5/3000-JP LEVEL 5/3000-JP
CLASSIFIED
特別収容プロトコル: SCP-3000-JPは、SCP-3000-JPを引き起こす媒体である鏡(以下SCP-3000-JP-1と表記する)が一般生活に拡散、浸透しているため現在収容不可能です。暫定的な対処法として現段階で一般流通の可能な最大値の反射率でSCP-3000-JP-1を製造させることでSCP-3000-JPの発現リスクを低減しています。また、財団GOC管轄施設内においてSCP-3000-JP-1が合わせ鏡の状態になっているのを確認した職員は速やかにSCP-3000-JP-1を引き離す/向かい合わせを解除するなどの発現条件解消対策を行ってください。研究に携わる職員はサイト管理官と人事部門による調査を実施し、特定の思想概念による悪用を防止する人員配置が行われます。実験の凍結を受けて、現在は新たな人員配置は行われません。
パラウォッチやPAMWACからの前提条件等の情報漏洩、一般社会におけるSCP-3000-JPに関連する情報の監視を行い、当現象を誘発し得る情報、思想に対して、話題の転換や検閲、否定が施されます。また、世界全体にカバーストーリー「統計学的証明」を流布することでSCP-3000-JPの情報隠蔽の補助を行います。
SCP-3000-JPを簡易カント空間ヒュームグラフィーで観測した画像
説明: SCP-3000-JPは鏡を互いに平行に向かい合わせた時に発生する現実性低下現象です。
異常性の発生源である鏡はSCP-3000-JP-1と呼称されますが、それ自体に如何なる異常性も持ちません。現在一般的に流通している高品質な銀メッキ製や古鏡、粗悪品を含めた全てのSCP-3000-JP-1個体が引き起こす可能性が提示されています。
財団は当初、SCP-3000-JPの発生条件は
・SCP-3000-JP-1を互いに平行に向かい合わせる。
のみであり、発現する異常性は鏡面における現実性低下現象であると認識していましたが、調査の際、霊道思想/知識を持つ人物が意図して合わせ鏡を行った際にヒューム値のさらなる低下を観測したことで、
・霊道思想/知識をもつ人物が意識的に鏡像を観測する。
という追加の発現条件の発見に至りました。(調査記録4参照)
財団の記録では、███年、████年、████年の蒐集物覚書帳目録内(蒐集院から移譲済み)で、SCP-3000-JPと類似した事案の蒐集記録が存在しますが、SCP-3000-JPが財団に具体的に認知されたのは、長野県██市██郡███の一軒家における複数の異常実体出現の情報を受け、警察機関内部のエージェントの要請により記憶処理班及び機動部隊が派遣された事案が初例となっています。
複数の異常実体出現の要因調査において当家屋のSCP-3000-JP-1の鏡面を観測した結果、洗面所の三面鏡が合わせ鏡の状態で維持されており、継続的に微弱な現実性希薄領域が拡大していることを観測しました。鏡面の現実性は、SCP-3000-JP-1個体の品質に比例して低下していることが確認され、周囲に低レベルの現実性低下を発端とする低級霊的実体の出現等の事象を生じさせていたと推測されます。さらに、初発見記録で得た所見を基準として調査を行ったところ、無作為に他のSCP-3000-JP-1について観測した結果、鏡面においてのみ二次平面的に現実性低下現象が発現することが確認されました。(調査記録1を参照)
なお、発見当初、サイト-81██の現実安定性ビーコンにて現実性の局所的な揺らぎが観測されています。
角度がついている場合は、いずれ観測が不可能になるため発現規模は縮小する。
SCP-3000-JPは、SCP-3000-JP-1の反射率が低いほど周囲への影響を観測する可能性が上昇し、低品質の個体同士で合わせ鏡をした場合、もしくは鏡像を可能な限り限界まで認識した場合、周囲の現実性が著しく低下しました。(20██/11/██発表資料及びログを参照)SCP-3000-JPが最大規模で発現するのは、SCP-3000-JP-1同士を180度平行に向かい合わせた状態の時であり、角度が付いていると奥の鏡像の認識が難しくなるためか発現規模は縮小します。
実験(下に添付)に基づく田畑博士以下数名の研究チームによる考察を一時的に採用し、支部・本部の合わせ鏡となりうる三面鏡の撤去を提案しました。 一部職員の要請により撤回されました。張り紙や適宜の注意喚起によって、各自の管理徹底を呼びかけることで合意しました。
以下は、発現条件の特定及び、鏡面の反射率と現実性低下現象の相関実験記録です。
異常性発現条件の特定及び検証
実験目的: SCP-3000-JPの発現条件の特定及びSCP-3000-JP-1適応物品の範囲確認
対象: 無作為に選定された一般に販売されている鏡
使用機器: 簡易カント空間ヒュームグラフィー
日付: 20██/06/16
結果: 簡易カント空間ヒュームグラフィーはいずれの鏡面においても若干の現実性低下を観測した。
異常性誘発難易度に対する、該当事案数の非合理性について[著:田畑博士]
SCP-3000-JPが鏡を向かい合わせるだけで発現するというのは、明らかに発現条件が緩いと考えているが、なぜ今まで明るみに出なかったのかという議論があった。
まず我々は、市販の鏡で実験を行った場合にもこの異常性は発現することを確認した。この結果から、特定の鏡の持つ特性が関わっている訳ではないことが判明した。そしてなぜ鏡面に2次平面的な現実性希薄空間が生まれるのか考えた結果、私達は反射率が関わっているのではないかと仮説を立てた。合わせ鏡の際には、この反射率の相互作用で、周辺の空間が現実性低下を引き起こす可能性を提示した。
結論としては、反射率の影響であるとの仮説をもとに行った実験結果はおおよそ合致した。
反射率は低ければ低いほど、鏡面に映る像は現実とかけ離れたものになる。とすれば合わせ鏡ではそれが永遠に繰り返されるため鏡面に映る像は加速度的に現実性を失うのではないかと推測している。
その場合、反射率の高い鏡が普及した現代の方が異常性の発現が抑えられるのは道理だろう。(日本に限って言えば、昭和中期まで未使用の鏡に対して布をかけておく習慣があったことも影響しているかもしれない。)
近年の鏡は一般流通しているものでも83~90パーセントの反射率を誇る。しかし、大量生産体制が確立されていなかった頃の鏡は精度もまちまちで反射率は低い。反射率80パーセントの鏡の場合、映る像は20パーセントだけ現実と相違があるということになる。つまり現実性が20パーセント下がると言うことと同義であり、合わせ鏡の片側を見た場合現実性は一枚ごとに0.64^n枚だけ現実性が下がることになる。この理論をもとにすれば、SCP-3000-JP-1単体での観測を行った場合にも現実性の低下は観測できるはずであり、事実我々の研究チームはそれを観測できた。
この仮説を補強する要素として、SCP-3000-JP-1単体を観測した際にも鏡面に微弱な現実性希薄空間を確認できたことがある。
次回の実験ではカント計数機を用いてさらに詳細な数値の算出を目標とする。さらに言えばファブリペロー共振器や参照鏡、可視光ミラーによる反射率測定装置では共振条件を満たさないため高精度な反射率測定装置があれば望ましい。
追記: 田畑博士による『サブミリ波を用いたジュール損失測定技術の開発申請』の許可が下りました。財団はJAXA航空技術部門 新事業促進部 新事業課との共同開発が進行されます。
なお、空間ヒューム値の可視化のためにヒューム安定用機材は使用されていません。
以降の実験記録は調査記録2を参照。
反射率97%の溶射鏡面
実験目的: 高反射率の鏡におけるヒューム値の推移観測
対象: 財団開発の溶射鏡面(以下試料)
使用機器: 高感度サブミリ波(640GHz帯)受信機,カント計数機,サブミリ波近傍界測定装置
サイドバンド分離と測定偏波を変更するための光学系、超伝導受信機、640GHz帯局部発振器図式
金属片試料間にサブミリ波を複数回反射させ、試料の反射損失を 求める測定装置
方法: サブミリ波帯鏡面反射率測定による高精度反射率測定を元に理論値を算出し、試料を用いてカント計数機の観測によるヒューム値の推移を計測する。サブミリ波近傍界測定装置により光度減衰しない場合の数値を算出する。
日付: 20██/09/13
結果
縦軸は鏡の観測枚数。光度減衰はミリ波から換算されるため考慮に入れない
0.9409^n枚を用いた計算による理論値とほぼ誤差のない数値が計測された。誤差は環境要因と見られ、数値状に問題はないレベルである。
補足:
補遺1
調査記録1を元に観測深度を深めた結果、実験室のヒューム値のさらなる低下を確認した。実験記録1における田畑博士の仮説を基礎に、次回の実験では肉眼で認識できない光度を観測するために光度、光子観測補正付きのカメラを利用する。
補遺2
特記事項: 研究チーム所属職員1名が、自室にて2個体のSCP-3000-JP-1を向い合わせにして自主的に散髪を行っている最中、SCP-3000-JPを発生させました。周辺及び人員に被害は発生していません。
追記: O5評議会から正式に、当行為の禁止が通達されました。
反射率88%のアルミ蒸着鏡
実験目的: アルミ蒸着鏡におけるヒューム値の推移観測及び反射率97%の溶射鏡面との環境的差異の確認
対象: 財団開発の溶射鏡面(以下試料)
使用機器: 高感度サブミリ波(640GHz帯)受信機,カント計数機,サブミリ波近傍界測定装置
方法: サブミリ波帯鏡面反射率測定による高精度反射率測定を元に理論値を算出し、試料を用いてカント計数機の観測によるヒューム値の推移を計測する。サブミリ波近傍界測定装置により光度減衰しない場合の数値を算出する。
日付: 20██/09/19
結果
縦軸は鏡の観測枚数。光度減衰はミリ波から換算されるため考慮に入れない
0.7744^n枚を用いた計算による理論値とほぼ誤差のない数値が計測された。誤差は環境要因と見られ、数値状に問題はないレベルである。
補足:
- 2枚目の観測時、カント計数機を起動。
- 5枚目の観測時、職員が肌に「ヒリヒリ」と形容される刺激痛を報告。
- 8枚目の観測時、実験室内にアノマリーが出現する。実験は中断される。
- 9枚目以降の実験は理論値に基づく。
補遺1
カント計数機を使用した結果、実験室内のヒューム値の著しい低下を確認。現実子は合わせ鏡の鏡面に流入するような挙動が観測され、吸引されているように見受けられた。現実性の低下によりアノマリーの発生を確認した。
補遺2
人体への被害を確認したため、以降の実験はスクラントン現実錨(以下SRA)を設置して行う。
実験中に出現したアノマリーは機動部隊による接収されました。(詳細はSCP-████を参照)
付記
実験記録2以降に発生した特記事項について[音声ログ抜粋]
[中略]
高岡研究員: 職員が散髪中に鏡を向かい合わせにしたことで、SCP-3000-JPが発現した事案について、田畑博士の見解はどのようなものでしょうか。事案が発生した部屋の鏡の反射率は、95パーセントであり、博士の仮説ではまず異常性の発現は無いはずです。
田畑博士: まだ私にも推測がつかないのですが。
高岡研究員: 被害職員に対する聞き取りの結果、該当職員は合わせ鏡の状態で散髪を行っていたようですが、これは一般的にもあり得る行為の範疇です。しかし財団の記録の中では類似事案は見当たりませんでした。SCP-3000-JPの発現条件が反射率を要因としていない可能性はありませんか?
田畑博士: それは考えにくいでしょう。実験結果はほぼ正確に理論値をなぞっています。誤差は鏡の部分的な反射率や外部要因による減衰によるものでしょうから、現状仮説が間違っているとは考えにくい。
高岡研究員: では他に何か要因があると考えるのが妥当でしょうか。
田畑博士: そうですね。例えば意識、前提動作などが考えられますが……。
[数十秒間の沈黙]
[田畑博士がおもむろに顔を上げる]
田畑博士: その被害職員の所属部署などは開示可能でしょうか。
高岡研究員: えぇと、ちょっと待ってくださいね……あぁ、霊障部門の職員です。
田畑博士: であれば研究分野は? 例えば召喚、導術系を担っていたりしますか。
高岡研究員: ええ。分野で言えば当てはまるでしょう。
田畑博士: なるほど……だとすると、人、もしくは知識が発現の第2条件の可能性がありますね。霊/魔術分野の知識を持たない職員で検証するのが手っ取り早いでしょう。
[中略]
実験申請を承認されたため、田畑博士以下研究チームは研究班を一時離脱し、霊/魔術分野の知識を持たない研究員で実験を行う。実験記録4に記載。SRAの起動は状況に応じるものとする。
霊/魔術分野の知識を持たない研究チームでの観測実験
実験目的: 霊/魔術分野の知識を持たない場合のSCP-3000-JPの発現の有無。発現した場合、実験中に意識している必要性の確認
対象: 無作為に選出された、分野の異なる職員で構成された研究職員で構成された研究チーム
使用機器: 溶射鏡面(以下試料),高感度サブミリ波(640GHz帯)受信機,カント計数機,サブミリ波近傍界測定装置、スクラントン現実錨
方法: 実験プロセスのみを提示し、試料を用いて観測させる。カント計数機の観測によるヒューム値の推移を計測する。サブミリ波近傍界測定装置により光度減衰しない場合の数値を算出する。その後、知識の提供を行い同様の実験を行う。
日付: 20██/09/26
結果: 研究する人員が知識を持たない場合、実験用に用意されたSCP-3000-JP-1の鏡面の現実性低下以外に現実性の低下は確認されなかった。知識を与え、実験中に与えられた知識を意識して観測した場合、田畑研究チームの実験結果と同様の結果を齎した。よって、SCP-3000-JPの発現には、特定の知識、思想を保持しており、観測中に表層意識に残っていれば発言することが判明した。これらの挙動を観測理論に基づいているものと解釈した時、向こうの空間を認識するという考えが霊的儀式における鏡面と鏡像の間にパスを繋ぐ方法として用いられていると考えられる。
追記: SCP-3000-JPは『合わせ鏡』のような儀式動作によって周囲に影響を与えることが確定した。合わせ鏡による怪奇現象は、世界中で古来から言い伝えが存在する。中国にも『抱朴子』などの記述が見られるが、ほとんどがSCP-3000-JPの異常性によるものだと考えられる。調査記録1時点における仮説は反射率のみが原因としてしていたが、科学技術発展前、すなわち神秘学/オカルトが先行していた時代から、科学技術及び分類主義が台頭してきた現代に変遷するにつれ、人間が非科学な現象から興味を失ったことが大きいと見られる。この現実と想像上の物事の分離の成功は我々財団が成功しているという証である。 — 田畑研究チーム
財団記録・情報保安管理局より通達
UTC 20██/09/29 AM05:22:38に当SCP収容サイト-81██とその周辺が消失するインシデントが発生しました。同時刻、財団・GOCが管理するSCPのいくつかが同時多発的に収容違反及び局地的破壊・消失を引き起こしたため調査が行われています。
この結果、GOCと協議が行われ、今後の類似実験の凍結とクリアランスの見直しが行われました。
SCP-3000-JPのインシデント詳細ログ及び、他SCP被害詳細は以下を参照してください。
— SCP財団監督評議会、108評議会、RAISA管理官 マリア・ジョーンズ
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財団データベース接続中…………
詳細読み込み中…………
インシデントSCP-3000-JPの被害を被った各SCP担当職員は、対応するインシデント記事の把握を推奨します。
インシデントレポート SCP-3000-JP
の検索結果を表示します。
他SCPインシデント記事にSCP-3000-JPへの言及は存在しません。
SCP-3000-JPに関する情報を閲覧する場合は以下の資料のみ許可されます。
SCP-3000-JPにおける影響
実験目標
SRAを稼働した状態で、光学電子カメラを用いて鏡像の肉眼限界以上の鏡像を観測。カント計数機を用いて鏡面に吸引される現実子の動きと、行方を確認する。認識限界の引き上げのため、変質性の低い材質に取り付けられた充分な大きさの溶射鏡面を用いる。
結果
鏡と鏡像、鏡像と鏡像の間に流れ込む現実子を確認。何らかの空間を認識しました。
空間内のヒューム値は鏡像のみ基底現実と同数値を示し、鏡像の周囲のヒューム値は低下を記録しました。流入したと推察される現実子によるヒューム値の上昇が観測されない点から、鏡像と鏡像の間は巨大な空間である可能性が提示され、財団多次元鱗状重層部門に検証を申請しました。
結果、基底現実と同程度、或いはそれ以上の空間が広がっている並行世界と判明しました。
なお、位相の近い並行世界より、位相の遠い並行世界の方が次元の歪曲が大きく、いかなる並行世界においても鏡像のみヒューム値1を維持しています。
カント計数機による鏡像の認識枚数は███枚の時点でSRAの出力が一時振れましたが、数秒で規定値に落ち着いたため、チーム4名に効果範囲1メートル四方のPSRAを配布後、実験は続行されました。
UTC 20██/09/29
AM04:50:56 RAISAから各収容施設にレベル4重大インシデント警戒態勢が発令されました。一時的に安全性を鑑みて実験は中断されましたが、サイト‐81██が山中に立地しているため、警備強化及びサイトの外部接続の停止措置がとられました。
AM04:55:22 ██博士によってSCP-1154-JPから現実改変の可能性が示唆されました。
その後の実験は、SRA稼働中は本実験に危険性が見られず、サイト81██収容中のアノマリーのインシデント誘発危険性が低いと判断され、警戒体制は変更されず続行されました。
カント計数機による鏡像認識が████枚目に到達した時点で、全SRAが動作を停止。SRAの現実性固定の領域外に影響を及ぼし始めました。SRAの現実子の供給量を超過した可能性が検討されています。急激な現実性の変動によりSRAの範囲外、半径約54キロメートルは空間中及び物体の持つ現実子の大半を吸引した影響で消失(拡大時間の目安は下記添付画像を参照)、流れ込んだ現実子により再構築され、アノマリーが██件出現しました。(この一連の事案を、以下インシデント3000JPと表記)
2秒間でSCP-3000-JP-1を中心とした半径54kmの現実性が吸引された
PSRAにより保護されていた田畑博士以下研究員4名による実験の即時中止と財団派遣部隊の後処理によって、インシデント3000JPは収束しました。カント計数機は2機中1機が研究員のPSRA内に残存し非破壊。1機は消失しています。当インシデントによるサイト消失を受け、文書████-███に定められる「警戒解除」の応答は無効化されています。
回収されたカント計数機のログを解析した結果、新たな並行世界を認識した際、以前までに認識していた並行世界に流出する現実子量は変動せず、新たに認識した並行世界に流入する現実子量は以前まで認識していた全並行世界に流出する現実子総量に加算される形で増加することが判明しました。この特性によりSRAの供給限界を超えたものと推測されます。SRAの機能的問題と判明しました。
のちの調査により、今実験中に、SRAの現実吸収先である死宇宙の一つの消失を観測しました。インシデント3000JPとの関連性を確認中です。
インシデントの被害
死者██名・行方不明████名・重軽傷██名
2秒間のうちに実験室周辺54キロメートルは再構築されました。サイト‐81██の被害レベルは「壊滅」に認定されました。『インシデントレポート SCP -3000-JP』は、SRAの範囲内に居た田畑博士以下研究チームを保護したのちの聞き取りをもとに作成されています。
追記
今実験中、世界中の複数箇所の、SRAを用いたSCPオブジェクト収容施設において、同時刻にSRAが2秒間停止する現象とそれに起因するインシデントが発生しました。インシデント規模は地域によって程度が変わります。
該当する担当SCPの存在する職員は、当データ読了後に財団データベースから対応記事を参照してください。
補遺
研究員の所持していたPSRAの現実性供給が追い付かず、一部肌の現実性拡散が発生しました。現在療養中です。
インシデントSCP-3000-JP発生時のライブカメラ映像
各SCPインシデントレポート詳細
以下は財団アーカイブから取得された個別のインシデント内容及び規模把握のための資料群です。
適正クリアランス及び各SCP研究への所属経歴が存在しない職員は、特別申請が許可された場合を除きアクセスは認証されません。
インシデントレポート SCP-3480
・レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーション3480-235-8.3版』発令
・プロトコル・クロノス下におけるオメガ-12の行動ログ
・MSRAs損壊状況ログ
・オメガ-12の班別損耗率
・XACTS稼働効率調査書
・MSRAs備蓄量及びサイト13損壊状況と予算決議
・オメガ-12の人的損失に伴うプロトコル・クロノス改訂に対する提言
・『インシデントシミュレーションと、最終的にほぼ一致する設備被害率及び人的資材損耗率』の成果に応じたインシデントシミュレーションの導入促進について
・SCP-3480インシデント全般ログ
SCP-3480における影響
ログ
UTC 20██/09/29
AM05:22:38 オリンポス山に設置されている18基のMSRAs中2基が機能停止。レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーション3480-235-8.3版』を基準に対応展開命令が発令される。
AM05:22:43 MSRAs全体稼働効率は62パーセントに低下。現実性希薄領域のエリア-13に対するフロントラインが220m拡大。
AM05:22:50 MSRAs再稼働。MSRAsの稼働部位がヒューム値の低下により損傷を受け稼働不良を引き起こす。MSRAs全体稼働効率は72パーセントに上昇。現実性希薄領域はさらに70メートル侵食し、領域内の構造物が剥離、消失。
AM05:28:29 待機中であったオメガ-12は3組に再編成され、A班がプロトコル・クロノスに基づきエリア13から出動。MSRAsの未稼働分28パーセントの補充に当たる。
AM05:28:30 監督委員会にSCP-2222-JPのインシデントの可能性を報告。受理。
AM05:28:50 MSRAs全体稼働効率は48パーセントまで急落。
AM05:29:01 A班損耗率30パーセントを超過。A班全滅。
AM05:29:36 B班はMSRAsの備蓄再設置、回収、修復にあたる。
AM05:29:38 C班がシャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)を臨時展開。
AM05:39:26 B班の備蓄MSRAs再設置完了によりMSRAs全体稼働効率は96パーセントに回復。
AM05:41:33 A班損耗率50パーセントを超過。A班壊滅。
AM05:45:46 B班損耗率30パーセントを超過。B班全滅。
AM05:47:12 領域内残留のMSRAs回収完了。修復可能機器は18基中7基。
AM06:33:24 MSRAs全体稼働効率は100パーセントに回復。
AM07:19:22 XACTS展開終了。
PM15:33:54 オメガ-12による現状復帰、再構築が完了。インシデント収束。
PM22:58:11 警戒解除。
補遺1
待機中のオメガ-12の出動によりMSRAsの移動・修復が行われ、 XACTSの臨時起動と現実改変を重ねたことで被害は最小限で収束。SCP-3480の最終的な被害はオメガ‐12内で瞬間的な現実性乖離による殉職が█名、再生可能MSRAs回収任務と現実性希薄領域の拡大阻止による殉職が██名。真皮まで達する皮膚拡散による重症が██名発生しました。MSRAsは22台に増設され、現在まで低ヒューム値の穴の範囲に変化は見られません。現状、復元は完了しています。
補遺2
オメガ-12の人的損失は激しく、補充の効かない部隊であることからプロトコル・クロノスの改訂を審議中です。
改訂に際して留意すべき点として、『過去行ったSCP-3480インシデントシミュレーションと、途中の展開に差は存在するものの最終的にほぼ一致する設備被害率及び人的資材損耗率』であったことが挙げられます。
インシデントレポート SCP-1280-JP
・レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーション1280-13.5版』発令
・SRA停止による全体稼働率の推移
・SCP-1280-JPの拡大速度と今後の対応策会議議事録
・損失資材補充及び監視体制の一時的な増強要請
・レベル4/SCP-1280-JP書類に基づく再実験申請
・『インシデントシミュレーションにおけるSCP-2000拡大ペース』の正確性の再評価及びインシデントシミュレーションの導入促進について
・SCP -1280-JPインシデント全般ログ
SCP-1280‐JPにおける影響
ログ
UTC 20██/09/29
AM05:22:38 SCP-1280-JPの直径2.1mの周囲に設置された18基のSRA中3基が機能停止。レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーション2000-13.5版』を基準に対応展開が命令発令される。
AM05:22:40 SRA再稼働。SRAの範囲外2メートルが希釈され、SRA内部機構も損傷を受け3基が全壊、15基は軽微な損傷に留まる。
AM05:23:02 SRA全体稼働率は65パーセントまで低下。
AM05:27:43 SRA全体稼働率73〜80パーセントを推移。
AM05:28:11 職員現着。SRA増設申請。
AM05:29:25 SCP-1280-JPの範囲が2.9メートルまで拡大。
AM05:35:26 監督委員会にSCP-2222-JPの示すインシデントの可能性を報告。回線混雑のため通信不能。
AM05:50:33 再報告。通信不能。
AM06:20:59 再報告。通信不能。
AM06:21:01 SCP-1280-JPの範囲が3.0メートルまで拡大。
AM06:52:34 SCP-1280-JPの範囲が3.1メートルまで拡大。
AM06:54:22 SRA増設。SRA全体稼働率100パーセントに回復
AM06:56:30 監督委員会にSCP-2222-JPの示すインシデントの可能性を報告。受理。
AM06:33:17 インシデント収束。
AM10:29:58 警戒解除。
補遺
スクラントン現実錨の範囲外2メートルが希釈された影響でSRA内部機構も損傷を受け、SRA3基が全壊、15基は軽微な損傷に留まりました。財団職員が駆け付けた当初、収容区画内部で2.8mまで拡大していました。サイト内の備蓄SRAを設置した時点で3.1mまで拡大は進行していましたが、現在収束しています。人的損失は生じていません。
『インシデントレポート SCP-1280-JPログ』の内容は『インシデントシミュレーション2000-13.5版』におけるSCP-2000拡大ペースと概ね一致しました。
定点カメラによるインシデントの画像(画像は3.07m時点)
インシデントレポート SCP-561-JP
・レベル4重大インシデント警戒発令に伴う警戒体制の見直し
・SRA停止による全体稼働率の推移
・SRA余剰在庫の他サイトへの融通措置(サイト81██からサイト81█9へ)
・オブジェクトクラス再定義に関する提案(保留)
・大規模人事異動に伴う管理責任者の移譲
・『インシデントシミュレーション』導入可否の採決(可決)
・SCP -561-JPインシデント全般ログ
SCP-561-JPにおける影響
ログ
UTC 20██/09/29
AM05:22:38 機関部において、周囲を囲むSRAパネル1枚が機能停止。インシデント体制に移行。
AM05:22:40 SRA再稼働。出力安定。
AM05:24:50 監督委員会にSCP-2222-JPのインシデントの示す可能性を報告。回線混雑のため通信不能。
AM05:30:00 再報告。通信不能。
AM05:40:02 再報告。通信不能。
AM05:50:01 再報告。通信不能。
AM06:00:04 監督委員会にSCP-2222-JPの示すインシデントの可能性を報告。受理。
AM07:33:24 警戒解除。
付記
SCP-561-JPは現在Neutralizedであり、当インシデント時に該当する『インシデントシミュレーション』の策定はなされていません。SCP-561-JPに特筆すべき異常性は確認されていません。
インシデントレポート SCP-████-KR
・サイト-███消失によるオブジェクトロストに対する対策
・周辺地域へのカバーストーリーの流布及び広域記憶処理材散布の許可
・消失跡地の不動産問題解決会議録(土地買収)
・財団データベース上からのサイト登録抹消に関する手続き(保留)
・サイト位置情報発信源の観測事案について
・同様事例報告を踏まえた財団データベース上からのサイト登録抹消に関する手続き取り消し(許可)
・SCP-████-KRインシデント全般ログ
SCP-████-KRにおける影響
ログ
UTC 20██/09/29
████████ ████████████████████████████。
████████ ██████████████████████████
██████████████████████████。
████████ █████████████。
████████ █████████████████████
██████████████████████████████。
████████ ████████████████████
██████████████████████████。
████████ ███████████████████
████████████。
███。
████████ █████████████████████
██████████████。
████████ ████████████████
█████████████████████████████。
████████ ███████████████。
████████ ███████
████。
████████ ███████。
補遺
SCP-████-KRの収容されていたサイト-███は、我々の認識上および財団システム上存在しますが、当インシデント発生後、サイト位置情報発信源としてビーコン機能を保持した状態で存在が確認されていません。極度の現実性低下によるアノマリー化が発生した可能性があり、現在も発信源の特定が進められています。
付記
サイト-███以外にも類似事例が存在することが確認されました。現在、3件の財団施設の発見に成功していますが、データベース上からの削除更新およびサイト機能終了の試みは成功していません。
インシデントレポート SCP-5██-FR
・レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーションSCP-5██-FR 19版』発令
・SCP-5██-FR戦隊の急激な現実性拡散に対する見解
・今後の観測方針と、保護に向けた現実性固定機器の導入申請(許可)
・射出型SRAの運用に関する報告書
・『インシデントシミュレーションSCP-5██-FR 3版』発令
・即時対応性の向上への課題
・『インシデントシミュレーション』との差異に関しての見解
・乗組員証言の一致と現実性拡散の関係性の示唆
・『インシデントシミュレーション』導入可否(保留)
・SCPS[Andy]、SCPS[Cate]、SCPS[すざく]観測員の証言に基づく監視体制の緊密化及び、監視衛星███運用計画
・SCP-5██-FRインシデント全般ログ
SCP-5██-FRにおける影響
ログ
UTC 20██/09/29
AM05:22:38 SCP-5██-FRに積載されていたSRA1基が機能停止。
AM05:22:40 SCP-5██-FR-1の急激な現実子拡散を確認。レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーションSCP-5██-FR 19版』を基準に対応展開命令が発令される。射出型SRAの弾道測距を開始。
AM05:22:40 SRA再稼働。出力安定。
AM05:25:23 射出型SRAの測距を中断。『インシデントシミュレーションSCP-5██-FR 3版』に基準変更され対応展開命令が発令される。現状観測の継続。
AM05:30:50 監督委員会にSCP-2222-JPの示すインシデントの可能性を報告。回線混雑のため通信不能。
AM05:40:10 再報告。通信不能。
AM05:50:13 再報告。通信不能。
AM06:00:09 監督委員会にSCP-2222-JPの示すインシデントの可能性を報告。受理。
AM08:00:34 警戒解除
補遺
インシデント当日は会場に濃霧が発生しており、視認限界は3kmほどと観測は困難でした。SCP-5██-FR船体は衛星監視による現実性認識から異常を判断可能でしたが、インシデント当日は海上に濃霧が発生しており、視認限界は3kmほどであったため、SCPS[Andy]、SCPS[Cate]、SCPS[すざく]観測員は観測不能であったことが後のインタビューで判明しています。船体の実体が拡散し消失しかけたことで継続的な保護が危ぶまれており、現在対策を審議中です。
あの薄く透けた老船が白い靄に包まれた時、我々は肉眼での船体の観測が不可能になった。非常を知らせるアラートがなって僅か二秒間であったが、我々SCPS[Andy]の内の誰一人として、かの船が霧と共に溶けてなくなる妄想をしない者はいなかっただろう。-SCPS[Andy]一等航海士 ██
インシデントレポート SCP-2222-JP
・RAISAによる各施設に対するレベル4警戒態勢発表
・SCP-2222-JP点滅160Bpm到達時のサイト実験記録
・要注意団体の動向調査書
・ヴィシス・プロトコル臨時承認決議(臨時承認)によるThaumiel昇格
・収容室内SRA破損に伴うSCP-2222-JP周辺の現実性低下現象
・世界オカルト連合、境界線イニシアチブホットライン形成、マナ参入
・ヴィシス・プロトコルEuclidへの格下げ
・境界線イニシアチブ保有異常物品損失(境界線イニシアチブ公開書類に基づく)
・ヴィシス・プロトコルの財団保安プロトコルへの導入の再検討(否決)
・監督評議会宣言
・『インシデントシミュレーション』導入可否の採決(可決)
・SCP-2222-JPインシデント全般ログ
SCP-2222-JPにおける影響
ログ
UTC 20██/09/29
AM04:30:38~AM09:26:22 SCP-2222-JPが160Bpmを記録。
この事態を受け、監督評議会は臨時的なヴィシス・プロトコルの構築及び利用許可を決議し賛成多数で可決されました。
ヴィシス・プロトコルに対する監督評議会の投票結果は以下のようになりました。
ヴィシス・プロトコルの承認に係る投票:
賛成票:
O5-02, O5-03, O5-04, O5-06, O5-08, O5-09, O5-10, O5-12, O5-13
反対票:
O5-01, O5-05, O5-07, O5-11
結果:
可決
Thaumielクラス再分類に係る投票:
賛成票:
O5-02, O5-03, O5-04, O5-06, O5-08, O5-09, O5-10, O5-12, O5-13
反対票:
O5-01, O5-05, O5-07, O5-11
結果:
可決
代表コメント: 現状ではヴィシス・プロトコルを仮にでも承認せざるを得ない状況である。現在までSCP-2222-JPへの理解が足りているとは言えず、敵対の可能性も存在するためプロトコルの継続は困難であると考えていたが、プロトコルそのものの実行は既に可能な段階にある。そして、この緊急局面においては短期の使用であれば敵意の有無に関わらず、利用した際の利益のほうが大きいと判断された。そして投票が示すように、ヴィシス・プロトコルは臨時的に採用される。また、Thaumielへの再分類についてだが、運用上の都合、アポリナール・ヴィシス博士の提案を採用し、一時的にThaumielクラスへの格上げを認可する。なお、今回の事態終息後にオブジェクトクラスはEuclidに再定義され、ヴィシス・プロトコルは凍結される。
SCP-2222-JPに対する更なる調査と、捲られたヴェールシナリオの阻止を完遂せよ。UTC 20██/09/██ AM04:50:66
この時点でSCP-2222-JPのオブジェクトクラスはThaumielに格上げされました。当インシデントはヴィシス・プロトコルに基づき、レベル4認定、アラートカラーは赤に位置付けられ、RAISAから各施設に警戒態勢が発令されました。
UTC 20██/09/29
AM05:22:38 SCP-2222-JP収容施設内に設置されたSRA4基のうち1基が、2秒間機能停止。レベル4重大インシデント警戒発令に伴う『インシデントシミュレーションSCP-2222-JP 38.3版』を基準に対応展開命令が発令される。
AM05:22:40 SRA再稼働。この際2基に、現実性乖離が原因と推測される軽微な損傷が生じた結果、ヒューム値固定が事実上不能になりSCP-2222‐JP周囲のクラスD現実性希薄領域は徐々に拡大。
~AM06:54:53 SRAを6基に増設。SCP-2222-JPにおけるインシデントは収束。
PM16:46:38 警戒解除。
補遺1
ヴィシス・プロトコルは現在破棄され、オブジェクトクラスはEuclidに格下げされています。
補遺2
クラスD現実性希薄領域の拡大は『インシデントシミュレーションSCP-2222-JP 38.3版』の予測に沿って拡大したため、対応は迅速に完了しました。
インシデントレポート SCP-2000
文書の閲覧はHMCLおよびO5による承認を要します。
・要レベル4/2000ファイル███████████████
・O-5評議会によるKクラス予備事案宣言
・要レベル4/2000ファイル███・█████████████████████████████
・SITE-████から、SITE-DE5、SITE-PL-22-3の消失報告書
・「警戒解除」コード受理に関する懸念
・要レベル4/2000ファイル████████████████████████████████████████
・要レベル4/2000ファイル████████████████████████/████████
・レベル4/監督評議会通達
・SCP-2000インシデント全般ログ
SCP-2000における影響
ログ
UTC 20██/09/29
AM05:22:38 SCP-2000██基のSRA中█基が、機能停止し、出力の低下を観測する。
AM05:22:40 SRA再稼働。
AM05:25:58 O5-█へのインシデント発生の通達。
AM05:28:30 監督委員会から、O5評議会に対するSCP-3480のインシデント発生報告を受信。
AM05:31:44 リアム・ディーツ博士、エリア-13管理者から、XACTS臨時展開の事後報告を受信。
[各インシデント情報の受信内容の列挙。割愛]
AM07:08:09 監督委員会から、O5評議会に対するSCP-2222-JPのインシデント発生報告を受信。
AM07:08:12 O5評議会より全財団施設へ緊急提言。K-クラスシナリオ予備事案に認定される。
AM07:08:13 SITE-████から、SITE-DE5、SITE-PL-22-3の消失の可能性を受信。
AM07:08:44 O5評議会およびHMCL監督官により手順CYA-009の実行を許可。
AM07:58:23 BZHRシステムの起動前諸設定完了報告受信。
AM09:17:42 BZHRシステム起動待機命令。
AM09:26:22 ヴィシス・プロトコルの認定レベルが3に繰り下がる。
PM13:33:28 ヴィシス・プロトコルの認定レベルが2に繰り下がる。
PM14:13:46 BZHRシステムの起動終了及び、システムの点検命令。
PM17:44:23 SCP-2000職員中、業務人員以外のセキュリティ及び機動部隊要員を、財団施設の機能と局所現実の完全性確認のため派遣する。
UTC 20██/09/30
AM09:52:51 ヴィシス・プロトコルのレベル認定アラートの全面的解除を宣言。
AM12:00:11 全残存サイトからの「警戒解除」コード受理を確認できないため、文書2000XKAC-1.9内容の履行に不具合が生じる。引き続き受信を継続する。
UTC 20██/10/1
AM12:00:18 全残存サイトからの「警戒解除」コード受理を確認できないため、文書2000XKAC-1.9内容の履行に不具合が生じる。引き続き受信を継続する。
UTC 20██/10/2
AM12:00:09 全残存サイトからの「警戒解除」コード受理を確認できないため、文書2000XKAC-1.9内容の履行に不具合が生じる。引き続き受信を継続する。
[割愛]
UTC 20██/10/27
PM11:43:15サイト-████から「警戒解除」コードを受理。
UTC 20██/12/9
PM19:19:46サイト-3███から「警戒解除」コードを受理。
UTC 20██/12/10
AM08:03:09 全残存サイトからの「警戒解除」コード受理を確認できないため、文書2000XKAC-1.9内容の履行に不具合が生じる。引き続き受信を継続する。
[状況に変化なしのため割愛]
UTC 20██/12/28
PM22:04:30 SCP-2000の「警戒解除」コード受理システムをシャットダウン。
補遺
2020/01/██の時点で修理は完了していましたが、本インシデントをもって予備、配備SRAの点検を行いました。現在稼働中の必要物品の再度配備とすべてのシステムに影響は確認されていません。
また、文書2000XKAC-1.9から、全残存サイトからの「警戒解除」コード受理を確認できないため、SCP-2000の停止命令の実施に成功していません。
文書2000XKAC-1.9に基づき、SCP-2000システムによる各サイトの物的資源の保存は無期限に継続されなければなりません。インシデントSCP-3000-JPの収束をもって、GH・XK・ZKクラスシナリオは回避されましたが全「警戒解除」コードの受信完了まで稼働は継続されます。O5評議会決定により「警戒解除」コード受理システムを再構築することでSCP-2000の稼働プロセスのシャットダウンが実行されました。
新規プロセスの策定、構築は『文書2000-SS-EX』に基づき行われます。再構築が完了し、機能的な欠陥箇所の検証を終了するまで修理完了時期は無期限に延長されます。
被害施設(各国表記)
被害施設からSCPを検索する際は下記のリンク群から詳細へ飛んでください。
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITE-██[US]、SITE-3█[US]、SITE-3[US]、SITE-12-2[US]、SITE-61[US]、SITE-69[CA]、SITE-94[CA]、SITE-113[US]、SITE-16[US]、SITE-185[AU] |
| AREA |
AREA-06[US]、AREA-13[US]、AREA-30[US]、 |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
Зоны-█[RU]、Зоны-3[RU]、Зоны-9[RU]、Зоны-13[RU]、Зоны-48[RU]、Зоны-█[RU] |
| AREA |
Ośrodki-6[RU]、Ośrodki-23[RU] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
제06K기지[KO]、제10K기지[KO]、제16K기지[KO]、제19K기지[KO]、제30K기지[KO] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITE-CN-8[CN]、SITE-CN-14[CN]、|SITE-CN-19[CN]、SITE-CN-32[CN]、SITE-CN-46[CN]、SITE-CN-82[CN] |
| AREA |
Area-CN-20[CN]、Area-CN-33[CN] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITE-Aleph[FR]、SITE-Epsilon[FR]、SITE-Beth[FR]、SITE-Lamedh[FR]、SITE-He-002[FR]、SITE-Ayin-3[FR] |
| AREA |
ZONE-██[FR] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITE-PL-18[PL]、SITE-PL-22-3[PL]、SITE-PL-49[PL]、SITE-PL-83[PL]、SITE-PL-██[PL] |
| AREA |
Strefa-PL-08[PL]、Strefa-PL-18[PL] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
Vólorovsk[ES] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
อาคาร-█[TH]、ไซต์-12Tr[TH]、ไซต์-29c[TH] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
サイト‐81██[JP]、サイト‐812█[JP]、サイト‐8133[JP]、サイト‐81██[JP]、サイト-8119[JP] |
| AREA |
エリア-8138[JP]、エリア-8199[JP] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITE -DE18[DE]、SITE-DE5[DE]、SITE -DE13[DE] |
| AREA |
Areal-09[DE]、Areal-33[DE] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
Site-Asclepio[IT]、Site-Plutone[IT] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
Зона-██[UA]、Зона-UA-13[UA]、Зона-UA-16[UA]、Зона-UA-80[UA]、Зона-UA-180[UA] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITE-PT3[PT]、SITE-PT7[PT]、SITE-PT-33[PT] |
| AREA |
ÁREA-PT-3[PT]、ÁREA-PT-8[PT] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
Oblast-03CS[CS]、Oblast-11CS[CS] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
Site-ZH-12[ZH]、Site-ZH-██[ZH]、Site-ZH-15[ZH] |
| AREA |
Area-ZH-33[ZH] |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
BASE-29[EL]、BASE-44[EL]、BASE-92[EL] |
| AREA |
noting |
| 被害施設 |
施設名 |
| SITE |
SITUS-66[ID]、SITUS-98[ID]、SITE-ND-6[ND] |
| AREA |
noting |
補遺1
以上の重大インシデント群に対して、財団・GOCは「未確認小惑星の大気圏突入後分解による隕石落下」、「超高密度プラズマ」とするカバーストーリーの流布及びエアロゾル化させた記憶処理材の散布を行いました。
補遺2
監督評議会への回線混雑から対応が遅れたことを鑑み、同時多発インシデントの際、情報プールを介した有事個別回線の敷設が提案、可決されました。
以上のインシデントを受け、SCP-3000-JPの研究チームに対する聞き取りを元に報告書を編纂。後に田畑博士による理論が発表されました。
田畑博士著『鏡を用いた霊的儀式を発端とする鏡面及び周辺現実性の低下に関する鏡面反射率及び空間観測認知論の関係[20██/11/██発表]』(抜粋)
日時: 20██/11/██ 9:30 - 14:26 (UTC)
場所: 世界オカルト連合外渉センタービル 大ホール
発表者: 田畑博士
協著者: 高岡研究員、朝日研究員、橋口研究員、川部研究員
<記録開始>
田畑博士: 皆様、本日はお忙しいところにこのような場を設けて頂き、誠にありがとうございます。本日お集まりいただいたのは、先日のインシデント3000JPに関して、世界各国で同時に発生した極端な現実性低下を伴う異常現象群の発生メカニズムが判明したことをご報告させて頂くためです。お手元に資料を配布していると思いますので、私達の発表で生じた疑問点は是非その場で質問してください。
ではこれから発表を開始します。お手元の資料の1ページをご覧ください。
[発見時からインシデント3000JP発生前までの期間に行われた実験内容の発表。中略]
田畑博士: これら充分な試行回数を経た結果、いずれの記録においても誤差は極小域の振れ幅で抑えられているため、異常性の発現条件と性質は相違ないでしょう。ここまでで何か質問はございますか。
[田畑博士がホール内を見回す]
田畑博士: 先に進んでも良さそうですね。さて、ここからはこれらの理論を基にした観点からの、インシデント3000JPの発現メカニズムの説明に移ります。まずはこちらの資料をご覧ください。お手元の資料にも同様のものが記載されておりますので、投影している資料の判読が難しい場合はそちらを参照していただいても構いません。
[田畑博士の後ろのスクリーン上に資料が提示される(以下に当該資料画像添付)]
並行世界とヒューム値分布及び歪曲度の可視化モデル 1.2.1版
田畑博士: 今スクリーンに表示されているグラフは私達が想定するヒューム値と並行世界のモデルです。この中で水色に着色された直線は、SCP-3000-JP-1個体で合わせ鏡を作った場合に鏡像同士が形成するルートであり、暫定的に霊道と表現しています。このルートは理論的には「無限に形成される、鏡面が鏡面を写す直線の回廊」と言うべきものですが、これは観測しうる中では鏡の中の並行世界との唯一の交差点です。
[ポインターがグラデーション状の着色がなされた帯グラフに移動する]
田畑博士: このグラフが表すのは、鏡像と鏡像の間に存在する並行世界の空間歪曲度です。ヒューム値の濃度と言い換えることもできます。基底現実から遠い位相に位置する空間、このグラフでは手前にくればくるほど空間の基本的なヒューム値は低いことが読み取れます。
GOC構成員████: 一つ疑問があります。貴方たちチームは、これらの並行世界のヒューム値はどのように計測しているのでしょうか。
田畑博士: 質問ありがとうございます。正直なところ、我々は実際にその並行世界のヒューム値を計測しているわけではないのです。ですのでこの数値は定義、前提の話になります。その上でこれらの並行世界の現実性はn枚目の観測鏡面の現実性と一致していると我々は考えています。ですから単純に、その並行世界の現実性は鏡面の現実性と同数値であると思っていただければ結構です。この前提であれば理論的に説明ができるため、私達は、おそらくこの解釈は正解だろうと考えています。
GOC構成員████: なるほど。ありがとうございます。もう一つ質問なのですが、先ほど田畑博士は『その並行世界の現実性は鏡面の現実性と同数値である』と仰っておられましたが、グラフでは鏡面はいずれもHm値1の位相に存在しているように読み取れます。これはどういうことでしょう。
田畑博士: 確かに、グラフでは各並行世界の現実性に関わらず、鏡像の現実性は1Hmになっています。これは観測結果に基づいているのですが、簡易カント空間ヒュームグラフィーによる鏡像観測の結果は鏡像のヒューム値を1Hmとしています。これらの説明にはヒューム値と現実性の関係が含まれます。この中には専門外の方々も多いと思いますので、解説も挟んでおきましょう。大前提として、ヒューム値とは、その空間の現実子量から求められる現実性強度です。我々の基底世界における基準が1Hmであり、地球上における重力の向きなどの『常識』が機能する正常な空間です。もう少し詳細な補足説明や例示は朝日研究員が行います。
田畑博士: さて、鏡像のヒューム値が、その鏡像が存在する並行世界の基本ヒューム値に関わらず1Hmを示している原因についてですが、端的に言えば、現実性の低下した空間に存在する物体は崩壊して絶体的な形状を保てなくなるため、鏡像として認識不可能になるからです。
朝日研究員: 補足しますと、現実子は、特性として2つの空間や物の現実性に差がある状態においては、ヒューム濃度の低いほうへと拡散していく性質を持つため、あまりにヒューム値の低い場所にある物は周囲に現実子を吸い取られるような現象が起き、現実性が低下した物質は絶対的な形状を保つ必要がなくなると考えられています。現実性の高い空間は、自身の空間の現実を現実性の低い空間に押し付けて、『塗り替える』と形容される現実改変を行うことが可能です。今回、鏡像が1Hmを示している理由はおそらくこれでしょう。我々が鏡像だと認識するために我々の考える『鏡』という現実を強要しているため、鏡像のみ数値が我々の基底現実と差異が生まれないのだと考えられます。
GOC構成員████: なるほど。丁寧な説明感謝します。
田畑博士: 補足にもあった通り、鏡は我々の認識で常に1Hmで存在します。この前提を持ってヒューム値の明らかに違う並行世界を霊道で繋げると、無理やりその世界と霊道の交差部分のヒューム値が鏡によって現実世界と均一にされるのです。こうして強制的に霊道で交差した位置を1Hmに引き上げられた世界は大きな歪みが発生します。これがグラフの示す空間歪曲度です。
田畑博士: 空間の歪みは1地点だけ現実性が上昇したことによるものですから周囲が同じ現実性になれば歪みは無くなります。つまりkejelの現実性の法則に則り鏡面から現実子を取り込み安定しようとする働きが生じるのです。
朝日研究員: これらの現実子流動は、概ね現在の一般化学現象に置き換えて説明が可能です。例えば『高気圧と低気圧』、『高さの違う水を貯めた水槽の仕切りを取る』などの表現が可能であり、いずれも平均値へ収束し、安定化しようとします。
田畑博士: ただし、現実子が流出した世界が私達の世界と同じようにとても広大であった場合、こちらのプールがほぼ尽きるまでひたすらに現実子は並行世界に流出し続けます。インシデント3000JP発生時、我々は、えー……具体的な数値は伏せさせていただきますが、4桁枚の鏡像を認知しましたが、少なくともインシデント3000JPにおいてカント計数機が弾き出せる数値内で、4桁の並行世界に流れ込んだと思われる現実子による並行世界の現実性の上昇は見られていません。
境界線イニシアチブ構成員███・███: 基底現実から流出した現実子総量が不明というのは由々しき問題であると見ますが、それによって齎されるリスクは具体的にどのようなものが挙げられますか。
田畑博士: 簡単なもので言えば、世界的な現実性不全や一般人の現実改変の易化などでしょう。
GOC構成員███・███: では現実子の総量に絶対量は存在するのでしょうか。
田畑博士: 我々の世界の現実子に絶対量は存在するのかという問いに関しては、残念ながら現在の我々の技術力では現実子の絶対量の明確な解答には辿り着けません。そもそも現実子が何であるかも研究途上です。どうやって生成されるのかも、変性する物質であるかもいまだに判明していません。ただ、今回のインシデント3000JPを経て、宇宙1つの現実子総量にリミットは存在するであろうとほぼ確実視しています。
光学電子カメラ等を利用して鏡像の無限回廊の限界を認識しようとした我々が、一体いくらの現実子を別世界に流出させたのかは、同時多発的なインシデント群によって具体的な算出が不可能な域に達しています。
[ホール内が一時騒然とする]
SCP財団分科会職員: それはつまり、我々の宇宙に存在した現実子は現在相当量減っている可能性があるということですか。
田畑博士: えぇ。その可能性は否定できません。ただし現実安定性ビーコンはインシデント3000JP後も基準値低下を示すログを記していないため直近の問題はあまり考えなくても良いかと考えています。
[以下同様、あるいは派生の質問のため中略]
[昼休憩のため質疑応答終了]
〈記録停止〉
〈記録再開〉
田畑博士: さて、ここからは午前中に説明したメカニズムをもとに、世界同時多発的に発生したインシデント3000JPについての考察を提示します。まず、インシデントの発端となった共通事項として、同時に、世界各地に配備されたSRAの一部が停止、再稼働したことがあります。橋口研究員へ説明を代わります。
橋口研究員: 田畑博士から引き継ぎました。多次元鱗状重層部門所属の橋口です。早速ですが、このSRAの異常挙動は、先に提示したSCP-1280-JPに鍵があると考えています。我々の部門の観測の結果、当報告書がまとめられた時に観測された、亜財団の存在したXKシナリオの終焉を迎えた宇宙が消失したことが判明しています。我々の用いるSRAは、Kクラスシナリオにより終焉したいずれかの宇宙から現実子を吸い上げリサイクルすることはすでに知られているかと思いますが、吸い上げる対象を失った際は、新たな終焉した宇宙を選定し、ワームホールの再接続を行う事で供給を再開するようプログラムされています。そしてそのラグが今回の2秒間の停止だと推測できるのです。こちらがその略図です。
[橋口研究員の後ろのスクリーン上に資料が提示される(以下に当該資料画像添付)]
SRAの2秒間の機能停止期間は、宇宙の再選定とワームホールの接続に要する時間である
橋口研究員: スクラントン博士のLSS開発記録に記されているクラス-C"ブロークン・エントリー"ワームホールと同様の原理ですが、SRAは終焉した宇宙を選定して接続を行うため接続先選定に動作停止期間が生じます。
GOC所属研究員: 一つ良いだろうか。我々は財団から少なくないSRAの提供を受けているが、これらは信頼性に欠ける装置ということか?
橋口研究員: いえ、本来なら到底あり得ないレベルの事象が発生しただけであり、SRAを2つ配備しておけば、現実性維持は継続可能でしょう。
GOC所属研究員: LSSはSRAの前身の装置であったと記憶しているが、SRAの吸入先選定機能が無いワームホールがLSSで用いられているということか? そのワームホールを用いた際、今回の事象の防止は可能だったのか?
橋口研究員: 防止出来たかという問いに対して、結論から言えば不明です。SRAのワームホールは、アナ・ラング博士により安定性が最大限高められており、SCP-3001に認められるような狭間の空間から接続先選定中の代理供給を補うことはできません。しかし、クラス-C"ブロークン・エントリー"ワームホールを用いたとしても、極端な現実性希薄空間であるSCP-3001からの代理供給で補えた可能性は低いと見積もっています。
橋口研究員: 今回消失した死滅宇宙は報告書によれば、その世界の財団のSRAに相当するものがいくつか確認されていました。さらに低ヒューム流出スポットも確認されていますが、そのSRAに相当する機器は暴走していたと見られています。つまり、当死滅宇宙においても、少なからず現実子の供給がなされていたということです。そうして緩やかな終焉を迎えていた宇宙が一瞬で滅びた原因は、今回の実験が天文学的総量の暴力で、この図のように、新たに認識した世界を維持するための現実子量が、今までの流出量に加算されて流出したことを示します。
[橋口研究員の後ろのスクリーン上に別の資料が提示される(以下に当該資料画像添付)]
奥の鏡像を観測すればするほどヒューム値の低い並行世界が認識され、現実子は並行宇宙の数だけ流出する
橋口研究員: まさに一瞬で空白の世界にしたということです。その結論を得たのちに今回のSRA異常を考察すると、おそらくその世界に無数に空いていた穴のいくつかは私達の世界のSRAの物だったのだろうと私は結論付けました。
[橋口研究員が進行を田畑博士へ引き継ぐ]
田畑博士: SRAは諸刃です。今回の収容プロトコルとして、世界の全ての鏡の横にPSRAを化粧品よろしく置くわけにも行かない。そもそも銅ベリリウムはコストが高すぎます。
田畑博士: だからといって対処法として反射率100パーセントの鏡を創り出せるでしょうか? 確かに我々にはそれだけの技術も、それを可能にするSCPも保有しているでしょう。しかし反射率が100パーセントの鏡などSCPと同義な存在は創れません。光を溜め込む次世代の二次電池か、超高温高速のレーザー砲か。どう転ぶかなど私たちには分からないのです。そもそも私たちに認識できるのか、色を持たない形を認識するとはどういうことか、100パーセントの反射を人間は観測できるのか、0パーセント反射と変わらないのではないか、私たちはこれを創り出して無事で済むのか、これ以上触れてはならないものに手を出そうというのか、今回のように宇宙の消し飛ぶ爆弾を抱えてなお、あえて手を出す勇気はあるのか? 問えば疑問は尽きません。
田畑博士: 鏡は鏡であり、表面に現実性異常はあれどそのものに異常性など何もないのです。そもそも永遠に続く鏡像に興味を持たなければ大惨事を招くほどの規模では発現しない異常現象です。実際問題、普段の使用で対面に鏡を置いてまじまじと奥を覗くか、三面鏡をしっかりと平行に向かい合わせて利用する人がいるとは考えにくいでしょう。
田畑博士: 我々に可能な対処手段としては、思い込みが現実に現れる類のSCPということにするか、ただの邪説とするカバーストーリーを流布するくらいしかないのです。
田畑博士: ここまでの研究結果を鑑みて、この実験は恒久的に停止されるべきであり、深淵を覗きうる技術を持つ何者からも秘匿される義務を持つと考えます。これはいわば希望のないパンドラです。私達は、改竄し、先延ばしにしなければならない。たとえ今も、財団内外問わず、鏡から微弱ながらも現実子が流出し、いつかは終焉を迎えるとしてもです。この事実が正常性維持団体以外に知られたとき、この世界は数ある死滅宇宙の仲間入りという未来に加速し続ける羽目になるでしょう。今回の出席者の中に不届きな者はいないと信じています。
[以下割愛]
〈記録終了〉
補遺1
発表内容の危険性から、出席者による質疑応答、意見交換ののち、各団体、総括を含む数名以外に記憶処理を施しました。この処置は出席団体の4分の3の賛成で可決されました。
補遺2
研究結果の公開: 田畑博士の発表した論文『鏡を用いた霊的儀式を発端とする鏡面及び周辺現実性の低下に関する鏡面反射率及び空間観測認知論の関係』を受け、レベル5以上の権限を持つ職員及び、専攻分野別代表博士会に提言を提出。研究結果、インシデントと照会を行なった結果、正式に完成された理論として確立すると認められたため、GOCを始めとした、財団と協力関係にある各機関に正式に公布されました。なお、この理論は悪用の危険性が極めて高いため、閲覧に際してクリアランスレベル5以上かつO5評議会の承認を要します。
研究再開の可否: 本インシデントの被害範囲を基に、SCP-3480、SCP-2000、世界オカルト連合保有サイト████・██等、主要、機密オブジェクトや施設に甚大な被害を与える可能性を考慮し、SCP財団全支部最高意思決定機関及び世界オカルト連合所属国の4分の3以上の賛成を得られない場合、新規の類似実験の凍結を解除しないとする『国際現実性保全協約』が締結されました。
警告: 以下のファイルはSCP財団日本支部理事会の全会一致の賛成を要する最重要機密情報です。
このファイルにSCP財団日本支部理事会の全会一致の賛成無しで行われるアクセス試行は記録され即終了処分の対象となります。
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