
(図A) SCP-1382-JPのレプリカ
アイテム番号: SCP-1382-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1382-JPはサイト-8174の異常文書収容室内にて管理・収容されます。実験時を除き、SCP-1382-JPは不透明な封筒に入れられている必要があります。SCP-1382-JPを用いた実験には担当職員3名以上の許可が必要となります。新たなSCP-1382-JP実例が発見された場合、該当実例の回収と目撃者に対する記憶処理、被害者の保護が実施されます。保護された被害者には必要に応じてメンタルケアなどの措置を取るようにしてください。
説明: SCP-1382-JPは標準的な光沢紙に印刷されたA2サイズのポスターです。SCP-1382-JPの外見については添付画像(図A)を参照してください。SCP-1382-JPを構成する紙面及びインクには異常性はないものとされています。現在までに財団によって、29枚のSCP-1382-JPが回収されています(それぞれSCP-1382-JP-1~-29に指定済)。現在までに確認されたSCP-1832-JPの多くは都市から遠く離れた郊外部に限定されています。この理由は不明であり、現在調査が進行中です。
SCP-1382-JPの異常性はヒトが視認した際に発生します。これは間接的に視認した場合であっても同様であるとされています。財団によって行われた実験の結果として、以下の条件に当てはまる人物(以下"対象"と記載)にのみ異常性が発生するものとされています。
- 明確な理由が存在していないにも関わらず死にたいと考えている。
- 死という現象及び概念に対して肯定的な意見を抱いている。
SCP-1382-JPを視認した場合、対象の身体は異常な硬直を示すと同時に、心臓の拍動や呼吸などといった生命活動を停止させます。例外として眼球のみを動かすことは可能であることが確認されています。また、質問に対して眼球の動きを用いた簡単な返答が出来たことから、硬直状態の対象は意識を有しているものと推測されています。この性質を応用して対象に対して簡易インタビューを行った結果、"強い恐怖心を抱いていること"及び"死のうとしていたことを後悔している"旨の返答が得られています。
硬直状態に置かれた対象の心理状態は時間経過によって変化していきます。具体的には、硬直初期においては恐怖心や不安感などといったネガティブな感情を想起しますが、硬直中期以降になると感謝や満足感などのポジティブな感情を想起するようになります。これに伴う形で、対象の心理状態は健常なものへと変化していきます。これらの変化は、環境への適応やヒト特有の"理由付け"を行おうとする普遍的な心理作用に由来するものであるとされています。
既知の事例から、対象の硬直期間はSCP-1382-JPを視認してから5年~7年が経過した時点で解除されるものとされています。硬直解除時、大半の対象は軽度の混乱状態に陥ります。これは対象を取り巻く環境が急激かつ突発的に変化したためであると推測されています。また、対象の多くは硬直解除後にうつ症状を発症します。これは環境の急激かつ突発的な変化への適応に際して強いストレスを感じるためであると考えられています。この結果として、対象はパラノイアなどの精神疾患を発症し、最終的に自殺を決行するようになる傾向にあります。
このため、財団内ではSCP-1382-JPの収容に際して、対象に対する心理カウンセリングやメンタルケアなどの対応を取ることが方針として決定されています。