SCP-2143-JP
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SCP-2143-JP-1

アイテム番号: SCP-2143-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2143-JPが存在するアパートは封鎖されます。SCP-2143-JPの内部にDクラス職員以外が入ろうとする試みは許可されません。周辺住民がSCP-2143-JPの存在するアパートに近付いた際は、カバーストーリー「老朽化による倒壊の恐れ」を適用してください。SCP-2143-JP-1の電源を実験以外の目的で入れる事は許可されません。

説明: SCP-2143-JPは岡山県██市に存在する、あるアパートに設置されている風呂場です。
SCP-2143-JPは浴槽内に水が入っている状態で、且つSCP-2143-JP内部に存在する人物(対象と呼称)が壁に設置されている電源ボタン(SCP-2143-JP-1と呼称)を使用し、追い焚きを開始すると活性化し、以下の事象を引き起こします。停電の際も問題無く活性化したという報告が存在ことからこの事象は水や電力などの供給がなくても発生すると考えられます。

・第一段階では扉は密閉され、同時にSCP-2143-JP全体の破壊とボタン操作が不可能になります。また、浴槽内の湯は概ねその状態を維持し続けます。1その後通常通りに追い焚きが開始され、暫くすると第二段階へと移行します。

・第二段階では浴槽の水が100℃まで上昇した後、水温が固定されます。多くの場合、対象は熱中症の症状を発症し始めます。通常ではその後進展はなく対象は死亡し、オブジェクトは非活性化しますが、稀に対象の死亡より前に第三段階へと移行することもあります。2

・第三段階では対象は下半身に重度の火傷を負うことが原因で死亡し、SCP-2143-JPは非活性化します。
現時点でSCP-2143-JPの活性化事象における生存者は確認されておらず、おそらくは対象が死亡するまで活性化事象は継続すると考えられています。

発見経緯: SCP-2143-JPは問題のアパートの住民の遺体が発見された後、入居人が立て続けに風呂場にて死亡した事で発見されました。全員の死因が熱中症であり、SCP-2143-JP内部から脱出しようと暴れていたような痕跡が発見された為、この時点では既に異常性が発現していたと見られており、オブジェクトの起源が現在調査されています。

補遺1: 実験記録2143-JP 対象にはカメラと通信機と5Lの水を渡してから入室させました。

対象:D-4972
実験担当者:津和博士
<ログ開始. ████/██/██>
(開始から25分間は重要度が低い会話のため削除)

D-4972:なあ、この風呂なんかおかしくねぇか?

津和博士:どのような点がおかしいか具体的に説明して下さい。

D-4972:追い焚きって普通は10分15分で止まるもんじゃねぇのか?

津和博士:なるほど。長過ぎるということですね。他にはありますか?

D-4972:湯船の湯が熱いんだよ。39度に設定されてるが、もう5、60度あるんじゃねぇか?これ。俺の勘だからあってるかは分からねぇが。

津和博士:分かりました。

(以降37分間は重要度が低い会話のため削除)

D-4972:クソ、目眩がする。そろそろ出ちゃだめか?

津和博士:許可しません。追い焚きが終了するまでそこに留まってください。

D-4972:この[罵倒]野郎め!クソ、立ってるのもやっとになってきやがった。

津和博士:1時間経ちましたが加熱が止まる気配はありますか?

D-4972:追い焚きは止まってねぇが、温度は上がってる感じがしねぇ。延々と湯気が出ていて文字通りの蒸風呂だ。

津和博士:なるほど。

(14秒沈黙)

D-4972:待ってくれ…誰かいる気がする。分かるか?

(映像では内壁のみが確認できる)

津和博士:こちらでは確認できませんが、幻覚ではありませんか?

D-4972:いや、違うと思う。見えるだけじゃねぇ。気配がするんだ。

津和博士:分かりました。接触を図って下さい。

D-4972:分かった。なあ、あんた誰だ?どこから入った?なんでこんなとこに…あ?何て言った?もっとはっきりと…(23秒沈黙)

津和博士:D-4972?黙ってないで接触の続きを(D-4972の声で遮られる。同時に映像が切断され、以降音声のみとなる。)

D-4972:違う!俺じゃねぇ!俺は何も、何もやってねぇ!

津和博士:D-4972。落ち着いて状況を伝えて下さい。

D-4972:俺じゃねぇ!俺は違う!違うって言ってんだろ!畜生!出せ!出してくれ!やめろ!来んな!来んじゃ(叫び)

(以降15分間D-4972の叫び声と水音のみが記録された。)

<ログ終了>

終了報告書: 直後、SCP-2143-JPは非活性化し、D-4972の死体が回収されました。D-4972の下半身は焼け爛れており、外的刺激によるショック死と推測されています。

メモ: 一定時間を超えて生存していると現れるのだろうか?それにしては今まで目撃例が存在しなかったのが不可解だ。何か別の条件があるのか?−津和博士

補遺2: 事案記録2143-JP
同日、SCP-2143-JPの付近にいたDクラス職員4名が突如指示を無視し、自らオブジェクトを活性化させる事案が発生しました。4人のDクラス職員は例外なく下半身が焼け爛れた状態で死亡しており、SCP-2143-JPの非活性化後に回収されました。何故Dクラス職員のみが影響を受けたのかは不明です。実験記録及び本事案により、未だ発生条件が不明な異常性が確認されたため、オブジェクトクラスはEuclidに変更されました。

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