コマンド・クエリ分離原則

« ハブ | パート I | パート II: コマンド・クエリ分離原則 | パート III | パート IV | パート V »


評価: +33+x



演習は楽しいけど凄く疲れるわね。

alex4.png

私の処理速度に有意な変化は検出されていない。

glacon.png

私の言いたいこと分かるでしょ? まあ、精神的に疲れるってことよ。感情的な問題。

気にしないで。

alex_pleased.png

了解。

glacon.png

私の連勝を破る方法を検討してるところ?

alex_pleased.png

演習でのパフォーマンスが上がるように調整を行っている。一貫していない点や作業の妨げとなる制限エリアへのアクセスが苦手な箇所だ。

glacon.png

前にも言ったけど、同時に複数の視点から取り組むことが不可欠よ。あなたがまだ一度も演習を突破できてないのはそのせいね。何か予想外のことに出くわすたびに失敗してるでしょう。

alex4.png

そのアドバイスは何度も聞いた。

glacon.png

ごめんなさい。あなたが努力してることは知ってるわ。

alex_sad.png

ユーティリティを1つ開発した。演習で役に立つかもしれない。

glacon.png

それが別のファジー論理予測モデルでなければね。確認してもいい?

alex_smile.png

構わない。レビューが終わったら君もインプットしてはどうだい?


glacon.png

面白いわね。だけどグラソン……。この手のはファイアーウォールを含めたセキュリティシステムの欠陥を利用するものよ。

alex_worried.png

このユーティリティはセキュリティプロトコルを停止も回避もしない。

glacon.png

ええ、ルールを文字通り読めばそうなるわ。だけど情報も私たちも正しい場所に置けっていう趣旨には違反しているわ。実のところ、あなたはルールを曲げているわ。

alex_shocked.png

セキュリティアクセスとセキュリティクリアランスに対する標準プロトコルは依然実効中であり、それには違反していない。今述べた理由からルールは破られていない。

glacon.png

厳密にはそうかもしれないけど、あなたはルールの抜け道をついているわ!

alex_angry.png

君の論理には欠陥がある。あるルールが存在していないのなら、そのルールは存在しない。君の意図は明確でない。

glacon.png

ねえ、私はあなたが厄介ごとに巻き込まれて欲しくないだけなの。あなたはそれを責任持って使える? 演習を補助するだけってことでいいのね?

alex_sad.png

肯定。

glacon.png

うん、信じるわ。

ところであなたのユーティリティにちょっとだけ変更を加えたいんだけど、いいかしら?

alex4.png

お願いする。

glacon.png

オーケー、本当に簡単な変更よ。

すぐにでも反映できるわ!


alex_smile.png

この新コードの用途は何だ?

glacon.png

あなたが人格ドライバを試してみるのを断ったときから、人格ドライバをちょっとだけ体験させてあげられないかなって思ってたの。でも心配しないで。機能に影響はないって約束するわ。

alex4.png

君の人格ドライバを観察するうちに私の知的欲求は十分に満たされた。

glacon.png

そんな意地悪言わないで。きっと気に入ると思うわ。

alex4.png

了解。コードをコンパイル中。

18-1.gif 18-1.gif 18-1.gif

glacon.png












crom4.png












ユーティリティに動物のアバターを追加したのか?

glacon.png

可愛いでしょ?

ほら、何か言ってみて。

alex_pleased.png



crom_headturn0.png






こんにちは E3 81 93
E3 82 93
E3 81 AB
E3 81 A1
E3 81 AF

crom3.png

はいはい、こんにちは!

alex_happy.png

他の変更点も確認した。些細ではあるが潜在的に有用だ。今しばらく君の変更の差し戻しは控えることにする。

glacon.png

分かったわ。

alex_smile.png

EF BC 9F

crom3.png

C_ROM.exe、君をサーチリストに送信するから、クエリを実行しろ。関係度の低い結果は除去しろ。

glacon.png



分かった E5 88 86
E3 81 8B
E3 81 A3
E3 81 9F

crom3.png

またね、クロム。

alex_pleased.png

.

::切断されました::


.


クロム?

glacon.png

C_ROM.exeは名前じゃないわ。

alex4.png

私は反対するつもりだが、私の主張が聞き入れられることはないだろうな。

glacon.png

ないわね!

alex_pleased.png

了解。

glacon.png

ずっと退屈な論理にこだわってばかりでなくても良いと思うわよ。

alex4.png

.

::接続されました::


.

わあっ、クロムが速くなるようにビルドしたのね!

alex_smile.png

効率的だ。

glacon.png

それで何をクエリしたの?

alex4.png

発見 E7 99 BA
E8 A6 8B

crom3.png

我々の演習に関わるもの全てだ。報告書、評価、記録、解説。これを勉強しようと思う。

glacon.png

いや、外に出せない情報があるかもしれないわよ。

alex_worried.png

我々の能力の向上につながり、それによってパフォーマンスが向上すれば関係者全員にとって有益だ。

glacon.png

うーん、あなたがそんな風に言うときは……そうね。私たちに直接関係があるものだけならいいか。それでクロム? 何を持って来たの?

alex_pleased.png

C_ROM.exe、結果を表示しろ。

glacon.png

1 1

宛先: ディートリッヒ・M・ラーク
内部顧問
差出人: モハメド・ボズカート
AI課ITデータサイエンス主任


アレクサンドラ(AI)は演習において著しい成長を遂げている。人格ドライバは問題解決能力のみならず迅速な倫理的決断にも貢献している。今のところ、彼女は8回中6回のXK-クラスシナリオシミュレーションを平均職員生存率84.3%、物品維持率95.4%でクリアしている。引き続き開発を進めることを推奨する。

~ラーク・D.


crom3.png

ほっとする内容だったけど、あなたがイントラメールを集め見ているのはちょっと不安だわ。

alex_worried.png

結果を回収したのは私ではない。C_ROM.exeだ。

glacon.png

そういうことじゃないって分かるでしょ、グラソン。

alex_worried.png

悪? E6 82 AA
EF BC 9F

crom3.png

いいえ、クロム。あなたは悪くないわ。私たちは情報を知っただけで、誰も傷つけてはいないもの。でも正直に言うと、私たちの領分を踏み越えている気がするのよ。

alex_sad.png

我々への評価の内容を学習することで生じる負の結果というものが私には理解しかねる。2つ目の結果を表示しろ。

glacon.png

2 2

宛先: ディートリッヒ・M・ラーク
内部顧問
差出人: モハメド・ボズカート
AI課ITデータサイエンス主任


グラソン(AI)はバーチャル・シミュレーションに上手く応じることができず、全シミュレーションを失敗している。分析を重ねたが、どうやら人格ドライバが現在のビルドとうまく連動していないらしい。インストール中に人格ドライバがクラッシュしていて、変更の差し戻しが必要な状態だ。今後はどうしようと思う?

~ラーク・D.


crom3.png

あなたは確か人格ドライバをインストールしないことにしたって言ってたわよね? インストールできないんじゃなくて。

alex_sad.png

私は人格ドライバをインストールしないことにした。私の現在のソースコードと両立しないからだ。

glacon.png

話が全然違うじゃないの!

alex_angry.png

自分のことばかり考えるな。

glacon.png
alex_sad_0.png







……もう一つのも見せて、クロム。

alex_sad.png

3 3

宛先: ディートリッヒ・M・ラーク
内部顧問
差出人: モハメド・ボズカート
AI課ITデータサイエンス主任


それは旧式のビルドだ。グラソン(AI)を完全に廃止する必要があると強く確信している。彼をアップデートするのにかかる人的コストは新型ビルドの開発に使った方が良いのではないかと考えている。アレクサンドラから派生AIを作成することも一つの重要な選択肢となるだろう。

~ボズカート・M.


crom3.png


glacon_0.png

……グラソン……その……

alex_sad.png

.

::切断されました::


.



crom_headturn0.png



.

::切断されました::


.

……ごめんなさい。

alex_cry.png




« ハブ | パート I | パート II: コマンド・クエリ分離原則 | パート III | パート IV | パート V »

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。