SCP-2657-JP
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アイテム番号: SCP-2657-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2657-JPは、施設の通常のゴミ箱の下面部に設置されています。SCP-2657-JPの設置されているゴミ箱には、丁度SCP-2657-JPを視認できないような角度に調節されたダミーのゴミが設置されています。

説明: SCP-2657-JPは、内部が4次元によって構成されていると考えられている半径25cmほどの穴です。穴の中は真っ白に塗りつぶされたような見た目になっていて、内部の様子を観察することは不可能です。SCP-2657-JPの外部は2次元によって構成されており、常にSCP-2657-JP-1と呼ばれている金属板の表面に位置しています。SCP-2657-JP-1は未知の金属で構成されており、ダイヤモンドよりも高い硬度を持っていることが明らかになっています。SCP-2657-JPは、SCP-2657-JP-1と付属した状態で██県沖の海底で発見されました。この穴は放射線年代測定器によって、おおよ6600万年ほど前から存在していたと結果が出ています。SCP-2657-JPは、外側からその穴の縁を動かすことで、金属面の表面内に限り位置を変更させることが出来ます。SCP-2657-JPの中には無尽蔵にものを廃棄することが出来、一度中に廃棄したものは二度と3次元空間に引っ張り出すことは出来ません。また、液体をその穴に注ぎ込むことは出来ず、液体を中に入れたい場合は容器等に封入する必要があります。尚、現在までこの穴の中に職員が入ったという記録はありません。

補遺1:稀にSCP-2657-JP内部から定期的に謎の音声が聞こえるとの報告が確認されました。その音声について、財団の音声解析チームが調査したところ、その音声は人の声である可能性が高いと判別されましたが、その声を持つ人物は現在確認されていません。その声質には少なくとも男性的なものと女性的なものの2つが確認されており、その声が聞こえるタイミングはある程度の規則性があり、たいていの場合、一度音声が確認されてから、次の音声が確認できるまでの期間は、それぞれ「3時間→3時間→3時間→3時間→9時間→3時間→」という周期を繰り返しています。ですが、その多くの場合、その声が何を意味しているのかは聞き取れず、多くのものは悲鳴に近い状態です。ただ一度だけ、その声が比較的はっきり、そして大きく観測されたことがあります。その声はこう言いました。

忘れないで

これが何を意味するのかは現在でも判明していません。

補遺2: 同じく██県沖の海底から、次のような手紙がカプセルに入れられた状態で発見されました。

拝啓
もしこの手紙が君に届いたのだとしたら、それはきっと奇跡だろう。恐らく私はこれ以降二度と君と連絡を取ることは出来ない。だから、最後に君に伝えたいことをここに書き残しておこう。非常に残念なことだが君がいなくなってしまってから…、私以外のすべての人は、どうやら君のことを忘れてしまったようだ。君の両親に会いに行ったら、私たちに子供はいないなんて言われた時には驚いたよ。きっと君はあの日存在ごと消えてしまったんだろうな。むしろ一体なぜ私が君のことを未だに認識できているのかが不思議なくらいだ。いや、これは非常に申し上げにくい事だが、最後くらい本当のことを伝えると。実は私も君がどのような人だったのか良く覚えていない。顔も、声も、匂いもほとんど覚えていない。ただ唯一覚えているのは君の両親のような、君に関する君以外の情報と、君の名前と、君という存在があったということだけだ。ひょっとしたら1年後にはそれすらも忘れてしまうのかも知れない。だが、これだけは覚えておいて欲しい。もし仮に、私が、いや、この世界が君を忘れてしまったとしても….…いつかどこかで、再び君に会えると確信しているよ。きっとお互い違う名前で、違う人物として出会うのだろうが、それでも私たちの真髄はきっと変わらないだろう。そういえば君があの日付けていたブローチもまだ見つかっていない。もしかしたらまだ君が付けているのかも知れないな。それではまた… 何故だ。何故君の名前が思い出せない。さっきまであんなに鮮明に覚えていたのに。散々見た君が付けていたブローチに書かれていたはずのその名前が思い出せない。畜生。取り敢えずこの手紙を書いている目的を忘れてしまう前にこの手紙を終わらせておこう。それではきっとまた会えると信じている。さらばだ。                       

                                                
同じカプセルの中から、

君の名前を思い出した。ただその意味を覚えていないのは許してほしい。

というメモとともに、次のような文字の画像が見つかりました。
sasidome.png
この文字が何を意味し、なんと読むのかは現在でも判明していません。

補遺3:このゴミ箱を設置した施設には、多くの職員が欠員補充のために異動してきています。また、同施設からは幾つか使い道の分からない道具が見つかっており、このオブジェクトとの関連性が調査されています。

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