童は、一体何処に逃げたものか。思案する悪鬼の脛に、突如、痛みが生じる。その疼痛は一度のものならず、まさに走るように悪鬼の身体を貫いていった。
「グウッ!?」
跳び、刺して。刺して、跳び。
見れば、童は携えた針を杖代わりにし、悪鬼の体躯という大嶽を、鮮血を残痕にして駆け昇っていた。
これまで、その堅牢な皮によって如何なる太刀も槍も通さず、痛みというモノを知らなかった悪鬼の身体は、未知の感覚に委縮する。
「我が針はかつて、地獄の針山より拝借したものなれば。貴様の肉を穿つのも容易い!」
「アァ!?なぜ人間がそんな物ッ……!」
「貴様ほど図体が厳いと気づかぬものか?俺も、『ヒト』としては聊か体が小さすぎる事に」
「……ッ!お前、何者だ!?」
返答の代わりに童が見せたのは、大跳躍にして大飛翔。
その勢いのまま、童は悪鬼の喉元を穿孔し──
──先刻まで、悪鬼の体躯であったモノ。
其は狂い咲く血華となり果てて。
此処に、鬼退治は成就された。
初めて飲む酒は決めていた。100円少しのパック酒。ヴァージンをこんな安酒に捧げるなんて、という抵抗感はあったがこれもロックだ。それに何より、あの人に近づくにはこれが一番な筈だから。
少し、独特な香りの液体を吸い上げてみた。呆けた甘味とツンとした辛味が味蕾を襲い、酒という物が私にはまだ合わない事を教えてくれる。彼女はいつもこんなのを飲んでいたんだ。喉奥の熱さを嚥下して、私はある女性の顔を思い浮かべた。
私の恩人、奇才的ベーシスト。今でこそ私は、メジャーバンドのギタリストなんて大層な肩書を背負えている。が、彼女がいなければ、私はデビューまでバンドを続けることすら無理だっただろう。そんな彼女と、最近は会う機会が減ってしまっている。
単に、お互い忙しくなっただけ。私たちは人気メジャーバンドという立ち位置へ着々と足を進められている。彼女のバンドはインディーズで狂信的人気を集め続け、自主レーベル立ち上げの噂が出ている程。光の中へ向かう私たち。混沌の中心に立つ彼女たち。距離が空くのも当然だ。
でも「音楽」なんて広い世界、一度逸れてしまえば二度と会えなくなる事もある。光を恐れ、閉じていた私の目を開かせてくれた人と、離れてしまう。このままじゃ嫌だ。だから、彼女との接点を少しでも増やしたくて。飲んで。想って。高まる感情は奔流になってアルコールと共に体を巡ってそして
「ヴォエェッ!」
口から決壊した。
──最悪な気分だ。でも、妙に頭がスッキリする。とりあえず、お姉さんにちゃんとお酒の飲み方教えてもらった方がいいな。別に、連絡先は知ってるんだから。
次に会う約束を取り付けるメッセの文面を考えながら、私は眠りについた。
「ねえ、男のケツに挿れても童貞って卒業したことになると思う?」
俺のダチは童貞拗らせて、行く所まで行き着いたらしい。
「……6日前、デカいモールに行ったんだよ。そしたら手相占いやってる人がいてさ。興味本位で見てもらったんだけど、『一週間童貞のままだったら君は死ぬ』って言われたんだ」
「んなこと手相で分かるか」
「いやでも、もしかしたらってコトがあるかもじゃん!?僕の女子からの評判知ってるでしょ?だから……その……お前の、さ……」
そんなエセ占い師の妄言の為に、俺のケツを危険に曝せるか。そもそもそれが童卒カウントされなかったらどうする。ここは負けられん。
「あー、お前アネキいるだろ。家族に頼み込めば何とかなるって」
「いや流石にそれはッ……!そもそも姉さん彼氏いるし僕のこと嫌いだしで、普通に断られると思う」
「じゃあ母ちゃんだ」
「お前正気か?」
友人を掘ろうとしてくるヤツに正気を疑われたくない。
「ああクソ、もうダメだ……。僕はこの短い生涯を童貞のまま終えるんだ……。童貞だから終わるんだけど……」
……ここまで憔悴している姿を見ていると、少し可哀そうになってくる。こいつはあまりにも頭が弱い。が、その頭の弱さからくる真っ直ぐな言動に、俺は何度も助けられたことがある。
『一人で飯食ってたけど、友達いないの?僕、隣で食ってもいい?』
──やれやれ。これは、その恩を返す時が来たのだろうか。
「おい、分かったよ。さっさと済ませんぞ。明日の朝、バイトなんだ」
「……え?」
こうして、俺のジュンケツは美しき友情の前に儚く散っていった。
ソープにでも行くよう言えば良かったと気付いたのは、バイト中に便所で苦しんでいた時だった。
──50になって初めて、「星の光」というものを見ている。
愚かしくも賢しいヒトの手によって、この惑星の地表総てには夜を知らぬ都市ばかりが屹立するようになった。一等星の光すら呑むこの惑星で、真の星の光を知るものは「ソラ」に行くことができる金持ち共ぐらいだった。
少年時代、私は猛烈に星に惹かれていた。星に関する本を読み漁り、星空を観測する方法がないか友人達と日々議論を重ね、無駄だと識ってなお毎夜頭上を見上げていた。純黒に浮かぶ無数の光を、この目に映したかったのだ。
一度、天象儀という物を作ってみた。完成品は私自身の不器用も相まって粗悪なもので、方々から光が漏れ、拘った星図も紙の縒れで滅茶苦茶。それでも友人や家族は皆、称賛してくれた。
「これはきっと、真の星空に最も近い景色だよ」
「ああ。しかし、機械が映す星空でさえこんなにも感動するんだ。本物の星の光を見ることができた日には、どうなってしまうのだろうね」
──それから30余年。ヒトはその貪欲さに溺れ、争いによる種の自壊の真っ最中だ。そして今日、ついに自分の都市も戦禍を被り、運良く生き残った私は一人で虚栄の残骸を歩いている。
闇を払う物が何一つ無くなったこの夜に、私は初めて真の星空と対面できた。夢見た光景が眼前にあるというのに私の胸中に愉悦は無く、ただ寂しさばかりが募り続ける。
『地表に届く星の光は何年も昔のもので、今この時、その光源は消滅している可能性もある』……本で得た知識だ。今、私を照らす光は全て過去のものなのだ。
「あの天象儀の光の方が、余程煌びやかに見えたよ」
家族も友人も聞いちゃいないだろうに、そんな言葉が零れていた。
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