氏名: 宇喜田 啓臣 (ウキタ ヒロオミ)
専門分野: 民俗学 法学 神秘学
所在: サイト-8198
人物:現在、この名前の人物は宇喜田博士と宇喜田博士-1の二つの構成要素からなっています。
宇喜田博士は大学生であった19██年に、サイト81██で発生した収容違反に巻き込まれかけ、その五年後に偶然遭遇したSCP-███-JPの脅威から辛くも逃れています。これは財団へ雇用された際の身辺調査で判明したもので、特にSCP-███-JPから無事に逃げ切ったことは奇跡的なことでした。この事を宇喜田博士は「人生のハイライトの一つだった」と床を跳ねながら述べています。
その後、研究機関から財団へ雇用され██年間平穏に勤務してきましたが、Dクラス職員を使ってのSCP-███-JPの実験中に████████████。そして頭部を体から切り離され、加えてSCP-███-JPの効果に暴露したことにより、宇喜田博士と宇喜田博士-1の二つの構成要素に分類される事になりました。宇喜田博士曰く、「全身をミキサーに掛けられた上、圧力釜で八時間コトコト煮こまれた気分でした」とのことです。
現在の宇喜田博士は人間の肌を持つ、バレーボールよりやや大きいつるりとした球形です。彼はバスケットボールと同等の弾性を持っていますが、彼を使ってドリブルをすることは禁止されています。彼は体表の発達した筋肉に原始的な臓器を持ち、また身体下部にはかつての彼の物と同一の口唇がついています。彼の発声器官は未熟なものであるようで、赤ん坊のような声で喋ることで知られています。口唇のさらに下には放射状に6つの穴が並んでおり、そこからそれぞれ2 mの長さがある半透明な触手を出すことが出来ます。これは視覚、聴覚を司る器官であると同時に、足や手のように使われるものです。また高度に[削除済]が進んだ[編集済]化した脳を有しており、問題なく財団業務を行うことが出来ます。
彼の外見は不気味なもので[宇喜田注:これはひどい侮辱ですよ!胎児的・原初的外見あるいは丸くて可愛らしいと言ってください!]ともかく、他の職員を狼狽させる外見のため、カバーを自身に掛けておくことが推奨されています。宇喜田博士は悪趣味なジョークセンスのせいかユーモアにあふれた彼の性質から、秋・冬には呼吸のためと触手を出す穴を開けてあるバスケットボール型の専用カバー、夏には同様の改造をした不透明なビーチボールを被っています。このような外見ではありますが、彼は基本的に生真面目な性格であるためフォーマルな場で彼を持ち上げたりすると、触手で刺されて手がかぶれる恐れがあります。
宇喜田博士-1はかつてDクラス職員だった中国人女性の█████で、頚部から上を完全に失っており自発的に動きません。しかし、背中にある他次元由来のコブ状の器官によって生存が確保されています。栄養は宇喜田博士から[削除済]。宇喜田博士と宇喜田博士-1は感覚を共有しているものと見られ、宇喜田博士への痛覚刺激に宇喜田博士-1が反応し、宇喜田博士-1への痛覚刺激に宇喜田博士が幻肢痛に似た感覚を報告しています。
宇喜田博士-1の頚部には穴が一つ空いているのみで、CT検査の結果脊髄が存在しませんでした。宇喜田博士はこの穴を介して宇喜田博士-1と三本の触手を使って結合することができ、この時に触手は宇喜田博士-1から失われた脊髄の代替品として働きます。宇喜田博士はこれによって宇喜田博士-1の完全なコントロールを得ます。宇喜田博士が首から下を必要とする用事があるときは、宇喜田博士と宇喜田博士-1は結合した状態で活動します。
これが、サイト81██で時折目撃される首元から触手の生えたビーチボールウーマンの正体です。
補遺:宇喜田博士及び宇喜田博士-1は日本支部理事会の決定により一般社会との接触を禁止されます。財団の保養所へレクリエーションへ向かうときは、監督・補助役の職員の同行を必要とします。また、ドッヂボール中に宇喜田博士が宇喜田博士-1から「緊急脱出」して球を避ける事は他の職員の精神衛生上の問題からもう許されません。
補遺2:ベッドに寝かせると邪魔だからといって宇喜田博士が宇喜田博士-1をサイト81██の自室のロッカーへしまうのは禁止されています。清掃担当者へのPTSDの治療費は今後は宇喜田博士の自費負担となります。
深夜に廊下で跳ねるのはやめてください。夜勤の士気低下が洒落になりません。──セキュリティ担当責任者███
ごめんなさい、でも眠れない時は運動が一番なんですよ。──宇喜田博士
宇喜田博士が管理・研究対象とするSCPオブジェクト一覧
宇喜田博士の個人用資料棚
氏名:喜田 啓伸 (キタ ヒロノブ)
セキュリティレベル:2
専門分野: 法哲学 行政法
所在: サイト-8198
年齢及び性別:37歳、男性
人物:喜田博士は宇喜田 啓臣博士の長男であり、宇喜田博士が現在の状態に陥ってから一般の大学を経由して財団へ雇用されました。宇喜田博士と喜田博士は三年ほどお互いの財団への所属を知らないままに財団へ勤務し続けていましたが、喜田博士が財団内の学術雑誌に投稿した論文の査読を、宇喜田博士が担当したことがきっかけで、双方の存在が互いに知れることになりました。
宇喜田博士は査読段階で喜田博士の論文を、「本人の幼稚なヒューマニズムが文面ににじみ出ている」「私見部分がもはや下品なアジテーションである」などとしてリジェクトしました。喜田博士はこれを受けて学術誌の編集委員へ直ちに抗議し、編集委員の一人に掴みかからんばかりの説得を試みました。そこにやってきた宇喜田博士が喜田博士と出くわして素性が知れたことで破滅的な親子喧嘩が発生しました。喜田博士は顔面に宇喜田博士の体当たりを受けて頬骨を骨折。そして宇喜田博士はウルパ器官の三割の欠損、触手の一本を食いちぎられるという大怪我を負いました。このとき警備員三人がかりで二人を引き離さなければならず、宇喜田博士が置いてあった段ボール箱に一時的に収容され、喜田博士が怒りのあまりその場で失神するまで騒ぎは続きました。
このような経緯を経て、両者は[編集済]。その2年後に和解を果たしました。現在では両者はお揃いのデザインの頭部カバーを着用し、サイト内を散歩している様子が見られるほどです。同じく宇喜田博士の子女である浮田 環博士もこれに加わることがあるため、セキュリティ担当者は警報を発報する前に浮田博士か喜田博士に問い合わせてください。
喜田博士の専門分野は法哲学及び行政法であり、これらの関わるオブジェクトの解釈や検討を通じて収容プロトコルの改善に尽力しています。ただ喜田博士は財団的倫理と一般的な倫理を履き違える傾向があり、Dクラスやオブジェクトの取り扱いを巡って他の研究者と諍いを起こす事がしばしばです。そのため過去に数回、日本支部理事会による注意が行われています。
喜田博士は父親とは異なり、直情かつ癇性です。激怒した際は職員同士の場合はぎりぎりで節度を保つことが可能ですが、宇喜田博士はその例外で、宇喜田博士をゴミ箱に放り込むことも辞しません。喜田博士の研究室にはストレス解消グッズが備蓄されており、研究室前のボックスに使用願を入れておけばサイト内の配送システムで貸出を受けることが出来ます。
喜田博士、宇喜田博士が分裂したと新人職員から通報がありました。もうそんな時期なんですねぇ。──セキュリティ担当責任者███
一年って早いなぁ。今年も、こちらで何とか新人には周知いたしますので……。──喜田博士
おい、俺が査読から外れてるからって好き放題してんじゃねえぞ。何だあの問題設定は?俺達は人権NPOじゃないんだぞ。──宇喜田博士
親父。表面的な議論はいいが、互いの研究分野には立ち入らないって約束しただろ。勘弁してくれ。──喜田博士
分かった。だが程々にな──宇喜田博士
氏名:浮田 環 (ウキタ タマキ)
セキュリティレベル:2
専門分野: 色彩心理学、触知心理学
所在: サイト-8198及びサイト-8181
年齢及び性別:34歳、女性
人物:浮田博士は宇喜田博士の長女で、色彩心理学の分野で発見した数個の異常な情報災害効果を日本心理学会で発表しようとしたことで、かねてから彼女を監視していた財団に雇用される運びとなりました。財団へ雇用されて以降は色彩による異常・非異常効果を用いて、各種の隠蔽・誘導を行う技術の研究開発部に所属し、良好な成果を上げ続けています。最近で有名なのは、彼女のチームが手がけたサイト-81██ビルに施された迷彩塗装です。これはその外観を白色と誤認させつつも見るものに忌避感を覚えさせるという進歩的なもので、財団内の認知科学部門の好評を得ました。
浮田博士は温厚で物静かな女性で、ディスカッション全般が苦手であるようです。その他には化粧術の研究を趣味としており、財団フロントにおいてカルチャースクールを開講しているほどの腕前を誇ります。この授業を受講したい場合は、浮田博士までメールで申請を行ってください。定員は一般参加者を除いて20人までです。また、ここで習得した化粧術を潜入任務のための変装に用いるのは推奨されません。浮田博士の外見的な流動性は色彩心理学の専門知識を利用したものであり、そうでない変装は、要注意団体の一部では容易に見破られます。
父親との関係は、財団雇用前のBクラス記憶処理や偽記憶の植え込みなどによって当初は希薄でした。しかし記憶処置の専門家の協力によって記憶を取り戻し、精神状態の悪化や投薬などを経て現在では「サイト-81██一番の仲良し父娘」を自認しています。去る██月にはサイト-81██中庭での家族写真の撮影が行われ、宇喜田親子の精神的安定や████████████の構築に大きな役割を果たしました。特に、宇喜田博士は浮田博士と喜田博士を伴って昼食を取るようになってから作業効率が明確に向上しているようです。浮田博士が16歳の頃にカバーストーリー「死別」が適用され、宇喜田博士に関する記憶は前述のとおり消去されていました。記憶を取り戻して以降は、父親や兄との失われた時間を取り戻す事に強い喜びを感じると彼女は度々語ります。
モルモットの育成・繁殖が趣味で、浮田博士は実験で使用したモルモットの一部を私室で飼育しています。よく調教された彼らは彼女の部屋を訪れる人々の癒やしということもさることながら、食用やストレス解消等、多岐にわたる活躍を見せています。彼女の育成したモルモットにはSCP-███-JPやSCP-████などの空間異常系オブジェクトに数多く進入し、内部の情報を搭載カメラで撮影してきた「ぼるへす」や、生物に対して極めて敵対的・有害なSCP-███-JPなどとの接触を繰り返し生き延びた「せるばんてす」などがおり、彼らは浮田博士の許可があれば実際に触れることが出来ます。
浮田博士、宇喜田博士の格好を真似るのは控えてください。深夜に出歩いていた宇喜田博士を注意しようとした同僚が、あなたに後ろから声をかけられて死にそうになったのはご存知でしょう。──セキュリティ担当責任者███
すみません……でも、お父さんの服を選ぶのは私だから、たまに被ってしまうのです。──浮田博士
ぼるへすちゃんを撫でてから挑んだ先日の調査任務ですが、無事に生き残ることが出来ました。ありがとうございました──エージェント██████
良かったです。ぼるへすもこれを聞いたら喜びますわ──浮田博士
氏名:宇喜田 直子(ウキタ ナオコ)
セキュリティレベル:4
専門分野: 神経内科学
所在: サイト-81██
年齢及び性別:67歳、女性
閲覧にはレベル4クリアランスが必要:宇喜田 直子博士は現在担当しているプロジェクトが完了した後、退職を予定しています。また人事ファイルのより詳細な情報の閲覧にはレベル4クリアランスが必要です。
コードが認識されました。ようこそ、宇喜田博士。
宇喜田 直子博士は記憶処理技術と偽記憶生成学の専門家であり、現在はサイト-8198管理官の職にあります。研究者としては1979年に財団に雇用されて以降、より安定的かつ個別の事例に合わせて使用できる記憶処理薬の開発が主な任務でした。
主な研究成果としては、扁桃体中心核に長期間残留する██████誘導体混合液を被験者へ投与することで過去の恐怖/好奇/愛着を被験者に喚起したのち、それによって活性化した海馬領域の一部を選択的に破壊する薬品を投与して最も最近の「強烈な体験」の記憶を消去するという手法の開発で、これは改良型Bクラス記憶処理手順として1990年代の終わり頃まで国内では最も広範に用いられたものでした。しかしこの手法は脳への侵襲的影響が避けられず、被験者の社会復帰プロトコルの完遂が困難となる場合が僅かながら報告されていたため、異常技術を応用したより非侵襲的な手法が現在では主流となっています。
このような背景から博士の研究は記憶処理薬そのものの開発から、人間の記憶への偽記憶の形成・挿入へとシフトすることになります。まず博士はSCP-765の「平穏」放射、及びSCP-3051の限定的なリバースエンジニアリングを試み、これによく似た効果を発生させる複数の要素からなる認識災害を開発しました。そして挿入する偽記憶ストーリーに応じて調整された認識災害と向知性薬、記憶処理剤を組み合わせて投与することで被験者に偽記憶の「作話」を行わせて、被験者の記憶に出生から現在に至るまでの一連の記憶を生成することに成功しました。この手法は現在においても高精度の偽記憶埋込技術として財団記憶処理部門において高く評価されています。
この偽記憶生成手法を施された最初期の被験体の一つは、1989年の事故によって偶発的に発生した敵対的アノーマラスオブジェクト(管理番号:AO-U-0823)であり、このオブジェクトは体内に保持していた宇喜田 啓臣博士の脳の欠片とそこに残存していた僅かな海馬領域に全身のコントロールを奪われ、現在は「宇喜田博士」としての人格を持ち安定的にサイト-8198に収容されています。宇喜田 直子博士はこの一件を最後に本格的な研究活動を離れ、現在はサイト管理官としての業務を除いてはAO-U-0823の収容業務にのみ割り当てられています。
AO-U-0823は現在、定期的な健康診断によって残りの活動期間が十年以内であることがほぼ確実であることが判明しています。
その間現在の収容状態を保つために、宇喜田博士人格の核である「宇喜田博士の家族の記憶」及び「財団職員としての自認」が持続的に喚起されている必要があることから以下のような措置を取ることが日本支部理事会の過半数の賛成を得て許可されています。
- 喜田 啓伸氏の雇用とコミュニケーションの継続(宇喜田博士実子。人材的価値の不存在から、オブジェクトの終了後に解雇予定)
- 浮田 環博士とオブジェクトのコミュニケーションの継続(宇喜田博士実子。本人にはオブジェクトの監視と状況の報告を義務付けている)
- AO-U-0823のEクラス職員仮登録
AO-U-0823をE-クラス職員:宇喜田 啓臣として仮登録するに当たり、セキュリティクリアランス3相当の文書へのアクセス権の付与、故宇喜田博士担当オブジェクト管理業務を行わせています。これについて現場作業・監督が必要な場合はその業務は宇喜田 直子博士が担当しています。業務内容は宇喜田 直子博士が決定し、AO-U-0823から提出された内容は、すべてが一旦認災スクリーニングおよび標準的検閲を行ってから財団データベースに登録されます。
AO-U-0823に宇喜田博士人格が再現されてから██年になりますが、今現在もこの人格は安定した状態を保っており、宇喜田 直子博士の現在の主な課題は外部からの刺激無しで、生成された記憶とそれに基づく人格が長期間継続する方法の模索です。そしてこのプロジェクトがAO-U-0823の無力化をもって完了した際には、宇喜田 直子博士は退職を予定しています。
宇喜田 直子博士は財団における神経内科学会で示した鋭さから、かつてはその人柄を「猛女」と呼ぶ同僚が多くいました。しかし現在の彼女はAO-U-0823と接触し経過観察を行う際の「清掃担当者」としての偽装のほうがサイト職員によく知られており、その姿は「かっこいいけど話すと温和なお掃除のおばあちゃん」「なぜかパリッとしたスーツを着てガッツリと掃除をしているおばちゃん」というように評価されています。
わたくしが神業を使ってかつての夫を取り戻したのだと美談めいて話をする人がいますが、それは違うのだと言わざるをえません。それが本当ならまこと喜ばしいとは思いますが、それはこのプロジェクトの完遂をもって評価されなければならないことです。あれの死の間際まであれが夫であったなら、その時初めて私は夫を取り戻したこととなり、その魂を救ったということになるのでしょう。
たとえかつての夫の10%にも満たぬ脳の一部、その魂の欠片を救うばかりの事であったとしても、
これから似たような「全身をミキサーに掛けられた上、圧力釜で八時間コトコト煮こまれた」……なんてたわけた言い回しなんでしょうね……まあそういう人々を救うための一助となるのなら、我が子も含めた全てをなげうち、捨て去り、闇の中で死なせたとしても後悔はありません。我ら全てはそうあるべきなのです。
── 宇喜田 直子 第37回Eクラス職員向け公演会での発言より抜粋
オブジェクト記事
投稿順
宣明する観葉植物:二番目に書いたオブジェクト記事、最初に書いた190-JPに趣味を叩きつけ、「これは受け入れられるものだろうか」と冷静に考えたあと、微妙だという結論に達しました。その後、その当時流行っていたもの(シュール系とか文書改変系記事)を自己流に書いてみたところ、概ね受け入れられたというのが私の財団デビューでした。当時ローマ法を調べていて、肉を切り取るという債権回収方法を見つけて「面白い!」と興奮したところからスタートして、この潔癖症の観葉植物くんが生まれました。笑える。
滝と犠牲獣ども:最初に書いたオブジェクト記事。タイトルが気に入っている。内容長すぎ。オチ弱し。インタビュー記事での語りとか、そういうセリフ+ト書き形式を読むのが好きで自分もそうした作品が書きたかったのです。当時、世界を股にかけるインターナショナル系ヘビ水神を連続で記事に出そうと決めていて、その導入編がこれでした。203-JPにおける失敗から、計画は取りやめになりました。
終わらないお役所仕事:三番目に書いたオブジェクト記事。オブジェクト番号の末尾が作成順になっており、執筆現在190-JPから始まり、434-JPの五作目までが私の執筆オブジェクト記事のすべてです。この作品は、運転免許センターのくそじじいへの憎悪から生まれました。なんだかんだ、憎悪がもっとも作品の作りの原動力として力があると思います。私がろくに記事を書いていないときは、この世界やそこに暮らす人々への愛を体にたぎらせているときです。
海蝕の窟:四番目に書いたオブジェクト記事。海蛇が半島にタックルして、半島を沈めてしまうという情景が書きたかっただけの作品です。三重県にある鬼ヶ城という海食地形で有名な観光スポットで、この写真を取りました。作品全体としては、適当な民話系洒落怖に下痢便をかけたような出来になり、大変反省しています。
人生は続く:五番目に書いたオブジェクト記事。人によって捉え方が異なる記事だと思います。「結婚は人生の墓場」という人には滑稽な操り人形の不細工な踊りでしょうし、「伴侶がいてこそ人生」という人にはある種、理想の夫婦像と思われるかもしれません。この記事は、そういう人たちに向けた、私なりのファックサインです。婚約は契約類似の関係で一方的な解消は慰謝料、つまりカネの問題で解決され、結婚はつまるところ肉体関係を基礎にするねとねとしたものを法的に保護する制度です。しかし、そうした歪なげろげろとどろどろの中から蓮が芽を出し、花が咲くこともあります。この婚姻届を作った存在は、咲いた瞬間その花を狙って手折っていくクソ野郎です。POSTさんという人が作ってくれた動画はこちら→[http://www.nicovideo.jp/watch/sm26417075] 彼は天才です。
あと、434-jp-2-cは自分の死を含めて全部わかっていました。わかった上で、それを知って苦悩する夫を見たくなかったために、素知らぬ顔で努めて明るく振る舞い、その最期まで「馬鹿な女」を演じきって確定事象最終号を迎えたのです。あるいはその想いもなんとなく1-cに伝わっていたかもしれません。
バリシタ・ヒーローショー:六番目に書いたオブジェクト記事。バリシタというのはイギリスにおける弁護士の一種で、ズラ被って偉そうにしている「法廷弁護士」です。他には下級の「ソリシタ」がいますが、彼らは割合スーツとか普通の格好でいるようですね。ともかくバリシタはその多くが貴族であったがゆえに貴族っぽい格好をしていて、それが未だに続いているわけです。そういうお高くとまってる連中がなんか突然戦隊ヒーローみたいなことをしてると面白いなと思って書いてみました。実は彼はウルトラ大法官キャノンという大技を隠し持っており、サーベルで指した位置に軌道上の大法官府から法学的ごんぶとレーザービームを放って、そこにあるすべての罪を比較的にまっとうな感じに裁く事もできます。裁き得ぬ罪は存在しません。罪刑法定主義が、宙に輝く限りは。
我らの肉、そしてそこに抱かれながらネットサーフィンする方法: ジャムコン出品作品。WANの啓示を得て、腐臭漂う肉を滅するため北海道に向かった新進気鋭のマクスウェリズム・メカナイト!ネットに強くて最新鋭の強力電気銃を操る義体のエリート・スナイパーだぞ!でも肉塊の発する病原性微生物が口のフィルターを通過しちゃってさあ大変!誘惑に負けないでマクスウェリズム・メカナイト!この誘惑を乗り越えれば、WANの啓示によって示された使命を果たせるんだから!次回「メカナイト、Dedicated Host と化す」収容スタンバイ!
SCP-ち█ち█-JP-J: 色々計算や調整を繰り返して作成したという点では、他と同様にかなり真面目に仕上げたつもりです。収容容器に割り当てている長さと径は5回以上の計測と再計測を繰り返したくらい。
著者ページとtale
宇喜田博士の人事ファイル:イエーイとバーカとありがとうで全体の80%が構成されています。私は今でもたまに、夢の中で宇喜田に触手責めを喰らいます。逆もしばしばですが。
日本財団昔話「桃太郎」:これが、財団日本支部で最も評価が高いtaleです。ははは、日本支部でtale最強は俺だぞ?ははは……まああまり自分としては笑い事ではありません。いずれなんとかして俺はこのtaleを上回る評価のものを書いて、このふざけた一発ネタのtaleを殺さなければならないのだから。とにかく、これがかの「誤字」(当時最高評価の記事)のすぐ後ろまで迫ったときの、あの真面目なサイトメンバーのお歴々の深刻な顔を思い出すと、今でも笑みがこぼれます。ざまあねえぜ。真面目な話、構成は練りに練ったつもりで、どうやったら笑わせられるかと真剣に作ったtaleです。
事件記録171-JP:「宇喜田博士のチリソース煮」takamata氏というヤバイ人が宇喜田博士を食べると言い出し、ある方がこのレシピを171-JPに放り込んだらどうなるのかなあとSNSで呟いていたので、1200字で書いてみました。宇喜田を痛めつけるととても興奮します。お二人には改めてお礼申し上げます。建前は以上ですが、本音はこのtaleのURLにしたためさせていただいております。
カルキスト・イオン株式会社から流出した広告チラシ原案:
こいつギャグTaleしか書いてなくね?
もともと真面目なサーキックオブジェクトを書いている間、必死こいてグノーシス神話の取材を続けていたわけですが、なんかグダグダになってオブジェクト記事を全消しした虚無感からこのTaleが生まれました。オカルティックイレブンがすき。
ちなみに私の脳内カノンでは、ヰオンさまはデミウルゴス=サクラス=ヤルダバオト=プロトアルコーンをなんかうまいことして仮死状態にして制御下に置き、そこからにくにくしいエナジーを抽出してすごいげんじつかいへんぱわーを得ているという設定です。ところでサアルンちゃんのエッチなTaleがまだどこにもないことに絶望しています。人生ってこんなに理不尽なものなのか?
僕たちが作ろうとした小さな王国が燃えた顛末 つらい についてのインシデントリポートと 僕たちなりの始末書 もしくは「次」についての意見書:タイトルが長くて邪魔くせえ!でもまあTale一覧に関しては著者ごとの枠があるので、そこまで一覧ページに置いての不公平感はない……と思いたいですね。今回は珍しくギャグではないですが、シデムシ達の愛嬌というかおかしみに加えて「こいつらとは結局理解し合えるの?」感を感じていただければなと思いながら書きました。間に休止期間を挟んだので実に2018年夏の書き出しから一年くらいが経過してしまいました。虫の湧いた腐乱死体のように熟成した一品です。
宇喜田博士の死と変容、そしてその首から下に中国人女性の肉体が使われることになった経緯:
謎の王冠は、オジルモーク・イオンに帰順したダエーワの一人にイオンから与えられたもので、ダエーワとしては極めて珍しく魔術的な力をほぼ持たなかった彼女が、肉飼いの業を使えるようにするためにアルコーンから流出する力を横流しする補助輪的なアイテムでした。しかし、それまでダエーワとしては温順で民にも比較的寛容に見え、イオンも期待していた彼女は、力が使えるようになった瞬間に淫蕩、弱者からの搾取をはじめとする暴政を振るうようになり、それを悲しんだイオンは彼女を細菌レベルの大きさの微小で無力な存在に変え、王冠の中に封じ入れ、それを海に投げ込みました。そして彼女が反省するまでの数年~数千年を待つこととしたのです。ところが力がなくてダエーワの中でいじめられた結果アホみたいに根性のネジ曲がっていた彼女は、反省など全くせず、王冠の中で自分の肉体として足る存在が王冠に触れるのを虎視眈々と待ち続けました。MC&D社の人間が偶然にも海中から王冠を回収し、「こんなもん売り物にならない」と倉庫に打ち捨てているのを財団が発見し、本編ではたまたまうすーくダエーワの血を引いていた件の中国人女性Dクラス、のちの宇喜田-1の精神を乗っ取って惨劇を引き起こしました。生前の宇喜田が怪物もろとも自爆したことで、彼女は依代が消滅して力を失い復活の目論見は失敗に終わりましたが、動けなくなる直前に宇喜田の頭部を無理やり依代に変化させてそこに宿り、自分がさっきまで操作していた女性Dクラスの首無し遺体と合体させることでとりあえず動き回れるようにしよう……としたのですがマヌケにもそこで完全に力を使い果たして、知的能力をほぼ失った残り滓の頭部と、首なし中国人だけがその場に残されるという結果に終わったのです。それを宇喜田 直子たちが回収して、それっぽく加工を加えたのが「宇喜田博士」「宇喜田-1」です。
宇喜田博士なんて事故でとうに死んでいたし、今存在している「宇喜田博士」もいびつなコピーに過ぎなかったというのが、宇喜田博士についての私のヘッドカノンです。
宇喜田 啓臣博士:1989年初夏に財団勤続20年弱を迎え、特筆すべき成果も上がらず、ちょうど病気になったから記憶処理されて一般社会に開放される直前に殺害されてしまう。彼はそれまで「人よりちょっと運がいい」という極めて微弱な異常性をそもそも帯びていた。守護霊が強かったんでしょうね。若い頃に危ないアノマリーから無事逃げ延びたり、周囲の大天才達と比べて才能がないのに財団に雇用されたり。Tale内、収容室が乱暴に隔離されたときも最後まで生き残っていたのはそのせい。だがその身に帯びていた儚い祝福の力では迫り来るおぞましい何者かを押し止めることはできなかった。享年4█。
「宇喜田博士」:おぞましい混淆物。いびつなコピー。しかし人間の存在が記憶、経験、自己認識、その他の束であるならば彼も紛れもなく宇喜田博士、その一部ではある。「宇喜田博士」から完全に危険性が除去されて以降は、サイト-8198内と他の職員と交流させて反応を見る実験を兼ねた他サイトへの移送も許可されていて、低位クリアランス者はEクラス職員「宇喜田博士」として知っているものもいる。高位クリアランス者は対象に進行中の実験に対し、興味を持って見ているものと呆れ返っているものがおり、うまいこと殺処分されずに寿命まで持つかは不透明。
宇喜田 直子博士:現在の財団内公式文書内における宇喜田博士は彼女のこと。息子や娘にも容赦なく記憶処理と偽記憶埋込を行う冷淡な人物ではあるものの、「人間としての感情を捨てきらない」という指針を立てて行動している。財団の職務と自身の人間部分とのせめぎ合いに苦しみつつそれらを飲み込んでなお前進を続ける彼女だが、その先に待っているものは地獄である。
喜田 啓伸博士:実際のところ、地方大学の教員だった彼に財団職員としての価値はない。父が建てた実家からサイトの小さなオフィスに通いながらセキュリティクラス0の職員がやるような事務仕事を押し付けられ、父親の残り滓のカウンセリングに使われているだけの一般人に過ぎない。あわれ。
浮田 環博士:母親から才を受け継ぎ、母親の後継となるべく物理的・精神的に調整を加えられながら育った彼女は、外形的に穏やかで物静かな女性ではある。その内面はギアーズのように無情動で論理的なものであるため、他者と表面的な関係しか築くことができない。母親に何度も「宇喜田博士」に使われた記憶処理と偽記憶埋込の実験台にされているのがその原因の一つ。喜田博士とは別方向であわれ。だがそんな彼女も、本人さえ気がついていないが父親との交流の時だけは、演技などではなく本当にその交流を楽しんでいる。直子は浮田の幼児期の、「父親におぶられてどこかから帰る記憶」「ハムスターが欲しいと言ったのに父親が職場からモルモットをもらってきて『これ違う!』と大泣きした記憶」を消せなかったため、浮田はそれに強く執着している。あるいは、直子はその記憶を消したくなかったのかもしれない。
機動部隊-た-18”映像倫理委員会”の長い長い雑談:昔FSの方で投稿したものの再放送版。この機動部隊の出てくる記事はSCPコンテンツを見始めた最初の頃に読んで、とても興奮した記事の一つでした。FS版にも小ネタを仕込んでいたけどそれに気がついていた人がどれだけいたのか。それをおおっぴらにして、紅屋博士の様子も追加してみたというのが本記事ですね。FSの方においておくだけだと、もったいないというかなんというかだったのでJPwikiへ持ち込んでみました。ええ、まあ、副次目的としては女性職員のカップサイズに関するヘッドカノンを公然とメインwikiの記事に載せられるかどうかというチャレンジでした。みんな好きでしょ?おっぱい。
インシデント記録:SCP-006-JP「WWRY事案」:ウィーウィルロックユー。
天空の都アウダパウパドポリス: ラピュタとは、スペイン語で娼婦の意味だそうですね。その場合の発音はラ・プタであるようですが。これを書くにあたっては、ある映像作品を見たりして、それが奏功したのか一部の層に大変好評であるようです。へへへ。それにしても4840時空のカイアベセス、いろいろと複雑でなんか大変そう。父親の葬式で多分遺産とかでメタメタに揉めるやつじゃないですかこれは。
あと、セスをメタクソに強く設定していますが、お写真を見たときからユ█さまイメージでした。
あとは、ポリス防衛戦の時になんかヤバそうなドラゴンとか伝説の戦士的な連中の集まりに「あと、俺」って感じで参戦してるセスが強くないわけがない!という考えもありました。夜闇の子らからの分捕品のセラミックブレードとかで、リーグ・オブ・レジェンドのネモ船長みたいな百烈切りしてもおかしくない。全然おかしくない。
徴の流星:時代はカイレオだよカイレオ!
このすぐ上の天空の都アウダパウパドポリスを書いた時、サイト外において爆裂的に反応をいただき、味をしめました。へへへ。元々聖書兄弟に関しては、昔は「そんなに?」という感じでしたが、(ていうかけっ、イケメンかよ……というやっかみ根性はあった)彼らを動かしてみるとそこには想像もしなかった深みが広がっており、ふと横を見ると様々な伝承や神話を元に想像を絶する設定の深堀りを続けながら、彼らの世界を広げていく聖書兄弟勢がうじゃうじゃといたわけです。これに興奮しないわけにはいかなかった。今まで見向きもしていなかった場所に、ここJPの最も先鋭的な活動と比しても遜色のない真摯さと情熱が燃え立っていたのですから。
そして私の芸風はコピー&アレンジです。彼らの知見とエッセンスを少しずつ吸いながら、このTaleを練り上げました。彼らにこのTaleを認めてもらえた時、私の聖書兄弟勢としての幼年期が始まるでしょう。
桃太郎をぶっ殺せコンテスト (常設)
ルール: サイトルールに違反しない限りどのような手を使っても構わないので、2019/10/30以降に新たに作成したTale記事で日本財団昔話「桃太郎」のvoteを「評価の高いTale」ページ上で上回った者をコンテスト優勝者とする。参加要件は、ディスカッションで参加を宣言するのみで足るものとする。期限は設けない。
景品: コンテスト優勝者は本著者ページで未来永劫顕彰される。また望めば2万円以内で望みの金品を授与する。受け取り方法は、優勝者の随意によるものとする。
作品の著作権について
・上記のページ内に掲示された作品は本サイトに適用されているクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに準拠するものとし、著作権および著作者人格権はukit(本名: )に帰属する。
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