生き物プロフィール: クララ!

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生き物プロフィール: クララ!

概要!

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クララと赤ちゃんたち!

名前: クララ

種族: Hydrochoerus hydrochaeris (カピバラ)

主要世話役: 陸生チーム、アリス・ジェントル

食事: 植物の葉。時々おやつとして果実類の小片をあげること。

居住区: 小動物セクション、78番ケージ ウィルソンズ・ワイルドライフ・センター、35号囲い場

生物の特徴!

カピバラがとても社交的な生き物なのは有名だけど、私たちのクララはちょっと違う。どちらかと言うと引きこもりがちで、自分の子供たちが一緒にいるだけでもう満足だ。実際、彼女は人間が近くに長居すると不安の兆候を示し始める。過去に人間とあまり良い交流をしてこなかったらしいけれど、きっと体格の違いも一因だと思う。

クララはカピバラにしては非常に小柄だ。私の握り拳よりもちょっと大きい程度! 子供たちは全て無性生殖によって生まれるクララ自身のクローンで、親指ほどの大きさしかない。悲しいことに、子供たちがそれ以上成長することはなく、いつも生後数週間で原因不明の合併症を起こして死に至る。それから数日経つと、クララはもう既に新しい子供を産む。今のところ、可哀想なクララはいつも悲嘆に暮れていて、新しく産んだ子供たちの世話をする気にもなれないようだ。

そんなに頻繁に出産を繰り返すと健康にかなり悪影響が出そうだけれど、クララの容態には自己再生の側面もあるらしい。傷はほぼ即座に治癒するし、老化していないように思える。私たちは彼女を助ける方法を探しているけれど、残念ながら少し手に余る。

経歴!

ある時、少し離れた町から、辺鄙な場所にある廃屋で動物の鳴き声や悪臭がするという連絡が入った。地元の人たちはそこを違法な毛皮農場じゃないかと疑っていて、勿論私たちは調査チームを派遣した。そこで見つかったのが、ある種の奇妙なDIY研究室の真ん中に座り込み、子供たちの死骸に囲まれて吠えているクララだったんだ。小屋の棚にはクララの血液を収めた小瓶が数百本もあって、それ以外はほぼ全てイカれた犯人に壊されたか持ち去られていた。まだそいつは見つかっていない。

私たちは直ちにクララを運び出し、新しい家に連れ帰った。彼女の信頼を得て、傷付けるつもりはないと理解してもらえるまでは長く、大変だったけれども、それだけの努力の価値はあった。クララは私が餌をあげたり、ケージの掃除をしたりする時は我慢している - 私の時だけね。他の人たちが来ると未だに取り乱す。

クララが何をされたのか、何故あの小屋に居たのかは、残念ながらまだ見当も付かない。もし分かれば、彼女を元に戻す手段も見つかるかもしれない。

特殊要件と居住空間!

クララは、歩き回るのに十分な空間と、水浴び用の小さな池を備えた大きなガラスケージで飼育されている。寝そべり用の岩も幾つか用意したし、姿を見られたくない時に潜り込めるささやかな隠れ穴もある。

池には水を清潔に保つためのフィルターが設置されていて、クララと子供たちには美味しい葉っぱや、カピバラが自然に生成できないビタミンCを毎日与えている。たまには、果物の欠片やベリーをおやつにあげるよ! 彼女は特に桃とイチゴが好きみたいだ。

残念ながら、クララのお世話には、時々死んだ子供を回収することも含まれる。子供たちの死骸は… ウィルソンズにいる昆虫たちの一部のご飯にする。かなり気詰まりだけれど、代案としてはゴミ箱に捨てるしかない。

クララについての注意!

日付: 21/01/07
直近のブリーフィングで、どうやら監督者たちはクララとその体調に特別な関心を寄せているようだった。彼らは、クララを見つけた小屋の住所を教えてほしい、そうすれば独自に調査チームを派遣できると言った。

監督者たちが絡む時は、必ず何かと物事が動き始める。彼らがクララを助ける方法を見出せることを願っている。

日付: 21/01/10
監督者たちが派遣した調査チームの 1 人から今日連絡があった。彼らは見落とされていた秘密の床下収納庫で書類を見つけた。親切にも、その監督者さんは書類の内容を私にも教えてくれた。

私に分かった限りでは、クララをあの状態にした人物は、カピバラやその他のテンジクネズミ科動物の体内で生成される、いわゆる“クルロフ細胞”で利益を上げようとしていた。病原体や傷付いた細胞を攻撃するキラー細胞の一種だ。

どうやら、犯人はおかしな魔法でクララのクルロフ細胞を刺激し、より強力にしようと試みたようだ - それで彼女の再生能力にも説明が付く。細胞の生成量を増やすために、そいつはクララが無性生殖で頻繁に妊娠するようにした。妊娠したカピバラは胚を守るために普段よりも多く細胞を生成するからだ。そして更に、可哀想なクララに追い打ちをかけるように、身体を縮めて、クララや子供たちの世話や住処や… 監督者たちが言うところの“廃棄物処理”を手軽にした。

最終目標は、クララの血液を、万能薬の一種として人間に移植できるようにすることだったらしい。ところが、何かが起きて、マッドサイエンティストは実験を放棄し、逃げ出した。

でも、監督者さんとの話し合いで一番重要なのは、彼らがクララを助けられるかもしれないと考えていることだった。詳しくは教えてくれなかったけれど、数日中にこちらを訪れたいそうだ。

日付: 21/01/13
今日、研究者さんがクララの様子を見に来た。驚いたことに、すぐにでも手術を開始したいと言い出した。クララを助けたい一心で、私は同意した。まずはクララを鎮静させる必要があったけれど、言うまでもなく注射を酷く恐れている彼女は大暴れして、その手順をとても困難かつ悲痛なものにした。彼女は吠え、金切り声を上げ、囲いの中を逃げ回った。なお悪いことに、私たちはクララの忍耐力を考慮し忘れて麻酔の必要量を過小評価していたから、同じ事をもう一度やる羽目になった。最終的には彼女を捕まえて鎮静させられたものの、眠りに落ちる瞬間、彼女は間違いなく裏切られたという目付きで私を見ていた。もう二度と信用してくれないかもしれない。

研究者さんはクララの手術を始めたけれど、それは普通の手術じゃなかった。ある種の装置でクララの自己再生を一時的に防止し、身体を切り開けるようにして、彼女の子宮と卵巣を摘出した。更にその後、見たところはクララを苦しめた奴らの手法を利用して、彼女の能力が戻った後に、頑張り屋の細胞が臓器を元通りにしてしまうのをどうにか阻止しようとした。そして最後に、“トランスミューテーション”とかいう何かで、クララをまた大きな身体にしてくれた!

現在、クララは回復途上で、まだ無意識のままだ。研究者さんが言うには、クララの“異常性”が“束縛に抵抗”しようとするかどうかは - それがどういう意味であれ - まだ分からないそうなので、私たちは彼女を注意深く見守っている。

上手く行きますように。

日付: 21/01/14
クララが目を覚ました、健康状態は良好そうだ。今でもかなり速く治癒するけれども、出産することはなくなった! 奇妙な場所で目覚めたことや、本来の大きさに戻ったのにはかなり混乱して、少し不安にもなっているようだし、バランスを取りにくそうにしているものの、研究者さんはすぐ慣れると保証してくれた。

それまでの間、私たちは彼女をお引越しさせるための、真新しくて広くて素敵な囲い場を整頓している。手術が成功したのが嬉しくてたまらない!

クララを訪ねたら、彼女は私から逃げてしまったけどね…

日付: 21/02/14
手術から 1 ヶ月が経ち、クララは新しい住まいにとても良く順応している! 新しい空間の全てを活用して走り回り、草の上でくつろぎ、心行くまで泳いでいる! 赤ちゃんを四六時中産まなくなったことにも慣れてきたようだ。

前回の2倍の努力が必要だったけれども、ようやく彼女の信頼をある程度取り戻せたと思う。今日、私が囲い場に入って座り込むと、なんとクララは私に歩み寄って、すぐに私の隣で眠ってしまった。

そうそう! 彼女が水辺ではしゃいでいる可愛らしい写真も撮った。下に貼っておこう。

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はるかに幸せなクララ。

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