アイテム番号: SCP-2907-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2907-JPの完全な収容は不可能です。一般社会への露呈を防ぐため、後述する発生条件に合致する駐車場は監視されます。SCP-2907-JPの発生を観測した場合、該当する駐車場は警官に扮したエージェントによって封鎖され、周囲にはカバーストーリー「ボヤ騒ぎ」が適応されます。
説明: SCP-2907-JPは日本全国の駐車場に発生する異常現象です。SCP-2907-JPが発生した場合、突如として駐車場内に区画された駐車スペースに様々な種類、かつランダムな数の乗用車が出現します(以下SCP-2907-JP-1と呼称)。この時、SCP-2907-JP発生前から車が駐車していた際はSCP-2907-JP-1に置換されるようにして一時的に消失します。SCP-2907-JP-1の車種は既存の日本製のそれと同様であり、破壊およびドアの開閉には成功していません。SCP-2907-JP-1のガラスは個体ごとにスモークガラスや通常のガラスであり、いくつかのSCP-2907-JP-1は外側から内部を視認することが可能です。
SCP-2907-JP-1の内部には以下の物品が存在していることを確認しています。
- 様々な種類かつ大量の花。
- 便箋。
- 折り畳まれた新生児、幼児用の洋服。稀に成人のそれも存在する。
- 新生児、もしくは幼児の写真。稀に成人のそれも存在する。
- 朱印帳。
- 原型を保っている程度に不完全に融解した人形やぬいぐるみ、マネキン。これらは例外なく人間をモチーフとしており、白装束を着用している。また、化粧をしている個体も確認されている。車両の後部座席に仰向けに寝かされており両手を胸の前に組んでいる。
また、SCP-2907-JP-1のカーステレオ機器類から別々のタイミングで念仏が聞こえ始めます。SCP-2907-JP-1が出現して最低でも10分以内に全てのカーステレオ機器類から念仏が発生し、それと同時に総数6~30名の不明な人型実体が駐車場に出現します。人型実体は例外なく喪服を着用し、顔面はヴェールやマスク、メガネもしくはサングラスで覆われています。1つのSCP-2907-JP-1に対して6人ずつの人型実体がSCP-2907-JP-1を担ぐようにして持ち上げ一列に並び、駐車場の中央部分にSCP-2907-JP-1を丁寧な動作で規則的にそれぞれ配置します。最終的に配置されたSCP-2907-JP-1は不明な要因で発火し、例外個体なく完全に焼却されます。炎が完全に消失するまで人型実体は全て炎の方を向きながら両手を合わせており、鎮火と共に人型実体も消失します。SCP-2907-JP発生前より駐車していた車が存在した場合、この時に再出現します。以上がSCP-2907-JPの全プロセスであり、SCP-2907-JPの財団の妨害は報告書作成時点で全て失敗に終わっています。
財団は2020/08/14にSCP-2907-JPを発見し、以降他の都道府県でも同様の現象が観測されたため報告書作成に至りました。2022/08/14現在でSCP-2907-JPの発生は直近1ヶ月以内に熱中症によって引き起こされた脱水症状による死亡記録が確認された駐車場のみ観測されており、SCP-2907-JPの発生条件であると仮定されています。