当然の帰結と鎖骨
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宣告 Condemnation

27。過去6ヶ月の間に27つのSCP-096の終了の試みがあった。全ては彼を解放してしまった男、ダニエルズ博士によって指示された。

ダニエルズは、彼としては、この直近の6ヶ月を独房の中で過ごしていた。ある天気の良い日に彼は実験室まで護衛されて一つの試みを監督し、そしてそれからその独房へ戻った。彼の終了処分は彼にSCP-096の破壊の監督を許可するために延期されていた。だがO5らは我慢の限界が来ていた。ダニエルズ博士は既に死刑囚の男だ。だが彼にできることが失敗のみであるならば、いいだろう、彼らはこのプロジェクトを指揮することができる代わりの人材を豊富に有しているのだ。

彼に残された時間はあと1ヶ月。彼の結果如何に関わらず、その月の終わりに彼は終了されることになっている。これは彼の最後の日々であり、そしてSCP-096を彼の道連れにせんとする最後の試みである。

会話 Conversation

ダニエルズ博士: うまくいったか?

カーヴァー博士: 682は096の皮を剥いでそれからその肉体を酸で溶かした。だが骨は影響を受けなかった。実に素晴らしく驚異的なことだ。

ダニエルズ博士: ああ、奴は本物の奇跡だな。

カーヴァー博士: ひょっとしたら君はもう少し真剣にやればこれを処理することができるかもしれないぞ?

ダニエルズ博士: 我々がこれを正しくやってしまったらすぐに彼らが私を殺すだろうことはわかっているだろう? 私はこの程度の皮肉は私が正気を保つためのほんの少しの犠牲だと思っているよ。

カーヴァー博士: 君は何百人もの人々を殺した。これらは当然の帰結だよ。

ダニエルズ博士: 私は誰も殺してない。あのバケモノが彼らを殺したんだ。私はあの時何が可能であったか君に見せたじゃないか。

カーヴァー博士: 少々話が脱線してしまったな。

ダニエルズ博士: そうだな。 ダニエルズ博士は固まる。 待てよ! あの彫刻だ!

カーヴァー博士: 何を言ってるんだ?

ダニエルズ博士: 君は奴の骨が依然として無傷だと言った。骨を破壊するのは173のやることだ。

カーヴァー博士: 君は見てはいけないオブジェクトと見なくてはいけないオブジェクトのクロステストをしたいのか? その論理計算それだけでは……

ダニエルズ博士: 君は悪いアイデアだと思うのか?

カーヴァー博士: 私は君の言うことのほとんどは悪いアイデアだと思う。だがこれはひょっとしたらより期待できるアイデアの一つかもしれないな。

発表 Presentation

ダニエルズ博士は一つの広い部屋の真ん中に立った。その部屋の中にある緊張は明らかだった。ダニエルズ博士はまるでそこにいる科学者ら、エージェントら、そして評議会員らの憎悪を感じることができるようだった、彼らが彼のいる方向を一瞥した時に。だがそんなことはお構いなしに、彼は一歩下がって自身の背後のスクリーンに合図した。

「SCP-096は我々が以前考えていたよりも遥かに破壊が困難であることがこれまでに証明されてきました。あなたがたは我々の過去の試みについて簡単な説明を受けていますね。火、放射線、酸、運動力など。我々の最も直近の実験はSCP-682を参加させ、そしてそれも同様に失敗に終わりました」

彼が話すのと同時に、ダニエルズ博士の背後のスクリーンが次々と切り替わってSCP-096の夥しい数の画像を表示していく。それぞれの画像は様々な度合いと種類の損傷を負ったSCP-096を見せる。

「全ての実験において、奴の他の部分が受けた損傷にかかわらず、SCP-096の骨は無傷で生き残りました。我々はその眼窩を通してその頭蓋骨にドリルで穴を開けようと試みましたが、失敗に終わりました」

折れたドリルの錐の画像がダニエルズ博士の背後のスクリーンに現れる。

「これまでのありとあらゆる実験はSCP-096の骨が完全に破壊不能であることを明らかにしてきました」

一時の中断があり、そしてそれから折れた脊椎骨の画像がダニエルズ博士の背後のスクリーンに現れる。

「昨日までは」

聴衆から小さなどよめきが起こった。

「SCP-173はSCP-096に曝され、そしてその脊柱を真っ二つに折ることに成功しました、第四脊椎と第五脊椎の間で」

金属製の壁に開いた穴の画像がダニエルズ博士の背後のスクリーンに現れる。

「勿論奴の首をへし折る5時間にわたる試みの後、多少のアクシデントがありました。ですが復旧は極めて迅速に成し遂げられました。そしてあなたがたは今私を罰せる存在となることにまた一歩近付きました。おめでとうございます」

笑う者は誰もいなかった。

終了 Termination

「奴を抑えろ!」

ダニエルズ博士は隣接する観察室からそのエージェントらに向かって叫び、それと同時に彼らは一本のパイプをその今や壊れて開いた骨に接続した。

SCP-096の骨髄がそのパイプの縁にわずかにこぼれ、それと同時にその鉤状のノズルが所定の位置に掛けられた。SCP-096は絶叫して激しく体を揺らし、それと同時にパイプがフッ化水素酸をその怪物の胴体と脳内の空洞の両方に直接注入し始めた。

酸がクリーチャーの口からブクブクと泡立って出、そして彼らがその頭に被せていた袋が煙を出し、その後完全に融解した。その化け物の顔、即座に彼らを恐怖に陥れそして痛みに苦しんだ、は彼らの目の前から溶けて消えかけていた。エージェントらはそれを押さえつけ続けようとしたがすぐに完全に失敗した。それは自身の両手を上げて自身の溶けかけの顔を覆った。

一つの顔を彼らの全員がじっと見た。

一つの声がその部屋の反対側から、SCP-173を取り囲んでいるそのエージェントらから轟いた。「瞬きする!」

その時ゴボゴボという絶叫がSCP-096の喉の中で始まった。それは高さと大きさを徐々に上げてゆき、最終的には耳を劈くような金切り声となった。エージェントらはその化け物を放して壁の方へ移動した。他のエージェントらはわずかに近くへ移動するとともに銃の狙いを定めた。

その怪物の皮膚は床の水溜りの中へと剥がれ落ち始めた。それの腸は破裂し、酸は小さな飛沫を上げた。エージェントらは顔を酸から保護する防具を着けていたが、自身をそれの顔から保護するものは何も着けていなかった。

SCP-096は自身の両手をだらりと脇に垂らした。それはエージェントの一人を見上げ、手を伸ばし、そして走り始めた。

全員が発砲を開始した。

初めて、そして恐らく最後のこととして、銃弾の雨がその化け物の肉体と骨の中に沈んだ。その初めての一斉射撃はその鎖骨を粉々にし、そしてその怪物を仰向けに倒れさせた。それは立ち上がることを試みたが、しかし射撃は継続された。彼らはそれの体を念入りに上へ下へと撃った。それの両脚から始まり、そしてそれの粉々に砕けた溶けかけの頭で終わる射撃だ。

彼らがそれをやり終えた時、そこに残ったものは酸と、血糊と、憤怒の海のみだった。床の全体にゆっくりと広がっていったそれらの海のみだった。

一つの声が再び轟いた。「瞬きする!」

ダニエルズ博士の両脇にいた2人のエージェントがそれぞれ彼の肩をぐいと掴んだ。3人目が彼に手錠を掛け、そして彼らは彼を部屋の外へと連れ出した。

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