SCP-2104-JP
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アイテム番号: SCP-2104-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2104-JPは現地で収容されています。SCP-2104-JPの周囲15m以内は適切なカバーストーリーのもとで封鎖されます。

説明: SCP-2104-JPは静岡県██町に位置している、大型のマウソレウムです。SCP-2104-JPは移動させることができず、またあらゆる損傷に対して強い耐性を持つため傷をつけることにも成功していません。SCP-2104-JPには1つの扉のみが存在しています。

ヒトがSCP-2104-JPの扉から内部に侵入すると、異常な空間 (以下、SCP-2104-JP-A) に転送されます。SCP-2104-JP-Aは無限に続く共同墓地のような空間であり、天候は常に曇りを維持しています。転送された人物とSCP-2104-JP-Bを除き、SCP-2104-JP-Aに動物や植物は生息していません。SCP-2104-JP-Aには1mずつの間隔で墓が存在しています。これらの墓は下にヒトの死体を埋めているものもありますが、ヒト以外の生物や損壊した非生物を埋めているものも多く存在します。これらの物体は埋葬されている場所から動かすことができません。

SCP-2104-JP-Bは頭部がスマートフォンのような形状、外見の物体に置換された外見を持つ人型生物です。会話が可能であり、転送された人物に友好的に接します。また、SCP-2104-JP-BはSCP-2104-JP-Aの中に存在する墓の管理を行なっています。また、転送された人物が現実に帰還するためにはSCP-2104-JP-Bにその旨を伝えなければならないことが判明しています。

補遺1: SCP-2104-JPの発見直後、調査のために送り込まれた財団職員によってSCP-2104-JP-Bへのインタビューが行われました。以下はそのインタビューの抜粋です。

インタビュアー: エージェント・蜂須賀

対象: SCP-2104-JP-B

<抜粋開始>

エージェント・蜂須賀: あの、そこの人。この場所について知りませんか?

SCP-2104-JP-B: 大丈夫、全部知ってるよ。僕はここの番人みたいなものだからね。

エージェント・蜂須賀: あー、それならいいんです。私は情報のためにここにいますからね。貴方はここで何をしているんですか?

SCP-2104-JP-B: ゲーム、だよ。

エージェント・蜂須賀: ゲーム?あの、機械を使った遊びのことですか?私も休みの日にはスマホでゲームしていますよ。

SCP-2104-JP-B: そうそう、そのゲームだよ。僕は、死んだゲームを埋めている。

エージェント・蜂須賀: 「死ぬ」?ゲームにそんな概念があるんですか?

SCP-2104-JP-B: あるよ。どんなゲームも最後には終わるじゃないか。だけどそれだけじゃゲームは死んだとは言えない。ゲームが死ぬには、もっと根本的な終了が必要なんだ。君がやったソーシャルゲームの終わりとかね。

エージェント・蜂須賀: (長い沈黙) ああ、なるほど。ゲームが死ぬってそういうことですか。時間はかかりましたが、まあ……理解できました。つまり、サービス終了したソシャゲはもう二度と遊べないから死んだようなものだと言いたいんですね。

SCP-2104-JP-B: 正解だ。ソーシャルゲームは他のゲームや物語とは違う。維持するにはお金がかかるし、永遠に遺すことは不可能だ。他の作品が終わっても残り続けるのとは逆に、ソーシャルゲームは終わればその時点で死ぬ。わかるかい?

エージェント・蜂須賀: はい、わかります。では、あなたは誰なんですか?

SCP-2104-JP-B: 僕はここの番人だ。ここで死んだソーシャルゲームたちに安らぎを与えている。

エージェント・蜂須賀: えーと、じゃあ次に、なぜこの場所にソーシャルゲームを埋めているのですか?

SCP-2104-JP-B: それは僕が歴史の記録者だからだよ。サービス終了したゲームは、最後には塵のように消えてしまう。だから僕がそうならないようにゲームを記録する役割を持っているんだ。それに、過去の過ちから人は学ぶものだからね。それはどこの分野に属すものでも変わらないんだ。これこそが人類が残した負の歴史さ。僕は記録者だ。ここでゲームを記録しておくことで、よりゲームは成長していく。僕はそれを願ってるんだ。

<抜粋終了>

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