死と医師達ハブ
死は病悪の最もたるものに非ず:却って、人能わざるとき死を所望するべし。
ソポクレス
始まりに、死があった。以来、死は絶えることなし。創造物の最古の存在として、亡兄達の知りえないものは極めて少ないはずだった。
だが異様なことに、知らぬものの一つは、亡兄達そのものが作り給うたものであった。
疫癘の集団墓地に生まれた徒し野の子等は、永久に死魔に忠誠を尽くす。死こそ、彼らに生を与えたのだ。
闘争より生まれ、闘争へ産み落とされたる徒し野の子等は、闘争のない世界を作らんと願い続ける。もう彼らを望むことをない世界を。
医と治療の術をもって生まれたる徒し野の子等は、自らをペスト医師と呼んだ。この名前の理由は一つだけではない。一つは人々のペストを治すが為、もう一つは他ならぬ彼らを産み落とした存在は疫癘(ペスト)だから故。
徒し野の子等の望みは一つ、癒すこと。だが、亡兄達には別の企みがあるやもしれぬ。
生命がそうするように。
メインラインのTale(Dmatix作)
- Three Short Scenes About Death
- Therapy
- Painless
- Surgery
- Pathology (coming soon)
- スペシャルサンクス: SunnyClockwork このページのために素晴らしい絵を提供をしてくださいました。
ページリビジョン: 6, 最終更新: 10 Jan 2021 16:52