SCP-3547-JP
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回収時のSCP-3547-JP、SCP-3547-JP-A

アイテム番号: SCP-3547-JP

収容クラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3547-JPはSCP-3547-JP-Aと供にサイト-8129内の専用倉庫内に保管されます。倉庫はレーシングコースに繋がっており、実験や定期メンテナンスの際はSCP-3547-JP-Aを移動させコース上を走行させることが可能です。SCP-3547-JP-Bの雇用、SCP-3547-JP・SCP-3547-JP-Aの分解は禁止されています。

説明: SCP-3547-JPは20██/██/██に自殺した真桑友梨佳氏の死体です。SCP-3547-JPはSCP-3547-JP-Aのボンネット内に組み込まれています。SCP-3547-JP-Aの外観は生前真桑友梨佳氏が所有していた軽自動車1と同一で、ボンネット内の部品がSCP-3547-JPとなっています。真桑友梨佳氏は同車内にて服毒自殺を行っており、回収されたドライブレコーダーの映像には以前からの職場での不幸や同車内での強制わいせつなどが自殺の原因であるという本人の陳述2が記録されていました。

SCP-3547-JPは真桑友梨佳氏の死後2分45秒後にSCP-3547-JP-Aのボンネット内に転移し、もともとあった内部部品は消失しました。SCP-3547-JPは腐敗の兆候を見せず、SCP-3547-JP-A内のオイルがSCP-3547-JPの血、マフラーからの結露水が尿になっており、このような体液が循環していてもSCP-3547-JP-Aは問題なく動作します。

SCP-3547-JP-Aを車両として運転することは可能です。SCP-3547-JP-Aは鍵を必要とせず運転席に乗った状態でハンドルを持ち、SCP-3547-JPから鼓動のような振動があった後運転可能な状態3になります。概ね従来の方法で運転が可能ですが、事故の可能性がある場合SCP-3547-JP-Aは事故を防ぐよう運転を阻害4します。衝突する可能性がある場合はブレーキを行い、ハンドルを切って障害物を避けたりなどSCP-3547-JP及びSCP-3547-JP-Aが傷つかない方法で事故を避けようとします。SCP-3547-JPを無理に傷つけようと運転するとSCP-3547-JPの振動が止まり運転不可能な状態になり、その時の運転者による運転をすぐには受け付けなくなります。

車体の洗浄やメンテナンスを行うとSCP-3547-JP-Aは稀にクラクションやライトの明滅でリズム5を刻むことがあり、担当研究員が声をかけた際も反応があることから真桑友梨佳氏の意識が存在しているのか現在でも議論がなされています。

20██/██/██にSCP-3547-JPは商業施設の屋内駐車場で回収されました。監視カメラにはSCP-3547-JPを遺棄した人物が確認されており、調査の結果株式会社████6の社員でした。株式会社████ではゴーカート類の貸し出しを行っており、記録ではマシンの不調で大きな事故を起こし賠償のため廃業に追い込まれたとされ、詳しい調査を行ったところSCP-3547-JPを業務に使っていたことが判明しました。

株式会社████はSCP-3547-JPの特性を理解していたと推測され、SCP-3547-JPを55個に分解しゴーカートに組み込んでいました。記録ではSCP-3547-JPの欠片が組み込まれた車両(SCP-3547-JP-Num7)はSCP-3547-JP-Aの持つ運転阻害の異常性を引き継いでおり、事故防止の特性を把握していた株式会社████はSCP-3547-JP-1~55を貸し出していました。

SCP-3547-JP-Bは20██/██/██時点での真桑友梨佳氏の職場の人物または井本 士郎氏8を指します。SCP-3547-JP-NumはSCP-3547-JP-Bを認識すると対象の殺害を試みるため、運転操作を受け付けず対象に向けて直進し衝突します。SCP-3547-JP-Bの身体が損壊するまでこの行動は行われるため、生存した対象は存在しません。後述のインシデント記録発生時、SCP-3547-JP-Bである井本 士郎氏と会社員の我孫子 天子氏、手出居 武氏、宝月 千代子氏の4名がSCP-3547-JP-Numによって死亡しています。

インシデント記録SCP-3547-JP: 前述の事故ではSCP-3547-JP-Bである井本 士郎氏がSCP-3547-JP-Num群に追突されて全身の複雑骨折や多量の出血によって原型をとどめない状態で死亡し、ゴーカートを借りていた観光客の平山 椎菜氏によって事故の様子が撮影されています。撮影された映像は事故の資料として警察が預かっていましたが、財団によって回収されました。以下がその映像記録です。

映像記録-3547-JP
日付: 20██/██/██
撮影者: 平山 椎菜氏

<映像開始>

[撮影者とそのパートナーである平田 良英氏がSCP-3547-JP-54、55に搭乗し公道を走っている]

平山氏: 最後ギリギリ借りれてよかったね。

平田氏: ラスト2台だったもんな。イヤッフゥーーーー!9

[数分にわたって公道を走りながら会話をする両者の映像。重要性が低いため割愛]

平山氏: 信号とかまじだるー。

平田氏: 前で待ってるのもカートの連中か、多くて邪魔だな。

[15秒の沈黙]

[交差点の向かい側の車道にてSCP-3547-JP-6が急発進する]

[横断中の歩行者(井本 士郎氏)に追突する]

平田氏: おい、何だあれ事故かよ。

[転倒した井本氏は起き上がりSCP-3547-JP-6の運転者に悪態をつく]

平山氏: うわー。ほんとに安全なのこのカート?

[交差点の左右からSCP-3547-JP-23、18、9が順番に飛び出し井本氏に衝突する]

平田氏: は?何が起こってんだ。

[その場から逃げる井本氏、追いかけるSCP-3547-JP-6、23、18、9]

[平田氏、平山氏が乗るSCP-3547-JP-54、55が急発進する]

平山氏: え!?待って待って!

平田氏: おい!冗談じゃねえぞ!

[交差点にいた計23台のSCP-3547-JP-Numが井本氏に向かって走行する]

[間髪入れずに井本氏は追突され、平山氏とSCP-3547-JP-55が井本氏に接近する]

井本氏: うぐ[呻き声]

[SCP-3547-JP-55が井本氏に衝突し、この場のSCP-3547-JP-Numが全台停車する]

[平山氏はパニックになり涙を流している]

井本氏: 俺が、何をした、てんだ。

<映像終了>

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