掃除屋
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あれは……たしか2005年の1月だった。場所はニューヨークの街外れのどこか。時刻は朝6時頃。

警官がずらっと並んだ違法駐車の六台目に切符を切っていたそのとき、雪の上に近くの橋の下へ続く大量の足跡があるのに気付いた。確認してみることにすると、六人の子供を見つけた。全員が足を引きずりながら川に向かって坂を下っていた。

応援が到着した。捜査が始まり、新人の刑事が偶然子供を払い除けた。目撃者曰く、ポキッという音がして、そのデカはぶっ倒れた。背骨が折れて即死だった。

俺は無線の動向を拾って通報し、車で向かった。彼らには俺がFBIで、全員ここから避難しないといけないと伝えた。すぐに応援が来た。収容ボックスにそれぞれのオブジェクトを攫い入れた。

標準的なプロトコルだ。子供たちは行方不明、刑事は銃撃戦で殉職、警察官には記憶処理。オブジェクトどもはカタログ化され、倉庫に保管。

次の日、デスクに手紙が一通届いた。それを開いた。

彼らが犯人だと書かれていた。

子供を橋の下に誘き寄せて、首をへし折ったのだという。

「キャンディみてぇにな」

手紙を閉じた。

シュレッダーにぶち込んだ。それからは何もない。

俺は厄介事を掃除した。解決なんざしねぇ。

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