アイテム番号: SCP-3076-JP
オブジェクトクラス: Safe Keter
特別収容プロトコル:
SCP-3076-JP-1はサイト-81██の標準低脅威物品ロッカーに厳重収容してください。レベル4以上の職員の承認なく接触することは禁止されています。また、実験は全面凍結中です。
SCP-3076-JP-2(派生異常個体)は日本国内の消しゴムおよび文字消し道具(修正テープ・修正液など)に紛れて確認済みが72個(2025年11月時点)。財団は国内文具製造・流通網を監視し異常個体の回収を試みていますが、完全収容は不可能と判断されています。一般市民への情報統制として、██ブランド消しゴムは「品質不良」としてリコール中です。
説明:
SCP-3076-JP-1は外見上、一般的な██ブランドの白いプラスチック消しゴムです。使用しても摩耗・劣化しないため半永久的に使用可能です。
自身で書いた文章をSCP-3076-JP-1で消去すると、文章に記載された内容に関連する記憶が完全に消失します。
消失した記憶は、現行のあらゆる技術・異常オブジェクトでも回復不可能です。
発見経緯:
SCP-3076-JP-1は、██県██市に所在する文具卸売業者の倉庫にて発見されました。
同倉庫では、20██年█月頃より在庫数の不一致が継続的に発生しており、帳簿上の数量と実際の在庫数が一致しない事例が月平均で15件以上確認されていました。倉庫管理者は当初これを「記録担当者のミス」と判断していましたが、担当者自身が誤記録を行った覚えがないと証言したため、内部調査が開始されました。
調査の過程で、在庫記録の訂正跡やメモ書きの修正箇所が複数見つかりましたが、訂正した本人がその作業を行った記憶を一切保持していなかったこと、また訂正内容が担当者の文体と一致しないことが判明しました。
財団が不審な記憶欠落事例として介入した際、倉庫の棚の一角で、管理記録に存在しない消しゴムが1個だけ不自然に置かれているのが発見されました。これがSCP-3076-JP-1です。
倉庫記録の再調査により、過去の在庫修正時に従業員が誤ってSCP-3076-JP-1を使用し、帳簿の数値を消してしまったことが示唆されています。これに伴い、従業員は「どの数値を修正しようとしたか」「なぜ修正したか」という行為に関する記憶を失っていました。
倉庫から回収後、従業員8名に対して聞き取り調査が行われましたが、全員が
「帳簿を修正した覚えはないが、修正済みの字跡は自分の筆跡に見える」
と証言しており、SCP-3076-JP-1の異常性によるものと判断されました。
テストログ:
| テスト 1 | 単純記憶への影響確認 |
| 対称 | D-8123 |
| 手順 | 「リンゴ」と紙に書き、消去させる。 |
| 結果 | 対象は「リンゴ」という単語を理解できず、絵を見ても名称を答えられなかった。「見たことはある気がするが、名前を知らない」と発言。 |
| 備考 | 概念自体の理解が失われている可能性あり。 |
| テスト 2 | 個人的記憶の消去 |
| 対称 | D-9210 |
| 手順 | 「最も嫌いな人物との記憶」を文章化し、消去させる。 |
| 結果 | 30秒後、対象は「その人物の顔を思い出せない」と主張。10分後には「嫌いな人物が誰一人思い浮かばない」と発言。 |
| 備考 | 記述されていない周辺記憶まで影響が及んでいる可能性。 |
| テスト 3 | 未来の予定の消去 |
| 対称 | D-4418 |
| 手順 | 「明日10時に実験室へ行く」と記述し、消去。 |
| 結果 | 対象は直後に「なぜここに呼ばれたか覚えていない」と発言。翌日は呼び出し放送に反応しなかった。 |
| 備考 | “予定”ではなく“予定する行為”そのものの記憶が消失していると考えられる。 |
| テスト 4 | SCP-3076-JP-1に関する文章の消去 |
| 対称 | D-7711 |
| 手順 | SCP-3706-JP-1の簡易説明文(安全範囲)を記述・消去。 |
| 結果 | 直後に「何をしていたか分からない」と述べ、実験手順すら想起不能に。数分後にはSCP-3076-JP-1の存在まで忘却。 |
| 備考 | この結果により、以降「SCP-3076-JPに関する記述」を対象とした実験は禁止。 |
| テスト 5 | 文章以外の形状消去 |
| 対称 | D-1032 |
| 手順 | 紙に円と三角形を描き、消去。 |
| 結果 | 図形の意味理解は保持されたが、自身が描いた記憶のみ消失。「紙は最初から白紙だったのでは」と主張。 |
| 備考 | “意味を持たない対象”では行為のみが消えると推測される。 |
| テスト 6 | 他人が書いた文章の消去 |
| 対象1 | D-4401 |
| 対象2 | D-1221 |
| 手順 | 対象1に対象2が選んだ絵画を見せ、その感想について紙に記述。その後、対象2がその文章を消去。 |
| 結果 | 対象1の絵画に関する記憶が消失。一方で対象2の記憶に対しては影響なし。 |
| 備考 | “消した人物”ではなく、“書いた人物”の記憶に影響を及ぼすことが判明。 |
追加異常性(20██年発覚):
SCP-3076-JP-1の消しカスは、焼却・埋設など通常処理後でも自然界の物質循環を経て新たな「文字を消す道具」に混入する可能性があります。
この道具(SCP-3076-JP-2)が使用されると、SCP-3076-JP-1と完全同等の記憶消失効果が発現します。
ただし、
単にゴミとして留まる場合
ゴム製品一般など「文字消し以外の用途」に使われた場合
異常性は発現しません。
発現トリガーは「人間が文字を消す意図で道具を使用する瞬間」に限定されます。
補遺1::事件3076-JP-1
20██年█月█日、SCP-3076-JP-1の実験凍結後、残余の消しカス約3gの完全焼却処分が指示された。担当は山崎助手(レベル2)。
焼却後、灰を密封容器に入れて指定廃棄場へ搬出したが、搬出担当職員2名は「頭がスッキリした」と発言。翌日、職員Aが「自分の名前を思い出せない」状態で発見された。
さらに廃棄場作業員3名が「昨日の仕事内容をすべて忘れた」と報告。同月、廃棄場近隣小学校で児童27名が「今日習った漢字を全て忘れた」と集団発症。
調査で、焼却灰の一部が風で飛散し、近隣文具工場の空調フィルターに付着。その工場ではちょうど新ロットの消しゴムを製造中であった。12,000個中47個がSCP-3076-JP-2と判明。残りは既に全国へ出荷済み。
事件後、山崎助手は次のメモを残して失踪した。
メモ: [データ削除済]
この事件を受けてオブジェクトクラスがKeterに改定されました。
補遺2::異常性発現例
20██年█月█日:修正テープ使用学生が「試験勉強内容」を全て忘却。原料に消しカスが混入していた。
20██年█月█日:██県██中学校教師が新品黒板消しを使用、黒板を消した直後に「自分の職業」を忘却。
2024年12月:秋葉原の文具店で購入された修正液からSCP-3076-JP-2を確認。
2025年7月:ソウルの文房具店で購入された消しゴムからSCP-3076-JP-2を確認。









