BIRDS-027:夜に鳴く不吉な鳥
プロジェクトリーダー名・所属派閥:
iskios(臨世派)
プロジェクト進行度:
成鳥(展開済み)
除害等級:
隼(致死性高)
必要資源:
アメリカガラス
必要技術:
因果律改変による厄災事象の誘引を付与したアメリカガラスの成鳥。
プロジェクト・製品詳細:
本プロジェクトでは因果律改変による厄災事象の誘引の能力を駆使し、「もう一つの財団」による世界滅亡を後押しする計画を妨害することを主とする。これにより世界を一度滅亡させ、再構築するという不合理な計画を阻止する狙いがある。
BIRDS-027は主に「もう一つの財団」及びその協力関係にある団体の元へ放鳥し、その鳴き声を聞いた人物に対し厄災事象の誘引する影響を与える。鳴き声を聞いた人物はほとんどが10日以内に死亡することが実験により立証されている。それにより不慮の事故による人命の喪失や、不測の事態による実験の失敗を引き起こし、計画に必要な人材を喪失させることが可能である。人材を喪失することによって計画の遅延が予想され、自然な形を装って計画を中止させることが期待できる。
カラスが鳴くと不幸を呼ぶと民間の伝承では伝えられており、カラスは世界各地において自然に確認できる野鳥である。解き放った場合においても敵対組織に対し、秘匿が容易であるため有益な効果が期待できる。当初はアメリカガラスによる北アメリカの攻撃が主であったが、ハシブトガラスなどの他のカラス属を利用し全世界における敵対組織に対しても展開されている。
あろうことか「もう一つの財団」は世界が滅亡することが決定しているため、世界をもう一度作り直すために協力、もしくは静観してほしいとグリーン・スパロウ財団へと打診してきた。このグリーン・スパロウ財団に「元に戻してやるから人類の滅亡を一度見逃せ」との打診をしてきたのだ。これはグリーン・スパロウ財団、ひいては現存している人類に対しての挑発に他ならない。世界の存続可能性は諦め、まさに文字通り死中に活を求めると言うのだ。世界を存続させるのは我々グリーン・スパロウ財団の役目であり、「もう一つの財団」にそれを任せるわけにはいかない。世界を再起動する機械が開発されてしまう前に、我々が、グリーン・スパロウ財団が世界を救うのだ。これは我々に対する挑戦である。もし先に彼らが世界を再起動する機械を発明し、実行されてしまえばそれは我々の敗北に他ならない。
なればこそ、グリーン・スパロウ財団が事を為す。
展開記録:
北アメリカにおける展開記録
放鳥数(羽) 死者数(人) 10 7 50 42 100 96 1000 1486 10000 28735 死傷者統計/除染結果:
死者は今のところDクラスと呼称される末端の人員などばかりで更に上の役職である研究員の死者数はその10分の1にも満たない。今後放鳥数を更に増加させるか、鳴き声を増幅させるなどの対策が必要である。また放鳥したBIRDS-027の多くは「もう一つの財団」に捕獲されているため、「もう一つの財団」が捕獲を試みた際にBIRDS-027が自力で逃げられる方法を考慮する必要がある。
付記:
Stanley(穏健派) ―これは我々が放鳥したBIRDS-023に対する当てつけでしょうか?異常派や臨世派の方々は幸福的事象をもたらすことに対し不満があるようでしたね。
iskios ―特に関係はないです。自意識過剰なのではないでしょうか。
Stanley ―穏健派としては臨世派のやろうとしていることはいささか無理があるように感じます。我々だけで世界を救うには荷が重いのではないでしょうか。穏健派は「もう一つの財団」との協力を視野に入れています。
iskios ―「もう一つの財団」を信用しているのですか?世界の存続可能性を探求するプロフェッショナルが我々です。その我々以外に誰が世界を救えるというのでしょう。
Stanley ―そのようなあなたたちの驕りが世界を滅亡に導くのではないでしょうか。世界を救う振りをして滅亡へ歩を進ませているのはあなたたちに他ならない!現に放鳥されたBIRDS-027による死者数のほとんどは「もう一つの財団」のものではなく民間人です!これだけは言えますが、BIRDS-027は世界を救うためのものではなく滅亡に導くためのものです!
iskios ―有象無象が死んだところでなんだと言うのです。雀はやがて死に、雄鷹が世に臨む。これは我らが再び世界へ君臨するチャンスなのです。