鐘を鳴らす者の詩 ハブ
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世界の終わりへようこそ。

まあ、世界の終わりではないかもしれません。だって、惑星地球は数十億年前からやってきたとおり、回り続けています。

地球の上に住む生命の終わりでもありません。確かに、いくつかの種は絶滅しましたが、まだ沢山の種の動物が跳ねまわっています。うさぎや、ディンゴや、イルカのように。やあ!イルカ!

本当は、たった99.9999997%の人間が死に絶えた世界の終わりです。考えてみると、かなりメロドラマ的でしょう。

だから、"The end of the world as we know it"、私達の知る世界の終わりと呼びます。すべての文明は一掃されました。地球上の人間は残らず死に絶えました。誰も残りませんでした。

ただし……地球だけが、人の生きられる土地ではありません。財団はこの可能性を考えて、隠れ場所を用意していました。だから、わずか1000人あまりの人間──研究員、エージェント、D-クラス人員は災害を免れました。少し経った後、彼らは外に出て、残された世界を見ました。

彼らは、サイト-23を拠点に置きました。少しのはぐれ者が他の場所、他の隠れ家から、そこに辿り着きました。かくして、サイト-23は生存者で最も多くの人口をなす場所になりました。そして、サイト-23は、人類の新たな家になったのです。新しい文明が始まります。財団の管理のもとに。

おやおや。

彼らは、必要になるであろうものが多く失われたことを知っています。(だけども、どれほど失ったのか、知っていそうにもありません。)彼らが取り組んだのは、彼らの子孫を安全にすることでした。クラスDは、再建に使われました。(マン博士やライツ博士が工夫した、様々な統制のもとでです。)一方で、排撃班は、クレフやストレルニコフ、コンドラキのような人に率いられて、新たな脅威を消し去りました。当然ここはSCP世界ですから、オーストラリアにはディンゴよりもタチの悪いものがあります。怪物、アノマリー、いろいろな不愉快な事柄。徐々に、それらは土地を変えていきました……安全を奪っていきました。決して安全ではないでしょう。何年も、何年も危険でしょう。でも、必要十分な安全なのです。

しかし、代償は支払われました。サイト23は、SCP-682の到来とともに失われました。生き物を捕らえるために、彼らはSCP-184──The Architect (建築家)──を使いました。果てしないトンネルを作るために、エージェントストレルニコフは餌食になりました。

他の研究者は手に負えなくなって、追い出されました。マン、コンドラキ……他も同じように。留まり続けたものも変わってしまいました。彼らは、ためらうこともなくアノマラスアイテムを使うようになりました。社会が破壊されてしまった時、社会を守る意義とは?戦いがありました。別れていった派閥もありました。

最終的に、人々は争う派閥に分かれました。そして、ますます多くの知識が失われてしまいました。

これは数千年前の話。歴史は伝説に消え入ります。研究者とエージェントは、人を守るために、人々の新たな宗教(様々なバリエーションが各地にある)の神々になりました。

地理

地理は、すこしの確定している場所を加えても、まだかなり不安定です。大陸のほとんどは、私たちの時代と比べると、よっぽど青々としています。気候は大きく変わり、かつて砂漠であったところでさえも、平野、森、熱帯雨林に変わっています。文明は各地を転々とし、なかなか青銅器時代に突入できなかったけれども、今や東の都の民は鉄器時代を確実に歩んでいたり(僅かな人々は、神秘なる鋼鉄を発見していたり)します。

都の民、その名が示すように、彼らは都市国家に住んでいます。彼らは戦争、貿易、同盟を組んだり、たいていは自身たちでいざこざを起こしています。彼らは部族の人よりも積極的に、旧き遺跡に宝を求めて侵入します。(それでもまだ、とても危険な、呪わしき所業であるとしています。)彼らは農業の原則を再発見しました。彼らは拡大し始めています。しかしまだ多くの空き地が東の土地にあります。つまり彼らは、他の領地まで拡大はしませんでした。いままでは。

部族の人は、大陸の残りの土地、津々浦々に住みます。遊牧民もあれば、永遠に定住するものもあります。彼らは旧き遺跡や、奇妙なものが住まう土地は避けます。つまり、彼らもまた、そのようなものに遭いたくないのです。部族の人が都の民にサービスを売ることは珍しくありません。

人々は、オーストラリアの周囲の島々に住みます。人々は、彼らの惑星をかつての姿に取り戻そうとはしていませんが、しかし、ここが第一歩でした。成功するか否か……

ああ、そして、人々に注意して下さい。人々は、サイト23で生き延びた様々な人々でした。そして彼らは数千年オーストラリアで生きてきました。圧力による淘汰から、彼らの肌の色はほとんど黒いです。様々なバリエーションがありますが、とりわけ髪の色と眼の色については、ほとんどみんな真っ黒です。

さて、重要な場所が一つあります。誰も、都の民も、部族の人も、南の方に行こうとしません。そこは、<エヴァマン/Everman>の地だからです。歩く死者、<新しき人/New Men>、その他、彼らの集めたバケモノが長年にわたって、練り歩いているのです。

神々(パンテオン/神殿)

かつてのシニアスタッフは、新しい者達の神々です。途方も無い二つ名を得たものもいれば、今覚えられている限りの、彼らの仕事を表すものもあります。

ガイヤ/Geyre: 鍛冶と工芸の神。神々の主。ある部族が、彼に率いられて古き都を建てたと伝わる。その部族は神の怒りを買い、滅ぼされたとも。特に部族の人に広まっている。部族の人は、あらゆる都市は、ガイヤの旧き眼において罪であると考えている。

ドラジン/Drakgin: 争いと戦争の神。いくつかの地では、彼は英雄神として崇め、強さを乞い願う。他の場所では、世界の不和を導いた邪神とも。ドラゴン<シイケイトゥ/Sikayt>は彼のペットか、乗用馬であったという風説もある。大いなる怒りで、旧き世界を破壊したとも伝わる。

カレフ/Kalef: 冥界の神。 公明正大な死者は、最後の日に、彼のもとに行くという。オパールの玉座に座し、地下の巨大な帝国を支配するという。また、富の神とも伝えられる。彼は人と契約をするとも知られている。しかし、自身の利点になるように、人を混乱させる方法を取る。

リタ/Lita: 自然の女神。森と野の守護。狩人に崇拝され、沢山の部族の人に信仰されている。女神のトーテムは、歯のあるフクロウ。

エリッツ、または<旧きアギー>/Erits, or Old Aggie: 名前は場所によって異なるが、どちらも豊穣の女神として崇拝される。農家は、土地に女神の神社を建てる。都市では、彼女の寺院で孤独な男に、尼僧のサービスが提供される。

アビルト/Abirt: 死神。公明正大な死者はカレフのもとに行くが、邪悪な死者はアビルトのものである。誰か死ぬ時、始めはアビルトのもとに逝き、そこで裁かれる。

ヨーク/York: 泥棒、トリックスター、嘘つきの聖者。ヨークは鉄の秘法を神々から盗み、人々にそれを植えつけた。そして、犯人を見つけようとする神々と人々を欺いた。あの終わりが訪れたのは、彼の悪ふざけが非常にこじれてしまったからであるというものもいる。

スタレル/Starel: スタレルは神ではなく、最初の王である。かれはドラゴンシイケイトゥと<故郷なるサイトュ/the Home Ceitu>で戦ったとされる。そして、ドラゴンシイケイトゥとサイトュを、世界を守るために封印したという。曰く、或る日、人が彼をこの上なく求めるならば、彼は故郷なるサイトュから現れ、民を結びつけ、黄金時代を齎すという。

他にも数多くの地域的な神があります。時に、パンテオンの神々は代わり、時に、人々は単純に神を増やします。各部族、各都市には、地方版のパンテオンがあって、それはそれぞれの出来事の見解を表しています。このパンテオンは単に、最も基本的な形なのです。

不思議と怪物

SCPオブジェクトのことです、基本的には。子供用プールや、建築家、外科医蟹などです。不思議は、Bellerverseでのマジックアイテムです。彼らにとって比較的珍しいものですが、聞いたことが無いようなものではありません。大抵の都市に一個か二個あります。(権力者や裕福な者が封じ込めています。)遺跡や、棄てられしサイトュで見つけることが出来ます。まだ交通機関が生きている間、生存者は多くの不思議をオーストラリアに持ち込みました。

怪物は、まぁ、怪物のことです。SCPの生物です。闇の心臓が、都市の近衛兵の一団と遭遇した時のことを考えてみてください。それとも、部族の狩人の一団など。彼らは危険です。

創造を働かせて下さい。彼らが遭遇するに面白いSCPだろうかと自分に問いただして下さい。そして、SCP財団は全てのアノマリーを封じ込めたわけではないのを思い出して下さい。ですから、物語に合うならば、気軽に新しい何かを創りだして下さい。ねぇねぇ、記事では活かせないSCPのアイデアがあるでしょう。ここで使っちゃいましょう!

トーン

オーケイ、ここからもっとも重要な話です。ここは、基本的に、死につつある地球が舞台のトーンです。その地球はかつて大いに繁栄していましたが、のちに衰退してしまいました。他の瀕死の地球が舞台のものとは違って、この地球は実は回復しています。しかし、サバイバルというテーマは続いています。旧き世界からの不思議は、新しき世界につきまとっています。それは、旧世界の剣と魔法です。ジャック・ヴァンスの<滅びゆく地球/切れ者キューゲル>や、フリッツ・ライバーの<ファファード&グレイ・マウザー>などを見てみましょう。シニカルではありますが、それでも探査の希望があり、そして未知なる世界のセンス・オブ・ワンダーがあります。

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