生き物プロフィール: オーノ!

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生き物プロフィール: オーノ!

概要!

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名前: オーノ

種族: 山颪(と言う名前の妖怪)

主要世話役: 陸生チーム、キャサリン・バレンタイン

食事: 植物の葉や木の皮、果物も大好きなんだ!

居住区: ウィルソンズ・ワイルドライフ・センター、14号囲い場



生物の特徴!

まず、オーノのページを見た君が思った事を当ててみよう!「ワオ!このオリエンタルな絵はどうしたんだい?写真を見せてくれないって事は、オーノは恥ずかしがりやなのかな?」どうだろう?当たっていたかな?けど残念!オーノが映った写真を見せる訳にはいかないんだ。これは決して意地悪をしている訳じゃない。オーノを守るための深い深い訳があるんだよ。ここから先は真面目に聞いてほしい。

実を言うと、オーノの外見はヤマアラシと言う動物に近い。カピバラのような可愛い顔に、針金みたいなツンツンした棘が生えていて、刺さると凄く痛いんだ(実体験だから間違いないよ)。それは近いと言うより新種のヤマアラシじゃないか?と思っただろうけど、オーノは日本生まれの妖怪と言う存在なんだ。妖怪を知らない人に説明すると、ビッグフットや妖精のように空想上の生物だと思われている不思議な存在だ。だから、オーノは凄く賢くて人間の言葉がほぼ理解出来たりもする。びっくりだね!

監督者によると、妖怪と言うのは誰かに正しく認知してもらえなければ消滅してしまうらしい。そして、困った事に、科学技術が発展して妖怪の事を皆が信じなくなってしまっていてね。実際にオーノを発見した頃はオーノは凄く弱っていて、存在がおぼろげになっていたんだ。

ここまで説明したら何でオリエンタルな絵が飾られているか分かったかな?要するに、オーノが消えてしまわないようにオーノの事を妖怪として認識してほしかったんだ。写真を載せて動物のヤマアラシとして認識する人が増えたら消滅してしまうかもしれない。だから、オーノと仲良くしたいなら(したくない人なんている訳がないよね!)ヤマアラシとして扱うのはやめよう!そしていくら見た目が可愛いからと言って、赤ちゃん言葉で話しかけるのも禁止だ!(しばらく無視されるぞ!)

経歴!

ある日、ボーリングの町はずれの森を調査していると、広い範囲でひどく草木が荒らされている事が分かった。最初は巨大な草食恐竜でも生まれたのかなと思ってドキドキしていたけれど、草木に残された跡を見て、中型の大食らいの生物が外来種としてやって来た事が分かった。これを放置してしまうと森が荒らされて更地になり、ボーリングの町は文字通り退屈な町になってしまうだろう。私たちはこの問題を収めるべく、その食欲旺盛で元気な生物を捕まえる事にした。

そして、私たちは数日かけてその生物……オーノを発見した。オーノは具合が悪そうに横たわっていて、私たちの姿を見ると威嚇してきたけれど、その姿は弱々しかった。そして驚くべき事に、オーノの体は薄っすらと透けていたんだ!このままだと命に関わると判断し、捕獲してWWSセンターに連れて帰った。

衰弱したオーノを見て、WWSのスタッフ達は四方八方手を尽くして治療しようとした。けれども、オーノの体調は良くなるどころか徐々に悪くなって行った。食欲はあるようだけれど食べ物をあまり消化出来ていないようで、スタッフ達は困り果てていたよ。ここでスタッフ達の名誉のために言わせてもらうと、彼らはWWSでお世話している動物たちの病気やケガなどの困りごとをことごとく解決してくれるスーパーマン達だ。ただ、残念ながら日本の妖怪を見たのも、徐々に体が透けていく奇病を診るのも、彼らにとっては初めての体験だったんだ!

メイ博士(ボーリング在住の獣医であり、監督者たちとの連絡役)に相談したところ、監督者の中でこういった話に詳しい『イカルガ』と言う人の連絡先を教えてもらえる事になった。そして、私たちが藁にも縋る気持ちで写真や特徴などをメールで送った所、すぐに治療法について返信があったんだ。

「この動物はヤマアラシではない。外見がそれによく似た『山颪』と言う名前の妖怪だ。妖怪は誰かに正しく存在を認知されないと消滅する恐れがある。食欲が旺盛なのは自身の存在を保つ力を少しでも補おうとしているからだろう。WWSのスタッフ達が動物のヤマアラシではなく、妖怪として認知すれば症状は快方に向かうはず」

彼のメールを要約するとこういう事らしい。私たちはオーノの事を単に人の言葉が分かるヤマアラシだと思っていたから驚いたよ。信じがたい話ではあったけれど、他に方法が無いのも確かだった。そして彼の言葉を頼りに日本の妖怪の文献を調べてみると、確かに『やまあらし』と言うヤマアラシの妖怪がいる事が分かった。これを考えた人はもう少し名前を捻ろうとは思わなかったのかな?陸生チームにオーノがやまあらしと言う日本の妖怪だと伝えると、イカルガの言う通りオーノの体調不良に歯止めがかかった。とは言え良くなっていると言える状態でもないので、完治するまでオーノの治療を続けて行こうと思う。

特殊要件と居住空間!

オーノが住む14号囲い場は木が生い茂る環境にいる動物達にとってとても住みやすい環境になっているんだ。オーノの故郷、日本ではヤマアラシを『豪猪』と書く事があるらしい。これは気性の荒い豚さんと言う意味で、オーノも豚さんみたいに驚くほどよく食べる子なんだ!

ある冬の日、世話役の一人がオーノの晩ご飯を忘れていた事があったんだけど(ごめんねオーノ)、朝私が来てみたらびっくり!14号囲い場に生えていた木の皮を何本か剥がして食べつくしてしまったんだ。オーノを困らせたり、14号囲い場の環境を変えたくないならオーノのご飯は2度と忘れないようにしよう!

オーノについての注意!

ヤマアラシが気性の荒い豚さんと言われるように、オーノは臆病だけど攻撃的で、不用意に近付くとオーノの全身の棘が君を襲うよ。オーノの体当たりを食らうとゴム長靴くらいは簡単に貫通するから気を付けないとね!

この話を聞いてショックを受けた人もいるんじゃないかな?こんな素敵な子を抱きしめる事が出来ないなんてこの世界は何て残酷なんだ!ってね。けど安心して、オーノはとても賢くて心優しい子なんだ!オーノはお願いすれば警戒を解いてくれるし、出来るだけ怪我しないように針の向きを変えてくれたりするよ。

オーノの治療経過!

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やまあらしの画像だ!

日付: 2017/05/21
監督者のイカルガさんの言っていた通り、オーノの体調が少し落ち着いてきた。オーノがヤマアラシと思われるとまずいから、プロフィールに載せていたオーノの写真を削除した。可愛く撮れたからみんなに見て欲しかったんだけど仕方ないね。妖怪としての認知度を上げるために頑張って行こうと思う。

日付: 2017/05/26
昔日本で描かれたやまあらし(妖怪の方)の絵が載った本を買う事が出来た。これでもっとオーノの事を知ってもらう事が出来そう!嬉しい!どんな絵か楽しみだな。

日付: 2017/05/30
お世話をしている内に、オーノが私の事をあまり警戒しなくなってきた。嬉しい。

日付: 2017/06/02
本が届いたよ。えっと、オーノは凄く独特な絵柄で描かれていたんだね!こういうのが好きな人もいるんだろうけど、私は絵よりも本物のオーノの方が好きかな!

日付: 2017/06/05
スタッフの休憩室にオーノの絵を飾ってみたんだけど、ちょくちょく裏返されて悲しかった。オーノの事情を皆に説明すると、皆見てくれるようになった。良かった!
だけど、あまりオーノの体調は良くなっていないみたい。残念!

日付: 2017/06/08
アルファベットのボードを使って、オーノと簡単な会話が出来るようになってきた。体調が悪いからあまり長く話す訳にはいかないんだけどね。

日付: 2017/06/20
この前発注しておいたやまあらしの絵が描かれたTシャツが届いた。休憩室で無料配布をしてみたんだけど中々減らない。スタッフの一人に、絵じゃなくてオーノの写真だったら欲しかったんだけど……と言われた。私もそう思う。

日付: 2017/06/28
やまあらしを周知させようと頑張っているけど、オーノの体調は良くなっていない。オーノとはかなり打ち解けてきて、オーノの身の上話を聞くことが出来た。オーノはその体のトゲトゲのせいで周りから避けられていて、ずっと一人で生きて来たんだって。いつ自分が消えてしまうか分からない恐怖を誰かに相談する事も出来なかった。だから、みんなが心の底から気にかけてくれるウィルソンズでの生活は楽しいらしい。嬉しくて思わずオーノを抱きしめたんだけど……オーノの棘が腕に刺さって病院に行くことになったよ。皆も気を付けよう!

日付: 2017/07/14
オーノの体調は一向に良くならない。イカルガさんにメールで聞いてみたけど、イカルガさんもその原因が良く分からないようだった。ウィルソンズのスタッフは純粋な分、オーノの事を正しく認識すればオーノにとって大きな力になるはずだと言っていた。
協力して貰っているのに失礼かもしれないけど、イカルガさんの事はあまり好きになれない。オーノが亡くなる仮定の話をする時、『壊れる』と言う表現を使うのが嫌だ。監督者と話しているとよく思うけど、生き物にそう言う嫌な表現を使うのはいけないと思う。

日付: 2017/07/17
オーノと仲良くなる内に、段々とやまあらしがかわいく見えてきた。なのでベイクセールでやまあらしのTシャツを売ってみたけど、子供に泣かれてしまった。悲しい。1枚も売れなかったので視察に来た監督者にプレゼントした。着てくれると嬉しい。

日付: 2017/07/29
やまあらしを周知させているはずなのに、オーノの体調は良くなるどころか少しずつ悪くなってきた。オーノに声をかけると、力を振り絞って感謝の言葉を伝えようとしている。最期に私やスタッフが幸せにしてくれたから、消滅するのも怖くないそうだ。私がオーノに感謝されていいはずがない。オーノが苦しんでいるのは私の力不足だ。

日付: 2017/08/02
イカルガさんからメールが届いた。以前ベイクセールで会った監督者がやまあらしのTシャツを着ていたようで、何で私がやまあらしのTシャツを送ったのか不思議に感じたらしい。私がやまあらしと言う妖怪を周知させるためにあの手この手で頑張っている事は知っているはずなのに、何でそんな嫌味な事を聞くんだろう。怒りのメールを返してやった。

日付: 2017/08/03
イカルガさんからメールが届いた。恐らく私がオーノの事を勘違いしているんじゃないか?と言う話だった。『山颪』は「やまあらし」ではなく「やまおろし」と読むらしい。やまあらしはヤマアラシの妖怪だけど、やまおろしはおろし金と言う野菜などをすりおろすトゲトゲした道具の付喪神で、見た目はヤマアラシがモデルになったと言う事らしい。だからイカルガさんは壊れると言う表現をしていたんだね。

なるほどなるほど……そんな事ある!?

日付: 2017/08/05
あれからスタッフの皆にオーノは『山颪』だと伝えてみた所、オーノの体調は劇的に良くなった。本当に良かった。落ち着いたら色んな人に謝ろう……。

元気になったオーノに話を聞いてみると、オーノは途中で私が別の妖怪と取り違えている事に気付いていたみたい。だけど、事実を伝えるのが怖くなっちゃったんだって。今回オーノが助かった場合、次にオーノが消滅するとしたら、ウィルソンズの皆がオーノの事を忘れるか、全員亡くなって独りぼっちになった時になるんだから。

どんな物だっていつかは壊れてしまう。いつか終わりが来るのなら、幸せな内に終わらせようと言うオーノの気持ちも分かる。だからこそ今回助かって良かったと思えるくらい、オーノと楽しい思い出を作って行こうと思う。ただ、それはきっと私一人だけで出来る事じゃないと思う。今回私が名前を間違えて突っ走ってしまったみたいにね!

だから、これを読んでいるスタッフの皆も、『山颪』と言う妖怪のオーノを可愛がってあげてね!

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