SCP-1488-JP
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SCP-1488-JP

アイテム番号: SCP-1488-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: サイト-81AMの旧2号資料保管室へと至るセクションは封鎖されます。所在地が活動中の財団サイト内部であるため、一般社会に対する隠蔽のための収容プロトコルは不要です。SCP-1488-JPの内部探査はその重要度の低さから無意味と判断されており、新たな申請はレベル5以上の職員による裁可が無い限り承認されません。

説明: SCP-1488-JPはサイト-81AMのAウィング地下に位置する旧2号資料保管室の内部にて発生している余剰次元的空間異常です。旧2号資料保管室の入口ドア及びその他の開口部1はSCP-1488-JPへのSSUIS2世界重複2に分類される性質を示すポータルとして機能しており、外見上は白色に発光する不透明な平面として視認されます。この性質により、旧2号資料保管室内部の観測には現在まで成功していません。

SCP-1488-JPには外見上西洋様式の墓地に似た構造物が存在します。この構造物は財団の各サイトに併設された標準的な共同墓地に対しある程度の形式的類似が見られ、GPSによる追跡調査はSCP-1488-JPがサイト-8181の共同墓地に位置していることを示しますが、同地点及び他の財団サイトにおけるSCP-1488-JPと関連を示す物的証拠は未発見です。

SCP-1488-JP内には常に薄霧が発生しており、また進入者の移動に応じて墓地の境界が拡大するためSCP-1488-JPの正確な面積を推定することは困難です。唯一の例外はSCP-1488-JP内部に進入した際、常に進入者の背後に存在している鋳鉄製の門と柵です。濃い霧により門と柵の向こう側を目視で確認することは出来ませんが、これらを通過する、あるいは乗り越えることで進入者はサイト-81AMに帰還することが可能です。

また特筆すべき点として、門には墓地の管理者を示すと思われる“SCP財団 怪奇部門”3と表記された金属製プレートが取り付けられていますが、門と柵には顕著な老朽化を示す証拠として錆が広がっており、少なくともSCP-1488-JPが財団の収容下に置かれてから何者かによって墓地の整備が行われた記録は確認されていません。

前述されたSCP-1488-JPの拡大特性は設置されている墓の数にも対応しているようであり、新たな区画の形成とともに墓の総数は不定期に増加します。現時点までの調査では10万基以上の墓が発見されており、全ての墓には墓碑銘と被葬者名と思しき文字列が刻まれていますが、多くの場合被葬者名については墓碑全体と比較して異常なレベルの風化・摩耗を受けているために判読が困難です。

起源/回収: SCP-1488-JPが発生する以前、旧2号資料保管室は古い紙媒体資料を収めるための低優先度な倉庫として見なされていました。最後に保管室への公的なアクセスが記録されたのは1976年以降の財団デジタルアーカイブ移行期ですが、地下区域での火災発生とその後のサイト-81AMのAウィング改築工事に伴う長期間の閉鎖状態が同時期に重なったこともあり、旧2号資料保管室は同サイトに所属する職員でさえも大多数がその存在を認知していない部屋となっていました。

関連性のないインシデントの事後処理をきっかけとしてSCP-1488-JPが発見されて以降、その発生要因として考えられる旧2号資料保管室への調査が数回にわたって行われてきましたが、その関心の低さのため当時内部に存在したであろう資料の内容は明らかになっていません。最後に旧2号資料保管室へ入室した未詳資料/目録編纂室の職員は、内部資料に関する曖昧な証言として「(現在は財団管理部門に統合され現存していない)人事考課室により使用されていた記憶がある」と報告しました。

注目すべき墓碑: 以下は、注目に値すると見なされた墓のリストです。文書化に際して全ての墓には進入地点を起点(AA-00000)とした英数字からなる識別番号が指定されています。事前に認可された職員は、所属サイトの記録・情報保安管理局(RAISA)担当者の承認を得ることで完全版のリストにアクセス可能です。

識別番号: AK-06372

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。けがれを知り尽くし、なおそれを拒絶し高潔に生きた。”

注記: 墓の中には解剖学上女性と推定される白骨死体と、その側に折りたたんで置かれた薄手の白い手袋一組が存在します。手袋はヒトの血液や傷口からの浸出液により僅かに汚れていますが、それらが目立たない程度の染みになるまで執拗に漂白洗浄された痕跡があります。

識別番号: TY-02693

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。愛した者と、かつて愛した世界の安定に殉じた男。”

注記: 遺骸の頭部前面に当たる部位には複数の金属片の埋没もしくは癒着が認められます。この金属片は機械的構造物を構成していたと推測され、複雑かつ一部分子レベルで結合しているために遺骸頭部からの分離は困難です。

識別番号: IS-73179

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。彼は眠らず弛まず、進み続ける。先見えぬ旅路であろうとも、死出の務めであろうとも。”

注記: 遺骸は存在せず、内部が錆に覆われた複数の銅・亜鉛合金製の管や破片のみが乱雑に転がっています 大きく破損したトロンボーンの部品が乱雑に転がっています。特筆すべき点としてこれらは標準的な品と比べて、“モザイク処理されたかのように粗い“見た目の物体として目視において観測されます。

識別番号: NT-45659

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。自己を信じ、自己を疑い、それでも探求を止めなかった。”

注記: 遺骸は明らかに強い認識災害特性を帯びており、本来の姿を観測することができません。目視においては標準的なヒトのそれと比べ2倍の大きさを持つ頭部と、その後ろから伸びた髪のような細長い触手が存在し、同様の触手が四肢及び口腔周辺にも生えていることが確認できます。

識別番号: UE-91002

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。手元が見えずとも、真実を見通していた者”

注記: 25本以上の男性用の黒縁眼鏡のみが収められています。全ての眼鏡はレンズのヒビや欠損、ツルの破砕など一様にひどく破損しており、一部には何らかの食品の残留物、及びそれから発生したと推測される乾燥した黴が付着していました。

識別番号: HJ-59137

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。誰もが来る場所へ、誰よりも速く辿り着いた。”

注記: 遺骸は原型を留めないほどに捻じれているか、砕け散っています。解剖学的分析では、高スピードで平面に叩きつけられたことによる重度の複雑骨折がこの損壊の原因であると結論付けられました。

識別番号: OT-00001

墓碑銘: “[判読できない被葬者名]、此処に眠る。皆に愛された良き聞き手であり、彼女自身の凶報を聞かずに済んだ幸いな者”

注記: 遺骸の頭骨は存在しません。

現在までのところ全ての遺骸について、財団が把握する既知の人物と一致する特徴は確認されていません。


















> 財団ディープウェル・アーカイブサーバーへようこそ。
> 検索フラグ'SCP-1488-JP内部被葬者'に227,539件のファイルがヒットしました。

> ファイル'TY-02693-a'選択。
> 秘匿資料の自動暗号化解除を開始。
> ファイル'TY-02693-a'を開いています…


ファイル名: TY-02693-a

サーバー保管目的: SCP-1488-JP被葬者"TY-02693"との関連性の露見が職員の士気低下を招くものと予想されるため。

以下転写。

未指定異常2007-865: “星明り”
主要調査員: 財団レベル3研究員 玉菜 葉一
提出日: 2007年9月8日

一次報告: 全国現実性強度観測網("Kant-NETs")により検知された、千葉県房前市上空における現実性の揺らぎに関する調査より発見。対象の外見は約30cmの金属紐が付属した白熱電球であり、光量約1,600lmで発光中。地上から約5,000mに位置するものの、見かけ上さらにその上空から"吊るされている"ように見えるがその終端及び電球の電源は不明。

何らかの現実改変者による生成物であると仮定し対象者の捜索を並行して実施中。対象については財団製ヘリコプターを用いて接近し、直接電球・紐の異常性を確認する実験案及び回収計画が現在予定されており、この結果によってオブジェクト指定も検討する。

管理注記: このファイルを含む改変を免れた"玉菜 葉一"に関する資料(TY-02693-で連番指定)は、他SCP-1488-JP内部被葬者関連資料と同様秘匿レベル-デルタで取り扱うこと。


> その他、227,538件のファイルが残っています。
> 続けて開きますか? Y/N

> N,ログオフ

> システムを終了しています…
> さようなら、O5-3。良い午後を!

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