名前: 神宮寺しんぐうじ 綴つづる
セキュリティレベル: 3
職務: 不動系、現象系オブジェクトの研究、本や書物に関係するオブジェクトへの自己身体を用いた研究
所在: サイト-81██、自身の研究室の本棚、真家研究助手の膝の上
人物: 19██年2月9日生まれ。奈良県出身。神宮寺博士の性格は、真摯である、という評価がなされています。規律が乱れていることを嫌い、すべてが理路整然と管理されている状態を好みます。自身の研究室はもちろん、他の場所においても物が散らかっていたり整理整頓が行われていないのを非常に嫌います。神宮寺博士の専門分野は機械制御及びシステム工学です。これらの理論の応用を行い、柔軟かつ確実で安全な特別収容プロトコルを研究しています。また、博士は読書家であり、自宅、研究室、及び資料室に大量の蔵書を所有しています。
神宮寺博士は、縦22cm、横16cm、厚さ██cmの本の形状の肉体を有しています。肉体の表面は未知の材質の革により装丁されており、背表紙には「神宮寺 綴」とタイトルが箔押しされています。神宮寺博士は、SCP-███-JPの実験中にオブジェクトの特異性に曝露し、肉体をパルプに変換されました。神宮寺博士であったパルプは、SCP-███-JPの参考資料として財団に保管されていました。しかし、真家研究助手が保管されていたパルプを手違いで財団製造部門の製本工場に運んでしまい、材料として投入されました。生産された製品を確認したところ、「神宮寺 綴」の背表紙を持ち、内容が神宮寺博士に言及している本(以下、神宮寺本)が発見されたため、観察対象として収容されました。神宮寺本は、前述のSCP-███-JPの副産物オブジェクトとして一時的に取り扱われ、SCP-███-JPは「肉体をパルプに変換し、製本した場合、元の人物に言及する本を生成するオブジェクト」との記述が追加されていました。ですがその後の追加実験からはその特異性が発現せず、また神宮寺本が自我を持つ振る舞いを見せ、自身が神宮寺博士であることを証明したため神宮寺本は収容対象から除外されました。今回の現象は神宮寺博士のみに発生した特別事例として処理され、神宮寺博士の体質が原因ではないかと推測されています。神宮寺博士はその後、財団職員として復帰し、以前の研究を継続しています。
神宮寺博士は、肉体上の白紙部分に自在に文字を表示させることが可能です。目次には「最近の更新」、「記憶事項」、「研究記録」、「その他」などが記されています。「最近の更新」には、直近の博士の思考が記録されており、本人曰く独白部は思考、「」部分は発言内容として考えて欲しいと述べています。「記憶事項」には、博士の生来の記憶した事柄が記載されており、神宮寺博士を知る上での資料として重宝されます。「研究記録」には博士のこれまでの研究に関する資料がまとめられています。博士の許可が得られる場合は、資料室ではなく博士自身で調べものをすることも推奨されます。記載事項にはところどころ誤字脱字や、博士の思考と無関係な記述が散見されますが、これは人間でいうところの忘却や無意識に相当します。また、神宮寺博士を閲覧する際は、記載されている情報のセキュリティクリアランスに注意してください。
本が置きっぱなしにされてるから片付けようと思ったら、読書中の神宮寺博士だったんです。-██図書館事務員
私のことよりあっちの本棚が整理番号順に並んでなかったよ。しっかり整理整頓してくれたまえ。-神宮寺博士
口、いや文字だけで自分は片づけられないくせにいい気なもんだ!-██研究員
神宮寺博士は外見的特長に一切の感覚器官を見出せませんが、五感が存在します。博士は肉体が見開かれた状態で、紙面に吸収する光を視覚として認識しているようです。触覚は全体に存在し、紙面上では感覚が敏感になります。また、白紙部分に物質を浸すことによって味覚を使用することが可能です。
この前神宮寺博士がやけにふやけてると思ったら、お酒にページを浸して酔っ払ってたよ。-██博士
博士の移動手段は二種類存在します。一つ目は自身の肉体による移動です。博士は表紙と裏表紙を翼に見立て、飛行することが可能です。航空力学的には飛行は不可能であるとされていますが、博士の飛行する姿がサイト内にて目撃されています。二つ目は真家研究助手による運搬です。博士は発声器官を有しないため、意思疎通の際には表示された文字を相手に示すことになりますが、状況によって伝わりづらい場合が存在します。そのため、真家研究助手が神宮寺博士を持ち運び、必要に応じて博士の記述を読み上げます。
あの博士、だいたいまーやちゃんの膝の上にいるよな。-エージェント・███
持ち運ぶときは他の資料と一緒に胸に押し付けられて……。-エージェント・██
不埒な妄想はやめてください。-真家研究助手
羽ばたくのは最近覚えたばかりだから非常に疲れる。しかしなかなか楽しいものだ。-神宮寺博士
博士の睡眠中、白紙上には博士の夢の内容が記述されます。不眠の職員が神宮寺博士を寝室に持ち込み、夢の内容を読書するという事案が度々発生したため、博士は自身に鍵を取り付けました。ですが、自身で鍵の開閉が出来ないことに気付き、すぐに鍵を取り外しました。現在、神宮寺博士の許可なしに神宮寺博士を読むことは禁止されています。
なかなか独特で面白い夢だったんだが、残念だな。-技術士
神宮寺博士の記述に関して、セキュリティクリアランスを超える情報を閲覧した職員は記憶処理を施されます。-記憶処理担当者████
名前: 真家しんや 摩耶子まやこ
セキュリティレベル: 2
職務: 上級研究員の助手、秘書 神宮寺博士の運搬、代議及び研究助手
所在: サイト-81██
人物: 真家研究助手は██大学卒業後、財団のフロント企業へと一般就職しました。入社後の経過観察期間の終了後、彼女は財団職員への適性が確認されたため、一般社員からの抜擢を行いました。彼女の専門分野は社会学及び統計学です。また、秘書検定準1級、図書館司書の資格を所持しています。特徴としてはマニュアル通りのことや学習したことを完全に遂行できる反面、臨機応変な即自的対応力には欠ける面が見られます。
彼女の業務は上級研究員の助手や秘書です。一定の期間やプロジェクトごとに助手及び秘書として希望する研究員の部下に割り当てられます。
そんな話、報告書にもマニュアルにも載ってませんでしたよ!-真家研究助手
書いてあることが全部じゃないの!-エージェント・███
真家研究助手はミスにより一度レベルを降格されたことがあります。しかしその後の功績により再び元のレベルに回復しました。現在は他の上級研究員への助手割り当てがない限り、神宮寺博士の研究助手として勤務しています。
真家研究助手は財団入団後、さまざまな上級研究員の助手や秘書を担当していました。しかし、SCP-███-JPの参考資料を損失するという重大な過失を犯したため、一時的にセキュリティレベルを降格され、機密のない事務仕事のみを与えられていました。その後、先述の資料から神宮寺博士が再構築されました。この事案を受けて彼女の降格期間中の勤務態度を鑑みた結果、降格処分を取り消し再度研究助手及び秘書の地位を与えられた次第です。もっとも過失の補填分として、真家研究助手には無期的な神宮寺博士の助手勤務が定められました。
しかし真家君には感謝していますよ。どんな形であれ研究者として復活できたのですから。-神宮寺博士
本人曰く、人生最大の失敗はSCP-███-JPの参考資料パルプを製本材料に誤って投入したこと。一方で周囲からの最大の評価は、神宮寺博士を復活させたことです。
エージェント・真家の人事ファイル
真家摩耶子職員には上述の職務に加え、極秘のエージェント任務が与えられます。その任務とは神宮寺博士の監視及び定期報告です。神宮寺博士は職員の復帰を果たしたとはいえ、SCPの特異性に暴露した異常存在であることに変わりはありません。そのため神宮寺博士の収容違反及び新たな異常性が確認された場合にはエージェント・真家職員は神宮寺博士を再確保、収容、保護しなければなりません。この職務は、真家研究助手が神宮寺博士の常勤助手である理由から与えられました。
人物: 身長163cm。やや細身の体型。
技能: エージェント基礎訓練修了。射撃訓練修了。基礎体術訓練修了。
博士が研究者に立ち返れたのは喜ばしいけど、なんだかかわいそうな人……。パルプのまま保管されてるのと、こうしているのと、どっちが良かったのかしら。-真家研究助手
名前: 神津かみつ 明真めいしん
セキュリティレベル: 3
職務: 保安部門捜査課捜査員、名探偵、フィールドエージェント、探偵業務
所在: サイト-81██神津探偵事務所個別オフィス、探偵業務を行うフロント企業
来歴: エージェント・神津は大学在学中、サークルの合宿先の洋館で起こった殺人事件を解決した経験があります。その事件では当時未収容だったオブジェクトSCP-███-JPが犯行とその隠蔽工作に用いられました。彼は自身の推理力と想像力を活かし、犯人の特定とオブジェクトの初期収容に成功しました。それゆえSCP-███-JPの追跡に当たっていたエージェント・星がその能力を評価し、神津は大学卒業後に財団に雇用されることが決定しました。雇用後、彼はフィールドエージェントとして一通りの仕事をこなした後に保安部に配属されました。現在でもフィールドエージェントとして活動を行うことがあります。
人物: エージェント・神津は身長178cmで、一般的な男性の肉体をしています。平時は保安部捜査員の役職に付いています。彼の特徴は推理力の高さとミステリーに対する強い興味です。普段から身の回りに何冊もミステリー小説を置いており、その影響を強く受けています。いつも思慮深そうな顔をしながら手元で何かを弄っていますが、どれぐらい深く考えているかは不明です。
前述したとおりエージェント・神津の推理力、洞察力は評価すべきものがあります。また、彼が好むシチュエーションになると彼の高い推理力が全力で発揮されることが確認されています。SCP-███-JPの初期収容に成功した際は、"雪山の洋館で起きた密室殺人"というミステリー小説のようなシチュエーションに彼が興奮していたため非常に速やかにオブジェクトへの対処が行えました。
保安部捜査課: 保安部捜査課は財団内における刑事機構で、機密上の観点から警察の介入できない財団内の刑事事件を取り扱う役職です。財団内部での刑事事件は単なる人為的な事件で済まず、オブジェクトの未発見の特異性が絡んでいたり、意図的にオブジェクトを利用した事件であったりと複雑な場合があります。事件にどこまでオブジェクトが関係しているのか明確に評価し、オブジェクト研究部門と協力して捜査に当たるのもこの役職の特徴です。
神津捜査員が手元でよく弄んでいるものリスト:
・契約が終了した折り畳み型携帯
・ルービックキューブ
・分解可能なペン
・組み木パズル
・数取器(カウンター)
・文庫本
・懐中時計
・カード
・小型の懐中電灯
・折り紙
・ダイス
・ペーパーナイフ
・チェスの駒
などです。
SCP-JP:
Tales-JP:
- (15 Jun 2015 14:52) 助手と一冊 (評価: 22)
助手と一冊
本型の博士とその助手に関するお話。初tale。いま読み返すとなんだか恥ずかしい。
現在研究中のオブジェクト
- 参加表明
- はじめましての挨拶
- 秘密の実験室
- 三人寄れば
- 小さな一歩
- 採用通知
- 銅メダル
- みならい・そうさく
- お祭り好き
- 言語学者
- 心理学者
- 普通じゃない
- フリーのカメラマン
このリストは随時職員が書き足してもかまいません。
・神宮寺博士を閉じることによって蚊を潰してはいけません。
・神宮寺博士の上で居眠りをしてよだれでベトベトにしてはいけません。
・神宮寺博士を枕にしてはいけません。
・
著者名:
PertProducer
経歴: 2014年5月16日にSCP財団日本支部に参加しました。SCPを知った切っ掛けは、大学の部室で行われていたクトゥルフ神話TRPGにてSCP-173が登場したことでした。それが五月頃で、173の不気味さや財団という世界観の魅力に惹かれ、財団に参加することを決意しました。初期の頃は米国本部の作品はそれほど読まず、日本支部の高評価記事や新しく投稿された記事を読んでいました。11月末ごろに人事ファイルを作成することを唐突に思い立ち、神宮寺博士が誕生しました。同時に財団用のTwitterアカウントも作成。
好みのSCP: 本家ではSCP-1000、SCP-2000、SCP-8900-EXなど。現実はこっそりと変わっているのだけど、誰も日常の変化には気付かずに過ごしている、といった作品やSCP-2000のような規模が大きい記事を好みます。自分が作成したもの中では494JPが前者に当たります。後者のような作品もいつかは書いてみたいです。
日本支部の記事だとSCP-496-JP、SCP-060-JP、SCP-019-JP、SCP-013-JPあたり。特に013JPは日本支部を開いて最初に読んだ記事だった気がします。
人事ファイル裏話: 神宮寺博士は現在は本の形をしていますが(財団世界の話でなく、著者ページ上で)、これは大幅に改稿された姿です。一番最初に投稿した時点では博士は、性別不詳の多重人格者という設定でした。脳内会議の決定により、表に出てくる人格が変更されるというものです。しかし書き上げておきながらいまいち自分でしっくり来ませんでした。翌日に本に現れる文字だけでしかコミュニケーションできない、というアイデアを思いつき、現在の神宮寺博士となりました。