SCP-2504-JP
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アイテム番号: SCP-2504-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid Neutralized

特別収容プロトコル:

SCP-2504-JPはサイト-81██内の低脅威物品収容ロッカーに収容されます。SCP-2504-JPの異常性の再発が見られた場合、旧収容プロトコルに従ってください。

説明: SCP-2504-JPは██社から出版された算数の教科書です。SCP-2504-JPを破壊・分解する試みは失敗に終わっています。

SCP-2504-JPのページを視認した際、SCP-2504-JPのページを視認した人物(SCP-2504-JP-1)は例外なく約5〜60分の間昏睡します。この間SCP-2504-JP-1は外部からの干渉を受け付けなくなります。SCP-2504-JP-1が昏睡から覚醒した後、SCP-2504-JP-1は昏睡している間に何らかの体験(SCP-2504-JP-2)をしたと証言します。SCP-2504-JP-2は強い精神的苦痛を伴います。また、現在SCP-2504-JP-1の約9割はSCP-2504-JP-2内での自殺を行ったと証言しています。

以下は、SCP-2504-JP-1に行ったインタビューによって得られたSCP-2504-JP-2の内容の一例です。

  • 対象は放火される。対象はSCP-2504-JP-2内で体の大部分に重い火傷を負った。
  • 対象は拘束され監禁される。
  • 対象は複数の人物に暴行を加えられる、金銭を盗まれる、水をかけられるなどの行為をされる。
  • 対象は男性に[編集済]や暴行を加えられたのち絞殺される。
  • 対象はSCP-███に[データ削除済]された後殺害される。

探査ログXXXX-A:
SCP-2504-JPの性質のより深い理解のため、SCP-2504-JP-2内の探査が行われました。
対象: SCP-2504-JP-2
探査者: D-1218

<記録開始>

D-1218: 「あー、博士、聞こえるか?」

[司令部ではD-1218からの通信が繋がらず、映像の確認しかできない。SCP-2504-JP-2内からこちら側へ通信はできないものと見られる]

D-1218: 「あー、聞こえないのか。オッケー、じゃあ写すぞ。」

D-1218: 「まず、家から外に出たぞ。見た感じ、普通の住宅街って感じだな。あー、なんか一部入れない場所があるな。見えない壁に阻まれてるみたいだ。」

D-1218: 「見えない壁があるから、通れるところは一本道だな。この先にあるのは…学校か?」

D-1218: 「学校があるな。中学校みたいだ。…この学校なんだが、何か…その…嫌な予感がする。薄気味悪いというか、憂鬱な感じがするんだ。…まあここ以外に入れる場所もなさそうだし、一応入ってくぞ。」

D-1218:「見た感じ変なものはないな。ただ、その…憂鬱さは段々強くなっているような気がする。」

D-1218: 「一番上の階に着いたぞ。憂鬱さはまだ続いてる。あと何か…笑い声…か?そんなのも聞こえてくる。…ドアは開かねえな。」

D-1218: 「うわ、何だこれ。」[カメラは便所付近に飛び散った血を写す。]

D-1218: 「あとは屋上だな。何だか…憂鬱さとかはまだ感じてるんだが、俺は屋上に行かなきゃいけないような気がするんだ。どういう事かは分からねえが、屋上に行くことを強制されているような感じがする。」

D-1218: 「うわあ、酷い有様だ。」[カメラは屋上に大量に飛び散っている血を写す]

D-1218: 「あれは…何だ?」[カメラは屋上の外の景色を写す。外には巨大な黒い穴が開いており、周囲の空間がそこに向かって引き寄せられているように見える]

D-1218: 「俺は…飛び降りなきゃ…」[D-1218は黒い穴に向かって飛び降りる]

<記録終了>

補遺: 探査後D-1218は、民家内にて発見されました。

追記: もしかしたらSCP-2504-JPは、SCP-2504-JP-2内にあるSCP-2504-JP-3にとっての現実を、黒い穴を通じてこちら側へ送っているのではないでしょうか。-███研究員

インタビューログ2504-A:
SCP-2504-JP-1に行ったインタビューにより、SCP-2504-JP-2内に共通する人型実体(SCP-2504-JP-3)が存在することが分かりました。以下は、SCP-2504-JP-3のインタビューを行ったエージェント・███に行われたインタビュー内容です。
質問者: ████研究員
回答者: エージェント・███
<記録開始>

████研究員: エージェント・███、落ち着いて来ましたか?

エージェント・███: ああ、ありがとう。

████研究員: では、SCP-2504-JP-3に行ったインタビュー内容について教えていただけますか?

エージェント・███: ああ。まず俺はSCP-2504-JP-2内にいた奴をあらかた倒してから、少し離れたところにいたあいつにインタビューしたんだ。そうだな、中学生ぐらいの見た目だった。

████研究員: SCP-2504-JP-2内はどのようになっていましたか?

エージェント・███: 特に暑い寒いとかは無かったな。一般的なリビングルームだったよ。

████研究員: では、内容について教えてください。

エージェント・███: 俺がインタビューしたのはたった2つだ。1つ目は何でこの教科書を読んだ奴を酷い目に遭わせるのか、2つ目は、意図的にSCP-2504-JP-2内の出来事を具現化出来るのかってことだ。

████研究員: なるほど。

エージェント・███: 一つ目の答えは、「復讐のため」だそうだ。なんでも、自分をいじめていた奴らに復讐して、そいつらをそこに永遠に閉じ込めるそうだ。愉快な話だよな。その復讐に俺たちも巻き込まれるなんてな。

████研究員: 了解です。

エージェント・███: そしてだ。2つ目の答えはイエスだったんだ。俺はそう聞いた時、コイツは危険だ、規則なんて気にしてられないと思って、アイツに銃をぶっ放したんだ。

████研究員: SCP-2504-JP-3は負傷しましたか?

エージェント・███: アイツは怪我をするどころかビクともしなかった。弾切れになるまで撃ち続けたのにだ。

████研究員: その後、SCP-2504-JP-3に何らかの行動は見られましたか?

エージェント・███: ああ、アイツは、その後…

[エージェント・███はこれ以上のインタビューを拒否し、インタビューは終了された]

███博士: 私はここにSCP-2504-JPの早急な無力化を公式に申請し、記録を終了します。

<記録終了>


無力化計画2504-1:
SCP-2504-JP-3が意図的にSCP-2504-JP-2内の出来事を具現化できる可能性が高いことから、SCP-2504-JP-3の殺害を目的として無力化計画が行われました。
方法 結果 分析
焼却などの物理的な破壊。 失敗。 SCP-2504-JPは破壊耐性を持っていると見られる。
手榴弾によるSCP-2504-JP-3への攻撃およびSCP-2504-JP内部の破壊。 失敗。 SCP-2504-JP-3およびSCP-2504-JP-2への物理的な攻撃は意味がないと見られる。
実験に協力的なクラス-I現実改変能力者1名。 失敗。SCP-2504-JP-2内で現実改変は作用しなかった。 SCP-2504-JP-2内で作用するものは現在捜査中。
ミーム殺害エージェントの映った電子機器を持たせたDクラス職員1名。 失敗。対象は筋骨隆々になったSCP-2504-JPに殺害されたと供述した。 今後SCP-2504-JPが人型実体となる可能性が高い。警戒するように。

無力化計画2504-Aは結果的に失敗しました。計画の翌日SCP-2504-JPは人型実体となり、脱走を頻繁に試みたことから、SCP-2504-JPのオブジェクトクラスはEuclidに再分類されました。

無力化計画2504-B:
インタビュー記録2504-Aの後、エージェント・███の描いたSCP-2504-JP-3の絵が、異常性を発現する前のSCP-2504-JPの持ち主であり、現在死亡している████(SCP-2504-JP-4)に酷似していました。このことから、SCP-2504-JP-4を過去にいじめていた人物が、SCP-2504-JPの無力化に深く関わると推測され、当該人物をSCP-2504-JPに曝露させる”リベンジ・プロトコル”が実施されました。以下はその一環です。

議論2504-αの後、無力化計画2504-Bの実行が決定されました。無力化計画2504-Bを実行した後、田中██氏が昏睡から覚醒することはありませんでしが、その後これまでに得られたSCP-2504-JP-2に酷似した事件の発生が確認されなくなり、SCP-2504-JPは異常性を喪失しました。以上の理由から、無力化計画XXXX-Bを持ってSCP-XXXX-JPが無力化されたと判断し、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedに再分類されました。

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