団体番号: GOI-004, "壊れた神の教会/The Church of the Broken God"
構成員: 3つの既知の派閥、世界中に最大で300000人
資力: 年間10~50億米ドル、異常な能力
ステータス: 活動中
職人はただ神にのみ答えるのだ、その手で彼の者の御身体を修復するために。
-構築者ロバート・ブマロ
説明: 壊れた神の教会は、機械を崇拝し、肉と生命は本質的に邪悪もしくは"壊れている"とする異常な宗教団体です。起源は不明ながら、壊れた神関連のアーティファクトはギリシア古典文化まで遡る考古学的発掘調査からも回収されており、また教会の教義では地球上に生命が出現するよりも前から存在していたと力説されています。彼らの神学の中心にあるのは、彼らの崇める神格が破砕されている/分散している/その他の何らかの形で不活性化させられているという理念です。教会の信者たちは(多くの場合は異常な)テクノロジーの使用を通して、神格が物理的形態を取り戻してある種の機械-有機的な神格化を齎すことを実現するために、神の身体の構成要素を組み合わせる術を模索しています。 幾つかのSCPオブジェクトは、この組織の発見以来、関連性を持つものと見做されています。職員は制限付きリストにおいて"壊れた神の教会"タグでまとめられたアイテムを参照することが出来ます。
現存する最古の宗派"壊れたる教会/The Broken Church" (GOI-004A)の現在の指導者は、"壊れたる神の構築者、ロバート・ブマロ聖下"として記録されている人物であることが確定しています。この人物が称号を得たのは1946年であるようです。 この宗派が神格を再構築する努力を継続している一方で、全体としての宗教は過去の世紀における何処かの時点で大きく分裂しています。元の教会からの二つの重要な離脱の動きは、主要な神学的対立を齎しています。
神の意匠を鋳込む、我等は忠実なる者。
-総主教の図式
"歯車仕掛正教/Cogwork Orthodox Church" (GOI-004B)は、"規格化"という字義通りの宗教的聖像学の一種を信望しています ― これは、信者たちが異常な機械的増強を甘受し、彼らの神格の意匠もしくは設計に基づいて自身を作り替える事を目標に掲げています。大幅な機械的増強のために、この宗派の構成員はしばしば可聴域のカチカチという音を発しており、他2つの宗派の信者たちからは軽蔑を込めて"ティッカー(Tickers/刻み屋)"と呼ばれています。
歯車仕掛正教は産業革命後期の技術的規範に意図的に固執しており、アナログな蒸気や時計仕掛けを動力とする機械の量産を祈りの一形態として捉えています。正教の教義は極めて中央集権的であり、"総主教(Patriarchs)"の名で知られる未知の組織による統制を受けています。この組織が発行している詳細な製造指図および設計文書は、教団の非常に大規模な神聖令状の核となっています。正教信者の信念は電子・デジタル機器の使用を非難しており、情報の共有や分散は神聖な知識を散逸させることに等しいものだと見ています。歯車仕掛正教に関連するアイテム及びレポートは現在"歯車仕掛正教"タグでまとめられています。
個性とはファイルシステムであり、それを通して私たちの主はコンパイルされるのです。
-Yogensha_No_Kotoba.txt
"マクスウェリズム教会/Church of Maxwellism" (GOI-004C)は、近代化された計算およびネットワーク指向の崇拝の形式を代表しています。この宗派には中央組織の存在が知られていません。しかしながら、インタビューや秘密裏の監視で、既知の全支部がお互いに定期的な連絡を取り合っており、対等な関係を有しているらしいと判明しています。マクスウェリズムの信者 ― マクスウェリストは高度サイバネティクスおよび臓器増強を介した小規模な肉体変容を好んでいます。観察された例には義肢や強化骨格などがありますが、マクスウェリストが行うインプラントは主に通信・データストレージ・ネットワーク機能・感覚強化を重視しています。
マクスウェリストの教義は壊れたる神を、デジタル時代のリンクされた技術と文化的時代精神の中に、共通要素を持たないデータとして存在している"断片化された"神格であると解釈しています。信者たちはお互いの唯一無二の特徴を受け入れ、集団としての教会の利益のために知識と能力を共有することによって神に近づきます。彼らは、コンピュータ・ネットワークを介して全ての精神を接続することによって、神が人類の集合意識として"再コンパイル"されると信じています。瞑想の援助にコンピュータのファンノイズを用いていることから、構成員はしばしば他2つの宗派から"ハマー(Hummers/唸り屋)"とも呼ばれています。マクスウェリズム教会に関連するアイテム及びレポートは現在"マクスウェリズム"タグでまとめられています。
GoI-004が分裂してきたことを考慮すると、この教会の関与するイベントの明瞭なタイムラインを示すことは困難です。その起源、主要な教義、重要人物、拡大の歴史についての、矛盾した情報が敵対的な分派への襲撃の度に収集されています。財団の歴史学者を悩ます大きな問題としては、無関係なカルトが教会の前身として認識されていること等があります。
以下の記述は、財団が現在最も信頼できると考える複数の情報源からの、教会の歴史に関する情報の簡素な概要です。このGoIのメンバーや、関連の疑いのあるアーテイファクトを扱う際のガイドラインとして用いられるべきですが、財団のエージェントと研究員は、これはまだ不完全な知識であり、新たな発見の度に拡大、修正されるものであることを念頭に置かなくてはなりません。
夏の異常文化集団
古代の異常な地点に関する近年の考古学的な発見により、古代夏王朝(中国を紀元前2100年から紀元前1600年まで支配した伝説的な王朝であり、非異常性の根拠があります)と壊れた神のカルトとの関連が明らかとなりました。
夏の文化集団は二元論的な宗教を実践し、父なる蛇である伏義(壊れた神に等しい)および、母たる龍である女媧(サーキックの神に等しい)を最高神として崇拝していました。学者たちは「蛇の道」を実践していたと言われており、文化圏の住人は20歳で蛇のような肉体への変形を受け、それは「龍の肉体」に似せるためだったと言われています。これらの異常な変形と、発掘現場から回収された時代にそぐわない技術を合わせ、夏王朝は歴史上記録された最も古い異常な文明の一つであると結論されています。伏義を女媧より重視して崇拝していたにもかかわらず、夏の文化集団は伏義の再構成を、女媧を開放する結果となるため、あらゆる犠牲を払って阻止されるべきイベントとみなしていたことも、付記されるべきでしょう。
当該王朝は、中国文明の始祖と考えられている伝説的な人物であり、同時代の他の伏義信仰、女媧信仰文明を打ち破った黄帝により開かれたと言われています。その歴史を通じて、夏文明は他の文明との紛争を経験した可能性があります。そのような文明には、オルトサン文明、後の商王朝、そして[削除済]などがあります。
夏の文化集団は同時代の他の文明よりはるかに進歩しており、コンピューターや人工知能、後の商王朝より進んだ筆記法、現実歪曲装置すらも発達させていました。彼らは特に青銅や、いくつかの異常なオブジェクトに見られるベリリウム青銅合金に関する冶金技術を達成していました。この合金の性質は現在研究中です。記録によると、夏文明は星間航行技術を発達させていたことが示唆されます。これらが建造されたのか、あるいは理論のみであったのか、その他の何かなのかは不明です。
夏王朝は「金烏」と同定されたクリーチャーとの紛争のあと終焉を迎え、この紛争が数箇所の異常な地点、オブジェクト、生物を残して、その存在の物理的な証拠を全て破壊しました。情報は周囲の継続した文明の伝説を通して残り、忘れ去られた歴史の守り手としての生存者の存在に関する説話もあります。
夏の異常文明に関するさらなる情報は、文書-2481を参照してください。
メカニト帝国
古代ミケーネ・ギリシア(紀元前1600-紀元前1100年のギリシア文明)に壊れた神のカルトが存在したことを示す広範な証拠が集まっています。壊れた神はMekhaneとして知られ、カルトは時と共にメカニト帝国を建国するほどに力をつけ、帝国はおよそ紀元前1200年から紀元前1000年まで存在しました。
メカニト帝国は高度に中央集権的な神政国家であり、政治、宗教、軍事の指導者の区別はありませんでした。国家は物品の製造、特に冶金工業を支配しており、それを神聖な技術とみなしていました。帝国はエジプト、アッシリア、カナンとの盛んな貿易を行っていました。彼らの積極的な商業政策、宗教伝道の実践、そして海軍力は、帝国を当時の最も力のある国の1つとしていましたが、同時代の国々からは不評を買ってもいました。
メカニト帝国はいくつかの壊れたる教会の神学体系の重要な概念を導入しました。そのうち最も重要なものは、壊れた神の再構成を教会の究極の目的としたことです。文書化された説話によると、当初の理神論的な宗教から、現在の神格化教義への変化は紀元前1154年まで遡れます。この教義を提唱する初期の既知の文書が、壊れた神を「Wan」と呼んでいることは、特に注目に値します。
メカニト帝国と、同時代の文明の関係、特にダエーバイトとサーキックとの関係は、しばしば緊張を孕んだものでしたが、メカニトとダエーバイトのアディウム帝国に対する同盟の証拠も発見されています。メカニトとアディウム帝国の緊張は紀元前11世紀頃に最高潮に達しました。巨像がこの戦争のために建造されたという証拠ははるかアラルクム砂漠で発見されています。戦争の終わりに関する説話には様々なものがありますが、メカニトが最終的には戦争に勝利した一方で、国土への損害は重大なものがあり、その後ほどなくして帝国の崩壊へ結びついたことは一致しています。この時代のアーティファクトは様々な異常な組織により長年に渡って回収されてきた可能性があることが、第7次オカルト戦争の頃に表面化しました。
都市国家アモニ
メカニトの国の生存者達は、帝国の崩壊後分離することとなりました。主要な分派の1つは定住するための新たな領地を求めて別の土地へと旅しました。残された者たちは戦争でほとんど損害を受けなかった小さな居留地であるアモニにとどまりました。
双方のグループにとって、帝国の崩壊後すぐの時代は、秘密を守る必要性の高かった時代として記憶されています。周辺の国々はメカニトの技術の秘密を見つけることを望み、かつての帝国の領地の領有権を即座に主張しました。同様に、帝国に属していた者たちは貴重な情報源と考えられ、狩られました。新たな居住地を探す生存者たちは出自を隠し、彼らの信仰を隠れて実践し、あるいは 他の神性との混合を行いました。これらの生存者たちの子孫の殆どは社会との統合を促すためにやがては信仰を捨てたと考えられています。
一方、現在の都市国家アモニの生存者たちはその場所に関する情報を社会から秘匿し、戦争の影響から回復する間自給自足の生活を送りました。アモニは主として彼らの進んだ技術をもって、地方政治における影響力ある存在としての地位を回復しましたが、それには紀元前6世紀までかかったと思われます。帝国の崩壊とともに、彼らの総合的な軍事力は低下しましたが、都市国家からの技術者は他の文明から高く評価され、そのことによりいくつかの重要な同盟国を得て、アモニは安定的に存在することができました。
もはや大規模な軍や海洋貿易の支配権はありませんでしたが、都市国家アモニは代わりに農業と独自の物品の製造に集中したと思われます。あらゆる弱点を外部に漏らさないようにするため、都市国家は異国人には閉ざされ続け、交易は指定された港で行われ、都市の真の位置は秘匿され続けました。この孤立状態は、紀元前1世紀のローマによる征服まで続いたと思われます。
都市国家アモニはピタゴラスのカルトに強く影響されており、数秘術と和声を重要視するその信仰を取り入れていました。現在の壊れた神の神学体系のグノーシス主義的な解釈は、この時代に起源があると考えられています。これらのスピリチュアルな影響は、紀元前5世紀前後の文学と芸術の制作の特筆すべき増加をもたらし、この時代はメカニト文学の黄金期とみなされています。同様のオートマトンの設計の進歩は紀元前1世紀ごろ起こり、その極地としてのヨーロッパ大陸での人工知能の最初の例と考えられるものの制作が行われたと思われます。
都市国家アモニは当時の軍事的衝突の殆どで中立であり続けましたが、サーキックとの戦争でアケメネス朝に協力したことや、ポエニ戦争時にカルタゴ王国に軍用装備を供給したことが知られています。
都市国家アモニはヘブライ人との衝突の後、紀元前1世紀中に破壊されたと思われ、彼らの軍事力はもはや過小評価されるべきではないと判明しました。信仰を守るものは残った一方、中心となる集団は19世紀まで結成されませんでした。
産業革命
壊れた神の教会は産業革命の間に、機械と大量生産の増加をMekhaneの帰還が近い証と考え、復興を遂げました。存続していた様々な小規模な集団が、新時代の彼らの神の言葉を広げることを望み、現在壊れたる教会として知られるものへと融合しました。
同時に、教会のメンバーの間では、「涅槃の後」と呼ばれる存在状態を求めて、機械実体への変換の実現性に関して議論が始まりました。変換はメカニト帝国が崩壊して以来、広く実践されたことはなく、数名の行為のメンバーは、あらゆる変換は、その時には失われていた「神の膿漿液」により与えられるものとは異なり、壊れた神の贋作となることだと考えていました。教会内の緊張は、「新しい」信仰に利益を見出していたものの、自らが教会の権威に服従しようとはしなかった当時の権力者たちによってエスカレートしたと思われます。最終的にこのことは、1840年代に新たな技術に啓発を求めるため、教会の主流から数グループの小集団が分離するという、教会の現代史での最初の大きな分離という結果をもたらしました。
数名の有力な工業界の資本家たちの経済的な援助と、教会の分派の知識により、可能と思われる強化の方法に関する何件かの実験が行われました。分派たちは当時の権力者たちへ、メカニトの異常な技術と、変換の動機としての強化の素晴らしさを説き、布教を行おうとしました。信仰はほとんど受け入れられませんでしたが、多くの者がその知識に利益を見込んで初期の分派への出資者となったと思われます。異常な技術を知る者が増えたことは、一般社会への異常の秘匿を危うくし、初期の財団と教会の間の最初の衝突の原因となりました。
結果として、これらの分派の大部分は歯車仕掛正教の総主教のもとに統合されたと思われ、19世紀末までには壊れた神の教会の最も主要な分派となりました。
20世紀
壊れた神の教会は、都市国家アモニの破壊以降最も安定した状況で20世紀を迎えました。歯車仕掛正教による、数点の壊れた神のアーティファクトと思われるものの発見により、カルト内の多くの者が、壊れた神が再構成されるのは時間の問題だと考えるようになりました。壊れたる教会は、分派により神の統合がなされることを良しとせず、彼ら自身によるアーティファクトの探索を開始しました。
近年の教会の歴史で最も重要な人物はロバート・ブマロです。謎に満ちた人物であり、当初は教会に関係すると思われる物品のコレクターとして記録されていました。彼は何人かの実行者を雇い、そして異常な手段を用いて彼らの殆どを神と「コミュニケート」できるように強化しました。これは歯車仕掛正教とは異なり、通常は人工的な強化を奨励しない壊れたる教会には異例のことです。
ブマロと彼のエージェントたちは、1943年の失踪までに、教会にとって重要と推測される100近くのアーティファクトを収集することができました。彼が再出現したのは1946年と思われ、教会の指導者の地位と「神の構築者」を主張しました。今日までに、ブマロは壊れたる教会のみならず、全ての既知の他宗派の間で高く尊敬される人物であり続けています。
最後の分裂は1990年代に発生しましたが、教会内の紛争は1970年代には始まっていました。技術が進歩するに連れ、既存の教会の多くの構成員が教義は時代遅れであり、教会はそのメッセージを時代に合わせなくてはならないと感じていました。電子機器を強化に含めることは歯車仕掛正教の内部で激しい論争を引き起こし、総主教により異教の芽生えとして禁止されたことによりさらに紛糾しました。教義にこれが追加されたことは、多数の破門や脱会を引き起こしました。
19世紀の状況に似て、多数の小規模な分離集団が生まれましたが、資金を得ることに関してはあまり成功しませんでした。彼らの多くが、聖ヘドウィグと呼ばれる女性の教えに従い、1990年代後半には統合され、マクスウェリズム教会が設立されたと思われます。プロメテウス研究所のような異常な世界の主要な団体との商業的な繋がりを得て、マクスウェリズム教会はすぐに教会の主要な教派の1つとなったと思われます。
現在の状況
今日、壊れた神の教会の構成員は300,000名と見積もられています。ほか2つの教派に比べて、比較的軍事力を欠いているにも関わらず、マクスウェリズム教会は若い世代のメディアやインターネットを通じた教化を試みているため、信仰が混合した家庭は増加しており、教会の構成員の間で、伝統的信仰への最も重大な脅威となっています。
現在の教会の活動は、ギリシア沿岸の島の奪回を中心としています。この目的は現在不明です。
(訳注:このセクションは"要注意団体コンテスト"用の書式ガイドラインが主ですが、各宗派の背景設定を含みます。)
教会の記事は、技術教範と聖典の奇妙な組み合わせである"神聖令状"の形式をとることになります。オブジェクトの分類を聖書形式に組み込むのは明らかに困難ですから、教会神聖令状の書式ガイドラインは多少異なります。一例として、様式はあなたが教会のどの宗派に焦点を置いているかに大きく依存します。教会は以下の3派閥に分かれています。
壊れたる神の令状は、私たちが良く知る古き良き"教会"のそれであり、特定の書式ガイドラインには従っていません。しかし、その様式は重要です。そこには恐らく大半の人間文明よりも古くからの伝説、或いはその転写があるのです。ここで核となる目標は神話的な響きであり、大幅に時間をかけて、古代の伝説や創世神話に見られるような文調で記される傾向があります。神の破壊の記録であるからには、最大限の厳粛さを以てこの主題を扱わなければなりません。古典的な教会の令状は、簡潔に記されることは決してありません。主題は深い隠喩と意図的な難読化で表現されています。
歯車仕掛正教の令状は、ダヴィンチやブルネルの素描を、欽定訳聖書と一緒にミキサーにかけたような代物です。全ての歯車仕掛令状は彼らの大々的な"総主教の図式"から引用されたものであり、正教が書き上げた文書資料の量が退屈この上ないことを示唆するような英数字の識別コードで前置きしておく必要があります。これらは古風な様式で執筆され、詳細を極端に重視すると共に、相互参照を頻繁に用います。これらは典礼用の文書であるのと同程度に、工場の生産記録や組立製造ラインの監督文書でもある事を忘れないでください。行ごとに番号が振られ、キーワードは大文字です。神はMEKHANE(メカーネ)、"悪魔"はThe FLESH(フレッシュ/肉)の名で言及されます。
以下は、コンテストのために歯車仕掛正教のあれやこれやを立案したり書いたりしている間に作っておいた簡単な組織図を少しだけ拡張したものです。ご覧の通り、これらの背景設定はどれも完全に包括されてはいませんし、完成してもいません。数多くの隙間や空白がありますので、貴方は著者としてぜひ自由に拡張/開拓してください。
総主教の図式 (部分的)内容リスト
巻数 |
内容 |
1 |
壊れたる神 |
2 |
壊れた神の教会史 |
3 |
壊れた神の教会の誤り |
4 |
分裂 |
6 |
産業史大聖堂 |
7-8 |
規格化の指標 |
9 |
規格化された製造技術 |
11 |
規格化されたパーソナルテクノロジー |
12 |
規格化された構成要素 |
13 |
規格化された冶金 |
16 |
規格化された兵装 |
17 |
実験的兵装 |
19 |
インベンターズ・フェイスフルの追及 |
20 |
解析エンジンの追及 |
21 |
青写真の瞑想 |
54 |
マクスウェリズム信徒の異端 |
55 |
憎むべき肉 |
正教の位階
- 総主教 (Patriarchs): 構成および規模の不明な、極めて孤立した組織体。教会の問題全てに対する最終的な意思決定と制御を担当しており、加えて図式となる覚え書きや文書を作成しています。
- スキーマティスト・フェイスフル (Schematists-Faithful): 総主教の指示に基づいて図式の印刷・編集・体系化を行います。建前上は他の位階と同格ということになっていますが、実際のところは令状の編集権限ゆえにもう少し強い政治的な影響力を有します。
- レガーテ・フェイスフル (Legates-Faithful): 内政/異端審問/裁判所のシステム。異端者を調査し、紛争を仲介し、大聖堂その他の教会資産内における紛争に直接行動を起こす権限を持ちます。ミリタントと並び、正式に武装している位階の一つです。
- ミリタント・フェイスフル (Militants-Faithful): 対外/自衛。レガーテが扱う域を超えた、教会に対する顕在的および潜在的な脅威を直接扱います。他派閥へ派遣される大使または代表者としても機能していますが、教義上の問題は例外です(この点では、ミリタントの武力はレガーテの中心グループ補完を担当することもあるかもしれません)。レガーテと並び、正式に武装している位階の一つです。
- ファブリケイター・フェイスフル (Fabricators-Faithful): 教会資産による生産の監督。生産業務に従事する労働修士および修女たちのために、職工および品質管理を担当します。規格化承認のために新たな発明を総主教の下へ送るべきか否かを判断します。
- インベンター・フェイスフル (Inventors-Faithful): 精錬と、新たに規格化され得る意匠の作成を任務としています。神学と意匠の重要な問題の答えを追求します。デフォルトでは、教会の有知性解析エンジンは全てインベンターの一員として機能しています。
特筆に値する聖人たち
- 聖レガーテ・トラニオン: レガーテ・フェイスフル、粘り強さ、実用主義的な譲歩の守護聖人です。宗派分裂の初期にザ・ファクトリーから追放されているという経歴ゆえに、正教の聖人たちの中でも極めて数少ない、死後に列聖されなかった者たちの一人です。彼女は異端思想を根絶するためにやや後ろ暗い手段に訴える事を辞さなかったため、正教の保守派からはしばしば眉を顰められていました。
- 聖スキーマティスト・プラテン: 記された言葉、編集者、予定表、組織表の守護聖人です。分裂初期に新しく設立されたスキーマティスト・フェイスフルの大規模な改革を行い、高度に組織化され相互参照豊富な"現代的"図式を作り上げました。彼女はまた、神学と哲学の面にも頻繁に手を付け、大きく成功を収めていた事が知られています。
- 聖インベンター・ダイアフラム: インベンター・フェイスフル、設計者、修理工、認知エンジンの守護聖人です。インベンター・フェイスフルを設立し、初期の認知エンジンおよび解析エンジンの発明に繋がる知識の探求を最初に開始しました。聖プラテンと共に幾つかのよく知られた哲学的共同研究を行っており、これは正教における精神哲学の基礎となりました。
- 聖スクラントン: 空間的構造操作、高次元数学、無煙炭抽出の守護聖人です。19世紀のアメリカ人実業家/政治家として生を送ったジョージ・W・スクラントンが教会の構成員だったことは一度もありません。しかし、彼は多元宇宙のアナログ操作を可能とする幾つかの重要かつ異常な機械技術を生み出しました。彼の発明は教会のみならず、それを基に現実性安定化技術の多くを導出したSCP財団によっても大きな飛躍点です。
- 聖ファブリケーター・バッフル: ワークフローと組立ラインの守護聖人です。大聖堂最初期の職長の一人として、聖バッフルは大聖堂の作業エリアが現在従っている組織計画全般のレイアウトを担当していました。
- 聖インベンター・チョック: 聖歌隊の守護聖人です。彼の生涯は音の研究、聴覚学、正教でも最も古典的な讃美歌の多くを作曲することに捧げられました。正教信者の大半は子供の頃に聖チョックの"構成交響曲"を一部もしくは全て学ぶ事になります。
- 聖インベンター・エンリッチナー: 精神昇華の守護聖人です。ある日、他のインベンターたちとの会合中に自発的に消失したという事を除き、彼女の生涯については殆ど知られていません。残された所持品は"肉体からの離脱の探求"という影響力著しい文書のみでした。この文書は肉体を越えた生を追い求めるスピリチュアル系の構成員にとって最も重要な文書であると見做されています。
マクスウェリズム教会の令状は、数多くの様々なソースから得る事が出来ます。マクスウェリストの宗教文書は電子的に配布され、多くの場合、彼らの真の意義を見出す共同試行として個々の信者による共有・改変が行われています。結局のところ、彼らの神はオープンソースかつDRMフリーだと考えられているのです(システム管理者は求められる役目を果たしていますが、この件は必ずしもそうではないかもしれません)。マクスウェリストの文書形式は正教と同様に行番号付け図式を採用しており、神格は"WAN"(ワン)の名で言及されます。ここでの文体は勿論堅苦しい物ですが、基本的に技術用語以外は単純明快であるべきです。相互参照や詳細な作業工程を提示する代わりに、マクスウェリストの令状は"つくってみよう"系の内容を強調し、殆ど説明書のような感覚を与えます。時として難解なコンパイル方法にも拘らず、彼らが対象としている読者は司祭や学者ではなく、個々の信者たちなのです。
全ての神聖令状は、以下のフォーマットに従うべきでしょう。
書名
本の詳細
- 詩句1
- 詩句2
- Etc…