
柱に偽装されたSCP-2078-JP。
特別収容プロトコル: SCP-2078-JPの周囲を柱に偽装した円柱状の壁で囲い、防臭加工を施して民間人に認識されないようにしてください。内部には暗視機能を有したカメラを配置し、常に監視下に置かれます。
説明: SCP-2078-JPは90リットルサイズのポリ袋とその内容物です。東京メトロ██駅にて2020/7/21に発見されました。内側に血液のような液体が付着しているため内部の視認性が悪く、以下のような内容物が確認できます。
- 人間の手足や切断された指と推測されるもの。切断面や表面が血液で濡れている。
- 衣服の一部と思われる布。██駅で駅員が着用している制服と同様の色・材質を持つ。
- 血液の付着した雑巾。時間が経過しても乾燥していないように見える。
- 手帳と、電車を模した金属製と見られるキーホルダー。
- 解体されたデッキブラシ。██駅で普段使用されている清掃用のものと同種である。
SCP-2078-JPは切断や開封といった変更を一切受けないといった完全な破壊耐性および、一定の地点から移動不可能という特性を持つといった理由から、内容物についての精緻な検査は困難です。またSCP-2078-JPは血のような匂いやいわゆる死臭などの混ざった悪臭を常に放っています。
最初に発見した駅員がSCP-2078-JPを線路上から駅構内に運び込んだ際、一度置いた場所から動かせないことが発覚しました。処分に困窮した駅員が警察に通報し、その後の連絡によって現場にかけつけた財団エージェントにより財団の管理下に置かれました。現在もカメラによる監視や定期的な検査が行われていますが、今のところ異常性の変化や喪失は起きていません。
補遺1: SCP-2078-JPは██駅で突如出現した様子が記録されています。以下はホームに設置された監視カメラによる映像記録です。なお当該オブジェクト出現以降、██駅で勤務する山中 幸紘氏が行方不明となっています。山中駅員が消失する瞬間も同じ場面に映像として収められており、映像の解析の結果、SCP-2078-JP内部に確認されたキーホルダーを着用していることが確認できます。現在も関連性の調査が行われていますが、SCP-2078-JPの内容物を調べられない特性上、困難になっています。
映像記録
日付: 2021/7/5
«再生開始»
7:25 [電車が到着する数分前、駅のホームに向かって歩いてくる山中駅員。人混みの間を抜けて白線の先、ホームの縁で停止する。]
7:25 [ホームに侵入する鉄道車両。山中駅員が何かを呟くように口を動かす。]
7:25 [山中駅員は足をホームからはみ出すように前に出した瞬間、消失する。]
7:25 [特に異変を感じた様子はなく、車両は定位置に停車。大勢の乗客が出入りする。]
7:27 [時間通りにホームを出発する車両。]
7:27 [車両が動きだした後、SCP-2078-JPがその後方に中空から落下するように出現。線路内の異変を認識した数名の駅員が集まってくる。]
[記録終了]
山中駅員の呟きの内容は映像記録からは確認出来ませんでしたが、当時現場を目撃していた乗客によって「もう、外に出たくない」と発言していたことが判明しています。また██駅で使用され、ロッカーに収納されていたデッキブラシ1本と雑巾1枚が消失するという現象が起きていたことが他駅員の証言によって判明しましたが、SCP-2078-JP内部に確認されたそれらと同一の個体であるとの確証は得られず、いずれも関連性は未だ不明です。