アイテム番号: SCP-3636-JP | Level 4/3636 |
オブジェクトクラス: Keter | Classified |
特別収容プロトコル: SCP-3636-JPの収容は困難であるため、その影響を最小限にすることが尽力されています。全国の刑事施設に潜入しているエージェントは財団によってフラグ付けされた受刑者を重点的に監視し、SCP-3636-JPの出現に備えてください。SCP-3636-JPが出現した場合、いかなる方法を以てSCP-3636-JP対象者の逃走を未然に防いでください。また、対象者となった受刑者は優先的にDクラスとして財団の管理下に置きます。
万が一Dクラス宿舎にSCP-3636-JPが出現した場合、上記同様SCP-3636-JPの試みを妨害するとともに、目撃者となったクリアランスレベル4未満の職員には記憶処理を施してください。
なおSCP-3636-JPを妨害する過程で、職員が対象者を損傷もしくは終了したとしても責任は問われません。その場合は適切なカバーストーリーを適用してください。
対象者が逃走に成功した場合、対象者の自宅及び関係者をマークし、対象者を再確保してください。
説明: SCP-3636-JPは冤罪被害者脱獄援助士プリズンブレイク・インディゴと自称する人型実体です。SCP-3636-JPは男性であり、藍色を基調とした衣服及び異常性を有した各種装備(SCP-3636-JP-A)を装着しています。
SCP-3636-JPは、冤罪により一般的に重いとされる刑罰1を受けて、日本国内の刑事施設に収容されている人物のもとに現れ、SCP-3636-JP-Aを用いてその人物を収容下から逃走させます。同時にSCP-3636-JPは局所的官僚災害2を発生させ、受刑者は法的に釈放されたとして各種文書を改変・新規作成し、逃走を合法化しますが、事件関係者への記憶処理などは行わないため、必然的に社会的混乱が発生します。
SCP-3636-JPはその能力から捕縛、収容は困難ですが、活動を妨害することで一時的に退けることは可能です。
以下は、現在判明しているSCP-3636-JP-A群の機能一覧です。
番号 | 説明 |
---|---|
SCP-3636-JP-1 | SCP-3636-JPが「プリズンブレイカー」と呼称する鍵形の機器です。どのような錠でも開錠することが可能であり、電子ロックもかざすだけで開くことができます。 |
SCP-3636-JP-2 | SCP-3636-JPが「イノセンススキャナー」と呼称するヘルメット状の機器です。SCP-3636-JPの発言によると、受刑者の記憶を読むことで本当にその人物が罪を犯していないか確認するためのものであり、同時に「無実を主張する人々の叫びを感じ取る」探知機の役割を持っています。 |
SCP-3636-JP-A-3 | SCP-3636-JPが「インビジブルマント」と呼称するマント状の装備です。全身を覆うことで光学迷彩効果を発揮しますが、熱探知は可能です。2着あり、対象者にも着用させています。 |
SCP-3636-JPA-4 | SCP-3636-JPが「サイレンサー」と呼称する端末型の機器です。半径約3メートルの範囲内で発生した音は効果範囲外からは聞こえなくなるという機能があります。 |
SCP-3636-JP-A-5 | SCP-3636-JPが「リバティースーツ」と呼称するGoI-8139("超電救助隊")のロゴがあしらわれた上下一体型のインナースーツです。装着することで高い運動能力を発揮し、かつ防弾・防刃・防火性能も備えています。 |
SCP-3636-JP-A-6 | SCP-3636-JPが有している官僚災害を発生させる装置です。SCP-3636-JPの発言から存在が示唆されています。名称は不明です。 |
出現記録3636-JP-5
出現日時: 20██年██月██日22時15分
出現場所: ████刑務所
逃走補助対象: 385番(現在はD-81385として財団に管理委託済み)
補足: SCP-3636-JP-A-4の効果により、音声は録音されていません。
監視カメラ映像記録
[再生開始]
385番が収容房で眠っている。扉の前にSCP-3636-JPが出現する。
385番が目を覚まし、SCP-3636-JPを確認する。
SCP-3636-JPと385番が数分間会話する。
SCP-3636-JPがSCP-3636-JP-A-1を用いて独居房の鍵を開錠する。
SCP-3636-JPがSCP-3636-JP-A-3を385番に渡す。
両名が消失する。
数分後、異変に気付いた刑務官が現れる。
[再生終了]
追記: 逃走した385番は自宅付近で再確保されました。
インシデント記録
20██年██月██日、SCP-3636-JPがサイト-81██のDクラス宿舎に出現しました。逃走補助対象となったのはD-814823で、放火により死刑判決を受けた元受刑者でした。
Dクラス宿舎にSCP-3636-JPが出現したのはこれが初の事例であり、当時は財団関連施設がSCP-3636-JPの出現対象に選ばれるとは考えられていなかったため、対処はやや遅れましたがD-81482の逃走は防ぐことができました。
インシデント後、今後同様のインシデントが発生することを防ぐために、Dクラス補充方法の改定が日本支部理事会によって決議されました。
補遺: Dクラス補充方法改定
財団日本支部は日本政府との協定により超法規的活動が認められる一方で、一部の活動には制限が伴います。Dクラスの補充もその一つです。
日本政府との協定では、Dクラスとして財団が利用できる人材は無期刑や死刑判決を受けた凶悪犯罪者、および敵対する要注意団体構成員、そして財団が独自に生成した人材に限られています。しかし、日本国内での凶悪犯罪の発生件数を鑑みると、明らかにDクラスの数は不足すると考えられました。日本政府との協定を度外視し、強制的に一般人からDクラスを徴募することも考案されましたが、日本政府との友好的な関係の有用性を考慮すると、協定を遵守している姿勢を見せることは今後の財団にとって利益となると判断されました。しかし、他の供給源からの供給量も不足分を補える量ではなかったため、財団は日本政府の定める「凶悪犯罪者」の絶対量を増やす必要がありました。
したがって財団は、異常存在による民間への被害のカバーストーリーとして「凶悪犯罪」を適用し、同時に適当な一般人を精神操作し、犯人と自認させることでヴェールの維持とDクラスの補充を同時に行ってきました。
SCP-3636-JPの出現以前までは、この方法では重大な問題が発生していませんでした。しかしこの偽装工作はSCP-3636-JPによって「冤罪」と判定されました。SCP-3636-JPの逃走補助対象に選ばれるには、その人物が自らを無罪だと認識していることが条件であると判明しています。したがって偽装工作の段階で、犯人役の一般人への精神操作に加えて「自らが犯人である」という疑似記憶を挿入することで、DクラスをSCP-3636-JPの選定対象から外すようにDクラスの補充方法が改定されました。
この改定以降、SCP-3636-JPはDクラス宿舎には出現していません。