SCP-1790-JP
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アイテム番号: SCP-1790-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-1790-JPの現在までの確保は成功していません。SCP-1790-JP-1の利用者が発生した場合、直ちに長谷川博士に報告した後、プロトコル"フリフ"を実施してください。尚且、一連の行動を視認していた者(SCP-1790-JP-3)がいた場合、事情聴取を行った後、クラスA記憶処理を施してください。 補遺1790-c以降、SCP-1790-JPの収容は非現実的であるとされたため、収容は行いません。担当職員は月に一度、SCP-1790-JPの出現イベントを発生させた上でSCP-1790-JP-2の体積を記録してください。記録が終了次第、SCP-1790-JP-2を溶鉱炉にて処理してください。

説明: SCP-1790-JPは、およそ50代の作業着を着た人間の男性です。SCP-1790-JPは新潟県██市のスポーツセンター(SCP-1790-JP-1)内に不定期に出現します。SCP-1790-JPは出現から2秒~7秒の静止の後、一目散に自身から最も近い公衆トイレへと走り出します。この出現地点から公衆トイレの道中でいずれの場合も排泄物(SCP-1790-JP-2)を落としていくことが判明しています。そしてSCP-1790-JPは公衆トイレの個室に入った後、消失します。

発見経緯: ████年██月██日 初めてSCP-1790-JPが出現。入口付近に出現し、公衆トイレの個室トイレに入り、消失。偶然SCP-1790-JPの施設を利用していたエージェント・岡本が行ったSCP-1790-JP-3-A,B,C,への事情聴取により、彼らは当時SCP-1790-JP-1の卓球場を利用していたことと、SCP-1790-JP-2の体積は0.2m㎥程であったことがわかりました。

補遺1790-a: ████年██月██日 再びSCP-1790-JPが出現。SCP-1790-JP-2が少量の増加を伴っていました。今後の見通しが持てれば、一般人を雇用した実験が担当の長谷川博士により行われる予定です。

実験No. 内容 結果
実験1790-02 20代の男性15人が体育館を利用。 SCP-1790-JPは出現しなかった。
実験1790-09 18歳の男女7人が柔道場を利用。 SCP-1790-JPは出現しなかった。
実験1790-12 60代の女性2人が卓球場を利用。 SCP-1790-JPが出現。捕獲失敗。前回の出現からSCP-1790-JP-2の体積が0.3m㎥増加。
実験1790-16 40代の男女2人が卓球場を利用。 SCP-1790-JPが出現。捕獲失敗。前回の出現からSCP-1790-JP-2の体積が1.3m㎥増加。
実験1790-21 27歳の男女と3歳の男性が卓球場を利用。 SCP-1790-JPが出現。捕獲失敗。前回の出現からSCP-1790-JP-2の体積が3.8c㎥増加。

補遺1790-b: 以上の実験結果からSCP-1790-JPの出現は卓球場の利用がトリガーとなっていることが分かり、今後の実験によりNK-クラスシナリオに繋がることが想定されるため、SCP-1790-JPの実験の無期限の凍結を要請する。また、SCP-1790-JP-1は財団が買収し、一般人の卓球場の利用も一切禁止する。 -長谷川博士-

補遺1790-c: ████年██月██日 卓球場を利用していないのにも関わらず、SCP-1790-JPが出現しました。SCP-1790-JP-1の利用が停止したことが原因であり、また、自発的に出現することが可能であると考えられ、オブジェクトクラスがKeterに指定されました。

事案1790-Ω: ████年██月██日  担当職員がSCP-1790-JP-2の記録中、誤って右手がSCP-1790-JP-2に触れてしまう事故が発生しました。担当職員の接触面は即座に腐敗し、1分ほどで全身の3割に広がりました。エージェント・岡本がコミュニケーションを試みましたが、担当職員に衝撃が加えられた瞬間、担当職員は液状に身体が変化し、死亡しました。エージェント・岡本に被害は及びませんでした。その場にいた全ての職員は異常なほどに強いアンモニア臭がしたと訴えました。

補遺1790-d: ████年██月██日 SCP-1790-JP-2の体積が50㎥を超えました。
SCP-1790-JPは依然としてSCP-1790-JP-1に出現し続けています。増加ペースは回数を重ねるごとに上昇しています。

補遺1790-e: ████年██月██日 長谷川博士が自室で首を吊って死亡していることが判明しました。付近に遺書も見つかっていることから、自身で命を絶ったとされています。

         遺書
こんなことを言うのは恥ずかしいことではあるが、俺はあのおっさんに負けた。完膚なきまでにだよ。足取りさえ掴めなかった。たったひとりの、たった一塊の排泄物の前に。手も足も出なかった。あのおっさんがいる限り、世界の終焉は避けられない。誰も想像しなかったんだ。誰も想像出来なかったんだ。足が竦むような化け物に身体を引き裂かれて死ぬ?なんの前触れもなく未知の力で息の根を止めさせられる?そんな生易しいものじゃない。少なくとも俺にとってはな。悪臭のする、触れることすらできない汚物に移動を殆ど制限され、ただ死を待つ。持ち上げることすら不可能に近いSCP-1790-JP-2はどう処理する?そもそもSCP-1790-JP-2は溶鉱炉程度で処理出来ているのか?どっちにせよ、世界がSCP-1790-JP-2に覆い尽くされる時はすぐそこまで来ているだろう。俺はもう耐えられない。俺は本当に自分が人間として最低だと思う。こんな勝手なことをしていて言うのも何だが、諦めないでくれ。こんな俺みたいにならないでほしい。今後のSCP-1790-JPに対する実験等は岡本に任せる。彼女は俺なんかよりずっと人に気を使ってくれるだろう。彼女にも、他の職員にも言うが、健闘を祈る。もうここには来るな。俺のことは忘れてくれ。      長谷川

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