SCP-2261-JP
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アイテム番号: SCP-2261-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2261-JPは、サイト-81NUの低脅威物品収容ロッカー内に別個で収容されます。SCP-2261-JPの持ち出しは実験時を除き許可されていません。

説明: SCP-2261-JPは、一般的な卒業証書用丸筒と同様の外見を有する円筒です。SCP-2261-JPの外側には「平成17年度██市立████中学校卒業証書」と記述されており、内部には██市立████中学校で用いられていた卒業証書が同梱されています。卒業証書自体に異常性はありません。

SCP-2261-JPの異常性は、SCP-2261-JPに直接ヒトが触れた際に発生します。SCP-2261-JPに触れた人物は、基底現実と酷似した空間(以下、SCP-2261-JP-1)に転移することが判明しています。SCP-2261-JP-1内の報告から、空間は2005年の空間であると推測されます。SCP-2261-JP-1内に転移した人物の多くは、██市立████中学校敷地内に転移しており、転移地点から移動することが不可能であることが明らかになっており、SCP-2261-JP-1に存在する人物は転移した人物を知覚していないと推測されています。

SCP-2261-JPは、2006年12月31日に友人から「中学卒業証書を見たら妙な場所に転移した」との相談を受けたエージェント・███が詳細な説明を受けた後、違和感を覚え財団に連絡したことにより発見されました。その後の調査を行った結果、異常性が判明し、現在のプロトコル及びオブジェクトクラスが制定されました。発見当初は別世界にを転移させる円筒としてAnomalous指定されていましたが、その後の実験(補遺1参照)によって、SCP-2261-JP-1に何らかの共通点があることが示唆された為、Safeクラスオブジェクトとして正式にオブジェクト認定されました。

補遺1: 2019年03月18日に、SCP-2261-JPを用いた実験が実施されました。以下は実験記録の一部抜粋です。


以上の実験記録から、SCP-2261-JP-1は特定の人物の記憶を元に構築されているものと推測され、平成17年にこの██市立████中学校から卒業した複数の人物へ警察関係者を装ったエージェントなどから聞き取りを行った結果、2010年に34歳で失踪している浦野 雄大氏(2006年まで同校教諭)と強い結び付きがあると見られています。

補遺2: 2007年2月15日に、SCP-2261-JPの旧所持者である木村 心音氏に対してインタビューが実施されました。以下は、インタビュー記録の一部抜粋です。

インタビュー記録-2261-JP
対象: 木村 心音氏(インタビュー内では木村氏と記載)
インタビュアー: 双雨博士

[記録開始]


双雨博士: では、木村さん、あの卒業証書について知ってることを教えてくれませんか?

木村氏: ……すみません。これって取り調べか何かですか?

双雨博士: 安心してください。このインタビューは事件に関するようなものではありませんし、口外もしません。何か些細なことや心当たりでもいいので教えていただけないでしょうか?

木村氏: ……あの卒業証書は、私達が████中学校から卒業するときに担任の先生だった浦野先生がくれたやつです。学校から貰った卒業証書とは別に先生個人が自分で用意して私達にくれました。

双雨博士: 浦野先生とは、2010年に失踪している浦野 雄大氏のことですか?

木村氏: はい。先生は優しくて、皆から好かれてました。親しみやすい人柄っていうのもあったと思いますが、困ったときに助けてくれるってところが一番好かれてた理由だと思います。

双雨博士: では、浦野氏との関係性について教えてくれませんか?

木村氏: 浦野先生とは、本当に一生徒と一教師って感じの関係でした。でも、私が苦手で、分からなかった数学で、何度同じところを聞いても顔色一つ変えず優しい顔で教えてくれたり、一緒に体育の時間にサッカーをしたり、修学旅行のときの新幹線の中で面白い話をしてくれたり、いじめにあったときに話を聞いたりして助けてくれたり、色々してもらったのは覚えてます。

双雨博士: 辛いかもしれませんが、なぜいじめにあっていたのか教えてくれませんか?

木村氏: ……笑わないでくださいね、私は浦野先生のことが好きだったんです。この恋が叶うことがないと知っていても。浦野先生の優しい性格や、親しみやすい人柄とかに惹かれていったんだと思います。

双雨博士: 続けて下さい。

木村氏: でも、女友達と誰が好きか、みたいな話になったときに私、うっかり浦野先生が好きってことを言ったんです。その次の日から、靴を隠されたり、机に落書きされたり、酷いときはお金をせびられたりされました。女同士のいじめってねちっこいじゃないですか、そのせいか、なかなかいじめが終わらなくて、学校に行くのが嫌になって引きこもってたときに浦野先生が私の家まで来たんです。

双雨博士: [相槌]

木村氏: そして、私の部屋の扉の前に来て、「木村、いじめられたりしてないか?」って言われたんです。私は今まで抑えてた感情が溢れ出して大泣きしてしまいました。でも、浦野先生は寄り添って話を聞いてくれたんです。それから数日後、学校で私のいじめについて浦野先生が話をしてくれたらしく、それからはいじめられることはなくなりました。でも、3年の途中くらいから、先生がぱったりと来なくなって……心配してました。

双雨博士: [相槌]

木村氏: でも、卒業式の日、浦野先生は学校に来たんです。先生は、「ちょっとした病気に掛かってて」って言ってたので、病気だったんだ、と思うと同時に安心しました。そして、私は浦野先生と一緒に校門の前で写真を撮りました。来年度から先生は別の学校の勤務になってしまうから、おかしいかもしれないけど告白しようとしたんです。でも、浦野先生は、別の生徒に呼ばれて、写真を撮ってたので結局伝えることは出来ませんでした。

双雨博士: 分かりました。他になにかわかることはありませんか?

木村氏: ないですね。ただ、一つ気になるのは、浦野先生が今どこにいて、何をしているかです。先生が、無事で健康に生きているといいのですが……。


[記録終了]


終了報告書: 本インタビューの結果、SCP-2261-JP-1は、木村 心音氏の記憶を元に構築されている可能性が高いと推測されました。木村 心音氏には、Aクラス記憶処理を施し、カバーストーリー「お詫びの品」を流布した上で解放しました。また、現在、浦野 雄大氏に対する捜索が行われています。

補遺3: 2007年04月21日に、浦野 雄大氏の住んでいた住居の家宅捜索が行われました。家宅捜索の結果、以下の遺書と推測される書き置きが回収されました。以下は書き置きの内容を転写したものです。

みんな!卒業おめでとう!
みんなが無事に卒業できて僕はうれしいよ!でも、残念なことに僕はもうみんなには会えないんだ。

僕は結構前から癌を患っていてね、もう余命がないんだ。だから、みんながこの遺書を読んでいる頃には僕はもうこの世には居ないと思う。最後の卒業式は、医者に無理を言って行かせてもらったんだ。みんなが将来活躍する様子が見れないのは寂しいけど、みんなとの楽しかった思い出があればへっちゃらさ!みんなの先生で、僕の人生は幸せだった!

みんな、今までありがとう!さようなら!

浦野 雄大

追記: 上記の文書以外に複数の自身の生徒に向けた手紙と見られる文書が発見されました。文書はオブジェクトの関連性を踏まえ財団によって保管されます。以下は、手紙の内容の一部抜粋です。

木村 心音さんへ

もしかしたら自意識過剰なのかもしれないけど君が僕のことを好きだったって事は、結構分かりやすく伝わってたよ。でも、僕は癌を患っていて、余命が残り少なかったから、死んでしまうことでショックを与えるんじゃないかと思って少し君から、君の言葉から逃げていた。ごめんね。

この広い世界で、どうか僕よりも素敵な人を見つけて、幸せになってね。

3-B担任 浦野 雄大より

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