2037年度大学入試共通テスト 政治・経済
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政 治・経 済

(解答番号 【1】~【32】)


第1問 ある高校の政治・経済の授業で、生徒が3人1組でグループを作り、自分達の興味のあることについて調べて、まとめた内容を発表することになった。以下の文章はあるグループの生徒たちが話し合っている様子と、同時に作成しているメモである。これに関して下の問い(問1~6)に答えよ。(配点 23)


生徒A : 僕たちのグループは異常性保持者の権利について調べるんだったよね。

生徒B : そうだよ、私もウサギのAFCの友達がいるから、このことはいつも気にしているんだ。

生徒A : 具体的に、何についてまとめようか。

生徒C : とりあえず、ヴェール政策崩壊後の異常性保持者の権利に関係がある法律や協定などを成立年ごとに並べてみたよ。

2001年 aハドソン川協定締結

2011年 異常性保持者保護法成立

2014年 機会均等法成立

2016年 bスペイン2016憲法制定

2018年 アメリカ・アニマリー法成立

2025年 c異常性保持者保護法改正

     d婚姻平等法成立

2026年 指定種族登録法成立

     伝承部族法成立

     国籍法改正

2035年 e超常テロリズム阻止統合対策特別法成立

生徒A : こうしてみると、ヴェール政策崩壊から長い年月がたったけど、異常性保持者の権利は世界中で保証されているわけではないことがわかるね。

生徒B : そうだね、特にAFCの人たちへのf偏見や差別はまだ完全には無くなっていないよ。

生徒C : よし、それじゃあメモの法律などの詳細と、現在も存在する人権問題について詳しくまとめることにしよう。

生徒B : それがいいね。



問1 下線部aについて、次の【資料】は、ハドソン川協定の一部である。【資料】中の空欄【X】・【Y】に入る語句の組み合わせとして正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ。【1】

【資料】

ハドソン川協定

世界オカルト連合(以下、連合)と財団の両者は、世界の平和及び安全の維持に寄与することを目的とし、以下のとおり行動することに合意する。

1. 連合、財団の両者は以下の領域に関する全ての占有的主張を放棄する。

  • マンハッタン島全域




125. 連合、財団の両者は以下の存在についてその生来の権利を確認し、正常性ならびに【X】を毀損しない場合に於いて、可能な限りその生存と【Y】の存立を擁護する。
  • 人間型異常/脅威存在

【X】 【Y】
非異常性保持者の権利 行動の自由
非異常性保持者の権利 自由意思
現実性 行動の自由
現実性 自由意思



問2 下線部bについて、スペイン2016憲法に関する記述A~Cの正誤の組み合わせとして正しいものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。【2】


 スペイン2016憲法には世界初となるAFC含むパラヒューマンの権利保証を明記した条文が記載されているが、伝統部族の権利の保証は多数の国民の反対があったため、明記されなかった。
 スペイン国民カワウソ化事件後、少数派となったエスパノルヒュマノの一部は、スペイン2016憲法の制定に反対している。
 ハドソン川協定や、2009年の奇蹄病事件によって、パラヒューマンの権利保証運動が活発だったアメリカや日本を含む多数の国家がスペイン2016憲法の制定を好意的にとらえた。

  正  正  正
  正  正  誤
  正  誤  正
  誤  正  正
  正  誤  誤
  誤  誤  正
  誤  正  誤
  誤  誤  誤



問3 下線部cについて、異常性保持者保護法についての記述ア~ウのうち、誤りがあるものはどれか。当てはまる記述をすべて選び、その組み合わせとしてもっとも適当なものを、次の①~⑦のうちから一つ選べ。【3】


 2025年の異常性保持者保護法の改正によって、すべての異常性保持者に参政権が認められた。
 異常性保持者保護法には伝承部族についての記述はなかったが、翌年の伝承部族法によって伝承部族にも人間と同等の権利が認められた。
 2025年の異常性保持者保護法の改正によって、日本は世界で3番目のAFCの人権保証国となった。

 ア
 イ
 ウ
 アとイ
 アとウ
 イとウ
 アとイとウ



問4 下線部dに関連して、次の表は2025年と2030年の非異常性保持者間カップルと異種族間カップルの婚姻件数及び、特別養子縁組成立件数を比較したものである。この表の【Ⅰ】・【Ⅱ】・【Ⅲ】に入る語句の組み合わせとして正しいものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。【4】

 (単位 : 件)
2025年 2030年
【Ⅰ】 92,147 328,806
【Ⅱ】 220,358 125,259
【Ⅲ】 594 1,832

出展 : 厚生労働省「人口動態統計」最高裁判所「司法統計」により作成。


【Ⅰ】 【Ⅱ】 【Ⅲ】
非異常性保持者間カップルの婚姻件数 異種族間カップルの婚姻件数 特別養子縁組成立件数
非異常性保持者間カップルの婚姻件数 特別養子縁組成立件数 異種族間カップルの婚姻件数
異種族間カップルの婚姻件数 非異常性保持者間カップルの婚姻件数 特別養子縁組成立件数
異種族間カップルの婚姻件数 特別養子縁組成立件数 非異常性保持者間カップルの婚姻件数
特別養子縁組成立件数 非異常性保持者間カップルの婚姻件数 異種族間カップルの婚姻件数
特別養子縁組成立件数 異種族間カップルの婚姻件数 非異常性保持者間カップルの婚姻件数


問5 下線部eについて、超常テロリズム阻止統合対策特別法についての記述として誤りがあるものを、次の①~④のうちから一つ選べ。【5】


 超常テロリズム阻止統合対策特別法は、政府の認定を受けた国内パラテクノロジー企業への攻撃やスパイ行為、夏鳥思想を掲げた集会やデモを禁止している。
 超常テロリズム阻止統合対策特別法によって、エスパノルヌートリアや国内に居住する伝承部族への差別行為はスペイン国内では見られなくなった。
 超常テロリズム阻止統合対策特別法は思想弾圧にあたるとして、国外からの批判の声が強い。
 超常テロリズム阻止統合対策特別法は世界初の夏鳥思想を制限する法律である。


問6 下線部fに関連して、以下の文章は生徒BとAFCである生徒Bの友人の会話の内容である。この文章とその後の架空の4つの政党のマニフェストの一部を読んで、生徒Bが投票すると考えられる政党を、次の①~④のうちから一つ選べ。【6】


生徒B : 最近、政治・経済の授業でACの権利についてまとめているんだ。

友人 : そうなんだ、僕も当事者だから政治の動きは毎日気にしているよ。

生徒B : 友人はどんな社会になって欲しい?

友人 : そうだなあ、人間とACが仲良く暮らす社会かな。でも、まだ僕のようなAFCへの差別とか偏見はなくなってないからね。まずはその点を改善して欲しいなあ。

生徒B : その通りだね。

友人 : でも、AFCばかりを優遇するのも駄目だと思うんだ。そのせいで夏鳥思想の人たちが増えるのは嫌だしね。

生徒B : そうだね、平等な政策が必要だと私も思うよ。次の選挙はそんな政党に投票することにしよう。


マニフェストの一部
政党A 認可パラテクノロジーの拡大、パラテクノロジーの研究・開発支援金の増加、異常技術税の減税
政党B 異常技術税の増税、非異常証明制度の作成、非異常性保持者の公務員への優先雇用
政党C 異常性保持者保護法の拡充、スペインの夏鳥思想禁止法を参考に夏鳥思想を制限する法律の作成、異常性保持者への所得税の減税
政党D 異常性保持者を含む社会的弱者への補助金の増加、異常性保持者差別禁止法の作成、異常性保持者保護法の拡充


 政党A
 政党B
 政党C
 政党D









政治・経済の試験問題は次に続く。

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