SCP-1207-JP
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アイテム番号: SCP-1207-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1207-JPが引き起こす事象による影響が未知数であることから、その収容が急がれます。東京都内のコンビニエンスストアにて販売されるSCP-1207-JPの発生する可能性のある商品は財団関係者により日常的に監察され、SCP-1207-JPが発見された場合、即座にエージェントにより回収、サイト-81█の異常食物用保管庫へ収容されます。

SCP-1207-JPが発生する商品の値段がほぼ一定であることから、現在販売価格の値下げ/値上げによるSCP-1207-JP発生防止方法が検討されています。

SCP-1207-JPの購入記録が確認された場合、即座に購入者の特定、回収/記憶処理を行ってください。インターネット上のSCP-1207-JPに関する投稿は削除されます。

説明: SCP-1207-JPは、東京都内のコンビニエンスストアにて発生する主に百数十円前後の異常な食料品です。SCP-1207-JPは既存の商品と入れ替わる形で発生します。この際、商品に対する認識は後述の通りに変化しますが、人々はSCP-1207-JPに関わる全ての事柄1に対してなんらかの違和感を持つことはありません。

SCP-1207-JPは通常の商品との外見上の変化はありません。しかしながら、SCP-1207-JPを直接視認した人物は、説明が成されていないにも関わらず「SCP-1207-JPを摂食することで安心を得られる。」と認識し、また説明出来ない感覚により、SCP-1207-JPと非異常の商品との区別が可能となります。

SCP-1207-JPをヒト(以下、対象)が摂食した場合、不明な原理により24時間以内になんらかの事象又は影響が引き起こされます。この事象、影響はその全てが対象が保持する不安感を消失させる/安心させる物であることが判明しており、その方法は多岐にわたります。以下は現在確認されているSCP-1207-JPによる事象/影響の一例です。

  • 対象の体感気温の上昇/下降。
  • 急激な積乱雲の発生、それによる大雨。当日は██中学校にて運動会が実施されていた。
  • 対象周囲2kmの街灯の明るさが上昇。
  • 自己肯定感、全能感の向上。
  • 対象/親族の一時的な体調の良好化。
  • 対象とは無関係の人物の投身自殺による電車の遅延。
  • 対象の周囲に存在した人物の負傷。
  • 対象の所属する団体2以外の団体への経済的/軍事的損失。
    • 対象親族の勤務地での災害。
    • 他国間同士での軍事的威嚇。
  • 不快害虫への認識力低下。

また、1度以上SCP-1207-JPを摂食した対象は、以降その事象や影響下に置かれていないにも関わらず、100円硬貨を2枚以上所持している際に強い安心感を覚えるようになる事が判明しています。

補遺: 以下は20██/██/█にSNS上へSCP-1207-JPを摂食したことにより事象が引き起こされた旨を投稿した、野宮氏へのインタビュー記録です。野宮氏の移動が困難なため、記録は病室で行われました。

インタビュー記録1207-JP

日付: 20██/█/█


対象: 野宮 ██

インタビュアー: 真来まころ博士


<録音開始>


真来博士: 本日はよろしくお願いします。野宮さん。

野宮 ██: はい。よろしくお願いします。今日は、あのおにぎり3と、事件について話せば良いんですよね?

真来博士: ええ、そうです。では、先ずその商品を購入した時のことを教えて下さい。

野宮 ██: はい。その日は偶然予定していた仕事が無くなって休みになったので、コンビニで昼御飯を買おうと思って外に出ました。そしたら、さっきまで雨だったのが急に晴れて、それで、そういえば最近自販機の当たりが出たり、お金を拾ったりしたことがよくあったのを思い出して、急に気持ち悪いな、と思ったんです。

真来博士: ふむ。それはどうしてです?運が良かっただけでは?

野宮 ██: まあ、そうなんですが、ほら、良いことが続くと、その次に悪い事が起こって、という感じで人間の運ってバランスが取られるものじゃないですか?それで一週間も良いことが続くと、やっぱ次はどんな悪い事が起きるのかって考えちゃいまして。

真来博士: なるほど。ありがとうございます。続けてください。

野宮 ██: えっとそれで、その後もクロッキー4を見つけたり、一切信号待ちをせず、といった感じでコンビニに着いたんです。そこで、おにぎりに手を伸ばしたときですね。安心が売られている、と気付いたのは。

真来博士: 貴方は何故その商品が特別であると分かったのですか?外見的な差異は無かったはずですが。

野宮 ██: うーん…。私もわからないんです。なんか、見たときに直感的にこれはだ。って思ったとしか……すみません。

真来博士: いえいえ、ありがとうございます。それで、その商品を購入したのですね?

野宮 ██: はい。それで、家に帰り不安から逃れたい、って思って買ったおにぎりを食べました。

真来博士: なるほど。その商品は普通の商品と、味などに変化はありましたか?

野宮 ██: いえ、全く同じものでしたね。

真来博士: ありがとうございます。では、続けてください。

野宮 ██: はい。それを食べてから2時間ほど経ったころ、スマホでゲームのガチャを引いている最中でした。私のアパートに二人乗りのバイクが突っ込んで来たんです。私の部屋は1階で垣根も葉っぱだけで低いところでしたから、簡単に破ることができたんだと思います。相当スピードを出していたみたいで、家にぶつかってきたときには、腕が……その、千切れていました。

野宮 ██: 元々私は血とかは苦手なんですけど、それでも、私はやっと悪い事が起きた、と安心していました。それで、その…。

真来博士: 大丈夫ですか?

野宮 ██: えぇ、すみません。それで、その方に近寄って、飛び出した肉を弄りながら色々と考えていました。安心した、ってのはそうなんですけど、こんなに安く、刺激的な不幸を得られるのか、って。今も、彼らが死んだおかげでもう悪い事は起きないって、リラックスすることが出来ています。だから、悪いことを聞いた、なんて思わないで下さい。こうして話しているだけでも、凄く、あの事故に守られているような高揚感に浸ることが出来るんです。だからほら、その時ついた血とかも、今も落とさずに部屋や背中につけています。だって、その方が絶対"不幸"だと思うんです。不幸中の幸いってこんなに気持ちいいものだったんですね。

真来博士: ……インタビュー記録を終了します。本日はお話し頂きありがとうございました。


<録音終了>


終了報告書: 野宮氏の投稿は削除され、SCP-1207-JPに関する記憶のみが処理されました。

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