アイテム番号: SCP-3020-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-3020-JPはサイト-8123の低脅威度物品収容ロッカーに収容されています。SCP-3020-JPは全体を布で二重に保護し直接接触できない状態にしてください。SCP-3020-JPを実験に用いる際は、クリアランスレベル4以上の職員1人以上から許可を受け、素肌の露出を抑えた服装で行ってください。
SCP-3020-JPに接触した財団職員及び財団外の人物は、非異常性人型拘束房に36時間拘束してください。拘束解除後は接触者にクラスC記憶処理を行ってください。
説明: SCP-3020-JPは無地で黒色のビニール傘です。製造会社を示す特徴はなく現在調査中です。実効直径は130cmあり、一般的な成人男性を完全に覆うことができます。SCP-3020-JPには、親骨の交換・防錆剤のコーティング・傘布の穴の縫い合わせなど、幾度も補修された形跡があります。
SCP-3020-JPの異常性は素肌でSCP-3020-JPに接触した際に発現します。布越しなど間接的接触であれば異常性は発現しません。SCP-3020-JPに接触した人物には接触から約2分後、角膜・水晶体の変質が始まります。約10分で変質は完了しますが、その過程で曝露者は不快感を感じません。変質した角膜・水晶体の影響で、従来の可視域に加え0.00██nm~0.00██nmという極僅かな波長域を視認できるようになります。当該波長域では既知の非異常である電磁波以外は観測されていません。
曝露者はSCP-3020-JPを差し、視認可能となった未知の降下物1から自己防衛したいという強迫観念を感じます。それに伴い屋外・屋内問わず1日中SCP-3020-JPを差すようになります。食事中・排泄中・就寝中など例外はありません。SCP-3020-JPを取り上げようとすると曝露者は激しい抵抗を行います。また、SCP-3020-JPを取り上げると曝露者は数分で重度の急性ストレス障害の症状を示します。その際、暴力を伴うSCP-3020-JPの奪回や自己終了を企図するようになります。
曝露者は接触から4日目、より重度の強迫観念を感じます。多くの場合は他人との接触を避け、食事を取らなくなり、歩行を含む移動を行わなくなります。また、SCP-3020-JPを差しているにも拘わらず自己終了を企図する確率が飛躍的に上昇します。この状態でSCP-3020-JPを取り上げようとする場合、曝露者は抵抗を行いません。
以上の状態はSCP-3020-JPの異常な作用ではなく、曝露者の精神面に起因していることが確認されています。
曝露者はSCP-3020-JPの接触を絶つと約1日で曝露者の角膜・水晶体の機能は通常に戻ります。その後クラスC記憶処理を施すことで強迫観念は消失します。適切な治療を行うことで、ストレス障害の治癒を見込めることが確認されています。
SCP-3020-JPは岐阜県中津川市の民家で発見されました。発見当時、SCP-3020-JPの下に民家の住民と確認された2人の白骨化した遺体が発見されました。遺体には移動された形跡がなく目立った外傷がないことから、SCP-3020-JPの下で衰弱死したと思われます。SCP-3020-JPの入手経路は現在調査中です。
以下、SCP-3020-JPの実験およびインタビュー記録です。
補遺: