SCP-3000-JP - 美しい世界?
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アイテム番号: SCP-3000-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-3000-JPが発生すると考えられる場所への経路は全て封鎖してください。一般人で侵入を試みるものは常駐の職員が確保し警察機関へと引き渡してください。SCP-3000-JPの発生が確認された場合には発生した場所には近づかずに財団へ報告してください。

説明: 以下は神田博士の日誌にもとずいて書かれています。
SCP-3000-JPとは████県の山奥にある神社で低確率で起きる時空の歪みのことを指します。SCP-3000-JPは当時行方不明だった神田博士が財団に自身の日誌を見せたことにより、調査が進められています。

SCP-3000-JPと接触すると、今我々が存在している次元とは別の次元に飛ばされます1。飛ばされる場所としてはSCP-3000-JPが発生する神社となっています。(以下ではこの場所をSCP-3000-JP-Aとする。)SCP-3000-JP-Aの外見などは我々が存在している次元と共通となっていますが、一部例外があります。異なる点は以下の通りです。

  • 端末機器が存在していない
  • 民間人の名前や外見が違う
  • 地球から見た時の恒星の明るさ2
  • 時間の流れ方3
  • 財団が存在しないと思われる
  • 「神様」と言われる実体が存在する

SCP-3000-JPは「神様」が作っていると判断されており、発生条件が存在すると思われますが今のところ不明です。現在でもSCP-3000-JPは確認されていません。神田博士の日誌からSCP-3000-JP-Aに飛ばされた人物は一定数存在すると判断されていますが、現在SCP-3000-JP-Aに飛ばされたと確認されている人物は神田博士のみです。

補遺1: 神田博士の日誌
神田博士の日誌にはSCP-3000-JP-Aで過ごしたことや、異常性などが記されています。
以下は神田博士の日誌を書き写したものとなっています。

2023/06/03

こんにちは。これから日記を書いていきます。理由としては、ある時空感異常に巻き込まれたことです。私の記憶力はあまり良くない方ので、記録しなければ忘れてしまいますからね。帰る方法が分かりましたら、報告しなければいけないですね。現在は、町の住人に泊めてもらっています。まず、分かったことや異常性を書きますね
・私が今までいた所とは違う次元
・端末機器の電源が入らない。そして、ここに住んでいる人物は端末機器を所持していない
・星がとても明るくなっている。
などですかね。違う次元にいるとわかった理由としては、無人だった神社に人が住んでいたことからです。神社の人は私が来た時は裏で掃除をしていたのですが、私を発見すると話しかけてくれました。あとは、ある歪みを発見し接触することでここに来たことなどですかね。明日は神社の人に話しかけてみようと思います。あの神社が鍵となってると判断していますから。

2023/06/04

今日は神社の方に話を聞いてきました。回答としては、私以外にもこの世界に迷い込む人は多いらしいですが、私みたいに長時間滞在できる人はいなかったと話してくれました。詳しく言うと話しかけられてもすぐに消えてしまうとのことです。神社に入ったらここにいたと慌てた様子で話しかけられるらしいので、この世界に入った瞬間に違う次元にいると判断するのでしょうか?しかし、それだと私は違う次元にいると自覚しているのに元の次元に戻れないのかという疑問がありますね。とにかく、迷い込む共通点としては神社の中での出来事なのでやはりこの神社が鍵となっていそうですね。
それと、神社の人が境内の掃除を手伝ってもらう代わりに泊めてくれました。

2023/06/05

今日は興味深いことがわかりました。この世界には財団のような異常性を確保する団体が存在しないようですね。誰かに聞いたわけではないのですが、今日ある少女に出会いましてね。私が境内を掃除している時に見つけたのですが、その子が周りに花を咲かせていたのです。通常ならば考えられない速度で。ヒューム値を図る方法が今は存在しないので、本当かどうか分かりませんが、現実改変能力者だと思われます。あと、財団が存在しないのか判断できたのはその少女が生きているということです。現実改変能力者は一部例外を除き終了させられるので。名前は美奈と言うらしいです。歳は八歳。とても可愛らしい女の子でした。明日は、町の聞き込みをしていきたいと考えています。

2023/06/06

今日は聞き込みをしました。住民の皆さんは他の次元から人々がこの世界に入り込んでしまうことを知っているようです。それほど頻繁に起きることなんでしょうか。なら、もとの次元に戻れた時は財団に報告して被害を出さないように対策しなければいけませんね。それと、昨日出会った少女の人柄などを聞いてみたところ、「いい子だ」と言っていました。もちろん例の能力も知っている前提の話です。ここでは、異常な存在も認められているのですね。こっちの次元だと普通ならば嫌われてしまう存在なのに。
話の内容が変わりますが、私のいた次元の住人とは苗字も外見も違うらしいですね。ここの世界に来る前に色々と人の顔や家にある苗字を少し覚えていたのですが、記憶している内容と当てはまるものが一つもありませんでした。
それと、少女にも色々聞いてみました。私が知りたいことは今泊めてもらっている神社の方がよく知っているらしいです。付け足すように、今の時期は朝焼けが綺麗だと言われました。明日晴れたら見てみることにしましょうかね。

2023/06/07

朝焼け見てみました。とても…綺麗でした。私はもとの次元にいる時も何度か見たことがありましたけど、私が見た中で一番美しかったです。星がとても明るいので、それもいいアクセントになっていました。
今回は神社の方が買い物へ出かけていましたのであの少女と町中を歩きながら話してました。その時に見たのですが、障害者の方が段差を登れなくて困っていたんですがその時に通りすがりの若い男性がその方を助けたんです。まぁ、当たり前のことだと思われますが私がこの世界に来る前に最後に見たのが、同じように障害者の方が困っているのにそのまま無視して通り過ぎる若い男性でした。その時はわたしが助けましたが、とても恐怖を感じました。あと、少女には親しい友達がいないようです。しかし、学校ではクラスメイトで手を取りあっているのだそう。この世界がとても美しく感じます。

2023/06/08

今日は神社の方にお話を聞いてみようとしたところ、本を見せながら話してくれました。人々がここに迷うのは「神様」と言われる正体不明の存在が連れてくると。この世界に連れてくる意味などが見いだせないので、神の気まぐれでしょうか。「神様」はここに住む人々のことをとても大切に思っているらしいです。ここで言う「神様」とは私たちが信仰しているものと同じなのでしょうか?しかし、神社の人は「このことは信じない方がいいと」否定的に言っていたので、私達が想像する「神様」とは違うのでしょうか。それに、まだその「神様」のことについて伝えきれていない感じが表情から感じ取れた気がします。まだまだこの「神様」については謎がありますね。

2023/06/09

今日は特に進展などはありませんでした。
今日はまたあの少女が遊びに来てくれました。私は結構携帯機器に依存しているところがあったので、使えなくなって心配になっていましたが、少女のおかげで暇する時間が減りました。い毎日遊びに来てくれて、いつも境内で遊んでいたので今日は町に出てみました。2回目ですね。街の人と交流したり、子供たちと遊んだりしました。体はあまり動かさない方なので、鬼ごっこをした時はとても疲れましたが、みんなの笑顔が見れて嬉しかったですね。

2023/06/10

住人に神社の方から聞いた「神様」のことを住人に尋ねてみました。すると、神社の方みたいに難しい顔をされていたので、あまり良くないイメージを持たれているようですね。「神様」のことになると頑なに口を開かなかったですが、一つだけ教えてくれたことがありました。それは、神社にいるとの話です。私は見たことがないですが、本当に神社に存在しているのでしょうか?そして、この「神様」は何か私がこの世界に迷い込んだのと繋がりを感じます。ですが、事実ではないので、確信を持てるほどの証拠を見つけたいですね。

2023/06/11

今日は進展はなしです。ですが、少女がまた来ました。シロツメグサ出できた花冠を手に持ちながらこちらに走ってきました。小さい時から友達などにプレゼントなんて今までにされなかったのでとても嬉しかったです。そして、少女が能力を使って枯れないようにしてくれたんです。こっちの次元ではそうゆうことはあまりしない方が身のためですがね。その花冠はタンスの上に飾りました。一生大切にします。

2023/06/12

今日は財団などの異常性を確保する団体が存在しないことを裏付けすることが出来るのが分かりました。
異常性を所持している、青色のプラスチックのボールペンです。実はこのボールペン、描いたものを具現化する異常性を所持しています。制限時間時間は10分。描き始めてから10分経つと具現化し、その効果は一日中続くらしいです。
それと、一年ぐらい前に事件があったそうで、そのボールペンを使い晴れにしようとした人がいたそうです。その人は青空をボールペンで塗りつぶしてしまい、インクの色が黒だったので一日中夜空のままになってしまったらしいです。この地域は森に囲まれている地形なのですが、その影響は森の外まで広がり新聞に載るくらい大事件になってしまったと話してくれました。このくらいの規模で、一年も経っていますと、財団も原因を突き止め収容していると考えられるので、私はこの世界に財団などの団体は存在しないと判断しています。
ボールペンは回収させてもらいました。

2023/06/13

昨日回収したボールペンの実験をしました。
一つ目は、生き物は具現化できるのか?というものです。物体は確認済みなのですが、生き物はどうだろうと考え実験をしてみました。結果は、成功です。が、最初は元気に走り回っていたけど、途中から元気をなくしていき、効果が消える頃には亡くなっていました。まるで生まれてから亡くなるまで早送りをしている感覚でした。
二つ目は、想像した大きさになるのか?です。今までに具現化したものは一般的な大きさで具現化されました。結果は、失敗です。50cmほどのボールペンを意識して描いたのですが一般的な大きさとして具現化されました。紙に描く大きさも変更してみましたがどれも失敗に終わりました。
他に気になったことが浮かびましたら後々追記します。

2023/06/14

この町には警察がいないことが分かりました。この町を探索してみたところ交番が発見出来なかったためですね。町の人に尋ねてみたところ、森の外にはあるらしいです。警察自体は存在しているのですね。あまり、この町では事件や争いが無に等しいほど見られないので、あまりこの町に警察を見ることは無いらしいです。

2023/06/15

今日は特に書くものがないので、少し自分の考えを書きましょうか。
私は昔からオカルト系統が好きで2chのスレをよく読んでいたのですが、特に好きだったのが異世界に迷い込んだ系です。今の私の状況ですね。有名なのは時空のおっさんとかですかね、今でも私の前に現れませんが。異世界が怖いとかのイメージを持っている人が多いと思いますが、ここは違いますね。逆にこっちの次元より美しい幻想的な世界です。もし他の人が来たら10人中10人がここにいたいと答えると思います。そして、2chのスレの内でここに迷い込んだことがある人は多いのではないでしょうか?最近のスレだと数秒でもとの次元に戻る系が多かった記憶がありますし、共通点としては神社が鍵となっているからですね。なぜ私だけがここに長時間滞在しているのかは分かりませんが、もし他の人が私みたいになっていたらこの幻想が壊されていたかもなので、私でよかったと思っています。

2023/06/16

今日はとても進展がありました。と言いましても、町の人が時空の歪みを神社内で発見したらしいです。その方は私の次元に興味を持っている方で定期的にお参りに来て下さる方なのですが、両手を組みながら鳥居をくぐって前を見てみると渦を巻いた歪みが見られたらしいです。しかしながら、その歪みは一瞬として消えてしまいましたが。私の場合は見えてからすぐに飛び込んだため発生時間などは確認出来ませんでしたね。そこも気になります。
私も結構な回数、鳥居をくぐっていますが時空の歪みは未だに発見できていません。何かが違うのでしょうか?何か条件があって、それを満たさないと発生しないとかですかね。例えば、何かを身につけないと発生しない、何か願い事をしながらくぐらないといけない的な?まずは、考えられる条件を試していきましょうか。

2023/06/17

今日は時空の歪みの発生条件を調べましたね。以下の条件で鳥居をくぐってみました。
・お守りを身につける
・手を組んでみる
・お参りしてからくぐってみる
・道の真ん中を歩いてみる
以上の方法で試しましたが、全て失敗に終わりました。これだと振り出しに戻りましたね。それと、こちらの世界でも時空の歪みが発生したということは、こちらの世界から私の次元へと移動出来るということになります。そうなってしまうと、こちらの世界も元にいた次元もどちらにせよ得にはならないので、守るためにはしっかりと対策を立てる必要がありますね。元の次元に戻ったら一番最初にやらなければいけませんね。

2023/06/18

食材はどこから調達しているのか気になたので、町の住人に尋ねてみました。すると、外から全て調達しているとのこと。私が町の探索をした時に畑を見た記憶があるのですが、そこからは入荷しないらしいです。しかし、その畑も相当の大きさがありましたので、おかしいですよね。あの量をの農家の家族だけで食べきることは難しいと思いますし、普通ならばお金も欲しいところなので出荷しないのは判断が間違っていると思います。今日は時間があまりなかったので農家の方に聞けませんでしたが、明日尋ねてみることにしましょうか。

2023/06/19

話を聞いてきました。詳しくは教えたくないとのことなので、できる限り教えてもらいました。毎年不作が続いているため出荷できるほどの量が出来ないと言われましたが、二毛作も行っていると聞いたため少しは出荷できるのではないか?と思うのが正直なところです。それとも、出荷できる大きさだが、虫に食われていたり、土が元々良くないのでしょうか?しかし、虫ならば農薬などで駆除出来ますし、土なら多少の知識があると認識しているので、違和感が拭えきれません。もしかしたら、私の知識が足りないだけかも知れません。

2023/06/20

最近空気がピリピリしている感じがします。最近、町の人に過剰に心配されますし、前よりも元の次元に戻そうとしている気がします。最初は快く迎えてくれたのに。
今日は特に進展などがなかったのですが、このまま帰れなくてもいいやと思っているところですね。私、この世界が大好きみたいです。しかし、それだと財団を裏切る行為になってしまうので、どうすればいいのでしょうか?心に迷いがある状態は良くないので、明日は気分転換でもしましょうかね。

2023/06/21

今日はみんなの顔色が悲しい色になっていました。町の人が数人で固まって話していたのですが、話が耳に入る度に「神様が来る」だとか「またあの日がやってくる」だとか普段ならしない会話しかしてませんでした。神様は私の知る限りいい方だと思っていますが、こっちの「神様」は悪いことをするのでしょうか?8日に神社の方が言っていたことがヒントになりそうですね。
そしてあの日がやってくるという言葉。あの日ということは周期的にやってくるということでしょうか?みんなが言うということはその出来事が起こる日が近いということですよね。

2023/06/22

みんなの顔が絶望の色になっていました。少女も来なかったですし、神社の方なんて民間人より険しい顔をしていました。そんなに酷いことがこれから起きるのでしょうか?それより、この世界は元々美しくなく恐ろしい存在が襲うのでしょうか?何より、明るい明日が来ることを願います。

2023/06/14

日付が飛んでいますね。やっと頭の整理が終わったのであの出来事を書いています。
あの出来事が起こったのは23日です。町に出てみるとみんなが話し合っていました。そこで、私に教えてくれたのです。今まで隠していたことを。毎月23日には「神様」が来て災害を起こすらしいです。神の気まぐれなのか災害を何日まで起こすかは分からないらしいです。月によって内容が違い、1月は大寒波が町を襲う、2月は大雪になって雪が溶けるまで道が歩けなくなる、3月は大地震が起きて運が悪いと死者が出る、4月は害虫の大量発生で作物がやられてしまう、5月は雹が降る、6月は大雨が3日間降り作物が枯れてしまう、7月は大雨で土砂崩れが起き、8月は猛暑が襲い熱中症の人がでて、9月、10月は台風が通り、11月が弱いが地震が起き、12月は交通事故が起きやすくなるらしいです。なので、食材などの食べ物は外部から調達していると話してくれました。
災害によって倒れた建物とかは次の日に直るらしいのですが、死者や作物は戻らないらしいです。

毎月23日に起き、災害が起きているときには黒い霧が上空にかかるんです。太陽も隠されるためずっと真っ暗なままです。
住人は全員神様がやっていると信じているので、私はみんなに神様に祈ってみたらどうなんですか?と言ったのです。私のいる次元は神様に祈るといいことが起きると信じられていますので、言ってみたんです。しかし、住人のみんなはやってみたがダメだった、行いを良くしているのに未だに災害が起きるんだ、意味が無いだろと言うばかりでした。確かにと思ったのですが、私は何かが引っかかりました。神様なのにこんなことをするのか?振り払うことができない違和感でした。なので少女に聞いてみることにしたんです。
そしたら、神社の方が1番知っているのではないかと話してくれました。確かに、「神様」をよく知っているのは神社の方です。なので少女と一緒に神社へ行きました。

特に神社に着くまでは何も無かったのです。しかし、神社に着いた途端に黒い霧が神社から上空へと飛び出してきました。どんどん暗くなって行く空と共にポツリ、ポツリと雨が強くなっていきました。そこで少女と息があったのか神社の中へ同時に飛び込んでいきました。
神社のど真ん中で神社の方が手を組んで正座していました。まるで何かに祈っているように。そこで、少女が神社の方に近づいて行きました。どんどん縮まっていく距離と共に雨が強くなるのを感じました。少女がついに神社の方に話しかたのです。神社の方は何かしら慌てているようだったので、とりあえず落ち着かせました。

落ち着いたのか少しずつ口を開いて私に1つずつ丁寧に教えてくれました。
まずはあの黒い霧のこと。あれは前に話された「神様」でこの土地に古くから伝わっているものです。最近までは閉じ込められていたらしいですが、ここ数年で封印が溶けたらしいです。そして毎月災害を起こして人々を困らせているのとのこと。理由は不明なままです。しかし、私はその「神様」に引っかかりました。なんか心にある謎の違和感。このままではダメだと心の底で思っていました。なので、黒い霧の発生源に案内してもらえるかお願いしました。
返事は大丈夫だとのこと。黒い霧自体は害がないらしいので発生源の箱まで案内してもらいました。一応との事で少女は神社ないです待ってもらうことにしました。
発生源に近づくほどに込み上げる不安と焦り。それを堪えながら目に見えたのは、禍々しい雰囲気をまとっている手に乗るぐらいの大きさの箱でした。箱には御札が貼ってありましたが、見事な程に破れていました。そこで私は気づきました。まずまず「神様」を封印するなんて可笑しいのではないかと。そこで前に見せてもらった本を思い出しました。それを見れば黒い霧の本当の正体を分かるのではないかと。
そこで、少女に手伝ってもらい本を読み直しましたが、何も手がかりがありませんでした。3人の顔色に諦めがつき始めた頃少女が新たに本を見つけたのです。本棚の後ろに薄い本が張り付いていました。剥がしてみてみると、そこには黒い霧の正体と本当の「神様」のことが書かれていました。

黒い霧は人々の不満の塊だったのです。あの世界ではなく、こちらの次元の人の不満。その不満が月ごとに集まり23日にストレス発散みたいに災害として開放されるだとか。集まりが酷いと死者が出ることもあるらしいです。
そして、本当の「神様」。ここの「神様」とは人が信仰することにより具現化するらしいです。そして、信仰が少ないと神様の力が弱まり存在することが出来なくなるらしいです。そして「神様」は、この黒い霧を封印することが出来るというのです。3人の周りに前みたいな希望が降り掛かってきました。そして、分かればこちらのもの。急いで駆けだし放送を流してもらいました。この神社に集まるようにと。

町の住人は少ないのですぐに集まりました。そしてわかったことを伝えていきました。最初は暗い顔をしていましたが、伝え終わった後にはみんなの顔に明るさが戻っていました。そしてその中の1人がこう言いました。ダメ元でもいいから祈ってみたはどうですか?と。
賛成の手が次々と上がっていきました。強まる雨と共にみんなの希望も強まっていきました。そして祈ってみることにしました。私と神社の方が前にしてみんなの気持ちをひとつにして祈りました。神様が助けてくれますように。

ただただ時間が過ぎていく中で諦めの顔がみんなに出てきました。しかし、暗い霧の中で強い光が現れました。着物を着た一人の女性が目の前に現れたのです。そこでその方が言いました。
「私が神様です。あの本に気づいてくれてありがとうございます。後は私に任せてください」と。今でもはっきり覚えています。その後は、その神様が空へ旅立ち一瞬にして黒い霧から光が現れました。そして私に着いてきて欲しいと、述べました。

神社の中には私と神様だけ。箱の前にくるとあることを教えてくれました。
まずは箱の話。これは人の不満などの負の感情を集めて貯めた後に放出するものだと。こっちの次元のコトリバコと同じものだと教えてくれました。あちらの世界だと老若男女問わず命を奪ってしまいますけど。と苦笑しながら。ここではコトリバコは呪うための道具で一家を根絶やしにするために作られたものだと思いますがと言ったところ、内容が違うのはあの世界の異常性のせいだと言いました。あの世界は外観は同じですが、中身が違うようになっているのだそうです。なので、住人がこっちの次元と違ったわけですね。なのでコトリバコも同じ見た目ですが、あの世界だと災害を起こす呪いの道具、こっちの次元では子供を亡き者にする呪いの道具になっているのだそう。とても難しいですよね。でも、あの世界でもコトリバコと同じ見た目で名前もコトリバコと呼ばれているためコトリバコと同じと言ったらしいです。
それと、私がこの世界に来た理由。ひとつは、私が異世界体験をしたいと思っていたこと。もうひとつは、私の探究心などがこの事実を見つけてくれると感じていたかららしいです。だから滞在時間が長かったのですね。
そして感謝を述べたあとであっさりと御札を箱に貼りみんなの元へ帰りました。

神様がみんなの元へ行くと、大声で「これで霧を封印出来ました。ありがとうございます。」と言いました。その瞬間に歓声が上がりました。そして、その後に私の目に映ったのはあの少女の顔でした。幸せそうな顔でありがとう。と、心のこもった声で言ってくれました。また幻想があの世界に戻ってきてきたのです。
その後神様は神社の方の元へ行き、信仰が失われるまでここにいると告げました。あの幸せな世界でみんなに囲まれました。ずっとここにいたいと思いました。しかし、あの世界を守るにはこっちの次元からのアクセスを無くさなければと思いました。その瞬間、神様がこちらに手を振りました。

振り返さないと、と思ったのですが気づくと周りに人が消えていました。迷いこむ前のあの神社がぽつんと目の前に建っているだけです。数分は何も考えられずに、ぼーと突っ立っていました。しかし、何かが頭によぎり携帯端末で日付を確認してみました。すると、日付は06/11でした。あの世界では約2倍、時間の流れが早いようでした。

一緒で消えてしまった幻想のことを思いながら今は新幹線に乗車しています。その隙間時間にこれを書いていますが、サイトに着いたら上手く話せるようにもう一度整理しとかなければですね。

この後、神田博士が勤務していたサイト-81██に戻りこの日誌を見せながら以上のことを財団に伝えました。SCP-3000-JP-Aには多少の危険性があると判断されたため、収容プロトコルが確立されました。

一通のメールが届いています。内容は以下の通りです。




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